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宇土市立網津小学校
建築概要
島原湾に注ぐ網津川の扇状地に位置する網津小学校は、三方が小山に囲まれて、湾に向かう平地部の魅力的な田園風景のなかに位置しています。また、同時に、この網津小学校は市民グラウンド、多目的研修施設、宇土市役所網津支所、市立網津保育園といった地域の公共的な施設と隣り合って連続して、地域の中心的な場所になっています。このような地の利を有効に生かして、児童がのびのびと学ぶ豊かな小学校にしたいと思いました。そこで、恵まれた環境に開かれた高さの低い開放的な校舎を薄い連続したボールト屋根にすることで周りの風景との繋がりを意識しました。
住宅が家族の家ならば、小学校は児童にとって初めて社会と関わる家であり、同時に大人にとっては地域社会の家であると考え、この連続ボールトの大きな屋根の下で活発に学び、庇の下の縁側スペースや校舎の周りで元気に遊ぶ児童、そして児童と一緒になって活動する先生方、更に、学校開放で楽しく交流する地域の人々の姿をイメージしています。
建築データ
名称 | 宇土市立網津小学校 |
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ふりがな | うとしりつあみつしょうがっこう |
所在地 | 宇土市網津町2082-3 |
主要用途 | 小学校(校舎) |
事業主体 | 宇土市 |
設計者 | 坂本一成/アトリエ・アンド・アイ 坂本一成研究室 |
施工者 | (校舎) |
建築 | 株式会社小竹組 |
電気 | 株式会社新星電気 |
機械 | 株式会社熊電施設 |
(渡廊下) | |
建築 | 合資会社岩下建設 |
敷地面積 | 13,700平方メートル |
建築面積 | 2,811平方メートル |
延面積 | 2,967平方メートル |
階数 | 地上2階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
外部仕上 | |
屋根 | 超速硬化ウレタン防水の上トップコート |
外壁 | コンクリート化粧打ち放し アクリルシリコン樹脂塗装 |
施工期間 | 2009年11月~2011年3月 |
総工事費 | 629百万円 |
建築家プロフィール
坂本 一成(さかもと かずなり) | |
1943年 | 東京都生まれ |
1966年 | 東京工業大学建築科卒業 |
1971年 |
東京工業大学大学院博士課程を経て、武蔵野美術大学専任講師 |
1977年 |
武蔵野美術大学助教授 |
1983年 | 東京工業大学 助教授 |
1991年 | 同大学 教授 |
2009年 |
東京工業大学名誉教授 アトリエ・アンド・アイ 坂本一成研究室主宰 |
主な作品 | 熊本市営託麻団地、House F、コモンシティ星田、東工大蔵前会館 |
主な受賞 | |
1990年 | 日本建築学会作品賞 |
1992年 | 村野藤吾賞 |