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令和3年(2021年)5月20日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:令和3年(2021年)5月20日(木曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
説明用資料(スライド資料) (PDFファイル:1.48MB)
コメント
発表項目
質疑応答
- 梅雨入りについて
- 高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施について・その1
- まん延防止等重点措置について・その1
- 河川の堆積土砂撤去について
- まん延防止等重点措置について・その2
- 高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施について・その2
- 避難情報の一本化について・その1
- 新型コロナウイルスワクチンについて
- 避難情報の一本化について・その2
- 出水期までに実施する対策について
- 新型コロナウイルスに係る病床使用率について
- ダムの緊急放流に係る国試算資料の処分について
- まん延防止等重点措置について・その3
コメント
梅雨期の対応について
蒲島知事
最初のコメントです。
熊本県を含む九州北部地方が、5月15日に梅雨入りをいたしました。これは例年よりも20日ほど早い梅雨入りとなります。
5月15日から17日にかけてこの大雨には、山都町など県央地域を中心に「土砂災害警戒情報」が発表され、床上・床下浸水や法面崩壊による道路の通行止め等の被害が発生しました。山都町では、外出された70代の女性が行方不明となっています。現在関係機関と連携し、全力で捜索を行っております。
梅雨はこれからが本番であり、今日から明日にかけても大雨が予想されています。雨が治まっても、河川の増水や地盤の緩みにより土砂災害などの危険があります。
県民の皆様には、危険な場所への移動はくれぐれも控えていただきますようお願いいたします。
今後の大雨等に備え、県民の皆様に2点お願いがあります。
1点目は、「事前の備え」についてです。
飲料水・食料品などの備蓄の確認や市町村のハザードマップ、県の防災情報ホームページなどで、身の回りの災害リスクを今一度確認してください。
また、家庭やご近所の方と、避難所や避難経路の確認もお願いします。
2点目は、「命を守る行動の実践」についてです。
災害から命を守るためには、何よりも早期に、かつ確実に避難する「命を守る行動」を実践していただくことが重要です。
県では、住民お一人お一人の避難行動を時系列にまとめた防災行動計画「マイタイムライン」ガイドブックを作成いたしました。県ホームページへの掲載のほか、各家庭でご活用いただけるよう、概要版を明日から6月中旬までには全世帯に配布いたします。ぜひ、「マイタイムライン」を作成し、避難行動に活かしていただきたいと思います。
県では、昨年7月の豪雨災害を教訓として、「逃げ遅れゼロ」の実現に向け、市町村と連携した実戦的な訓練を繰り返し実施するなど、災害対応力の向上に努めて参りました。
梅雨期を迎え、県民の皆様の命を守るため、引き続き最大限の緊迫感をもって対応して参ります。
コメント
新型コロナウイルス感染症対策について
蒲島知事
続いて、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
5月16日から国のまん延防止等重点措置の適用に伴い、対策を強化し、本日で5日目となりました。
今回、特に、熊本市において、飲食店への終日の酒類提供の自粛や、大規模集客施設への営業時間短縮などを要請しております。
事業者の皆様には、大変ご負担をおかけしておりますが、要請にご協力いただき、お礼申し上げます。
本県の感染状況については、5月18日時点で、1週間の新規感染者数が662人、病床使用率が56.4%、PCR陽性率が16.2%となっています。依然として、国の「ステージ4」の水準が続いています。
一方で、4月下旬から、不要不急の外出自粛要請や、酒類提供飲食店への時短要請を行っている熊本市中心部は、夜の人流が県独自の緊急事態宣言を発令していた時期と同程度まで減少しています。
また、今回、不要不急の外出自粛や、営業時間短縮のエリアを県全体に拡大しました。今後、徐々に県全体の感染状況で効果が出てくるものと期待しています。
第4波を抑え込めるかどうかは、県民お一人お一人の意識や行動にかかっています。
引き続き、県民や事業者の皆様におかれましては、要請へのご協力や感染防止対策の徹底をお願いいたします。
発表項目
高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施について
蒲島知事
続いて、発表に移ります。
県では、まん延防止等重点措置の適用に伴う対策強化の一環として、高齢者施設等の従事者を対象に、定期的なPCR検査を実施いたします。
高齢者施設等で感染者が出た場合、施設内で多くの人に感染が広がりやすくなります。また高齢者は重症化するリスクが高いと言われています。
そのためできるだけ早く感染者を発見し、クラスターの発生を防止することが重要です。
県としては、クラスター発生防止に向け、オンライン研修やチェックリストを用いた、各施設における自主的な取組みをお願いしてきました。
しかしながら、現在、第3波を超える、過去に例のないスピードで感染が拡大しております。
この状況を踏まえ、すべての施設従事者の方々を対象に、週一回程度、定期的なPCR検査を実施いたします。
各施設の皆様には、クラスターの発生を未然に防ぎ、また第4波を一日も早く抑え込むために、検査にご協力をお願いいたします。
なお、本事業と営業時間短縮に係る協力金について、先ほど私の専決により、116億円を予算措置いたしました。詳細については、このあと事務方から説明を行います。
発表項目
BDF(バイオディーゼル燃料)の普及について
蒲島知事
続いての発表です。
県では、軽油の代替燃料であるBDFの普及と利用促進に取り組んでいます。
このBDFは、家庭で天ぷらなどに使用した植物油から作ることができます。
植物の成長過程でCO2を吸収していますので、BDFの使用によるCO2の排出はゼロカウントとなります。これは『2050年ゼロカーボン』に向けた取組みの一つとして熊本が進めているものです。
そこで、家庭で出た廃食油の回収について、県内市町村で取り組んでいます。
県庁においても、今週5月18日に率先行動として、県職員が家庭で使用した油を回収する取組みを行いました。
約160人の職員が参加し、約120リットルの油を回収することができました。
このBDFは、県内ではこれまで熊本地震時における大規模解体工事の工事車両の燃料や、2019女子ハンドボール世界選手権大会のイベント等における発電機にも使用されました。
また、園児の送迎バスに使用している幼稚園もあります。
さらに5月25日から、新たに八代市内の災害廃棄物処理施設で、BDFが発電機や重機などの燃料として使用されます。
県内で回収した廃食油を利用したBDFが使われることで、災害からの復興とエネルギーの地域内循環、地球温暖化対策を一体的に推進することができます。
『2050年ゼロカーボン』に向けては、このような一人一人の小さな活動が、どのようなかたちで社会の役に立ち、地球温暖化の防止につながるかを「見える化」することが大切です。
県民の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
質疑応答
梅雨入りについて
(幹事社)
梅雨入りが例年より20日早かったということで、球磨川流域で懸念されていた脆弱性(について)です。これについての対応ですけれども、梅雨入りが早かったことに対して、今どのような危機感を持って対処を(されていますか)。
蒲島知事
(梅雨入りが例年より)20日ほど早いということで、5月の末までに堆積土砂(の撤去)、河川掘削を終わる予定でありました。
90%近く終わっているということですけれども、皆さんもご存知のようにこれは100%終わらないと治水にとても大きな懸念がありますので、この終わってない部分がちょっと心配だと思っています。
ただ、これについては、(堆積土砂の撤去)に携わった方々、それから計画してくださった方々、そして国のほうの予算措置も、迅速に行っていただきましたので、皆様に感謝しながらも、(梅雨入りが例年より)20日早かったことが、番狂わせではないですけれども、そこまで早くなることを予想できなかったということで、今回この雨がひどくならないことを祈るだけです。
質疑応答
高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施について・その1
(幹事社)
高齢者施設の従事者へのPCR検査に関してなんですけれども、これは従事者の方は無料でできるものなのかという点と、熊本蔓延防止宣言の期間内で実施されるものなのかという点をお聞きしたいです。
蒲島知事
これについては、担当課のほうからお願いします。
(担当課)
高齢者支援課でございます。無料で受けられるようにしたいと思っております。
実施期間につきましては、今日、専決というお話がありましたけれども、予算措置が通りましたので、今から委託業者を決めたりしていきますけれども、週一回程度やっていくこととしておりまして、大体4回と思っておりますけれども、蔓延防止宣言の期間には恐らく終わらないと思っておりますので、その期間については、柔軟に対応していきたいというふうに思っております。
質疑応答
まん延防止等重点措置について・その1
Q
まず、1点目でお伺いしたいのが、知事のコメントにもありましたけれども、まん延防止の措置をとられて、状況として1日に100人程度の感染者が今も続いております。まだ効果が出ていないと見ていらっしゃるのかその辺をお伺いします。
蒲島知事
はい。(まん延防止等重点措置の適用から)ちょうど1週間程度だと思いますけれども、まん延防止等の重点措置の効果が(出てくるのは、)我々が予想しているのは大体2週間後です。だから、これから1週間程度後に効果が出てくるんじゃないかなと思っています。
ただ、人流に対する効果は、極めて明快に出ているんじゃないかなと私は思います。
例えば、通町筋の人流なんか見てみると、かなり下がっています。これは、22時の段階でも、それから20時の段階でも減っているので、人が歩いていないということの実感にもつながっているのかなと(思います)。それが実際に効果が出てくるのは、あと1週間後くらいかなと思っています。
客観的に見ると1週間後くらいに効果が出てくるとうれしいなと思っていますけれども、県外からの人流、そういうことも踏まえて、昨日の九州知事会でも、県境を越えての交流を抑えようということも話し合いました。
九州知事会のあと、九州だけの県境はいいんじゃないかというのが多かったんですけれども、東京都とか大阪府は抑えたいけれども、今回、九州内でも県境を越えないようにしようという宣言もしていますので、あと1週間後に効果があればいいなと思って今見ているところです。
Q
すみません、これは知事にお聞きするというより、多分担当課のほうだと思うんですが、知事がお答えになった熊本市中心部の夜の人流の、(前回の県独自の緊急事態宣言発令時と)同程度まで減少ということなんですが、いつからいつ、どの範囲で具体的な数値をあとで教えてください。
(担当課)
健康危機管理課でございます。通町筋のデータにつきましては、最小値が前回の県独自の緊急事態宣言の発令時の1月29日、1万4,237人、(これは)7日間平均です。
それが今回は5月18日時点で、22時でも1万5,773人とかなり県独自の緊急事態宣言発令時に近い状況にまで減ってきているということでございます。
蒲島知事
(報道の)皆さん(データを)持っていらっしゃらなかったら、あとで事務局に頂いたらいいと思います。とても明快に示されています。
Q
データを頂けると助かります。
質疑応答
河川の堆積土砂撤去について
Q
さっき幹事社の質問でもありましたけれども、(河川)掘削工事等の予定を前倒しとか、そういうことは今のところ考えていらっしゃらないですか。
蒲島知事
当然、前倒しというか、最大限のスピードで業者の方々はやってくださっています。そして雨で遅れるということも考えられますよね。
それを含めて担当の土木部のほうも、そして業界の方々も同じ方向で、前倒しというかとにかく最大限急ぐということで進まれるというふうに思っています。
Q
繰り返しになるんですが、河床掘削については、5月末までに終えたいという考えはお変わりないということでよろしいでしょうか。
蒲島知事
当然、それが目標ですし、それから皆さんもご存知のように、河床掘削というのは、川の全部が終わらないと、どこかで残っていればどうしてもそれが阻害要因になりますよね。
それを下げながらどうやってスムーズに流れるかということをやっていくと。
ただ、90%終わっていますので、5月の末までにどこまでいけるかということですけれども、雨があまり降らないと大丈夫だなと思いますけれども、今日みたいな雨がずっと降れば、天気予報を見ると今日までですよね、明日、明後日くらいから晴れが見えているので、楽観的に見るとそこでまた頑張ればいいのかなと思っています。
すみません。土木部のほうでどういう動向か教えてください。
(担当課)
河川課でございます。今、知事が話しましたように、4月末の時点での進捗として90%ということで、先日皆様方にもお知らせをしたところでございます。
今現在、5月末の完了を目指して現場も一生懸命頑張っているところです。
知事の発言にありましたように、雨が降っている状況での作業というのは、非常に危険を伴いますので、そういう状況も鑑みながら努力したいと思っているところでございます。以上でございます。
質疑応答
まん延防止等重点措置について・その2
Q
まん延防止のことで一つお尋ねなんですが、先日の対策本部会議では、対象地域を広げることも検討するということもおっしゃっていました。
連日100人前後の感染者出ているんですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
蒲島知事
この前の会議で言ったのは、熊本市外でも同様に感染拡大が見られた場合は、その状況を踏まえて、対象地域の拡大も検討しうるとお答えしています。その状況を見なければいけません。
今はまだ、まん延防止等重点措置を始めたばかりですから、まだ一週間ですから、これをとにかく熊本市をきちんとやって、その効果を見るという段階です。
Q
今のところ広げるお考えはないということでよろしいですか。
蒲島知事
今のところというか、状況を見てそういう状況であれば広げるけれども、広げないということではなくて、その可能性もありながら注視していくということです。
Q
わかりました。
質疑応答
高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施について・その2
Q
高齢者施設などへのPCR検査の実施って、かなり対象も広いですし、大きな取組みだと思うんですけれども、改めて施設への感染拡大防止がいかに重要かという知事のお考えを聞かせていただけますか。
蒲島知事
まず、先ほど申しましたけれども、高齢者施設の場合は、入所者の方々は重症化するリスクがとても高いですよね。そういうことと、集団感染が発生した場合、入所者がそこに住まれていますので、施設運営への影響がとても大きいと。それから医療提供体制の負荷がとても大きくなると。
そして、感染者がいる場合、早期に発見することでより(効果的な)対応が可能になるということだと私は思います。本県においても、まん延防止等重点措置の適用を受けて、まずは高齢者施設ですけれども、他にもそういう施設はないのかと、そういうポピュレーションといいますか、集団はないのかということも、我々もいろいろ考えたのですけれども、まずは高齢者施設を徹底的にやろうというかたちで今やっているところであります。
対象の施設が熊本市で約400、熊本市外で1,000くらいあります。対象の従事者の方が総数で3万2,000、熊本市で9,000、そして熊本市外で2万2,000人ですので、かなり大きいポピュレーションです。人口ですね。それについて効果的にやれば、抑えることも可能だというふうに思います。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
避難情報の一本化について・その1
Q
大雨に関連してですが、本日から自治体が出す防災情報が大きく変わりまして、避難勧告が廃止されて、避難指示に一本化され、既に天草市のほうでは今日、避難指示が出ました。
レベル4ということで、このレベル4までには、完全に避難を完了させるということを目標に、今回新たな防災情報として出されているわけですけれども、知事として、県民の皆さんに、このレベル4が出た段階での心構え、前半のコメントでも若干おっしゃっておりますが、改めてメッセージを出していただいていいですか。
蒲島知事
今回は、避難指示のメッセージが非常に明快ですよね。避難指示が出たらきちんとそれを守っていくことが、自分の身を守ることであるし、それが今回の改正の大きなポイントだというふうに思います。
わかりやすさ、メッセージ性、それが今回、改正の目的だと思いますので、それに沿って、自分でいろいろ解釈せずに、それに沿ってやっていただきたいということが1つと、もう1つは、やはり空振りを恐れないことですよね。空振りを恐れず、そして避難指示に従うということがとても大事だと思います。自分の今までの経験だと、(メッセージが)明快でないと、このくらい大丈夫かなと思ってしまいますけれども、今回は明快な指示が出されるので、それに沿ってやっていくと。特にレベル5くらいになると、必ずそれに沿ってやらないと、自分自身での解釈はよくないというふうに思います。
質疑応答
新型コロナウイルスワクチンについて
Q
新型コロナのワクチンについてなのですけれども、高齢者のワクチン接種は7月末までにできれば終えるようにとの国からの要請があっているなか、県のなかでは、それができない自治体は、打ち手の不足というところをおっしゃっているところが多いかと思うのですけれども、歯科医師が打つようになったり、今度は薬剤師にという話が出たり。今日は県でも未就業の看護師の方に対して、研修もやられてますけれども、こういったことへの対策について、知事が考えていらっしゃること、持論があったりすれば、教えていただきたい。
蒲島知事
確かに、全国調査でみると、九州でも、7月末までにやれるというところは、一番下になっていました。そのあと県庁のほうでも市町村長と、また市町村と話し合いながら、どこが問題かと。1つの大きな問題は、医師、看護師などの実際に注射を打つ打ち手、この方々が足りないということと、問診を行う人たちが不足している。
そういうことで、それに対して、我々も、市長会会長と町村会会長とも話し合いをしましたけれども、我々ができる支援はどういうものか、そういうことを含めて、一生懸命に連携してやっていきたいなと思います。
もう一つ、連携のなかでできたのは、昨日、木村副知事が発表したと思いますけれども、キャンセルしたワクチンの接種について、県が統一した方針を示すと。
早速、熊本市のほうで、少し余ったワクチンが出てきたので、その70くらい余ったワクチンを、消防署員に打ちたいと。そういうときに県が統一した方針を示したことが、大きな意味があったんじゃないかなと、このように思います。そういう意味で、一生懸命連携をとって、7月末までには終えられるよう全力を尽くすというのが、今、私が言えるところであります。
これは義務とか考えちゃいけないと思うんですよね。大事なことは、ワクチンを打つ、このことによって感染者が将来的に減っていくということと、感染者が減っていけば、医療提供体制もこれがより有利になると。
病床使用率も低くなっていくでしょう。だから攻めのワクチンというふうに、私どもは思っているんですよね。ただ国から言われたらやるのではなくて、早くやることで、感染者が減っていき、そして病床使用率も低くなっていくと。
そういう攻めのワクチンという捉え方をしていきたいなと思っていますし、5月14日に市長会会長と町村会会長と私でトップ会談を行って、そのようなことを申しました。またそのようなことを確認して一緒にやっていこうと、勉強しようということを、申しましたので、今の私のスタンスはそういうところです。
質疑応答
避難情報の一本化について・その2
Q
先ほどの避難指示への一本化の件で、もう一度お尋ねするんですけれども、今の時点で天草市の一部と芦北町、津奈木町、水俣市の全域に避難指示が出されております。
この時点で出されていることについて、適切なのか、早いのか、遅いのか、その点評価があれば教えてください。
蒲島知事
避難指示がこの時期で出されているという、その判断、それが適切かどうかというのは、私は、ここから見たときとちょっと違うと思うんですよね。
今熊本市でものすごく(雨が)降っていますけれども、それぞれの首長さんが、自分の地区で見て、避難指示が必要だと、これはそうだと思ったときに、空振りを恐れずにやってほしいというのが私の気持ちですけれども、そういう観点からいくと、各自適切な避難指示を出されているんじゃないかというふうに私は思います。
質疑応答
出水期までに実施する対策について
Q
先ほど土砂の撤去の話が出ましたけれども、復旧復興プランのなかでは土砂の撤去も含めてさまざまな項目について梅雨までに終える対策として掲げていたと思いますが、それについてある程度県としてどこまで進んで、どこがまだ間に合っていないのか、そういうものを整理して公表するお考えはありますでしょうか。
蒲島知事
河川課来ていますよね。
どこまで進んでいるかというのは私のところはありますけれども、そのデータなり出す予定ありますかね。
(担当課)
河川課でございます。
土砂掘削については毎月定期的に報告をさせていただいているところでございまして、また5月末の状況についてもご報告をしたいというふうに考えているところでございます。
(担当課)
球磨川流域復興局です。
昨日、水防災意識社会再構築会議で今のソフト対策の状況等について、市町村から、また、県から発表させていただきました。
また改めて流域治水協議会等のなかで、今後整理しながら発表もしていきたいというふうに考えております。以上です。
蒲島知事
それでは詳しく正確な数字はそういうことで、事務局のほうからもらっていただきたいと思っています。
それから時点が、私のところにあるのは4月とか3月末の時点なんですよね。
だからアップデートしたものを皆さんもできれば報道の方々にお知らせいただければいいと思います。
質疑応答
新型コロナウイルスに係る病床使用率について
Q
病床使用率についてお伺いしたいんですけれども、熊本市は90%を超え、県内でも引き続き50%以上、ステージ4ということですが、自宅療養の方というのを増やして、調整をいろいろされていると思いますが、他県では任意調整が非常に困難な状況になっていることもありますが、今の熊本県の現状についてはどのようにお考えですか。
非常に厳しいケースがあったりというのは、やはりされているんでしょうか。
蒲島知事
先ほど言いましたように、昨日が56%台だと思いますけれども、これは厳しいですよね。熊本市のほうは90%超えていると。
まだ、熊本市(の病床)が圧迫してきたときに、他の市町村でそれ(=病床)を調整可能だと思います。
だから県の調整がとても求められているなというふうに思います。
それから、熊本市の保健所長からの依頼で調整が行われますけれども、その前にトリアージとして、例えば自宅で待つ症状なのか、あるいはホテルを使ったそういう(宿泊療養施設で)、入院しなくてもいい、そういうかたちで待つのか、調整するのか、あるいは軽症者、それから重症者、そういうかたちで、やはり調整のためのトリアージが必要だと思いますよね。
そのトリアージをきちんとやることで、まだ調整可能だと。ただ、(熊本市の病床使用率が)90%以上でも調整できると思わずに早く感染者を減らさなきゃいけない。
そういう意味で、感染者の数をこの1週間で下がってくるというふうに先ほど予想しましたけれども、それプラス病床の確保をしなきゃいけない、一緒にですね。
そして、調整できるところは早く調整をする。
そういうことを全力で、県庁も、あるいは熊本市もやっていかなきゃいけないというふうに私は思っています。
大阪とか、あるいは福岡よりもまだいいかもしれませんけれども、すぐそうなると。ものすごく早い速度で第4波が進んでいますので、それを見越しながら各市町村と、とりわけ熊本市と連携してやっていきたいと思っています。
質疑応答
ダムの緊急放流に係る国試算資料の処分について
Q
川辺川ダムの緊急放流リスクの試算の関係でちょっとお尋ねなんですけれども。
他紙の報道で大変恐縮なんですけれども、先日の日曜日に、県も資料を破棄と、それから国に対して公表を慎重にと伝えていたという報道がありましたけれども、知事として把握している事実関係、それから県としての対応に何か問題点があったのかということについて教えてください。
蒲島知事
私は、知事になった直後から、この行政文書というのは県民共有の知的資源であると。
だからその適正な管理というのは民主主義の基本だというふうに思ってやってきましたし、永青文庫なんか見ても、細川藩の永青文庫の貴重さというのはすべて残っているということがとても大事なことです。
この資料については、事務レベルでは国から提示を受けたと。
しかし、協議会の資料とはしないとの連絡を受けたことから、会議資料とするかどうかの意思決定に影響を与えるものではないと判断したというふうに聞いています。
その時点で処分したという報告を受けています。
文書管理の規則では、保存期間は一年未満とされている、そのような文書だったということです。
そういう意味では県の対応としては問題ないというふうに考えています。
私の知事の記者会見なんかでも、(資料が)何回も変わってきますよね。
例えば十回も変わったとすると、どれか分からなくなるので、最終的なのは、直前にこれが最終的な私の記者会見の資料ということで残りますけれども、その他は記者会見の資料として持っていません。
ただこの異常洪水時防災操作については、とても流域住民の関心が高いというのは皆さんもご存知だと思うし、私も「住民の方のご意見を聞く会」の時に何度も何度も、この危険性については言われました。
だからその時に、流域住民の方々がおっしゃった時には、まだ貯留型のダムについての前提のもとだったのですけれども、今はすでにその貯留型ダムは完全に廃止するということで、新たな流水型ダムが具体的に検討されていきます。
だから正しい前提のもとに、科学的なデータのもとで検討していただきたいと。
そして、それを正しく伝えていただきたい、伝えていかなくてはいけないなというふうに私は思います。
これから流水型ダムで、その大きさ、それからいつの段階で異常洪水時防災操作を行えるのか、そういうかたちで検討が行われると思いますので、それを見ながら皆さん判断していくんじゃないかなと思っています。以上です。
Q
地元が心配するとして、公表は慎重にというようなことを局長のほうから国に伝えていたという、そこの事実関係についてはどう捉えているか。
【球磨川流域復興局長】
球磨川流域復興局長です。
当該新聞社の記者さんとは取材の中で、異常洪水時防災操作については日頃から流域住民の方々が大変心配されていますので、正しく理解していただくようにしていかなければならないというのは、今回の試算資料について言ったわけではなくて、日頃からそういう話をやっていますよということは、記者さんにお答えしました。
そのことをもって記事にされたかどうかは分かりませんけれども、私が記者さんに答えた事実としては以上です。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
まん延防止等重点措置について・その3
Q
もう一回まん延防止のことでのお尋ねなんですが、今回いろんな営業時間の短縮など要請されてらっしゃいますが、それの協力状況で応じてないところがあるのかないのか。
もしあるとすれば過料の適用等どういうふうに考えてらっしゃるのかを教えてください。
蒲島知事
私が知る限り、ものすごく皆さん協力していただいています。
具体的な数字は間違っちゃいけないので、担当課のほうから、これまでの協力の度合いについて説明していただきます。
(担当課)
商工政策課です。
商工政策課のほうで飲食店の時短要請のほう、見回り活動ということで13日からやっております。
一日、500軒から600軒ぐらいの確認をやっております。今13日から17日までの状況でいいますと、約3000社の飲食店を見回らせていただきまして、96%ぐらいの、ほとんどの方が協力をいただいております。
まん延防止措置に16日から入りましたので、そこからまた状況はもっと協力のほうをしていただいているんじゃないかなと思っております。
Q
過料についてはいかがお考えですか。
蒲島知事
私は前から申し上げているように、まずは説明をして、お願いをすると。なるべく過料とかそういうところに入り込まないように、慎重にその部分を行いたいと思っていますし、そのスタンスは変わっていません。