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平成28年6月15日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006868 更新日:2016年6月15日更新

知事定例記者会見

日時:平成28年6月15(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

動画

 動画はこちらからご覧いただけます。<外部リンク>

会見録

 知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

発表項目

質疑応答

説明資料(PDFファイル:193KB)

(幹事社)
 おはようございます。

蒲島知事
 おはようございます。

(幹事社)
 まず、知事から発表をお願いいたします。

発表項目

平成28年熊本地震復旧・復興本部設置について

報道資料:平成28年熊本地震復旧・復興本部の設置について(PDFファイル:123KB)

蒲島知事

コメントする蒲島知事の写真

 はい、4月に起きた二度にわたる震度7の地震から、約2カ月を迎えます。あらためて、今回の熊本地震で尊い命を失われた方々のご冥福をお祈りいたします。また安否不明の方とそのご家族、そして、被害に遭われた全ての皆さまにお見舞いを申し上げます。

 地震発生から約2カ月が経過し、初動対応から、本格的な復旧・復興を進めるフェーズに移行しています。建設を急いでおりました応急仮設住宅は、地震で大きな被害を受けた益城町でも、その建設が一部完了し、待ち望んだ新たな生活が始まっています。

 県では、被災者お一人お一人の生活再建や被災した施設、道路、農地等の復旧・復興に尽力しています。

 さらに、地域経済の再生に向けた取組みを加速化させるため、次の3つのことに取り組んでまいります。

 一つ目は、「復旧・復興本部」の設置についてです。

 これまでも、「被災された方々の痛みを最小化する」こと、「単に元あった姿に戻すだけでなく、創造的な復興を目指す」こと、「復旧・復興を熊本のさらなる発展につなげる」こと、という3原則のもと、熊本地震への対応に取り組んでまいりました。

 復旧・復興本部では、この3原則に加え、先日開催された「くまもと復旧・復興有識者会議」での提言を踏まえ、熊本の将来像と基本的な方向性を示す「復旧・復興プラン」の策定や、このプランに基づく施策の進捗状況管理等を行います。

 なお、第1回目の本部会議は、6月20日に開催する予定です。その前日の19日には、有識者会議の五百旗頭(いおきべ)座長から、熊本地震からの創造的な復興に向けた提言が提出される予定です。

 有識者会議からいただくご提言を踏まえ、本部長である私を先頭に、復旧・復興本部の中で、プランについての検討を深めてまいります。

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発表項目

平成28年熊本地震に伴う組織改正について

報道資料:熊本地震に伴う組織改正について(PDFファイル:259KB)

蒲島知事
 2つ目は、県の組織改正についてです。

 今後の本格的な復旧・復興には、相当の時間を要し、それとともに、県の業務量も大幅に増加します。そこで、県の組織体制を整え、復興の取組みをさらに加速させるため、6月20日付けで組織改正を行います。

 改正の1点目は、被災者の生活再建支援に関するものです。

 健康福祉政策課の中に、新たに「住まい対策室」を設置し、応急仮設住宅の整備や生活再建支援金の支給など、被災者への支援体制を更に強化します。

 2点目は、災害廃棄物の処理に関するものです。

 循環社会推進課の中に、新たに「災害廃棄物処理支援室」を設置し、災害廃棄物の広域処理や市町村支援を迅速に進めます。

 3点目は、被災市町村の支援に関するものです。

 市町村課内の班を再編し、復旧・復興に向けた市町村への支援体制を整備します。

 その他、今回の組織改正に合わせて、災害対策部門や中小企業等の復興支援について増員を行うなど、職員の配置も見直します。今後増加が見込まれる復興業務に職員を集中的に配置し、1日も早い被災者の生活再建と、被災地の復興を目指してまいります。

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発表項目

くまモン復興シンボルマークについて

蒲島知事

蒲島知事とくまモンの写真

 最後の3点目も、大きな発表です。このたび、本県の復興に向けたシンボルマークを作成しました。ここで皆さまに発表します。

 今日は、発表者として、シンボルマークのモデルであります「くまモン」を呼んでいます。

 くまモン、入って下さい。

 〔※「くまモン」、旗を持って入室〕

 これがシンボルマークです。〔※「くまモン」に向かって〕皆によく見てもらってね。

 このシンボルマークをもとに、心を一つにして復興に頑張りたいと思います。

 繰り返しますけれども、これが、今回作成いたしましたシンボルマークです。作成に当たっては、くまモンの生みの親である小山薫堂さん、水野学さんの全面的な協力をいただきました。

 スローガンは、「がんばるけん! くまもとけん!」です。

 これまでのご支援とご心配に対する感謝の気持ちとともに、復興に向けた決意を「がんばるけん!」と力強く宣言するものです。

 お年寄りから小さな子どもまで、熊本県民が心を一つに頑張るという思いを込めて、シンプルで分かりやすい言葉を用いました。

 イラストは、復興の「旗振り役」を務める「くまモン」が、「心を一つに頑張ろう!」と県民に呼びかける姿をイメージしたものです。いつもとは違うりりしい表情の「くまモン」です。

 旗印は、くまモンをモチーフにした新しいデザインです。ひらがなの「くま」に家紋の「紋」と書いて、「くま紋」と呼ぶことにしました。

 このスローガンやシンボルマークは、本県共通のものとして、県だけでなく市町村、企業、団体、学校、個人等でも幅広く使用していただきたいと考えています。

 なお、企業等での商品へのマークの利用は、来年3月末までの間は、県内関係の事業者に限って、認めることとしています。県では、このシンボルマークが付いている商品を買っていただくよう全国にアピールし、厳しい経営環境に置かれている県内事業者を支援していきます。

 このシンボルマークのもと、県民が心を一つにし、被災された方々や被災した地域を支えることができるよう、私とくまモンが旗振り役となって、熊本県の復興を力強く進めてまいります。

 私からの発表は以上です。

 じゃあ、ちょっとくまモンと力強く出発進行しましょうか。ぜひ皆さんもこのシンボルマークを使っていただいて。端的に言うととてもいいマークだと(思います)。

 はい、これがシンボルマークでした。ありがとうございました。以上が私のコメントですので、後、質問を受けたいと思います。じゃあ、くまモンありがとうね。

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質疑応答

平成28年熊本地震復旧・復興本部設置について・1

(幹事社)
 知事、ではまず、幹事社から質問させていただきたいと思います。二つお伺いいたします。一つ目ですが、復旧・復興本部の設置につきまして、ここ2カ月が経ったという時期での設置になりますけれども、お話にありました復旧・復興プランの策定というのは一つの目的として挙げられましたが、これは、時間的なスケジュール、スパンとしてはどれぐらいで策定されるご予定なのかというのが一つ目になりますが。

蒲島知事
 19日に提言が私のほうに寄せられると思いますので、20日から復旧・復興プランをそれに基づいて作っていくということになります。なるべく早く作りたいと思いますけれども、その内容にもよりますし、それから、それを参考にしなければいけませんので、この段階でいつまでというのは、述べることはできません。けれども、なるべく早急にやります。

 もうすでに復旧・復興のステージには入っていると、私は思っています。その明快なシンボル、目標となるのが、この復旧・復興(有識者)会議の提言だというふうに思っています。提言のだいたいの方向性は分かっております。それに基づいて庁内の検討は進んでおりますけれども、提言が実際に正式にできた後、またきちんと急いでやりたいと思っています。

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質疑応答

くまモン復興シンボルマークについて

(幹事社)
 それから、もう一つ、今の復興シンボルマークについてですけれども、これは一般の利用も想定されていますが、県としてホームページや広報誌でも展開していくということが書かれておりますが、これ最初はどういう形で、何に掲出されますか。

蒲島知事
 今のシンボルマークを、県内の企業を含めた事業者、それから学校も個人も、当然、県も市町村も使っていきたいと思っております。

 このシンボルマークが付いた商品が売り出されるとすると、皆さん、日本中、世界中の方が熊本頑張れという形で購入される。それが事業者の利益に結び付いて、熊本の経済が動くと。

 それが一つの側面であると思います。何よりも、くまモンという非常に求心力の高いシンボルに、さらにこの復興のシンボルが付いて、それが熊本の復興を皆で助けようという、そういう気持ちになること。それから、熊本県内の方々は皆で一緒に心を一つにして復興に力を注ごうという気持ちになること。そういう意味では様々なプラスの側面があるのではないかなと思っています。

(幹事社)
 ありがとうございました。各社さんから質問をお願いします。

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質疑応答

九州知事会の支援について

Q
 すみません、今日の発表事項の内容ではないんですけれども、今回の地震の際に、九州地方知事会から、職員や物資の派遣を受けられたかと思います。

 この知事会の支援について、蒲島知事のご評価を教えていただきたいのが1点と、後もう1点、今回の知事会は、県や市町村ごとに支援する被災自治体を割り当てるカウンターパート方式という方式で支援を行ったかと思います。ただ、この方式を使う際に具体的な要望を県から出されたと思うんですけれども、それによって、初動が4月の18日になったかと思います。地震発生から4日後に。少し遅れがあったのではないかという指摘も聞いております。このことについて、良かった点、課題点それぞれお聞かせいただけますでしょうか。

蒲島知事
 はい、皆さんもご存知のように、最初の3日間というのは人命救助に全ての力を注いでいます。そういう段階では、他の県の知事の方々は、早く支援を出したいと思っておられても、なかなか熊本県から(電話が)出てくるのを待っていると時間がかかるので、多くの都道府県は、プッシュ型と言いますけれども、(自ら)必要だと思われる人員とあるいは先遣隊なども含めて、熊本に来ていただきました。こちらとしては、そちらの判断でやって下さいということを言うし、それから向こうもそれでやっていただいた県が多いと思っています。

 途中からは、九州知事会の知事会長のもとで、どこの市町村に出すとか、そういうことを決めていただいたと私は思っています。

 ただ、最終的な判断は、どうしても熊本県に来ますよね、だから、最終的な判断が熊本県に来た時に、担当者のところに全て集中してきたので、その担当者も大変だったと思います。基本的には自分たちでできることをやろうと、そういう支援文化と言いますかね、そういうふうにこれまでもなってきたし、今回もなったのではないかなと私は思っています。

 私の(1期目の)知事時代もそうだったんですけれども、東日本大震災の時には、向こうからリクエストはなかなか来ないんです。それは大変だから。そこで、すぐこちらから(先遣隊を)宮城県に出して、宮城県のその災害担当のところに行って、何が必要かということを聞いて、東松島市にこっちから行くということを申し出て派遣した経緯があります。

 今は、混乱の極みにある被災地の方々の要望を聞いてからというよりも、もうすぐに先遣隊を出して、自動的に自分たちの考えで行くという方向になっているのではないかと思うし、その方がありがたいですよね。こちらから要望を出す時も、私は、これは日本の官庁の文化だと思いますけれども、要望をなるべく過大には出さない、遠慮がちに出すという文化があると思うんですね。

 だから、これからの支援というのはプッシュ型で、まず自分たちが先遣隊を出して、そして何が必要かを考えて、そして(派遣を)始めると、それを知事会が調整していくという形のほうが、一番理想的ではないかなと、今回被災地になってあらためて考えました。向こうから先遣隊を出して、自動的に来て、そしてやっていただいたと。でも、そのコーディネーションはやっぱり県がやらなくてはいけない。そういう意味では、かなり熊本県のコーディネーションの担当は、苦労したのかなと思います。

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質疑応答

平成28年熊本地震復旧・復興本部設置について・2

Q
 知事、いいですか。今日の発表項目の話ですが、今回の復旧・復興本部の設置についての話ですが、あらためて今回設置することで、この意義ですが、何ができるようになるのか。これを設置することで何が進むというふうなお考えをお持ちでしょうか。

蒲島知事
 これまでは対策だったけれども、これからは復旧・復興に向かう一つの形が、本部という形で制度的にできるということになります。そういう意味では、これからどのようにして、復旧・復興プランを進めていくか、そして、まずはその前に復旧・復興プランをどうやって作るかということも含めて、この本部が最高の意思決定機関になります。全ての部長が本部員になっておりますし、公室長が復興監という形で私を支えてくれます。そういう形で、人は同じですけれども、あらためて復旧・復興に向かうその体制ができたということであります。

Q
 第1回会合の課題としては、知事は、今何を考えていらっしゃいますか。

蒲島知事
 6月20日が最初だったと思いますけれども、それで、その前の日に五百旗頭復旧・復興(有識者)会議の座長の方から、私の方に提言書が出ますので、それを踏まえて、次の日に、さらにこれを深めた議論をしていきたいと思っています。〔※事務局に向かって〕20日だったですよね。

(事務局)
 はい。

Q
 すみません。復旧・復興本部に付随してお聞きしますが、19日に提言書が出て、20日に第1回の会議を開くと思うんですけれども、より具体的な話をするという理解でよろしいでしょうか。

蒲島知事
 まず、それ〔※提言書〕を前の日にいただいて、そして、いただいた提言書に基づいて第1回の会議を開いて、さらに議論を深めるかあるいはどういう方向で行くか、そこで話し合いが行われると、6月20日の会議というのはそういうふうになると思っています。

 まず、顔合わせが最初ですけれども、皆顔は知っているはずですから、もう、すぐ提言について話し合って、それをより深めていってプランを作っていくというのが、次の段階ですよね。

Q
 すみません、知事。復旧・復興本部に関係してですけれども、これは、復旧・復興プランの作成とその進捗管理を目的としているということですけれども。これは、定期開催を考えているものでしょうか。そして、またどこまでを設置期間としてイメージしていらっしゃるのだろうかということの2点をお尋ねいたします。

蒲島知事
 具体的にいつまでということは、ここではまだそこまでいっていませんけれども、毎週1回、いずれにしても、この本部員が全部集まる庁議が行われます。庁議の後、この本部がそのまま引き続き行われるというふうな形態になると思います。それが必要な限りこの本部は設置されると。

 進捗管理というのは、結局、まずは復旧・復興プランを作って、それ〔※進捗管理〕をやるのも本部ですよね。各本部員ですから。そういう意味では、進捗管理イコール自分たちがどこまでやったかというのも、そこで分かりますし、それを皆で出し合うことで、全体でどういっているかというのも分かっていくというふうに思いますので、そういう意味ではとても大事な会議です。

Q
 原則はその庁議の後、庁議はクローズですけれども、そのクローズのまま行われるものを想定していらっしゃる(んですか)。

蒲島知事
 庁議と、それから復旧・復興本部会議は、これは明らかに違いますよね。だからオープンかどうかは私も聞いていませんけれども、〔※事務局に向かって〕どうですか。

(事務局)
 第1回目は、当然オープンにします。それ以降も2回目、3回目というのは不定期にやっていくことになると思いますけれども、基本、知事がおっしゃったように、庁議の後開催、それはオープンで、2回目、3回目をする時にはご連絡をしようと(思っています)。

蒲島知事
 今、庁議は必ず週1回行なわれていますので、最低週1回は、この本部の会議も行われると思います。

(事務局)
 すみません。毎週庁議後にするということではなく、不定期に。行う時にはご連絡をします。

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質疑応答

国道57号阿蘇大橋地区における北側ルートでの災害復旧等について

Q
 すみません、昨日国道57号の新ルートの閣議決定が行われましたけれども、これに対する所感をちょっとお伺いしたいのですが。

蒲島知事
 はい、きのうの閣議決定で、(国道)57号の代替ルート、これが決定いたしました。(国道)57号の復旧の方についても、これから検討されるということでありますけれども、この代替ルートというのはとても大事なルートになると思います。

 トンネルですから、一番心配な土砂崩れがなくなると。それから代替ルートは、将来的には中九州横断道路との関連も出てくると思います。だから、複数ルートがあって、大分とのつながり、それから阿蘇へのルート、これが確保されることは、これからの熊本の百年の礎を見据えた時に、とても大きな決断だと思っています。

 もう一つは、横軸は阿蘇への観光だけではなくて、今、熊本は、九州を支える広域防災拠点の中心部分であります。そういう意味では、南海トラフ地震を見据えた大分、熊本を結ぶ大きな「命の道」になると思っています。そういう意味で観光プラス「命の道」としての重要性を国の方で判断されて、非常に短期間に決断していただいたのかなと思っています。

 中九州横断道路というのは、私の1番の夢の一つでもあったんですけれども、それに少し近づいたのかなと喜んでいます。

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質疑応答

農業の復旧・復興について

Q
 すみません。農業関係の復興関係でお伺いしたいんですが、現在の被害は、1,300億円を超える被害があって、基幹産業の農業が壊滅的な打撃を受けたと思うんですが、その復旧・復興について、やはり行政だけに頼るんじゃなくて、この際、やはり新しい農業形態を模索する有識者会議、あるいは外部と連携した対応のプロジェクトチームの設置の考えはないのかどうか、お伺いしたいんですが。

 東北大震災なんかでは、やっぱり大学の農学部と連携して、あるいは有識者会議からの支援を受けて、それに基づいて復興プランを作成するような観点があるんですが、その点についてはどうでしょうか。

蒲島知事
 はい、農業については、これまでの蒲島農政では国の農政に先んじて、農地集積などを含めてやってきたつもりですけれども、今回の大震災で一挙にこれがストップした感じがあります。

 ただ、これまでやってきたことが、私はとても効果的だと思いますので、それに戻るだけじゃなくて、それ以上のところまでこの震災の復旧・復興(をやっていかないといけない)、このことをまさに私は創造的な復興と呼んでいるんです。

 創造的復興と言った時に、なかなか霞が関の方では理解してくださいません。でも、農林水産省に限っては、熊本県の農林水産部の考え方と同じように、強い農業をこの際作ろうということで、創造的復興という形で、国も県も市町村も進めるのではないかなと思っています。

 その過程の中で、今おっしゃったような委員会であるとかあるいは審議会であるとかそういうことが必要であれば、適時、県庁の方でもやることになると思います。

 ただ、今私の、自分で審議会なり委員会なんかを作った経験から言うと、私がイニシアティブを取ったのは二つあります。川辺川ダム問題、それから今回の復旧・復興の会議ですよね。そういう会議を作って、とても熊本に愛着を持ってくださって、議論していただけるような方でかつ影響力のある方。そういう方々に来ていただけるような、そういう環境も必要かなと思っています。

 それで、より効率的・効果的、そしてフレンドリーな委員会で、県と一緒に考えてくださって、国に対しても影響力のある方々、そういう方々を結集して、今言ったような委員会ができたらいいなと思いますけれども、今のところそこまでには至っていません。

Q
 もう1点、復旧・復興に当たって、農家は自分の家がやられ、農業機械がやられ、倉庫がやられ、おまけに生産基盤の農地、ため池がやられるということで、実際に手間取っている感じがあると思うんですが、東北大震災の中では農業支援の中で、復興組合というのを設立して、がれきの処理から営農再開までの、国の補助金を導入して新たな組合を立ち上げて、その中で生活再建をしながら、経営再建を目指すという方法を導入されているんですけれども、その農業復興組合の導入をするお考えというのはございませんでしょうか。

蒲島知事
 農業復興組合としての正式なそういう組織であるかどうかは別として、やるべきことは同じですよね。農地の復旧、そして農業土木関係の復旧・復興、その段階で、どういう形の組織ができるか。

 国からの予算獲得というのが1番大きな問題で、なかなか実際に農業におられた方に創造的復興しましょうとか、ちょっと一歩先のことを言うのはとても酷なような気もするんですよね。

 だから、そこのところを考える部分と、実際に現場で今日やるべきことを、やらなければいけないことをちゃんとする。それがとても大事になってくると思いますので、1番効果的なやり方はどうかということを常に考えながら、農林水産部もとても積極的にやっております。

 それはJAと一緒にやるのかあるいは、企業と言いますか、農業法人がたくさん熊本県ではできていますので、農業法人方式でやるのか。農業法人は、この際もっともっと広げて復興農業法人のようにやるのか。そういういろんなパターンがあると思いますけれども、具体的にはもう一歩進んだ時、復旧・復興本部ですか、そういう時に明らかな姿を見せたいなと思います。今日のこの段階では私だけの考え方なので。〔※事務局に向かって〕農林水産部は来ていますか。たぶん私が言った以上のことは言えないと思うんですけれども。

(事務局)
 今、既存の組織でしっかり取り組んでいるところですので、お話を踏まえて、災害対応に取り組みたいと思います。

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質疑応答

参議院選挙について

Q
 すみません、よろしいですか。ちょっと話はそれるんですけれども、参院選の公示まで1週間となりました。今回の争点は、与党側がアベノミクスの継続か否かというところが争点だとおっしゃっている一方で、野党側からは安保の問題でありますとか、憲法改正、消費税問題、地方創生、地方創生は共通ですね、というような指摘もあります。熊本では大きく地震の問題もあるわけですけれども、知事としては、今回参院選の争点としてどういうものを考えていらっしゃるか、もしくはどんな議論を候補者の方に期待したいか、というところの2点をお願いしたいと思います。

蒲島知事
 今回の争点というのは、政治学者として考えると、いろんな争点がそれぞれの政党なり個人から出されると思います。でも有権者が選ぶのは、たぶん業績評価。これまでの政権の政策をどのように評価するか。

 例えばアベノミクスも一つでしょうし、それから外交問題。外交問題というのは意外と争点化しにくいというのは確かです。これはやっぱり地震の対応、これは大きな争点、業績評価としての争点になるのではないかなと思っていますし、そういう意味では1カ月ぐらいはものすごく地震のことについての議論が全国的になされましたけれども、今は少し希薄化しているのかなと。これはメディアの方々の役割もとても大事だと思います。

 大きな意味で4回の大きな地震がありました。一つは阪神淡路大震災、それから新潟県中越地震、3番目が東日本大震災、4番目がこの熊本の震災です。私は、これは熊本は大震災だと思います。

 そういう4つの地震について様々な要素がありますけれども、どのように政府が対応していったか、政府の対応の仕方も違いますし、制度も違います。これからも、もっと多くの地震が来るでしょうけれども、その時に、どの先例が1番いいのかという意味で、先例をこの熊本地震でも作られることだと思います。それは政権の業績だと私は思います。政権がしっかりと震災対応して、その業績がやっぱり1番正解だなと思った形が次に残っていくのではないかなと思いますので、大きな意味では、今の政権の業績評価が大争点だと思います。その争点の一つとして熊本の地震もあるのではないかなと私は思っています。

 ただその割には、つい最近の3週間ぐらいを見ると、メディアでの熊本大震災のインパクトというか、メディア的に言うと過小評価されているような気がしました。

Q
 それは熊本選挙区においては、とりもなおさず地震というのがメインの話題になるのでしょうけれども、その全国においても、どの震災復興のあり方が取られるべきなのか、必要なのかというのを全国的にも議論する機会にして欲しいというような(お気持ちはありますか)。

蒲島知事
 結局、熊本で起こったということは、いつでもどこでも全国で起こり得ますよね。これまで新聞で報道されましたけれども、これから30年間に地震に遭う確率というのは、熊本はあれだけ低くても起こったわけですよね。ですから、おそらく全ての都道府県、市町村もすぐにでも考えなければいけない問題なんですよね。この対応について熊本地震から学ぶことが多いし、それから政府にとっても、これはさっき言った業績評価という意味ではとても大事なことだと思っています。

Q
 熊本選挙区で、期待される議論というのは。

蒲島知事
 熊本選挙区では、もう皆さんがオール熊本で、私どもと全く同じような形で、この震災対応を行われておりますので、方向性は同じだと思います。

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質疑応答

舛添都知事の辞任について

Q
 もう一つ、ちょっと地震とは関係ないんですが、本日、舛添都知事がお辞めになるという、さっき表明したというふうな報道があったのですけれども、一連の騒動を、同じ知事として、どういうふうに見てきたか、感想なり所感なりあればお教えいただきたいと思います。

蒲島知事
 舛添知事は私の良く知っている知事の1人であります。辞職されるとかそういうことは聞いていませんけれども、都民の考え方、それから都議会の考え方、政党の考え方、それを基に決断されるのではないかなと思っています。

 政治というのは恐ろしいなと思ったのは、ほんの短期間にこれほど逆風が吹き、そしてこのような状況になるということを見て、私が舛添知事のことをコメントするのではなくて、私自身の行動を自分自身で律していかなければいけないと思うし、これまでも考えてきましたけれども、とにかく公私混同をしない。それから、県民の払った税金は、我がお金だと思って無駄遣いしないということに徹してきましたので、これからもそのようにしていきたいなと思っています。

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質疑応答

県内の観光振興について

Q
 もう1点いいですか、知事。梅雨明けに夏休みになるんですけれども、天草や人吉、黒川温泉って震災から免れた観光地ありますよね、しかし、やっぱり熊本地震ということで風評被害で敬遠されるケースもあると思うんですけれども、こうした震災から免れた地域の観光地の振興策ということについて何か考えがあれば教えていただきたいと思います。

蒲島知事
 私もとても心を痛めています。震災からほとんど影響がない天草、人吉それから熊本県の北部の方もそうですよね。聞いてみると黒川温泉もほとんど影響なかったということでありますので、そういうところに来ていただくような施策、それを考えなくてはいけないと思っています。今回、旅行券がかなり大量に発行されますので、呼び込むことができたらいいなと思っています。

 でも、そこだけではなくて、もう今は、ほんの一部の場所を除いて、熊本も安心して観光ができるのではないかと。阿蘇もグリーンロードとミルクロードの方が今使用可能ですし、私もずっと阿蘇に行く時にはミルクロードの方を使っていました。グリーンロードやミルクロードの景色はすごくいいですよね。これまでよりも時間はかかるかもしれないけれども、素晴らしい風景に出会う、そういうことを楽しむことも大事なので、そういうプロモーションで阿蘇に行きましょうと(呼びかけたいですね)。

 それから多くの方がボランティア活動をしたいと思って来ておられます。観光に来るのもボランティア活動ですよということを、私はこれから言っていきたいなと思っています。観光ボランティアに来てくださいと、そして熊本に泊まることがボランティアですと。それが経済的な活性化に結び付きますからね。

 もう一つ心を痛めているのは、熊本だけではなくて、九州全体がかなり落ち込んでいるということで、熊本城と阿蘇の九州の観光における重要性、これが明らかになったのかなと思っています。熊本城に関しては、これはいろんな方がおっしゃっていますけれども、私もそう思いますが、復興の過程を見ていただくと、それで「ああ、熊本城も復興したなあ」と、それに伴って「熊本県も復興したなあ」と思っていただくことが大事なので、復興の過程も観光資源という形でやっていけたらと思っています。今日はくまモンがシンボルマークを持ってきましたので、くまモンもどんどん活動してもらって、今言ったプロモーションもやりたいと思っています。

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質疑応答

平成28年熊本地震に伴う組織改正について

Q
 知事すみません、いいですか、もう1件。

蒲島知事
 じゃあ、最後に。

Q
 最後1件、組織改編、新しく班を作ったりしていますけれども、組織の改編について、知事は目玉、思い入れが深い組織改編はどれになりますか。

蒲島知事
 これは皆、震災によって重要性を持つようになったものです。震災がなければ考えてもいなかったと思います。これは全てが私にとっては思い入れの深いもので、皆さんがこの新しい組織のもとで活躍されることが、熊本の復旧・復興にさらに大きく貢献するのではないかなと思っています。そして、県民の痛みの最小化にも、とても大きな貢献をしていくと思います。

 住まいの対策室、これは1番必要とされているものですよね。

 それから生活環境整備、生活再建支援、これも今すぐでも必要な痛みの最小化です。

 それから、がれきの処理を含める災害廃棄物の処理支援室。これも見える形で成果が出てくるのかなと思っています。

 そういう意味で全て私にとっては大事な組織で、これが活性化し、これが活躍すれば痛みの最小化と、そして熊本県の再生、熊本県の復旧・復興に大きく貢献するのではないかなと思っています。

 はい、よろしいですか。

(幹事社)
 ありがとうございました。

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