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平成29年12月20日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成29年12月20日(水曜日) 11時00分から
場所:知事応接室
動画
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目
質疑応答
- 公立大学法人熊本県立大学次期理事長内定について
- JR九州のダイヤ改正について
- 日米共同訓練実施について
- 大空港構想(JRの延伸)に関して
- 政府の地震調査委員会の公表に関して
- 奥野総務副大臣の熊本県視察について
説明資料(PDFファイル:744KB)
発表項目
公立大学法人熊本県立大学次期理事長内定について
公立大学法人熊本県立大学次期理事長を内定(PDFファイル:138KB)
蒲島知事
本日は発表が2つあります。
はじめに、熊本県立大学の次期理事長が内定しましたので発表いたします。
次期理事長は、現在、独立行政法人日本貿易振興機構ジェトロのアジア経済研究所所長をされております、白石隆先生にお願いすることにしました。任命は、平成30年4月1日付けとなります。
白石先生の専門分野は地域研究・国際関係論・政治学で、特に東アジア地域研究が御専門です。アメリカのコーネル大学で教授として教鞭をとられた後、日本に戻られました。日本では、京都大学で教授として9年間、政策研究大学院大学で学長として約6年間務められるなど、大学の運営についてもお詳しい方であります。
県立大学については、平成30年度から平成35年度までの次期中期目標として、「教育の質の向上」、「熊本地震からの復興支援を含めた地域に貢献する教育研究の推進」、「グローバル化の推進」などを掲げています。白石先生には、これらの目標の達成に向け、教育研究のトップである半藤(はんどう)学長とタッグを組んで、御活躍いただきたいと考えています。
また、県の「復旧・復興4カ年戦略」の中で「世界とつながる新たな熊本の創造」を大きな柱にしております。白石先生は国際的な経済交流や産業振興への造詣も深く、こうした分野を中心に熊本地震からの創造的復興をご支援いただけるものと期待しております。
さらに、白石先生は、外務省の「核軍縮の実質的な発展のための賢人会議」の座長でもあり、国内外に対し力強いメッセージを発することのできる方です。白石先生とともに、熊本の未来を担い、そして、世界に羽ばたく人材を育てて参ります。
発表項目
「ワンピース熊本復興プロジェクト2(セカンド)」について
「ワンピース熊本復興プロジェクト2」スタート!(PDFファイル:147KB)
蒲島知事
続いての発表です。コミック発行部数のギネス記録を持つ「ワンピース」の作者で、本県出身の漫画家、尾田栄一郎さんからは、これまでも、様々な形で熊本の支援に力をいただいています。
南阿蘇鉄道やくま川鉄道のワンピースラッピング列車、熊本城復興城主として寄付された方へのワンピースイラストグッズの提供、益城町のふるさと納税支援など、皆さんご承知のとおりであります。
先月、そのお礼のため、くまモンが漫画の出版元である集英社を訪ねたところ、さらなる復興支援プロジェクトの実施について快諾していただきました。
そしてこの度、県と「ワンピース」が連携した復興PR企画の第2弾、「ワンピース熊本復興プロジェクト・セカンド」が実現することとなりました。今回のプロジェクトでは、ワンピースキャラクターによる県のホームページジャック、県のアンテナショップ「銀座熊本館」とのタイアップをはじめ、盛りだくさんの企画を考えています。
プロジェクトの詳細については、本日から県のホームページなどでお知らせし、今後も随時更新・発表して参ります。皆様どうぞご期待ください。
改めて、ふるさと熊本の復興に熱い思いを寄せられる尾田さんに感謝申し上げます。
尾田さんと世界の「ワンピース」との強力タッグにより、熊本県民だけでなく全世界の人々にルフィたちの情熱を届け、地震からの復興の大きな原動力として参ります。本日の発表は以上のとおりです。
質疑応答
公立大学法人熊本県立大学次期理事長内定について
(幹事社)
では、幹事社から。県立大学の新理事長に白石さんということですけれども、白石さんを選ばれた決定的な理由と、あと白石さんと熊本のゆかりというのは何かあるのでしょうか。知事と個人的につながりがあるとか。
蒲島知事
決定的な理由は、最も私が尊敬し、それから優れた研究者・学者であるという事であります。そして、熊本の発信にこれから十分貢献していただけるのではないかと思っています。熊本のつながりというのは、私と友好関係にあるという事ですかね。
質疑応答
JR九州のダイヤ改正について
Q
発表項目とは違うのですけれども、先日、JR九州が来年3月のダイヤ改正で、在来線を中心に運行本数を大きく減らす計画を発表されました。これに対して宮崎・鹿児島両県知事からは、連名でJR九州に対して計画見直しを待ってほしい、考え直して欲しいというような署名も提出されましたけれども。
熊本県知事として、JR九州の、県内でも16本ぐらい減りますが、これをどういうふうに受け止められるかということと、宮崎・鹿児島両県知事のような書面で考え直して欲しいみたいな、そういった動きを熊本県もされるおつもりがあるのかどうか。2点お伺いしたいと思います。
蒲島知事
JR九州さんが鉄道事業者として果たすべき役割と言うのは、地域の足となり、そして人々の生活を支える事にあると思います。ただ、皆さんもご存知のように、九州全体が人口減少社会に向かっておりますので、路線維持への大変な努力をされていると。とても難しいというのは、私も理解しております。
今回の改正を皆さんが不安を持つのは、全体的なJR九州の将来の姿。その姿が見えない中に運行の本数が削減されたことに、利用者の不安が生じているのかと思っています。そういう意味では、将来の姿を見せる形で丁寧な説明をお願いしたいと思っています。
先程のどのようなアクションを起こすかということ(質問)でありますけれど、九州各県と連携してJR九州に対する要請活動を行う方針で、今、調整を進めています。
Q
九州各県連携してという所には、当然、宮崎、鹿児島も含まれるわけですよね。
蒲島知事
九州各県が参加する九州地域鉄道整備促進協議会というのがあります。事務局は福岡県が務めておりますけれど、JR九州に対して、次の事項について要望を行う予定にしています。たぶん12月か1月中旬だと思いますけれども、ダイヤの内容の再考であったり、ダイヤ改正に関わる利用者の利便性の配慮をお願いするような、そういう九州全体の問題としてとらえています。
Q
ということは、熊本県で単独でということは考えていらっしゃらないということですか。
蒲島知事
はい。
質疑応答
日米共同訓練実施について
Q
まだ、最終的な結果は出てないのですけれども、日米共同訓練の方も順調に進んできたかと思うのですけれども、今回オスプレイが参加したということもかなりトピックとしてあげられてはいたんですけれど、従前からオスプレイ参加の常態化の懸念というのが地元にはあるのですけれども、知事として、その辺についての懸念というのはお持ちでしょうか。
蒲島知事
今回に関して言えば、事故がなく終了したのでとても良かったと思っています。今までもずっと、日米共同訓練が行われておりまして、この日米共同訓練に関しては、国の方が安全性を確保すると。それについても県としては毎回この事を要請しておりますので、これからも安全・安心が確保されるよう徹底してほしいというスタンスでいきたいと思っています。
質疑応答
大空港構想(JRの延伸)に関して
Q
JRの別の話なのですけれど、この前の(11月定例会特別)委員会の方で、空港への延伸というのが検討に入るという話もあったと思うのですけれども、知事自体は今回の大空港構想に基づいていろんな動きがある中で、延伸についてどのようなお考えがあるのか。また、延伸を考えておられるのであれば、どのようなルートでの延伸というのを検討されているのかお聞かせください。
蒲島知事
私が知事になってすぐ、空港のアクセスの問題について、JRの石原会長に「こういう延伸は可能でしょうか」という話をしました。その時に、巨大な額のお金がかかると。その当時、熊本県は財政的に大逆境にありましたので、空港ライナーという形でアクセスを確保してはどうかと。その時にこの鉄道の延伸という事については、そこでストップしたわけであります。
今度、大空港構想というか、また、コンセッションという形で、新たな熊本の空港の発展を図っていくわけですけれども、新聞記事でも皆さん見られたように、インバウンドといいますが外国からのお客さんがとてもたくさんいらっしゃっているということでありますので、将来的にそれを踏まえて、そして阿蘇くまもと空港の更なる発展の為に、様々な前提を外して、その鉄軌道の延伸も含めて検討してはどうかというスタンスで今動いています。まだ、具体的な事は、もちろんなにも決まっていませんけれど、少なくともそれ(鉄軌道の延伸)は排除せずに考慮していくという事ですので、これからまた議論が始まっていくと思います。
質疑応答
政府の地震調査委員会の公表に関して
Q
政府の地震調査委員会が、中央構造線断層帯を大分県の内陸部(である)別府金山断層帯という所まで(という)発表があったかと思うのですが、熊本もすごく近い場所にあると受け止め、知事はこの発表をどう受け止められているのか教えてもらえますか。
蒲島知事
今日のニュースを見て大変驚きました。災害は常に想定外でありますので、熊本地震を経験した私としては、常に何が起きてもいいように、想定をしながら準備することが大事だと(思っています)。
災害は、特に地震はどこで起きてもおかしくないと、熊本県はそういうスタンスでいきたいと思います。ただ、災害があっても想定外のことは多いわけですから、「対応力」というのがとても大事だと思うんですね。災害が起きた時に、どう対応するかという対応力。だから全国的な対応力が必要となりますので、熊本地震の対応。良かったことも悪かったことも全て発信して、日本全体の対応力の向上に貢献したいと思っています。制度の常設化も含めてですね。もう熊本県は終わりましたけれども、その経験をもとに「こういう事を法制化したらどうでしょうか、常設化してはどうでしょうか」という事を今政府に対して要請しているところであります。
Q
法制化などで例えば。言える言えないはあると思いますが具体的にどういったことと言えるのがあれば・・・。
蒲島知事
今日、奥野(総務)副大臣とお会いしましたけども、例えば災害が起きた時に1つの市町村、1つの都道府県では対応できませんよね。その時に全国から職員の方が来られますけれども、その時どういう風にしていいかというのは、その時の判断で決まってしまいますよね。そうではなく、それを法制化しておけば、全国の職員をどういう形で動員できるかと。それが全国的な災害の対応の力になっていくのではないかなと、対応力の向上になるのではないかなと(思いますが)、それが1つの例ですよね。それについては、検討されているという事なので、とても心強く思いました。
質疑応答
奥野総務副大臣の熊本県視察について
Q
関連してなんですが、奥野大臣とのやり取り(は)他にはどのような具体的なやりとりがあったのか、可能な範囲で教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
ほとんどは、(報道機関の)皆さんが(奥野総務副大臣と意見交換の時に)聞かれていたのではないかと思っていますけれど、具体的な話では、木造の仮設住宅の話。阿蘇の大崩壊は植林を大事にするという所が欠けているのではないかと、そういう話もありました。森林のケアの為にも材木の需要が必要だと。そのために熊本県がやった方法としては、木造で仮設住宅や「みんなの家」を建築したと。それを、とても皆さん喜んでいただいたので、熊本県では福岡県の朝倉市などに対しても「木造で造ったらどうですか」と設計図も含めて全部提供しました。福岡県の方では、仮設住宅は全部木造で作られたのですね。そういう意味で、木造の需要、それをこの際考えたらどうかと、そういう話をしまして、とても興味を持たれたのではないかなと思っています。
もうひとつ、私の方から言ったのは、用地の取得はとても難しいですよね。用地の取得は難しいので、木造で仮設住宅を作るのだったら、それぞれの敷地に造ったらどうだろうかと。敷地に造れば、あとで撤去の必要もありませんよね。それから本格的な住まいの確保までそこに住むことができると。そこ(敷地)に前に家があったから、排水もそれから水もきていますよね。仮設住宅にお金がかかるのは、排水とか給水の機能がとてもお金がかかるらしいのです。そういう新たな災害の時に、新たな方式を弾力的に考えることも大事ではないかなと、そういう話を私の方からさせていただきました。
Q
関連してですが、その話に対して、大臣からの答えというのは・・・。
蒲島知事
(木造の仮設住宅を建設する場合)どのくらい余分に時間がかかりますかという話で、思ったよりもそれほど沢山かかることではないと。多分1週間くらいじゃないかという話をしました。(大臣には)好意的に受け止められたのではないかと私は感じました。いつも普段の時に言っておかないと、実際に起こった時に考えても間に合いませんよね。
福岡の場合(九州北部豪雨)も、すぐ熊本県は設計図も、政府との交渉の過程も、それから金額的なものも全ての情報を(福岡県に)持って行って提示しましたので、取り掛かりが早かったのではないかなと(思います)。福岡県知事も(熊本県に)いらっしゃって、実際に熊本県の木造とプレハブの両方を見られて、やはり木造がすごくいいと感じられたということですので、熊本からの発信という意味では、木造と「みんなの家」の発想も、これで発信できるのかなと思っています。
Q
確認ですが、1週間くらいというのは。
蒲島知事
普通プレハブ(住宅)の建設に3、4週間かかるとしますよね。プレカットしていればもっと早いかもしれませんけれども、(木造住宅の場合は)プラス1,2週間かかるということです。その1,2週間をどれほど大事なものと考えるかということです。
仮設住宅に入られた方は、それでもやはり木造がいいと思われていますので。皆さんもそう思われますよね。(実際に)やったところでないと分かりませんからね。
Q
よろしいですか。ありがとうございました。
蒲島知事
どうもありがとうございました。