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水前寺江津湖公園管理棟
熊本市南東部にある江津湖。
豊かな湧水を湛えた緑の湖畔は、散策やバードウオッチングの場として多くの市民に親しまれている。
その江津湖下江津地区一帯の水前寺江津湖公園の管理棟は、自然との調和を第一に考えてつくられた。
屋上緑化や自然素材の利用などで景観的にも周囲の自然に溶け込むよう工夫され、また、洪水時を考えて床レベルが高くなっている。
休憩室としても利用できる会議室やそのデッキからは、湖畔の景観が一望でき、散歩やジョギングに訪れる人々、水遊びをする子どもたちの新たな憩いの場である。
建築概要
江津湖は、阿蘇山からの伏流水が湧出してできた自然湖水で、年間を通じて水温が一定していることから、北方系と南方系の動植物が共存する希少な生態系をなしている。私達はこの公園管理棟の設計に当たり、このような自然に調和した建物を造ることを第一に考えた。
人々が園路を散策しながら、自然に建物にアプローチできるように、園路パターンと一体化した動線計画をし、公園が一望できる会議室/オリエンテーションルームを設け、内外の空間が連続するような建物とした。屋根は屋上緑化されていて、いわば緑の地面を切り取って浮かし、その間に施設を差し入れたような構成になっている。屋上の植栽には、江津湖の貴重な植生への影響や、管理のしやすさを考慮して、耐乾性を持つセダムという植物を選定した。
建築データ
名称 | 水前寺江津湖公園管理棟 |
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ふりがな | すいぜんじえづここうえんかんりとう |
所在地 | 熊本市広木町 |
主要用途 | 事務所 |
事業主体 | 熊本県 |
設計者 | 牛田英作+キャサリン・フィンドレイ |
施工者 | |
建築 | 竹内工務店 |
電気 | 太平興産 |
機械 | 旭設備工業 |
建築面積 | 299.00平方メートル |
延面積 | 266.01平方メートル |
階数 | 地上1階 |
構造 | 木造 |
外部仕上 | |
屋根 | アスファルト防水熱工法の上植栽システム (耐根シート、保温通気層)、セダム植え |
外壁 | ヒノキ集成材ドイツ下見張り木材保護着色塗料塗布 |
施工期間 | 1999年2月~1999年9月 |
総工事費 | 145百万円 |
建築家プロフィール
牛田 英作(うしだ えいさく) | |
1954年 | 東京都生まれ |
1976年 | 東京大学工学部建築学科卒業 |
1976年~83年 | 磯崎新アトリエ勤務 |
1984年~86年 | リチャードロジャースパートナーシップ勤務 |
1986年 | 牛田フィンドレイ建築デザイン事務所設立 |
1988年 | ウシダ・フィンドレイ・パートナーシップに改組 |
キャサリン・フィンドレイ(Kathryn E.Findlay) | |
1953年 | スコットランド生まれ |
1979年 | AAスクール卒業 |
1980年 | 東京大学工学部建築学科修士課程 |
1980年~82年 | 文部省給費留学生、 磯崎新アトリエ勤務 |
1986年 | 牛田フィンドレイ建築デザイン事務所設立 |
1988年 | ウシダ・フィンドレイ・パートナーシップに改組 |
主な作品 ECHO CHAMBER、TRUSSWALL HOUSE、SOFT&HAIRY HOUSE、保養所懐山居、ビリヤードハウス |
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受賞歴 | |
1994年 | FIRST ANNUAL TOKYO JOURNAL INNOVATIVE AWARDS建築部門 |
1996年 | 日本建築学会作品選奨 |
PHOTO:富重清治