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熊本市花畑パークトイレ

熊本城に程近い楠やムクの大木が生い茂る由緒ある花畑公園。
朝夕の通勤・通学のコースにあるこのトイレの使用頻度は高い。
公園側、道路側の両方のアプローチがあり、中央には中庭が設けられている。
ブース内の機器の収まりにも細かい配慮がなされ、快いBGMが流れている。
街中の公衆トイレの定型ともいえる出来映えを見せ、好評を博している。
また、第5回グッドトイレ10選に選ばれ、さらに、落ちついた外観が評価され、第5回公共の色彩賞が贈られている。
建築概要
敷地となる公園は、三方を囲む街路面より約1.5m程高くなっている。
そこでトイレの床レベルは街路と同じ高さに掘り下げ、街路、公園双方からのアプローチが可能となるように、男子、女子、多目的トイレをそれぞれ別棟とし、それらが中庭を形づくるように配置されている。また、中庭はトイレの出入り口と街路の緩衝空間でもある。外観は、石組のオブジェとしての幾何学的構成で、質感は史跡公園として、形態は周辺ビルとの連統性が意図されている。


Photo:清島靖彦、KAP事務局
建築データ
| 名称 | 熊本市花畑パークトイレ |
|---|---|
| ふりがな | くまもとしはなばたぱーくといれ |
| 所在地 | 熊本市花畑町6 |
| 主要用途 | 公衆トイレ |
| 事業主体 | 熊本市 |
| 設計者 | 大塚豊一 |
| 施工者 | |
| 建築 | 大晃建設 |
| 電気 | 鳩野電設 |
| 衛生 | 九州環境保全 |
| 敷地面積 | 2,619平方メートル |
| 建築面積 | 51平方メートル |
| 延面積 | 43平方メートル |
| 階数 | 地上1階 |
| 構造 | 鉄筋コンクリー卜造 |
| 外部仕上 | |
| 屋根 | 塗膜防水 |
| 外壁 | 無釉磁器質タイル貼 |
| 施工期間 | 1989年5月~1989年10月 |
| 総工事費 | 28百万円 |
受賞データ
| 1990年 | グッドトイレ10 |
| 1991年 | 公共の色彩賞・環境色彩10選 |
建築家プロフィール

| 大塚 豊一(おおつか とよかず) | |
| 1950年 | 熊本県生まれ |
| 1974年 | 熊本大学工学部建築学科卒業 |
| 1974~76年 | 東京大学工学部香山研究室 |
| 1976~79年 | 沖種朗+設計連合勤務 |
| 1980~8l年 | 法政大学工学部建築学科助手 |
| 1982年 | 大塚豊一建築設計研究所開設 |
| 主な作品 | |
| 大黒屋INN、天草総合展示場・スペース1、阿蘇熊牧暢・野外劇場 | |

