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令和元年(2019年)7月3日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0007312 更新日:2019年7月3日更新

知事定例記者会見

日時:令和元年(2019年)7月3日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

動画

 動画はこちらからご覧いただけます。

会見録

 知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

説明資料(PDFファイル:1.6MB)

コメント

発表項目

質疑応答

コメント

6月29日からの大雨等について

蒲島知事 皆さんおはようございます。はじめに、コメントがあります。
 熊本地方気象台から、「本日昼前から4日午前中にかけて、県内で再び大雨となる恐れがある」との予報が発表されました。
 平成24年の熊本広域大水害では、深夜のわずか3時間に300ミリ近い雨が降り、避難が困難となる中で20名を超える方々の尊い命が失われました。
 災害からご自身やご家族の命を守るため、県民の皆さまには、事前に避難経路や避難先を確認し、お住まいの市町村からの避難情報などを踏まえ、雨風が本格化する前の、明るいうちの予防的な避難をお願いしたいと思います。
 また、マスコミ各位におかれては、市町村や気象台が発表する避難情報や気象情報を、適時に発信していただき、県民の皆さんの安全確保に御協力くださいますようお願いいたします。

避難呼びかけチラシ
【県民のみなさまへ】大雨から身を守るための行動をお願いします(PDFファイル:551KB)

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発表項目

「知事のタイ訪問による成果」及び「くまモン10周年記念ロゴのデザイン募集」について

報道資料(「くまモン10周年記念ロゴ」のデザインを募集します)(PDFファイル:416KB)

蒲島知事
 それでは、発表に移ります。くまモン、入っておいで。
 先月26日から28日まで、くまモンとタイを訪問し、くまモンのタイにおける本格的な展開についての記者会見を行ってきました。
 この度、タイ最大級の財閥「サハ・グループ」の中核企業「I.C.C.インターナショナル社」に、タイでのくまモンイラストのライセンス管理を行う「マスターライセンシー」に就任いただきました。
 当日は72社のメディアにご出席いただき、現地でのくまモン人気の高さを改めて実感いたしました。記者会見終了後、早速、複数の企業から、I.C.C社に商品利用についての問い合わせがあったと伺っており、大変よいスタートを切ることができたと思っています。
 今後は、I.C.C社、ADKエモーションズ、本県の3者が緊密に連携して、くまモンのタイでの活躍の場を広げて参りたいと思っています。
 また、滞在期間中、タイのソムキット副首相、サハ・グループのブンヤシット会長と私の3者による意見交換が行われ、今後のタイでの取組みに向けて、好スタートを切ることができました。
 今後のくまモンの成長、ひいては熊本の認知度向上にも大きな可能性があると確信できました。大変有意義な訪問であったと思います。

知事画像(1)

 さて、このように海外でも活躍を続けるくまモンですが、皆さんの前にデビューしてから、来年の3月でちょうど10年を迎えます。これまでくまモンは常に成長を続け、今では熊本県にとってかけがえのない存在となりました。くまモン、よく頑張ったね!
 このたび、くまモンの10周年を大いに盛り上げるため、「くまモン10周年記念ロゴ」のデザインを公募することといたしました。
 募集期間は、7月8日から8月13日までで、海外からも含め、どなたでも応募できます。審査は、くまモンの生みの親である小山薫堂さんやデザイナーの水野学さんなどにお願いしており、審査結果は10月上旬に発表いたします。
 記念ロゴは、来年1月から12月までの1年間、くまモン関連イベントでの使用のほか、企業の商品などで広くご利用いただきたいと思います。
 くまモンの10周年のお祝いにふさわしい、くまモン愛にあふれる作品の応募をお待ちしています。
 それじゃくまモン、ありがとう。

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発表項目

国際スポーツ大会の大成功に向けて

報道資料(2019女子ハンドボール世界選手権大会 マッチスケジュール決定&チケット一般先着販売開始 ほか)(PDFファイル:1.2MB)

蒲島知事
 続いての発表です。
 女子ハンドボール世界選手権大会について、日本は優勝候補のロシアをはじめ、スウェーデンや中国などと同じ、1次リーグD組となりました。このたび具体的な大会スケジュールが決定し、11月30日、パークドームくまもとで開催される、日本対アルゼンチンの開幕戦から熱戦が始まります。
 また、日本代表「おりひめジャパン」にちなんで、今月7日の七夕からいよいよチケットの一般販売を開始いたします。
 これにあわせて、熊本市の中心市街地では「おりひめ七夕パレード」を実施します。「おりひめジャパン」の選手や県内各学校のハンドボール部員などに参加いただき、大会に向けてさらに気運を盛り上げて参りたいと思います。私もくまモンと一緒に参加いたします。
 ぜひこの機会に、多くの方々にチケットを購入いただき、世界レベルの迫力ある試合を観戦していただきたいと思います。
 次に、ラグビーワールドカップ開幕2ヶ月前のプレイベントとして、今月20日(土曜日)に、えがお健康スタジアムで『復興絆マッチ』が行われます。
 スタジアム内に、ルールや見どころの解説を聞きながら観戦できるビギナーズシートを設けるほか、会場周辺では「ラグビー祭りINくまもと」を同時開催いたします。ワールドカップ開催前の本県での最後のビッグゲームですので、多くの皆様の来場をお待ちしています。

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発表項目

筑波大学(男子駅伝部)による熊本合宿について

報道資料(筑波大学陸上競技部(男子駅伝)による熊本合宿について)(PDFファイル:98KB)

蒲島知事
 続いての発表です。
 大河ドラマ「いだてん」の主人公 金栗四三(かなくり・しそう)さんは、本県和水町の出身で、私が教鞭をとった筑波大学の出身でもあります。そのご縁もあり、昨年12月に、県と玉名地域の1市2町と筑波大学との間で、『スポーツを通じた地域経済の活性化に関する連携協定』を締結いたしました。
 この協定に基づく取組みとして、今年9月に、筑波大学の駅伝部が本県で合宿を行うこととなりました。合宿先は、9月2日から4日までが玉名地域、5日から11日までが水上村の「水上スカイヴィレッジ」であります。
 筑波大学は、金栗さんが中心となって創設した「箱根駅伝」の栄えある第一回優勝校ですが、近年大会出場から遠ざかっています。そのため「箱根駅伝復活プロジェクト」を立ち上げ、「いだてん」の放送も追い風に、チーム一丸となって日々練習に取り組んでおられます。
 本県としても、近い将来、箱根駅伝で筑波大学の雄姿を見ることができるよう、このチャレンジを応援したいと思います。
 また、今回の合宿を機に、玉名地域と水上村が駅伝やマラソンの聖地となり、さらなる地域活性化に繋がることを期待しています。

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発表項目

若者のアウトバウンド推進事業申請受付開始について

報道資料(若者のアウトバウンド推進事業の申請受付開始について)(PDFファイル:106KB)

蒲島知事
 最後の発表です。
 近年、若者の海外離れが懸念されています。私は農業研修生として渡米した経験から、若い頃の海外での体験は、その人の人生に夢や希望を与えるものと考えています。
 そこで、熊本の将来を担う若者が海外への第一歩を踏み出せるよう、今年度から新たに若者のアウトバウンド推進事業を開始いたします。
 具体的には、2つの取組みを行います。一つは、県内の学校に在籍する15歳以上30歳未満の学生の皆さんが、今年度新たにパスポートを取得し海外へ渡航した場合、一人あたり5,000円を助成するものです。もう一つは、今後新たに海外への修学旅行を実施する高等学校に対して、現地視察などの経費の一部を助成するものです。
 いずれの助成も、本日から熊本県国際協会で申請を受け付けます。
 阿蘇くまもと空港は、利用者数が2年連続で過去最高を更新し、今月1日からは「熊本国際空港株式会社」による空港ビルの運営も始まりました。また、今月20日からは、一時運休していた香港線が週3便での運行を開始するなど、熊本の玄関口として世界とつながる取組みが進んでいます。
 是非この機会に、一人でも多くの若者が海外を経験し、視野を広げることで、グローバル人材の育成と国際交流の拡大につながることを期待しています。私からのコメントは以上です。

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質疑応答

6月29日からの大雨等について(その1)

知事画像(2)

(幹事社)
 幹事社から質問を二点させていただきたいと思うんですが、まず大雨ですけれども、最初に被害状況がないかということと、県が今とっている警戒体制、その辺を教えていただきたいと思います。

蒲島知事
 幸いにして人命の被害が無かったことは、とてもよかったと思っています。
 それから2番目に、この水害の危機が迫った時に既に警戒本部を立ち上げて、対応することができてよかったと思っています。
 それからもう一つは、これまでの災害の経験から相当、災害に対する(ハード面での)強靭化が進んでいて、昔と同じ程度だったら相当大きな被害があったと思いますけれども、今回は、それに対応できているような気がします。県としては冷静に対応してまいりました。
 ただ、災害はどのような形でまた襲ってくるかわかりませんし、気象庁の予報によると、今日から明日にかけてが山場ということですので、私どもも気を引き締めて、水害対応にこれから尽力していきたいと思っています。

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質疑応答

参議院議員選挙について

(幹事社)
 次に、参院選が明日公示されますけれども、どのような論戦を期待しているかということと、知事から見て争点はどういうふうに捉えられているかということをお願いします。

蒲島知事
 争点というよりも、たぶん今回の選挙は、安倍政権の業績評価になるんじゃないかと思っています。当然、業績はよかったと思う人もおられますし、そうじゃないと思われる人もおられますので、それによって投票する方々がたくさんいらっしゃる(と思います)。
 2番目には、これまでどの政党を応援してきたかという政党支持ですよね。政党支持が固い方々は、争点がどうであれ自分の支持する政党に投票されますから、それがある程度の部分があるんじゃないかと。
 それから3番目は、政党以外の様々な組織、熊本でいうと学閥とか、どこの高校を卒業したかとか、そういう社会的なネットワーク、それによって投票される方々もおられるんじゃないかと思います。
 多種多様な理由でそれぞれの方々が投票されますので、どれが一番大事かといえば、私の考える限り、安倍政権の業績評価がその中でも相対的なウエイトが大きいんじゃないかと、政治学者としてはそう思います。ただ、個々のケースについては、それぞれたくさんの理由で投票行動が行われると思います。
 投票に行ってくださる方はとてもいいんですけれども、投票に行かない棄権という行動は、私は長期的にみると(望ましくない)。個人にとってはその方(棄権という行動)が合理的かもしれないけれど、日本の民主主義全体にとっては、やはり全ての人が投票に行ってほしいと、意思表示をしてほしいと思っています。

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質疑応答

6月29日からの大雨等について(その2)

Q
 大雨に関連してなんですけれども、昨年、西日本豪雨がありまして、あの時も事前に危険を呼び掛けるように、気象庁等も情報をアップしていたんですけれども、結果的に多くの人命の被害が出ました。なかなか避難行動につなげるのは難しい現状もあるとは思うんですが、そこへの呼びかけについて、知事は今回どのようにされるか、改めてお聞かせください。

蒲島知事
 一番大事なことは、こういう(水害は)、地震とは違ってある程度先を読めますよね。警戒レベルが1から5までありますけれども、その警戒体制に関して先が読めるということが、突発的な地震などとは違うと思います。
 各レベルで避難勧告を行ったり、あるいは避難指示を行ったりして、これまで対応をしていますけれども、避難勧告と避難された方々に実際にどのくらいの乖離があるかを見てみますと、県内では、6月30日午前2時の段階で約22万人に対して避難勧告が発令されました。この時の避難者は141名であります。
 かなりの乖離があるなというふうに思いますけれども、実際には、(住民の皆さんが)直感的に感じる部分で行動される部分があります。当時の気象台の状況では、6月30日の夜以降、熊本広域大水害に匹敵するような大雨の可能性があったため、広範囲の住民に対して明るいうちから避難勧告を発令されておりました。結果としては、30日は予想されたような大雨・洪水にならなかったために、避難行動に結びつかなかったというふうに思います。
 そういう意味では、避難勧告などの発令が、もう少し住民に対してグッと響くような、例えば場所とか時間とか、そういうこともこれから考えなければいけないと思います。ただとにかく広範囲に出せばいいというものではないような気がしました。こういう(避難)行動を分析しながら、これから、早期避難についての、より詰めの検討を行っていくことも必要かなと感じました。

Q
 関連してなんですけれども、今、住民に響くような場所、時間を考えなきゃいけないということだったんですが、今、大雨が間近に迫っているんですけれども、今日明日の時点で、何かこれまでと違うような運用を考えている部分というのはあるのでしょうか。

知事画像(3)

蒲島知事
 「これまで大丈夫だから」という、油断が大敵です。今、気象庁から大災害に結び付くような雨が来る可能性があるという予報がありますけれども、私は知事ですから、常にそれに対応できるようにしていますけれども、やはり油断しないで、きちんと自分の命を守るためには何をしなきゃいけないか、家族の命を守るためには何をしなきゃいけないか、特にこの一日、二日がとても大事なので、私は真剣に、地域の避難勧告や指示に対して、大きく十分に反応することが大事だと思っています。特に、今日と明日はそういう行動をとってほしいなと思っています。
 私も、この記者会見で防災服を着てきたのは、皆さんにそういう危機感を持っていただきたいということですし、実際、私も(こうした天候の時には)自宅ではいつも防災服を着て、すぐに出ていけるようにしています。
 今までもそうだけど、特に今日と明日、皆さん注意してほしいと思います。

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質疑応答

政府の農業政策への評価/6月29日からの大雨等について(その3)

Q
 2点あるんですが、安倍政権が貿易自由化、JA改革、農業改革を進めてきたと思うんですけれども、知事はどのように評価しているのか。
 それと、雨に関連しまして、益城町、今回もかなり木山川が越水して、100ヘクタールぐらい田んぼが冠水していると。実際緊急に工事とか対応をとっているのか、近くそういう対応をとる考えがあるのかと。それに関連してもう一点、熊本地震との関連を指摘する農家もいまして、田んぼがかなり沈下しているので水が溜まりやすくなっているとか、橋のところから越水がかなり多かったとか、そういう指摘があるんですけれども、どう考えていらっしゃるのかと。

蒲島知事
 安倍政権に対する評価、様々な分野における評価については、私はそれぞれの有権者、あるいは国民が判断すべきことであると思いますので、私の判断をここでコメントすることは控えたいと思います。
 益城町の洪水ですけれども、私も画面(映像)で見ましたし、昨日も会合で益城町長にお会いしましたけれども、町長としては、十分対応できるというふうなことをお答えになりましたし、県としても、これに対してあらゆる形で支援したいと思っています。
 洪水と地震との関連ということに関しては、今この場で私がきちんと把握できていませんので、今後分析した上で、皆さんにお知らせするか、もしそれが本当であれば、これからの更なる復旧・復興において、そのことも考えながらやっていかなきゃいけないと思います。

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質疑応答

水俣病問題について(その1)

Q
 今月で水俣病の特措法(施行)から10年ということで、それについて2点質問なんですけれども、まず1点目の質問です。特措法では、水俣病問題の最終解決、あたう限りの救済をするというふうにされていたんですけれども、この10年経ってみて、それが実現できているというふうにお考えであるかということをお伺いしたいんですけれども、もし実現できていないということであれば、今後解決のためにどういう努力が必要かということをお聞かせください。

蒲島知事
 特措法の、それまでの法律との違いは、「あたう限りの方々を救済する」というふうになっています。これは、法律としてもとても被害者の方に寄り添った考え方ではないかなと思うし、そういう観点から、熊本県もあたう限りの救済という形でやってまいりました。
 その受け止め方は、やはり個人によって、様々な方によって違うかもしれませんが、少なくとも熊本県が担当する部分、いわゆる水俣病に関する審査においては、あたう限りの方を救済したいという形でやってきたつもりであります。
 ただ、それに対しての裁判なども今続いており、それから裁判以外にも救済を求める方もまだいらっしゃいますので、これに対しては丁寧に対応していきたいと思っています。

Q
 最終解決という部分では実現できているというふうにお考えですか。

蒲島知事
 裁判とか、様々な方が未解決だと思っていらっしゃる間、特措法に関する最終解決ということには至っていないのではないかと私は思います。まだ審査を希望されている方、あるいは裁判で闘っている方もおられますので、この方々がいらっしゃる限り、熊本県は丁寧にこれに対応していきたいと思っています。
   そういう意味では解決ではないというのが、私の考え方です。

Q
 ありがとうございました。もう1点なんですけれども、特措法に明記されている不知火海沿岸の健康調査、これが10年経ってもまだ実施されていないという問題があります。これについては患者団体からも常々、要望があがっていると思うんですけれども、知事としては、健康調査の必要性についてどうお考えであるかお聞かせください。

蒲島知事
 健康調査に関しては、特措法にちゃんと書いてあるんですよね。
 平成16年の最高裁判決以降(国への要望や提案も行い)、健康調査に関して「国が実施し、県はそれに協力する」と明記されていますから、そのとおりにやらなきゃいけないと私は思っています。これが法律の考え方ですよね。
 法の中では、国が調査研究の実施のために手法の開発を図るとされています。私もそれぞれの大臣と面会をしましたけれども、なかなかそこまで到ってないということもあると思います。
 調査研究については、私自身も研究者でしたので、科学的正当性を有する調査手法を確立することはとても重要だと考えています。私としても、また県としても、健康調査の実施を求めるとともに、調査手法の開発が円滑に進むよう、協力を惜しまないという方向で進んでまいりました。
 ただ、皆さんにいろんな考え方があると思いますけれども、遅いじゃないかという意見があることも十分認識しています。

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質疑応答

災害公営住宅等での見守りについて/地域の持続的な振興について

Q
 参院選が始まるということで、県内の課題がどういうものがあるかと、ちょっと見つめ直しているところなんですけれども、お尋ねしたいのが、一つは東日本大震災では4年目以降に孤独死が増えたりする傾向があったんですけれども、災害の規模は違うんですが、仮設住宅とか災害公営住宅に移転された方の見守りについて重視される点というのはどういうところなのか。
 あと、熊本市以外の地域の持続的な振興を図っていくために何が大切なのかというところの知事のお考えを伺いたいと思います。

知事画像(6)

蒲島知事
 私は、恒久的な住まいを確保したということで見守りが終わるとは(考えていない)。仮設住宅、みなし仮設住宅におられる時も、孤独死とか、被災者の方々の孤独感とか、不自由さ、それが最小化するように努力するようにこれまで言ってまいりましたし、その形で今まで続けてきました。
 今の質問は、そこから次の本格的な住まいに入られても、東日本大震災の時のように孤独死が存在するんじゃないかということですが、それに対しても見守り体制をしっかりと、市町村と連携しながら対応していきたいなと思います。
 すみません、2番目の質問を改めて。

Q
 熊本市以外の、過疎が進んだりしているような地域の持続的な振興をしていくうえで、どのようなことが大切と思っていらっしゃるかというところなんですけれども。

蒲島知事
 これは、地方創生の一番大きな課題ですよね。
 熊本市、熊本市周辺だけがどんどん発展して、過疎化が進むということは決して好ましいことではありません。それぞれの市町村が、自分たちの市町村で豊かで幸福な生活を営んでほしいというのが誰もが望むことでありますし、私の県民総幸福量の最大化という大きな目標は、当然それに向かっています。
 そういう意味では、中山間農業とか、そういうところに一つの可能性もあるだろうし、豊かな、そして余裕のある、都市部でないところに住みたいという方もたくさんおられますので、移住の可能性もこれから出てくるんじゃないかと思っています。沖縄でも、宮古島とか石垣島とか、そういう島に多くの人が都会から移っておられると聞いていますし、そういう可能性があるとすれば、例えば天草とか。人々の移住パターンを研究して、何が必要かを考えながらやっていきたい。
 阿蘇もそうですよね。阿蘇も持続可能なとても素晴らしい地域ですから、これから地方創生という形でそれを魅力的なところにしていくことによって、阿蘇に住んで、熊本に通う方とかね。これは、山都町なども道路ができますので、それほど遠くありませんよね。
 それぞれの持つ可能性を皆が発見して、それを地方創生として活かしていく。
 震災対応の次の大きな目標としては、熊本地震への対応でこれまで3年間尽力してきましたけれども、元々は地方創生というのが大きな目標だったので、そちらへの転換もこれから考えていかなければいけないと思っています。

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質疑応答

ハンセン病家族訴訟判決について

Q
 6月28日に熊本地裁でハンセン病家族訴訟の判決がありまして、20名を除いて被害、国の責任を認めて判決が出ました。金額は低いんですけれども、原告としては被害を認めたことに意味を感じてらっしゃっています。控訴しないように国に求めております。
 国が一義的には決めることなんですけれども、この判決を受けとめ、評価される点とか、あるいは国のことではありますが、国が控訴するかどうかについてどうお考えか、お考えがあればお願いします。

蒲島知事
 今回の裁判を通じて、ハンセン病の患者の方々、そしてその家族の方々が受けた偏見や差別について、改めて深刻だなと感じました。
 直感的にわかります。相当、深刻な偏見や差別があったんじゃないかと思っています。そういう意味では、そういう裁判の結果が出たこと、それに対して多くの方がそうだなという感じを持ってらっしゃるんじゃないかと思います。
 ただ、これは地裁での判決でありますので、ここでどうされるかというのは国の判断だと思います。この国の判断に関して、県民を代表する私がどうすべきだというのはコメントを差し控えたいと思います。自分の個人的な感情はありますけれども、この場ではちょっとコメントできませんので、その点はよろしくお願いします。

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質疑応答

水俣病問題について(その2)

Q
 水俣病の特措法に話が戻るんですけれども、先程、健康調査について遅いという意見があることは認識しているというお話があったんですが、知事自身はどういうふうに認識しているのかというのをお聞きしたいのと、結局、その健康調査が10年経ってもずっと環境省が手法の開発中というところに留まっているわけですけれども、ここについて県として積極的に要望なり、その行動を急がせるような動きをされるお考えがないかお聞かせください。

蒲島知事
 先程言ったとおりでありますけれども、法律にちゃんと書いてあるので、国に対しては健康調査を要望していくと。
   ただ、手法の開発と調査そのものは、国が行うべきものでありますので、その国が行う手法の開発と行うべきことに関して、県は支援を惜しまないというのが熊本県のスタンスであります。

Q
 知事自身の、遅いかどうかの認識についてはいかがでしょうか。

蒲島知事
 そういう認識があることは理解していますけれども、私が遅い早いというコメントはちょっと当事者としてはできません。当事者というか、国と一緒にやっている段階ですから。

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質疑応答

これまでの地方創生の取組みについて

Q
 先程、地方創生の話が出たんですけれども、結果的に人口流出が止まらない状況が続いていて、今までの政府の取組みが地方創生にとって十分だったかどうかというところの判断はいかがでしょう。

知事画像(5)

蒲島知事
 この地方創生に向かう段階で、熊本地震が3年3ヶ月前に発生しました。その時に、地方創生と震災対応は一緒にできないだろうかという観点から、「復旧・復興プラン」あるいは「創造的復興」というものを考えてきました。
 創造的復興と地方創生、熊本における人口の減少と地方創生、それから震災対応を創造的復興でどのような形で行うか、一番いい例が2つあると思います。
 一つは、八代港のクルーズ拠点化。県南に対しての八代港の役割がとても大きいと感じておりますし、物流拠点としての八代港の役割もとても大きい。インバウンドにクルーズ船で県南に来ていただくことによって、県南の人口、これは人吉・球磨、天草まで含めて、これに私は大きく貢献することができるんじゃないかと思っています。だから、まずは震災対応という形で、八代港のクルーズ拠点化を進め、それが様々な形で、八代を含めた県南の振興に結び付いていくという形でやっています。
 それ以外にも、阿蘇の満喫プロジェクトというのがありますけれども、阿蘇へのアクセスルートを今までよりも良い形で、例えば、トンネルを抜けると阿蘇五岳が見えるというような形で作っていく。将来的には、(中九州横断道路、九州中央自動車道などの)横軸を形成していく。そのことで阿蘇、その近辺の市町村が地方創生できるんじゃないかと思っています。
 それに加えて、最初に知事になったときには大空港構想と呼んでおりましたけれども、空港都市を作りたいと。空港都市を作ることによって、熊本市周辺、加えて大津より先の方の菊池、山鹿、阿蘇、そういうところにまで恩恵が及ぶのではないかなと思って、今、コンセッションで阿蘇くまもと空港の創造的復興を進めています。
 コンセッションの目標を見ると、想像以上に大きな目標が掲げられていると思いました。まず、今、国際線は4路線しかありませんけれども、17路線まで延ばすと。その17路線によって、これまでの外国人観光客の10倍を目指していくと。インバウンドが、阿蘇や山鹿や、それから当然益城、南阿蘇、そういうところまで含めた大きな地方創生に役立つんじゃないかと思っています。
 そういう意味で、地方創生そのものに目を向けるというよりも、震災対応をどのように行うかということで、創造的復興に目を向けることによって、それが長期的には、10年、20年後には、熊本の創造的復興(と地方創生)に大きく貢献するんじゃないかと思います。
 熊本市に対してももちろん大きく貢献しますけれども、それ以外の地域にも、八代港のクルーズ拠点化と、阿蘇くまもと空港のコンセッション、この2つの例をとっただけでも(大きく貢献します)。それ以外にもいろんな事業が進んでいますので、そういう意味では、地方創生ということに対して全く何もしなかったわけじゃなくて、震災対応という形で、むしろより大きくそれにアプローチしていると私自身は思っています。
 それを評価するのは皆さん方ですけれども、そういう形で県民の方々にご理解いただけているんじゃないかなと思います。

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質疑応答

JR豊肥本線の復旧について

Q
 JR豊肥本線の復旧についてなんですけれども、県議会の方で、復旧費の地方負担分は県費で全額負担されるということを表明されて、今後長期的な運行計画の策定に入っていかれると思うんですけれども、知事も答弁でおっしゃっていたとおり、沿線市町村の協力というものが今後欠かせないと思うんですけれども、そこの協議というのはどうやって進められていく考えなのか、伺ってよろしいですか。

蒲島知事
 沿線の市町村から要望が出ていたのは、費用分担はなかなか難しいというお話でありました。そこで、これからもし費用分担を含めて交渉に入るとすれば、何年かかるかわからないと思いました。
 豊肥本線の今の方向性は、2020年(度)までには開通させたいという、国、県、それからJRの合意があります。その合意をいかに達成するかという点では、やはりその沿線の方々、市町村との協力が必要ですよね。往々にして全国で発生しているのは、その紛争ですよね。だから、その合意形成が1年延びてしまったら、その1年間で失う経済的、様々なコストがとても大きいと私は思いました。そこで、時間的緊迫性、そしてスケジュール性を保つために、県が全額負担するということを決断しました。
 その代わりと言ったらおかしいですけれども、沿線市町村は、お客さんを呼ぶ努力が必要ですね。お客さんを呼ぶ努力というのは、やはり地方創生だと思うんですよ。その地域の人口が残る。インバウンドのお客さんがたくさんいらっしゃる。あるいは日本全国からお客さんを呼ぶ。そういう観光やお客さんを呼び込む努力、あるいは定住策、そのための努力をしてくださいというのをお願いしました。
 金銭的というより、むしろ自分自身の市町村の地方創生を頑張っていただいて、お客さんがそこにたくさんいらっしゃる、または住民がそこに定住する、そのような観点で頑張ってほしいということをお示ししたところです。
 その代わり、費用は全額県が負担すると。私は、それによってスケジュール性も確保できたと思いますし、沿線の市町村の方々も県に対してとても感謝されていると伺いましたので、あの決断はよかったなと思っています。

Q
 最後に、スケジュール的なところもあるとは思うんですけれども、今後その振興策とかを早くまとめていくうえで、市町村との協議の場を県が設定したりとか、そういうお考えとかはありますか。

蒲島知事
 南阿蘇鉄道も含めて、豊肥本線をどのような形で地方創生、あるいは発展に結びつけていくかという点で、県のリーダーシップは必要だと考えておりますので、そのような会合の場、協議の場が設けられるということに関しては、肯定的に受け止めています。

(幹事社)
 すみません、時間ですので、この辺で終了したいと思います。ありがとうございました。

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