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平成28年7月6日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成28年7月6(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
動画
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会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
コメント
発表項目
質疑応答
(幹事社)
おはようございます。定例会見を始めさせていただきたいと思います。知事から発表項目の方をお願いします。
コメント
平成28年熊本地震について
蒲島知事
4月に発生した熊本地震から、3カ月が経過しようとしています。また6月20日からの記録的な大雨により、6名の尊い命が失われました。あらためて亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げます。
この3カ月、県民の力を合わせ、震災からの復旧に邁進してきました。応急仮設住宅や憩いの場である「みんなの家」も一部で完成し、仮設住宅への入居が始まるなど、被災者の方々の新たな生活が始まっています。
阿蘇への主要なアクセスルートについても、国から国道57号の概ねの復旧ルートが公表されるとともに、俵山トンネル復旧の年内完了という目途が示されました。崩落していた国道325号阿蘇大橋の架け替え位置も決定され、復旧が具体的に動き出しています。
また被災した県内企業の早期復旧と経営再建を強力に支援するグループ補助金について、6月20日から公募を開始しました。
さらに、これからの夏の旅行シーズンに向けて、観光需要回復の起爆剤となる割引旅行プラン「九州ふっこう割」の販売も、7月1日にスタートしました。
先月28日には、国の予備費7,000億円の執行について、第3弾となる210億円の事業が決定されました。今回は、熊本城や阿蘇神社などの文化財の修復費や、南阿蘇鉄道の復旧方法の調査費などが計上されました。
今後、このような国の支援を得ながら、関係機関や県民の皆さまと一緒になって、熊本の「創造的復興」を成し遂げていきたいと思います。
発表項目
くまモンのヨーロッパプロモーションについて
報道資料:くまモンのヨーロッパプロモーション(PDFファイル:115KB)
蒲島知事
本日は復旧・復興に取り組む熊本からの情報発信について、二つの発表があります。
このたび、くまモンが7月7日から10日にかけて、パリで開催される「第17回ジャパン・エキスポ」に参加します。くまモンは復興のシンボルとして、熊本への支援に対するお礼と、復興に取り組む熊本のPRを行います。
くまモンはもう来ていますかね。くまモン、入って下さい。
(くまモン登場)
〔※くまモンに向かって〕はい、ありがとう。今、くまモンの話をしているところですけれども、くまモン、よろしくね。
「ジャパン・エキスポ」は20万人を超える参加者が見込まれるヨーロッパ最大の日本文化とエンターテインメントの祭典です。このイベントへの参加は4年連続となります。今年は熊本地震での被災を受けて、主催者により「熊本地震復興支援プロジェクト」が立ち上げられる予定です。このプロジェクトでは、くまモンのチャリティグッズを販売し、参加者に義援金の協力を呼びかけます。さらに熊本の観光情報をパネルで展示していただくなど、熊本の復興を大いに応援する内容となっています。
またくまもとブランド推進課長が、復興に向けて力強く取り組む熊本の様子と、くまモンの果たすべき使命について熱く語るトークセッションも実施します。くまモンはステージイベントを通して、今回の震災に対する支援に感謝するとともに、復旧・復興に向けて頑張る熊本の姿を、ヨーロッパの方々に向けて元気に発信します。〔※くまモンに向かって〕はい、ありがとう。
発表項目
映画「うつくしいひと」観光庁長官賞受賞について
蒲島知事
二つ目の発表です。昨年10月に撮影し、本年1月に完成した映画「うつくしいひと」が、第5回観光映像大賞・観光庁長官賞を受賞しました。この賞は観光映像大賞に応募された612点の中から、最も優れた作品に対して贈られるものです。
この映画は、熊本の美しい原風景を背景に普遍的なテーマが描かれています。そこに熊本の人、情緒が感じられる映画で、熊本城や菊池渓谷、阿蘇草千里など、震災前の美しい熊本の風景が記録されています。
現在、全国150カ所でチャリティ上映会が開催され、インターネット動画配信サイトでも配信されています。ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。そして映画を見るだけでなく、実際に熊本を訪れ、復旧・復興に頑張る私たち熊本県民の姿を見ていただきたいと思います。
熊本に「旅行することもボランティア」というお気持ちで、海外も含め多くの方々に熊本を訪れていただきたいと思います。
以上が、私からの発表です。
質疑応答
くまモンのヨーロッパプロモーションについて
(幹事社)
ありがとうございます。では幹事社から何点かお尋ねします。まず発表項目についてですけれども、ヨーロッパプロモーション「ジャパン・エキスポ」への参加ということですが、今、ヨーロッパ当地での、熊本地震の報道のされ方、認知のされ方というのを知事としてはどのように見ていらっしゃるのか。それと、今回、くまモンがヨーロッパに行って復旧・復興をアピールするということで、県としてはどのような効果を期待していらっしゃるのでしょうか。
蒲島知事
昨年の調査では、熊本県は、海外からの旅行者が日本で1番増えた所なんですね。だから、ヨーロッパを含めて多くの方々が熊本に来ていらっしゃいます。
ただ今回、熊本の地震によって、その流れがだいぶん途絶えています。それは、熊本は全部だめだというふうな捉え方をしておられると思いますし、熊本だけではなくて、九州全体の旅行者もものすごく落ち込んでいます。
そういうこともあって、今度はヨーロッパ、特にパリの「ジャパン・エキスポ」で、熊本を応援するようなエキスポにしたいということでありますので、そこでの、くまモンを含めてみんなで熊本の発信、九州の発信をすることはとても大事だと思っています。
それは、熊本がこれだけ有名になったということも、マイナスの面かもしれませんけれども、今回ヨーロッパの方々が熊本に対する愛情を持って、より接していただくのかなと思っています。
くまモンはヨーロッパでもとても人気者ですから、例えばシュタイフ社のテディベアくまモンもありますし、バカラ社のバカラくまモンも出ていますし、それからイギリスではMINIのくまモンバージョンもできています。さらにエキスポに登場することで、熊本の認知度が高まるのではないかなと思っています。そういう意味でヨーロッパでもアメリカでも多くの海外で、地震に関する情報が相当流れましたので、皆さんは熊本という名前は相当認知されたのかなと、それをポジティブに変えていくという役割があります。
質疑応答
参議院選挙について・1
(幹事社)
ありがとうございます。後、ちょっと発表項目とは外れるんですけれども、今日、新聞各社載っておりましたけれども、参院選の終盤情勢というのが出ていまして、自民党がかなり伸長しそうな勢いというようなことですけれども、全国の結果というのはどう見ていらっしゃるのか。また熊本でもかなり自民党を支持するというような人がかなり増えているんですけれども、熊本での要素というのは何か考えられることがあるでしょうか。
蒲島知事
知事としてではなくて、政治学者としてお答えします。投票行動の理論で、私は今回の選挙の争点は何かと聞かれたら、現政権の政権担当能力と業績評価、それが問われているのかなと思っています。有権者一人ひとりの方がこの政権をどう評価するか、それとも変えたほうがいいのか、そういうふうな判断をされるのかなと思っています。それで業績評価が、今の世論調査の結果というよりも、(選挙)結果に結びつくのではないかなと思っています。
(幹事社)
熊本選挙区での状況というのは、何か要因がありますか。
蒲島知事
選挙区での評価は、これは一般的な、全国的な業績評価プラス熊本独特の評価とすれば、震災対応があります。この震災対応を多くの県民がどのように評価するかということが、選挙結果にも、また情勢の世論調査の結果にも現れてくるのではないかなと思っています。
(幹事社)
はい、ありがとうございます。幹事社から以上です。各社さんどうぞ。
質疑応答
平成28年熊本地震について・1
Q
阿蘇大橋ですけれども、建て替え案は昨日決まりまして、その点についてどのようにお考えかということと、やはり時間がかかるようなので、どのようにその間の交通や地域の振興を図られますか。
蒲島知事
阿蘇大橋に関して、私は、計画が相当速いスピードでなされたのかなと思っています。両側がだんだん削られている状況なので、どこに橋を架けられるのかなと、私もとても関心を持っておりましたけれども、かなり下流の方に、それも長い600mという橋ですので、削られる場所を考えながら計画されたのかなと思っています。
阿蘇大橋はとても大事なルートですので、なるべく早くやっていただきたいと(思います)。ただ時間がかかります。時間はかかりますけれども、今三つのルートが今年中にはできると思っています。
一つはグリーンロードですね。私も通りましたけれども、とても風景がいい。ただ冬の間は通れない可能性もあるというので、ちょっとその懸念があります。
もう一つはミルクロード。ミルクロードというのはとても素晴らしい道で、大観峰の方から入れる、そういうふうな道なんですね。ただ霧が深い時があります。霧がとても深いとなかなかそこを通れないという問題もある。でもこの二つは、今、この夏のシーズンにはとても素晴らしい代替道路として使えるのではないかと思っています。
もう一つ、俵山トンネルを通るルートがありますけれども、これについては今年中に完了するということですので、冬のグリーンロードが使えない時とミルクロードが霧の多い時には使えるような形で、早く完成していただければいいなと思っています。
いずれにしても国の方も超スピードでやって下さっていますので、その三つのルートを使いながら、そしてこの阿蘇大橋も完成を待つし、国道57号も長期的に完成を待っていきたいと思っています。それから、今、(阿蘇に)行けないというふうな風評被害があるけれども、行けるんですよね。その代替ルートというのはとても魅力的なものですので、それを皆さんに分かっていただきたいなと思っています。
Q
後、もう一つですが、やはり東京に行くと、あまり熊本の情報というか今の正確な情報というのがあまり伝わっていないのですが、それがやはり観光の足かせになっていると思うので、そこをどのようにPRされていかれますか。
蒲島知事
例えばこの前の有識者会議の提言をいただいた時に、熊本では全国紙のニュースでは一面トップになっていました。同じ日に私は東京に行きましたが、全然載っていませんでした。
むしろ私の方からお願いしたいんですけれども、メディアというのは、もともと新しいものを好むのは確かですけれども、やはり今1番社会的に苦しいですよね、熊本はね。そういう苦しい状況にあるその地域なり人々を取り上げて、なるべく息の長い報道をしていただきたいと思っています。
これはお願いするしかないですけれども。むしろ政府の方が安定的にずっと被災地のことを考えてくれますけれども、メディアの方は無情にも早く切り上げてしまって報道されない。だから今日は、多くのメディアの方がおられますので、ぜひ東京でも、素晴らしい特ダネと、それから素晴らしい報道記事を書いていただいて、これは必要なんだということを言っていただきたいなと思っています。
質疑応答
参議院選挙について・2
Q
知事すみません。先ほどの世論調査の質問に絡んだ話ですが、知事は先ほど熊本の選挙区の結果について、震災対応の業績評価が結果に現れているとおっしゃいましたけれども、つまり、熊本での震災対応がしっかりしていることが、今回の世論調査結果に反映されているというふうなお考えでいらっしゃると(いうことですか)。
蒲島知事
今日の熊日新聞に、これは国の対応という形で調査されています。その対応について、どう考えるかと、評価しているかどうかということですけれども、78パーセントの人が評価されていると。普通は災害対応というのは、むしろ低い評価が出るんですよね。なかなか皆さんの期待に応えることは難しいので、どうしても皆さんは評価されません。だから、78パーセントという数字を見て、統計学的に見ると高い数字だなあと思いました。そういう意味では、災害対応に対する業績評価、これは国の災害対応ですけれども、それが選挙結果には反映されるのかなと思っています。
質疑応答
平成28年熊本地震について・2
Q
すみません。暑い日が続いていると思うんですけれども、地震で被災した方が、この前は大雨が降って、雨でまた被災されて、いつもと違う環境で暮らす中で、この暑さというのは結構、直撃してしまう方とかもおられると思うんですけれども、知事はこの夏の暑さをどう受け止めていますか。
蒲島知事
まずは、この大雨ですよね。これに対しては、私は6名の方が亡くなったことに、とても悲しみを(抱いています)。それから、やはり明るいうちに予防的避難ということをずっと言ってまいりましたけれども、それをもう少し強く訴えなければいけなかったのかなというふうに思っています。
ただ、雨がこれほど降って、そして暑さが厳しいということで、避難所におられる方々の健康問題は、これからしっかりと見ていかなければいけないと思っています。多分、今一生懸命やっていることは、そこで冷房が効いているということが大事ですよね。それから水をちゃんと飲んでいただくような、そういういろんな発信も必要かもしれません。
それからもう一つ大事なことは、7月中に仮設住宅に移っていただくこと。これがとても大事なことだと思いますので、今一生懸命に、7月中に仮設住宅に移れるような体制を組んでいるところです。ただ、つい最近、また追加の仮設住宅の要望がありましたので、その追加の二百数十件については、8月の中旬ぐらいになるかもしれません。ただそれ以外は、大部分は7月中に入居できるのではないかなと思っています。そこには冷房もありますし、避難所よりも快適だと思いますから、早くそこに移っていただくことが、この暑さ対策にはプラスの効果があるのではないかと思っています。
Q
すみません。今の大雨に関連してですが、やはり地震によってひび割れたところが大雨によって崩れたりとか、いわゆる(地震に)関連して被害が広がっている部分もいろいろあると思うんですけれども、その部分での被害というのは、どういうふうに、予算的にも対応していくのかというのはどうでしょうか。
蒲島知事
確かに関連する部分があります。大雨で被害を受けたけれども、これは地震によって拡大した部分ですよね。そういう所は、地震との関連であれば同じその地震の中で対応ができないかということも含めて、全容の把握に努めているところであります。
Q
今、その件ですけれども、その地震とどう関連付けるかというのは、市町村がそういうところは運用していくというふうに、私聞いているんですけれども、例えば県の方で、一律にそういう関連付けて解体撤去するようにとか、そういうところを出すかもしれないとのお考えもあるということですか。
蒲島知事
これは、それぞれの地域が1番分かるという判断のもとで、ただ県が何もしないわけではなくて、様々な形で地域に寄り添って一緒に考えていくことですけれども、関連死なんかがそうですよね。地域でやっていただくことが大事だなと思っています。その地震との関連と、雨の関連もどっちかと言えば、地域と県が一緒になって考えるということが正しいのではないですかね。なるべく被災者の方に寄り添って考えるべきですよね。それが1番大事なスタンスだと思います。
Q
すみません。熊本地震から3カ月、依然おひとりの方が行方不明ですけれども、ご両親とかご家族が独自に今探していらっしゃる中で、梅雨明けを踏まえて、また大規模な捜索とかは検討されていらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
今、空と河川から、継続的にずっと調査しています。この前1度大捜索に近い形で捜索いたしましたけれども、今はそれをまた元の形に戻しています。ただ、国道57号の道路(整備)が進むことによって何らかの手がかりが出てくるとかそういうことであれば、また捜索を考えるかもしれませんけれども、現在のところ今の形の、空からと河川カメラからの捜索を続けていきたいと思っています。
Q
すみません、復旧・復興有識者会議というのが少し前にあったんですけれども、その中で義援金を使った一部損壊世帯の救済みたいな話もあったかと思うんです。なかなか難しいかとは思うんですけれども、一部損壊世帯の救済策とかは、今後県としては、どのように対応する考えがあるのか否かというところと、するとすればどういったものが考えられるかというところの、そういうお考えをお伺いできればと(思います)。
蒲島知事
有識者会議の方でそのような提言をいただきました。それを真剣に受け止めて、今度の復旧・復興プランの中にはお示ししたいと思っています。
Q
復旧・復興プランの中で、じゃあ具体的に一部損壊の方の救済策みたいなものも盛り込まれたいということですか。
蒲島知事
この段階で、結論めいたことは私自身が言えません。7月にはこの大まかな復旧・復興プランが公表されますので、それが結論です。
よろしいですか。
Q
すみません。ちょっとせっかくなので、〔※メッセージを見て〕あれは、何ですか。
蒲島知事
名古屋の小学校からですね「熊本の皆さん、頑張ってくれ」という、そのようなメッセージが届いたので、これ一つひとつのハートマークにメッセージが書いてあるんですね。大変うれしいなと思ってここに持って来たところです。
日本全国から、それから世界中から様々な支援のメッセージが届いています。昨日届いたものですから。
Q
じゃあ、その一つとして、今日、ご紹介いただいたということですね。いろんなところから。
蒲島知事
ええ、メッセージがいろんな所からたくさん届いています。私の知事室にも届いておりますけれども、他の様々な部局にも届いています。とても心のこもったメッセージなので、うれしいなと思って持ってきたところです。
よろしいですか。
(幹事社)
では、終わります。ありがとうございました。