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平成31年(2019年)2月7日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成31年(2019年)2月7日(木曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
動画
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目
コメント
質疑応答
- 「熊本地震後、企業誘致100件を達成!」について
- くまモン主演・自助の防災啓発動画の公開について
- 阿蘇くまもと空港アクセスの改善について・1
- 路面下空洞調査問題について・1
- 阿蘇くまもと空港アクセスの改善について・2
- 外国人労働問題について・1
- 熊本西高校野球部の選抜高校野球大会出場決定について
- 外国人労働問題について・2
- 日EU・EPAについて
- 路面下空洞調査問題について・2
発表項目
「熊本地震後、企業誘致100件を達成!」について
「熊本地震後、企業誘致100件を達成!」(PDFファイル:333KB)
蒲島知事
はじめに、とても嬉しいお知らせがあります。
本日16時30分から、県庁において、ヤマハ熊本プロダクツ株式会社と立地協定を締結します。
熊本地震から始まった蒲島県政3期目において、記念すべき100件目の企業誘致となります。
振り返りますと、熊本地震が発生した平成28年度の誘致件数は21件と、前年度と比較して約4割減少となりました。しかしながら、地震の影響による誘致企業の県外への撤退は1社もありませんでした。
こうした状況の中で、昨年度は、半導体や自動車関連産業の好調な業績に支えられ、立地協定の件数がV字回復を遂げるだけでなく、過去最高の年間46件を記録することができました。
また、今年度も、過去最高だった昨年度と同じペースで推移しています。本日午後に予定している立地協定を含めますと、33件となり、蒲島県政3期目では、合計100件となります。
この一連の成果は、熊本のポテンシャルを高く評価してもらった結果であり、県民及び県内企業の総合力の表れであると感じています。
今後も引き続き、市町村と連携して企業誘致に取り組み、熊本地震からの創造的復興を後押しして参ります。
発表項目
くまモン主演・自助の防災啓発動画の公開について
くまモン主演 自助の防災啓発動画を公開します(PDFファイル:84KB)
蒲島知事
続いて、2つ目の発表です。
熊本地震から3年が経過しようとするなか、和水町で先月3日に震度6弱、その後震度5弱と2度の地震が発生いたしました。災害はいつ、どこで起こるかわかりません。
県民の皆様に高い防災意識を持ち続けていただくため、県として継続した防災意識の啓発が必要と考えています。
災害による被害を最小限にするためには、行政による「公助」や地域による「共助」に加えて、県民一人ひとりが、自分の身は自分で守る「自助」に取り組むことがとても大切です。
そこで、県ではこのたび、熊本地震の経験を踏まえて、家具の固定や食料の備蓄など県民の皆様が取り組みやすい「自助」に関する3つのポイントを紹介する動画を作成しました。
この動画の特徴は、子どもから大人まで幅広い世代に、関心を持って、学んでいただけるよう、くまモンが将棋の棋士に扮して「自助の必殺3手」を披露していることです。
それでは、動画の概要版をご覧ください。(映像80秒)
この動画は、本日から県ホームページやYouTubeで公開いたします。
また、地域での防災講座や学校での防災教育などで広く活用していただくため、県内の全市町村や全ての小中学校及び高等学校にDVDを配付いたします。
この動画をぜひご覧いただき、今一度、災害を「自分のこと」として考え、ご家族や地域で日頃からの備えに取り組んでいただきたいと思います。
発表項目
天皇陛下御在位三十年を祝う記帳所の設置と記念植樹について
天皇陛下御在位三十年を祝う記帳所の設置と記念植樹について(PDFファイル:78KB)
蒲島知事
3つ目の発表です。
天皇陛下におかれましては、先月御在位30年を迎えられました。県民を代表して、謹んでお祝いを申し上げます。
2月24日には、東京国立劇場において政府主催の記念式典が執り行われ、私も出席させていただきます。
熊本県では、県民の皆様と共に、天皇陛下への感謝の気持ちと御在位30年をお祝い申し上げるために、2月20日から記念式典の2月24日までの5日間、県庁本館ロビーで記帳所を設置します。
また、20日から22日の開庁日には、県内10カ所の地域振興局でも記帳所を設置します。
そして2月20日には、記帳所の設置に合わせて、県庁プロムナードにおいて肥後ツバキを記念植樹します。
天皇陛下には、御即位以来、皇后陛下とともに、これまで3度、熊本県を御訪問いただきました。平成11年の「くまもと未来国体」、平成25年の「全国豊かな海づくり大会」、そして平成28年の「熊本地震による被災地御見舞い」です。
いずれの御訪問も、天皇皇后両陛下の優しさに包まれた、心に残る県民の大切な宝物です。熊本に希望の光を与えてくださった天皇皇后両陛下にあらためて感謝申し上げます。
コメント
台湾・高雄市及び韓国・大邱市訪問について
蒲島知事
最後にお知らせです。
来週15日から友好交流都市の台湾・高雄市を訪問し、昨年12月に高雄市長に就任された韓 国瑜(かん・こくゆ)市長を表敬訪問します。
本県と高雄市は、平成29年1月に友好交流協定を締結し、これまで経済、観光、教育など様々な分野で交流を進めて参りました。
また、熊本地震の際には、高雄市政府及び市民の方々から多くの励ましと多大な義援金を届けていただくなど、傷ついた熊本を大変勇気づけていただきました。
高雄市とは、これまで強い信頼関係を築いていますが、今回の訪問を契機に、韓市長とお会いすることで、その絆をより強固なものとし、双方のさらなる交流の発展を目指していきたいと思います。
また、翌日の17日には韓国に移動し、県内観光関係者の方々とともに大邱(テグ)市を訪問します。
大邱市では、権 泳臻(クォン・ヨンジン)市長を表敬訪問し、今後の相互交流に向けた意見交換を行います。また、「熊本県観光セミナー」を開催し、熊本県の観光情報等を発信して参ります。
今後、熊本~大邱線の就航を契機として、行政と民間が一体となって、観光・ビジネス・学術・スポーツ等の様々な分野で大邱市との交流を進めて参ります。
本日の発表は以上です。
質疑応答
「熊本地震後、企業誘致100件を達成!」について
(幹事社)
幹事社から、まず発表項目についての質問です。
企業誘致100件を達成ということで、地震後も順調に伸ばしてくることができたというふうに思いますけれども、そのことについてのまず受け止めと、それから今後また更に強化していきたい分野ですとか、そういったことがありましたら、今後の強化策も教えてください。
蒲島知事
まず一番大きかった要因は、誘致企業の1社も熊本県から撤退されなかったことであります。
その時の(企業の)言葉が印象に残っていますけれども、この震災対応で従業員の人達の会社に対する気持ち、それから一体感、これがとても貴重だったということを聞いております。
誘致企業の方々も、そのことを日本中に発信していただいたということでありますので、熊本に立地しようという気持ちがとても高まったのではないかと思います。
私も、震災後、誘致企業の本社を訪問して大都市圏を中心とする熊本に対するマイナスイメージを払拭するトップセールスを行ってきました。また、とりわけ知の集積ということで、熊本県では研究開発部門の誘致に重点的に取り組んで参りました。それに関連して、研究開発部門も伸びているのではないかと思います。
そういう形で今後とも各市町村と提携しながら企業誘致を進めて、より熊本県の発展に貢献したいと思っています。
質疑応答
くまモン主演・自助の防災啓発動画の公開について
(幹事社)
追加で発表事項のことでもう1点お伺いしたいんですが、くまモンの防災の啓発ビデオを作られたということですけれども、発表と重複するかもしれませんが、防災分野についてくまモンを起用した理由とくまモンにどのような活躍を期待しているのかということについてお伺いできますか。
蒲島知事
くまモンは4つの分野で、「熊本県の県民の幸福量の最大化」に貢献していると思います。
1つは、「経済的な豊かさ」に貢献している。2番目は、熊本県民としての「誇り」に貢献している。3番目がとても大事で、「安全・安心」、この分野の貢献もくまモンには大変がんばってもらっています。4番目の貢献が、「夢」に対する貢献です。
3番目の安全・安心のところで、くまモンがこういう形で防災教育に役に立っていくと、くまモンの事業、中でもビデオというのは子ども達、特に小中高校にはとても好評です。先生が喋るよりもよく聞いてくれるのかなと思いますので、これを防災教育に活用していきたいと思ったものです。
今見てもらったものは概要版ですけれども、本当のやつ(動画)は何分ですかね。【※事務局に向かって】
事務局
5分ちょっとあります。【※後に、正しくは11分と訂正。】
蒲島知事
一度見ていただくと大変面白い仕上がりになっています。
それともう一つ、それ以外にも防災教育のほうで、もっと長い25分ぐらいのもできていますので、それもまた活用いただければいいなと思っています。
質疑応答
阿蘇くまもと空港アクセスの改善について・1
Q
空港アクセスの改善について何点か質問します。
現在のJRとの協議の状況を教えてください。それと、今年度末を目途に合意を目指すのかどうか。もうすぐ新年度ですが、アクセス改善に向けて新年度の予算措置が何かあるのかどうかということと、大津町は肥後大津(駅)から希望していますが、その要望に対する県の対応についてお願いします。
蒲島知事
(質問が)いくつかありますけれども、まず大事なことはこれから本格的なJR九州との協議に入ります。この協議をこれまでずっと事務レベルで行ってまいりましたけれども、次は公式の協議になると思いますので、それがいつになるかというのは私だけの事情ではなくて、JR九州さんの事情もありますので、なるべく早くということで、ここではお答えしておきたいと思います。
2番目(の質問)は何でしたか。
Q
いつまでの合意を目指すのか(ということです)。
蒲島知事
これはなるべく早く。さっき言ったように、段々議論が煮詰まっていますので、JRと国との協議も必要ですよね。それを早く合意を目指したいと思っています。
それからもう一つの質問は(何でしたか)。
Q
新年度に向けた予算措置が何かあるのか(ということです)。
蒲島知事
協議が成り立たないと予算措置というところまでいきませんけれども、なるべく早く協議をまとめた後で、予算措置のほうに入っていくと(いうことになります)。
大事なことは、新しい国内線と国際線ビルができますけれども、その計画段階で入ってきますよね、コンセッションが整うとですね。そうすると、あまり長く待ってしまうと、整合性がなくなると思うんですよね。例えば、早くこの辺に駅ができればいいとコンセッション側が思っていて、そういう(JRと)合意があると駅がどの辺にどういう形になるというのも、大雑把なプランができるのではないかと思っています。
この段階で、鉄道沿線の話がこのように進んだのは、コンセッションもそのことも考えなければいけないと(いうことからです)。
それから大津町の方々からのいろんな要望もあります。三里木駅ではなく、肥後大津駅のほうまで来てくださいと(いう要望です)。これについては、三里木という形で今動いておりますので、それをご理解いただくとともに、今空港ライナーとか様々な形で肥後大津駅へのアクセス、それから利便性、そういうものを図っていますけれども、そういうものも含めながら利便性が失われないような形でご協力いただくような方向でお話できないかと思っています。
Q
すみません追加の質問なんですが、もう協議は進めているんですよね。県は三里木からの延伸を希望していると。その意見に対して、JR九州はどういうスタンスで臨んでいますか。
蒲島知事
この前の青柳社長の新聞報道によると、そっちのほう(県案)で合意ができるのではないかと思っていますけれども。
最初ちょっと違ったところがありましたけれども、今は同じ方向でJRと協議できるのではないかと思っています。担当者が今のところをはっきり言って(ください)。【※事務局に向かって】
事務局
報道で、この前青柳社長が県の意向に沿うかたちで協力を考えるとおっしゃっているところでありますけれども、まさに我々今協議をやっているところで、県の三里木ルートを前提に細部の調整をしているところです。
Q
確認ですが、報道ベースではなく熊本県はJRと県案に沿う形で協議を進めているということでよろしいですか。
事務局
はい。県案どおりに今準備をさせていただいています。
Q
ちょっと関連で、先ほどの大津の利便性の低下のことについて知事も触れられたんですけれども、先日、大津町が県のほうに要望に来られた際には、(企画振興)部長が利便性を低下させないということでおっしゃっていたんですけれども、今の豊肥本線が更に過密になるという恐れもあるかと思うんですけれども、利便性を低下させないというところに対しての知事の思いを改めていただきたいというところと、先ほど空港ライナーのことに少し触れられたんですけれども、大津町と直接空港を結ぶ今の空港ライナーというのも今後はどんなふうに考えていらっしゃるのかというところもあわせてお願いします。
蒲島知事
はい。(企画振興)部長が大津町の皆様に申したとおり、利便性を低下させないというのは県の気持ちでもあります。それが空港ライナーかどうかというのは別にしてですね。
空港ライナーというのは、最初はなんでこんなことをやるんだろうと随分と批判を受けましたけど、考えてみると最終的にはとてもいい交通手段だったと思っています。
そういう意味では、それも含めながら利便性を低下させないように頑張りたいと思います。
質疑応答
路面下空洞調査問題について・1
Q
熊本地震後の県道などの空洞調査の件で伺いたいんですけれども、国が今再調査を進めていまして、その後県のほうも国の結果次第では再調査も含めて考えるということで聞いているんですけれども、改めて知事のお考えを伺ってよろしいですか。
蒲島知事
現在国によって、再調査が行われております。県としては、その情報などをもとに精査して、県の再調査の必要性を含めて判断したいというのが今の見解です。
Q
続けていいですか。今その県で明らかになっている空洞数が22か所なんですけれども、これについて知事として少ないのか多いのか、そういったところはお考えはありますか。
蒲島知事
これは少ない、それから多いという、そういう判断は現段階ではできませんよね。国のこれからの調査、それから県のほうも一次調査というのがあるんですけれども、それをベースに県の職員も入って(県と協議を行って)、次の二次調査をされた(結果)ということですから、それをこの段階で少ない多いということがはっきり断定はできませんけれども、これから国の検査で明らかになることがいっぱい出てくると思うんですよね。それを精査して、そしてそれは少ない多いということもあるかもしれませんし、再調査をすべきだということになるかもしれないけれども、今はその段階であります。
Q
すみません、最後に一点。例えば、他の自治体で福岡県は、2012年の九州北部豪雨から、大牟田市とかあの辺りで計画的に、継続的にレーダーを使った空洞調査というのをやっていたりするんですけれども、熊本は今回初めてだと聞いているんですが、これから継続的に調べていくとか、熊本地震も踏まえて継続的にやっていきたいとか、そういったところはお考えはありますか。
蒲島知事
これについては、担当者は来ていますかね。【※事務局に向かって】
事務局
現時点では明確な計画はございませんけれども、それも含めて今後検討したいと思っています。
質疑応答
阿蘇くまもと空港アクセスの改善について・2
Q
少し話が戻るんですけれども、先ほどの空港の関連なんですけれども、当然今の現状ではリムジンバスというのが走っているという状況で、空港への輸送というのを図られているんですけれども、鉄道による即時性の確保というのも十分効果的ではあると思うんですが、バスの民業に対する圧迫というのはそこにはつながってくるのかなというような気がするんですが、その辺についてはどういうふうに考えて、懸念とかあるんでしょうか。
蒲島知事
今はバスと自家用車がほとんどであります。最近、特に渋滞がみられて飛行機に間に合わなかったという方が出てこられているんですよね。これはやはり飛行場を持つ自治体としては由々しきことで、やっぱり定時性と大量輸送性とそういうことを確保しなきゃいけないだろうと。でもこれはかなりの額の投資が必要だということと、それからタイミングも大事ですよね。今、国内線と国際線ビルが一体的に建て替えようとされている段階の時に、コンセッションでもちろんこれはやるわけではなくて県がやるわけですけれども、ビルはコンセッションの方ですから、それと一体的にやった方がより効果的だろうということで、今延伸の話が出てきています。
今のところ経済界の方々も、この延伸には賛成意見が多いと私は考えています。これから計画が明らかになって、そしてJR九州さんとそれから国と県の3社の協議が始まっていくということでありますので、この中でより優れた計画にしていきたいというのが一つと、それからなるべく国内線、国際線ビルの完成から離れない時期にやらなければいけないと思っていますので、やはり相当なスピード感をもってやらなければいけないと思っています。
Q
関連してなんですけれども、JRの青柳社長の記者会見の発言の状況からしますと、今回の延伸というのは仮に実現した場合に、延伸をするための事業というのは熊本県がやると、そしてもしそれが実現して完成した後には、列車の運行についてはJR九州がやるということで、このイメージとしてはいわゆる上下分離みたいな形を今考えて、それを少し踏み込んで言いますと、それをベースに協議をしているということでよろしいでしょうか。
蒲島知事
事業主体は県、それから運営の委託はJR九州、その方向でいっています。これからより突っこんだ形といいますか、より正式な形でこれからの協議が行われるということであります。
Q
つまり、その施設を保有する主体としては県ということになるということでよろしいでしょうか。
蒲島知事
はい。そうです。担当者(は)それでいいですね。【※事務局に向かって】
事務局
はい。
質疑応答
外国人労働問題について・1
Q
外国人の技能実習生の失踪問題についてお伺いしたいんですけれども。県警に聞きますと昨年は247人で最高と。年暦で見ますと27年から89人、100人、222人、247人とうなぎ上りに上っているんですけれども、それから管轄でいいますと八代、玉名、宇城地方が多くて、割と農業地域が大半を占めているという現状があるんですけれども、その辺の対策についてお伺いしたいんですけれども。
蒲島知事
私は、自分自身が農業研修生でアメリカに2年間渡って(います)。当然、勝手に帰ったり勝手に場所を動いたりすることは禁止されています。その禁止を知っていても失踪されたというのは、相当な事情があるのではないかなと思います。
県としてできることは、なるべくその方々に寄り添うような形で、労働は厳しいとは思いますけれども、その方々が熊本県に来てよかったと考えられるような条件、あるいは待遇、あるいは居住環境、様々なものを含めて快適なものにしていくこととともに、その方々が将来何か夢があるということがとても大事だと思うんですね。
私はアメリカの農業研修生で大変重労働をしましたけれども、よかったのはネブラスカ大学で3か月間だけ学科研修があって、それで初めて学問に触れたということもあります。そういう教育機関、熊本県には農業大学校などもありますので、将来的に、総合的に皆さんの夢とそれから熊本に来てよかったという、そういう喜びに変わるような研修生事業になったらいいなと思っています。
今、特区申請をしていますけれども、なかなかそれが今はうまくいっていませんが、将来その特区を申請した精神に沿って、熊本県もこの問題には対応しなければいけないだろうと思っています。
アメリカで見てみると、研修生が逃げたと、逃げたのは私の友人達ですけれど、アリゾナなど広大な、実際の経営者と遠い所で労働される、そういう人が逃げていますね。だから、もう少し農業経営者と顔の見える関係、これを作る必要があると思うし、それから地域の人達もその人達を大事にしてくれる、そして、熊本に来てよかったというふうに帰っていただきたい。そういう条件を整えることが、農業研修生出身の知事として大事ではないかなと思っています。それをうちの県庁職員と共有できたらいいなと思っています。
特区申請は、まさにその一つの表れであります。
Q
今度4月から、入管法が改正されまして、新しい制度が再スタートするわけですけれども、この失踪問題について、管轄は法務省なんでしょうけれども、そういうところとの協議会設立とかそういうお考えというのはございませんでしょうか。
蒲島知事
これは法律ではないような気がします。その方々を心からお迎えして、一緒に勉強する機会があれば彼らに勉強してもらうと、地域の集会があれば招待して、そして一緒に楽しむとか。私がアメリカに行った時には学校によく呼ばれて、学校で講演をしたことがあります。そういう機会ですかね。ただ労働者として見るというのは、やはりこれは同じような問題が必ず起こると思うんですね。
どんな法的なものを整えてもやはり心の問題だと思いますので、そういうことをこれから農業研修生の人達、実習生の人達が日本の農業にとっても日本の経済にとっても大事であるとすれば、その部分を本気で考えなければいけない時に来ていると思っています。特区申請はそういう意味を込めてしています。
質疑応答
熊本西高校野球部の選抜高校野球大会出場決定について
Q
先日、選抜高校野球大会で熊本西高校が出場が決まったということで、部員の悲しい出来事もあったんですが、こうやって春の選抜に出られること、また知事コメントもいただいていたんですけれども、どんな野球をして、どんな活躍を期待しているかというところを、改めてになってしまいますがお伺いできますか。
蒲島知事
熊本地震からもう3年経過しようとしています。そういう熊本の今の元気さを発信していただきたいというのが一つ、それからなんと言っても、震災のことはだんだん風化していっていますので、その活躍を通して、まだ熊本県は震災の対応で尽力しているんだということもまた発信できたらいいなと思います。
そして熊本では、和水町で1月に(震度)6弱と5弱の2つ、2回も起きましたので、そういうことも踏まえて熊本の球児が頑張っていただければ、より熊本への関心も高まって、震災対応の気持ちも出てくるのかなと(思います)。
そういう時にくまモンがこのような(本日発表した)震災対応の動画などを出して、それが総合力として、それを引っ張るような形でこの選抜を頑張っていただきたいと思っています。
質疑応答
外国人労働問題について・2
Q
先ほど、改正入管法の話が出ましたが、それについて追加でお尋ねします。今後、これから改正入管法の施行後に入ってくる方への対応なんですけれども、新たに県で外国から入って来る方向けの相談窓口を設置したり、機能を強化したりですとか、もしくは改正後の受け入れ対応のために庁内で専門部を設置したりですとか、そういった動きというのは、考えていらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
私が指示して、熊本の教育機関の利用であるとか、あるいは研修生事業に非常に慣れた方々の活用であるとか、そういうことは今部局のほうで考えていると思いますけれども、正確にはどこまでいっているかは農林水産部の人は誰か来ていますかね。
事務局
すみません、今日は担当窓口が来ていないですけれども、基本的にいろんな部局がまたがるものですから、庁内で連携会議を作ってそれぞれでどういう対応をしていくかということを今検討しているところでございます。
Q
庁内の連携会議が出来上がっているようですが、いつ頃から(ですか)。
事務局
昨年の途中だと思うんですけれども。詳しいことは後ほど(担当部局が対応します)。
質疑応答
日EU・EPAについて
Q
すみません、あともう一点、話題が変わりますが、日EU・EPAが2月から発効して、熊本でいうと木材もしくはその自動車部品の輸出というところで影響があるかと思うんですが、知事の考えていらっしゃる今後の影響、好材料でも懸念材料でも構わないんですけれども、教えていただければと思います。
蒲島知事
将来的にいうと、この国際自由貿易の枠組みというのは広がっていくと思いますけれども、今の現状では政治によって随分と濃淡があるという気もします。いずれにしても、どの分野でも、どれほど国際化しても農業の分野でも競争力を獲得して世界に打ち勝つような、農業であれば熊本農業を打ち立てたいと思うし、それぞれの分野においてもやはりそうであると思いますが、競争力に勝つ、そしてこれからの自由貿易の動きということは、もう変わらないと思うんですよね。
だからこれに打ち勝つようなそういう強い農業、強い産業を育てたいというのが知事としての気持ちです。
Q
県内経済の、例えばどこの分野に直ちに影響があるか懸念というのは今はどこでしょう。
蒲島知事
農業が一番大きい可能性がありますよね。林業もそうかもしれませんけれども、農業が、熊本県ではなかなか大規模化ができない、日本全体でできないと。その中で熊本がまず打ち勝てるようなそういう体制をつくるという気持ちでやっていますので、そこに成功すれば日本全体がその方向に行くかもしれませんね。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
路面下空洞調査問題について・2
Q
すみません、空洞(調査)のことばかりで申し訳ないんですけれども、県として空洞を見つけた場合、それについてはどうやって対処されていくお考えかと(いうのを教えてください)。
蒲島知事
空洞を見つけた場合は、対処というのはそれをいかにして埋めていくかということだと思います。実際にこれまでも見つけた空洞については対応していると思いますけれども、(説明を)お願いします。【事務局に向かって】
事務局
22か所のうち19か所につきまして(空洞を埋める工事を行って)対応をしております。残りの3か所については緊急度を勘案して、経過観察をしているというところです。
蒲島知事
でも一番恐れることは、空洞が陥没することですよね。その陥没した後で対応する、巨大なコストと日数とそれから人員を考えると、やはり早めに見つけてこまめに対応することが大事だと思いますので、それを今実施していると思います。
(幹事社)
それでは、時間になりましたがよろしいでしょうか。では、これで終了させていただきます。ありがとうございました。