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平成28年5月29日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見
日時:平成28年5月29日(日曜日) 15時から
場所:知事応接室
会見録
知事臨時記者会見の会見録を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
蒲島知事
今回の熊本地震における自衛隊の災害派遣活動が、5月30日に全て終了することとなりましたのでご報告いたします。
4月14日の発災直後、益城町での大きな被害を確認した私は、直接、第8師団に災害派遣要請を行いました。その後、16日の本震により、被害はこれまでに経験したことのない規模になっています。この非常事態を受け、全国各地から陸・海・空の自衛隊員、延べ70万人以上の方々に被災地に入っていただきました。
各被災地では人命救助を最優先に、昼夜を問わず懸命の活動が展開され、報道にも大きく取り上げられました。自衛隊には益城町の家屋倒壊現場、南阿蘇村の地すべり現場など、危険と隣り合わせの捜索・救助活動を行っていただきました。その結果1,255名もの尊い命が救われました。
また、病院への給水支援は、救急患者や透析患者の方々にとって、まさに命をつなぐ活動でした。道路がいたるところで寸断する中、プッシュ型支援で送られた支援物資を、避難所を回って届けていただき、避難者からは多くの感謝が寄せられています。
その他、道路の復旧や災害がれきの撤去、さらには入浴支援など、時間の経過に応じて変化するニーズにも対応していただきました。多い時には1日に2万6千人もの活動があって、多くの県民の生命・財産を守ることができたと思っています。今回の活動を通して、自衛隊の組織力や機動力などその存在の大きさを改めて認識しました。
ここに県民を代表して、自衛隊ならびに隊員のお一人お一人に心からお礼を申し上げたいと思います。
西部方面総監部や第8師団がこの熊本の地にあり、日頃からトップ同士が顔の見える関係を築き、事務レベルでも緊密に連携してきました。それが今回の円滑な救助活動につながったと強く感じています。県としてはこのような自衛隊との連携・協力関係体制を一層強化し、県民の安全・安心を実現してまいりたいと思います。
以上が私の今日のコメントです。
(幹事社)
ありがとうございます。時間が限られておりますので、各社さん、質問をお願いいたします。
(記者)
すみません。これは県のほうから申し出たんですか。
蒲島知事
これは、まずは、それぞれの市町村から申し出があって、そして県も申し出たということです。
(記者)
すみません、確認で(すが)、支援活動終了の申し出は本日で、活動の終了は30日(ですか)。
蒲島知事
はい、30日で終了ということです。
(記者)
終了の申し出をされた1番の要因と言いますか、理由というのを教えていただけますか。
蒲島知事
これまで自衛隊にはとても重要な役割を担っていただきました。先ほども申しましたように、まずは人命救助、それから水と食料の確保、そして日々刻々と変わる被災者の方々のニーズに応じて、様々な活動をしていただきました。給水活動もそうですし、それからお風呂を提供してくださったことも、それから災害がれきの処理も手伝ってくださいました。そういうことで、これからは自衛隊の方々に感謝をしつつ、そして我々ができることを、行政、県民の自助努力も含めて、やるべき時期に来たのかなとこのように思います。
(記者)
一定のこの次のステップに、無事に移ったということですか。
蒲島知事
いや、これまで何度も言っていますように、今のステージは避難所におられる方々の生活環境の一層の改善と、それから仮設住宅、みなし仮設住宅、その間の一時的な避難場所も含めてそういう状況にあります。それで、それ〔※避難所の一層の改善〕を一生懸命これからやらなければいけません。このことを踏まえた後で大事なことは、皆さんが、自分の家を持つことですよね。そういう方向に今進んでいて、それはまだ長期的なものになります。
それから、産業、農業、それから1次産業、2次産業、3次産業皆ありますけれども、これらの活性化をしないと経済活動がまわっていきません。そういう意味では、このフェーズが移ったというよりも、一連のフェーズの中の、並行している部分もありますけれども、それは、我々がこれまで自衛隊の方々がやって下さったことに感謝しながら、自分たちでやっていかなければいけないというフェーズに入っています。
(事務局)
すみません、今、申し出の日ということで、今日というお話がありましたけれども、事務的な手続きとしての文書の日付としては、明日〔※5月30日〕付ですね。
(記者)
明日〔※5月30日〕付で申し出て、その日にもう撤退ということですね。
蒲島知事
先ほども述べましたように、とても今回は自衛隊の方々の支援なしには、まず、亡くなられた方々も、先ほど(救助者)1,255名と言いましたけれども、その方々を救出していただいたのがとても大きかったので、人的被害が、この大きさの地震としては比較的少なかったのかなと思っています。
(記者)
知事、よろしいでしょうか。今回の撤退申し出に関して、知事は自衛隊が今離れても大丈夫な段階にあると、県がそこまで来たというふうな認識でいらっしゃるわけですか。現状の認識について(お聞かせください)。
蒲島知事
西部方面総監や第8師団長ともお話して「いつでも、何かあった時にはすぐ来ます」という体制を取って下さっているということであります。「何かあったら、すぐ駆け付けます」というふうにお電話で話した時にもおっしゃっていただきました。
(記者)
現状の復旧の認識についてはいかがでしょうか。熊本の現状の復旧・復興について自衛隊が果たしてきた役割、これがなくなることで、自衛隊がこれまでやってきた役割、これでどこまで熊本が立ち直るかというか、現状認識については。
蒲島知事
ずっと自衛隊の方に頼るわけにはいきません。これから、当然、我々行政も、それから共助も、自助も必要になってくると思います。我々がまたその役割を強く認識しながら、役割を担わなければいけないと思っています。
(記者)
知事よろしいですか。今回の自衛隊の災害派遣要請、発生からかなり早い時間だったと思うんですけれども、これも防災計画にのっとってやったのか、それとも知事のトップダウンで判断してやったのか、そこら辺のところをちょっとお聞きしたいのですが。
蒲島知事
先ほども申しましたように、まず私がここに着いたのが、地震発生から30分後です。それで、災害対策本部で益城町にものすごく大きな被害が出ているということが確認されました。そこで、22時40分に私から直接、第8師団のほうに要請したところです。先ほど言いましたように私どもは顔の見える関係がありましたから、ひるむことなくすぐ要請を出したところです。
(記者)
すみません。今回自衛隊の活動が人的被害、人命救助にも貢献したということですが、一方でまだ行方不明者が一人いらっしゃると思います。地上では捜索は打ち切られていますが、今回、自衛隊の活動が終了するということで、改めてこの残りの行方不明者の捜索についてはいかがお考えでしょうか。
蒲島知事
これまでと同じように空からと河川におけるカメラ、今から、道がどんどん作られて(国道)57号の復旧が図られると思いますけれども、その過程で何かあれば、またそれに対応したいと思っています。
(幹事社)
よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
以上