本文
平成31年(2019年)2月20日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成31年(2019年)2月20日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
動画
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
コメント
発表項目
質疑応答
- 職員の不祥事について
- 受動喫煙防止対策について・1
- 熊本県環境センターのリニューアルオープンについて
- (株)レオパレス21の施工不良問題について
- スマートフォン等の小中学校持込み禁止の見直しについて
- 受動喫煙防止対策について・2
- 高校入試・高校再編について
コメント
職員の不祥事について
蒲島知事
会見に先立ち、先日、本県職員が逮捕された件につきまして、県民の皆様に深くお詫びを申し上げます。
去る2月15日、暴力行為等を行った本県職員に対し、減給の懲戒処分を行ったところですが、一昨日18日、本県職員が児童買春事件の被疑者として逮捕されるという事案が発生いたしました。
法令に従い職務を遂行すべき職員の不祥事が続いたことは、知事として大変遺憾であり、県民の皆様に大変申し訳なく思っております。
職員が逮捕された件につきましては、詳細が分かり次第、厳正に対処いたします。
発表項目
熊本県環境センターのリニューアルオープンについて
熊本県環境センター 常設展示リニューアル!!(PDFファイル:359KB)
蒲島知事
それでは発表に移ります。
県では環境学習の拠点として、水俣市に環境センターを設置しております。平成5年の開館からこれまで、来館者が83万人を超えるなど、子どもたちをはじめ多くの県民の皆様にご利用いただいてきました。
現在、常設展示のリニューアル工事を行っており、来月21日にリニューアルオープンすることが決定しました。
リニューアルのメインの一つは、幅11mの大型スクリーンです。世界的な問題となっている地球温暖化について、気候変動の将来予測や温暖化に関する様々な情報を見ることができます。
2つ目は円周映像システムを使って210度のマルチスクリーンに映像を映し出すものです。熊本における温暖化の影響を視覚的に体験することができます。
環境センターは工事期間中も開館しておりますが、3月21日には、オープニングセレモニーを開催します。セレモニーは10時30分から行い、葦北鉄砲隊の演武でリニューアルの祝砲を上げる予定です。
最寄りの水俣インターチェンジも3月2日には開通予定であり、環境センターへのアクセスも格段に良くなります。
平成28年にリニューアルした水俣市の水俣病資料館、また国の情報センターとの連携を更に深め、より魅力的な学びの場にしたいと思っています。
県内の小・中学校はもちろん、県外からも多くの皆様に来館していただき、環境モデル都市・水俣で、環境問題を自分のこととして学んでいただきたいと考えています。
私からは以上です。
質疑応答
職員の不祥事について
(幹事社)
ありがとうございました。まずは、幹事社から質問いたします。
冒頭なんですが、謝罪がありましたけれども、職員の不祥事なんですが、県職員に限らず熊本市役所等でも最近、刑事事件にまつわるような不祥事が相次いでおります。
この背景には何があるのかということと、対策についてお考えがあればよろしくお願いいたします。
蒲島知事
対策としては、私はこの(職員の不祥事の)ニュースを聞いて、職員の綱紀保持の徹底を行うように担当課に指示したところであります。
2月18日に全所属長に対して、職員の綱紀保持と職務規律の確保の徹底について通知を出して、引き締めるように今言っているところであります。
長期的な傾向、それから全国的な傾向は、なかなかこの段階で分析ができませんけれども、私が知事になってこのようなことが続いたのはとても驚きであります。私は熊本県庁の職員は、すごく挑戦的でこれまでしっかりやってきたと思っていますので、それを保持していただきたいというのが私の願いであります。
そのためには、先ほど申しましたように、綱紀保持の徹底を図りたいとこのように思います。
(幹事社)
それでは各社さん質問をどうぞ。
質疑応答
受動喫煙防止対策について・1
Q
熊本県警は、7月から禁煙になる改正健康増進法を前に、3月から庁舎内を全面禁煙にすることを決めました。常々、知事は「県民総幸福量の最大化」とおっしゃっていますが、受動喫煙対策の推進はそれに資すると思います。
私が聞いた限り、県庁は7月のその規制が始まるまで禁煙対策を実施しないということなのですが、その対策を知事として進めるつもりがあるのかないのか、その考えをお聞かせください。
蒲島知事
法改正に併せて、7月1日から原則敷地内を禁煙にする方向で今準備を進めています。
屋外の喫煙場所の設置については、来庁者への対応も考慮しながら現在検討しております。ただ喫煙者と非喫煙者双方の立場に立って検討を進める必要がありますので、詳細については今後国から出されるガイドライン等を踏まえて対応を決定するため、少し時間をおいて7月としております。
Q
7月から、という考えに今のところ変わりはないということですか。
蒲島知事
今のところそうです。はい。
質疑応答
熊本県環境センターのリニューアルオープンについて
Q
発表項目で1点おたずねしたいと思います。
環境センターの常設展示のリニューアルということなのですが、先ほど説明もありましたけれど、水俣市の明神というところには環境センター以外にも水俣病資料館とか水俣病情報センターと、市と国の施設がありますが、特に水俣病の情報を発信する市と国の機関と比べると、環境センターというのは水俣病に関しての情報発信というのは、他の2つに比べてやや弱いのかなという印象をずっと持ってきたのですが、この今回のリニューアルの内容としては地球温暖化とか水資源とか、もっと広い環境というところなんですけれども、知事としてこの環境センターというのを、連携という話もありましたけれども、役割分担とか熊本県としての責任というところも含めて、どういう場所にしていきたいというお考えがあるのかというのを今一度聞かせていただきたいと思います。
蒲島知事
この環境センターは国と市と県の連携した形で提供しているということでありまして、水俣病については隣接する水俣市の水俣病資料館で学ぶことができますし、それから県は、環境のより長期的な展望、特にずっと今問題になっています地球温暖化をテーマで、今役割を分担しているという(ことです)。三者が同じことをやるというよりも、三者が連携をしながら環境問題について理解しやすいかたちで展示すると、そういう形で今この環境センターのリニューアルが行われたと私は考えています。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
(株)レオパレス21の施工不良問題について
Q
レオパレスの問題が全国的に広まっていますが、県として今現状どういうふうに把握されているのかということと、建築確認の制度自体が揺らぐような事態になっていまして、そこに対する対応というお考えがあれば教えていただきたいと思います。
蒲島知事
生活の拠点でもあります住宅における施工不良問題というのは、これは所有者及び入居者の生活の安全安心のためにも大きな脅威をもたらすと思っていますので、レオパレス21に対して強い憤りを覚えています。
県としては早期の安全性の確保を図るために、レオパレスに対して、県への適切な情報提供と速やかな是正措置の実施を強く求めるとともに、所有者と入居者へ丁寧な対応をするように求めています。
私も含めて、多くの方が、どうして建築確認でそれが見抜けなかったのかという疑問もおありかもしれませんけれども、(担当者に)聞いたところ、工事完了後に行う検査と、それから建築確認の工事に着手する前に行う2つの調査が行われると聞いています。
申請図面を基に建築計画が法に適合しているかどうかを確認するのが事前調査で、今回の案件では確認の図面上の問題はなかったということであります。
ただ、工事完了後の完了検査については原則は目視、または簡易な計測機械等による測定等が行われており、私が担当者から聞いたところによると、天井裏や床下などの施工不良を見抜くことができなかったということでありました。
これについて、具体的には担当者のほうから問題点を含めて言っていただきたいと思います。【※事務局に向かって】
事務局
天井裏とか床下の見えない部分、これは工事監理者からの報告とか、工事施工状況、写真、これで確認を行っているところでございますが、こうした手続きの中では今回確認ができなかったものと思われます。
現在、国が建築の品質管理のあり方につきまして、外部有識者会議を開く予定にしております。その中で再発防止対策が検討される見込みとなっておりますので、県としましても、その動向を見ながらより確実に違反防止するための対策を検討していくこととしております。以上でございます。
Q
関連してなんですけれども、建築確認は熊本県内で今のところ21棟ということで報道されていますけれども、今現在もその21棟という認識でいいのかということと、その建築確認の手続きをしたのは民間の会社と行政があるかと思いますが、その内訳というのはわかりますでしょうか。
事務局
21棟につきましては、依然として21棟のままでございます。
それからこの確認につきましては、当時はまだ民間確認検査機関がなかった時代かと思います。平成11年から民間(会社)への開放がされたということでございます。これ以前のものだと認識しておりますので、いずれも行政による確認ということです。
Q
例えば、県が何棟、熊本市が何棟とか、そういうことは言えますでしょうか。先ほど違反防止対策の話もされたと思うんですけれども、結果として施工不良を見抜けなかったということはあると思うんですが、そこについては知事のお考えなのかもしれないのですが、行政としての落ち度はなかったと考えているということでよろしいでしょうか。
事務局
21(棟)の内訳でございます。熊本市が発表しているかと思いますが、16棟ということで熊本市分、それ以外が県内部分ということになっております。
それから現場での検査につきまして、写真等による検査でございますが、これは全ての部分が見られるわけではございませんので、その中で提出された写真を見ながら判断しておりますので、その段階では確認ができなかったということと思われます。以上です。
Q
知事のお考えもお願いします。
蒲島知事
基本的に、これは施工を行う事業者が自分たちで守らなければいけない、そういうものだと思います。それをベースに全ての社会が動いているような気がします。全て100%国、県、市町村が検査しなければいけないような社会という、そういう社会を我々は想定して生きていないような気がするんですよね。
今、日本国中でこのレオパレスの問題だけではなく、いろんな製品も含めて、そういう方向にあるような気がします。自ら正していくという社会、それを作り上げていかなければいけないし、そういう県にしなければいけないと思います。
先ほどの犯罪の問題もそうですけれども、やはり社会全体に綻びがくる(生じる)、それをしっかりと綱紀保持(する)、あるいは会社であれば、きちんと自分たちの規則に沿った行動を取ると、私はそれが欠け始めたのかなという危機感があるような気がします。
質疑応答
スマートフォン等の小中学校持込み禁止の見直しについて
Q
文科省がスマートフォンと携帯電話の小中学校への持ち込みを、今まで原則禁止だったのを見直すという方針を出したと思うんですけれども、それについて、災害時にも活用できるという面もあると思うんですが、県知事としてのお考えを伺いたいというのがひとつと、大阪府のほうではガイドラインを作って、どういうふうに運用するかというのを示したと思うんですけれども、県として新たに指針みたいなものを作る予定があるかというのをお聞かせください。
蒲島知事
これは一概に「こうすべきだ」と知事が言える問題ではありませんけれども、国民的な議論でこれに対応していかなければいけないし、また、教育関係の議論でも必要ですよね。
このプラスの面とマイナスの面がありますので、プラスの面をどう活かしていくかと。マイナスの面をどう少なくしていくかという観点から、私はこの問題を専門的に協議する機関を作って、あるいは国でも検討していかなければいけないような気がします。
プラスの面としては、これだけのインターネット社会になって、それを学生だからといって全く禁止していいのかどうかという観点もあります、特に災害が多発した所では。そういう意味では、そのメリットをどう高めていくかとともに、危険性ももちろんありますので、危険性をどう小さくしていくか。その2つの観点から、これからのいわゆる学校におけるスマートフォンの持ち方、そういうことが社会の合意として決まっていくような気がしますし、それを私どもは見届けていきたいと思います。
私がここで、「これは規則をやめましょう」というような問題ではなく、もっと大きな問題である気がします。機会のあり方もまたそれによって変わるかもしれないし、そういうガイドライン、あるいはこのあり方について大きな議論が行われると思っています。
Q
それは国、文科省の見直しの通知を待って、検討して動いていくということでよろしいでしょうか。
蒲島知事
一緒に考えていくということもとても大事です。私が自分で行った作業では、インターネットを選挙運動に使用できるかどうかという審議会の座長をやったことがあります。その当時は、当然インターネットは使ってはいけないと(いう時代でした)。紙ベースで皆やっていましたので。それが実際に(法律が)施行されて、インターネットの使用が許されたのが、私どもが結論を出して10年後だったんですね。今は当然のことのようになっていますけれども。そのような方向で法律もできましたので、(審議会の結論は)正しかったのでしょうけれども、時間はそのくらいかかったということです。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
受動喫煙防止対策について・2
Q
もう1回改めて、受動喫煙対策についてお聞きしますが、今年、熊本県ではラグビーワールドカップとか女子ハンドボール選手権とかで、海外からもたくさんの人が来ると思います。熊本県として、庁舎内の喫煙じゃなくて、受動喫煙対策について積極的に取り組む覚悟はあるのか、ないのか。もし、取り組むんだとしたら、具体的にどういうふうに取り組むのかお聞かせください。
蒲島知事
当然その(受動喫煙防止対策の)方向に社会は行っていますけれども、どういう時間(スケジュール)の中でやるかということについてまだ検討の余地があるような気がします。
事務局
では、(事務局から)ちょっと補足をさせていただきます。
庁舎以外の施設関係でございますけれども、7月1日から、行政の庁舎でありますとか、病院、学校等は敷地内全面禁煙、2020年4月1日からそれ以外の事業所は屋内禁煙ということであります。
ラグビーワールドカップということで、いろいろな事業所がございますけれども、まずは今法律が出来まして、まだ国のほうでも政省令の制定を進めているという段階でございます。そういった情報をいただきながら、周知啓発をしっかりやっていくということを取り組んで参ろうと思っているところです。
以上でございます。
質疑応答
高校入試・高校再編について
Q
先日のニュースになってしまうんですけれども、高校入試の関係で、後期(試験)の倍率が1倍を切るということで、僕らも「そんな時代が来たか」というような気もするんですけれども、知事からすると今の募集人員が適正かどうかとか、高校の統廃合とかも進んではいるんですけれど、今後どういうふうな将来像みたいなものを描いてらっしゃるかというのをお伺いできますか。
蒲島知事
すみません、もう一度(詳しくお願いします)。高校入試ですか。
Q
まず高校入試が1倍を切ってどう思うかということです。いわゆる一般入試です。それが倍率1倍を切ったらしいですけど、それをどう思うかというのと、将来的に高校も統廃合をもっと進めていく必要があるのかということを考えてらっしゃるのかなと、その辺のことをお伺いできますか。
蒲島知事
高校入試の競争率が低いのはどうかということでありますけれども、私自身は、(今の時代)高校はほとんどの人が入学する、そういう方向に今、実際には行ってますよね。高校入試のあり方というよりも、高校のむしろ義務教育化という方向が議論されていくかもしれません。
高校において100%競争がないわけではなく、特色のある高校は競争率がありますので、そこで競争が行われていって、そこでいい高校が残っていくという形になっていくのかなという気がします。
Q
将来的には高校の統廃合的なところは、考えていたりするんですか。
蒲島知事
私が統廃合を決めたら、そのとおり弾力性がなく変えていくという、そういうのがいいのかどうか。やはり、弾力的な統廃合であったり、ここで大事なことは子どもたちの幸福量の最大化にプラスになるような高校のあり方、これを皆で考えなければいけないのではないでしょうか。数字だけでただ突っ走るのは、私はあまり賛成ではないです。
Q
他に(質問は)ないようですかね。では知事、ありがとうございました。