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平成28年5月5日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見
日時:平成28年5月5日(木曜日) 15時30分から
場所:知事応接室
会見録
知事臨時記者会見の会見録を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
蒲島知事
はい。本日は2点ご報告があります。
まず1つ目は、南阿蘇村立野地区についての取り組みです。4月14日の前震から3週間が経ちました。改めて被害の甚大さ、県民の生活や経済への影響の深刻さが浮き彫りになってきました。
中でも南阿蘇村立野地区は、地区の中心を通る国道が、いたるところで寸断され、阿蘇大橋も崩落しています。そのため、立野地区の住民は南阿蘇村の中心部と分断され、隣町の大津町をはじめ、村外への避難を余儀なくされています。また立野地区の小中学生は、阿蘇大橋の崩落により、これまでどおりの通学が不可能な状況となっています。
このため立野地区の住民の方々が希望を持って、生活再建に取り組んでいただけるよう、県と南阿蘇村の職員によるプロジェクトチームを設置します。その上で、まず立野地区住民の意向を調査して、通学・通勤や当面の住まいの確保など、地区の皆さんの不安や不便を少しでも取り除くことができるよう、様々な手立てを講じて参りたいと考えています。
2つ目は、益城町における応急仮設住宅の建設着手についてです。仮設住宅については、先月29日に着手した西原村、甲佐町をはじめ、協議が整った市町村から順次建設に着手しています。このたび益城町についても建設に向けた協議が整いました。その第一弾として、明日6日から、3地域160戸の仮設住宅の建設に着手いたします。
今後も、県ではスピード感を持って市町村との協議を進め、避難者の方々が安心して暮らせる住まいの確保に全力で取り組んで参ります。
以上が今日の私のコメントであります。
(幹事社)
では、幹事社から、質問します。南阿蘇村立野地区の支援PTですけれども、このPTに関しては、スケジュール感はどのように考えていらっしゃるかというのが1点、まずお聞きします。もう1点は、この立野地区のPTのようなものというのは、他の県内の地域でも作るご予定があるのかというのを、2点お伺いします。
蒲島知事
PTについて、まずどのようなスケジュールかというと、プロジェクトチームでどういう意向が出てくるか、調査しますから、その結果によってスケジュール感というのは変わってくるかもしれません。なるべく早急にできるよう、スピード感を持ってやりたいと思っています。何月何日までということではなくて、とにかく、まずは意向調査などをしなくてはいけないだろうし、それに沿った対応もしなくてはいけない。そして様々な住居の問題の、崩落の危険性もありますので、そういう意味ではすぐにできるようなスケジュール感ではないと私は感じています。後でまた担当者のほうに正確なスケジュール感についてはお尋ねいただきたいと思っています。
(幹事社)
もう1つは、他の地域でも同様の取組みをされるかどうかということを(お聞かせください)。
蒲島知事
必要が出て来たら、そのようなことが出てくるかもしれません。例えば住まいのプロジェクトもプロジェクトチームを立ち上げましたし、それから、立野地区については、先ほど言った特殊な事情があります。それで、この特殊な事情に沿って、プロジェクトチームを村と一緒にやるということになります。またそういう必要性が出てきたら、(別の)復興・復旧の段階で出てくる可能性もありますけれども、今ここで発表できるものはありません。
(幹事社)
分かりました。ありがとうございます。では各社さん、お願いいたします。
(記者)
寄添いPTのほうですが、取組み項目の中に、学校への通学が入っております。このスケジュールの中で、まだ、決まってないというようなことをおっしゃられていたんですけど、学校への通学に関しては、なるべく早くされないと、心配するような親御さんも出てくるかと思うんですが、そういったことに関しては、どういったことをお考えでしょうか。
蒲島知事
それについては、学校についての、教育委員会の方いらっしゃいますかね。
(事務局)
別に、全て時間軸を決めなくてはいけないということではなくて、例えば学校みたいにすぐ対応すべきものは、もう教育委員会でもやっていますし、ここを踏まえて、例えば前の小学校に行くとか、大津に行くとか、それぞれの意向を確認した上で、そういう方向性を出していくことになろうと思います。ですから、それぞれのテーマによってすぐやること、中・長期的にやること、そういうものをにらみながら、このプロジェクトは進むだろうと思っています。
(記者)
すみません、今の関連でよろしいでしょうか。具体的に意向調査ってどういうことをされたいのかという、南阿蘇村とか、大津町の方でも、避難所にいらっしゃる方々とかにそれぞれされていると思うんですが、今回、県として、PTとしてされるのはどういうふうな(ことでしょうか)。
蒲島知事
具体的に、どういうふうなことをやるかということについては、まず立野地区の住民の方は、大変不安に思っておられます。当然、崩落の危機にあるので、今から長く住むかどうかを含めてです。そういうことでまずは不安解消に向けた意向調査を実施します。そしてその結果を踏まえて、可能な限り皆さんの意向に沿った施策を検討していくことになります。
そのような中で、仮設住宅の建設とか、交通の確保、さらには教育環境の確保など、より生活に密着した環境整備について、南阿蘇村と連携して早急に取り組んでいきたいと。
だから最終的にどのような意向を持たれるかというのを、まず調査しなくてはいけないと思いますし、それから、村と一緒に皆さんの意向に沿った施策を取っていくと。
そういう意味では、まずは、村民の方や村の意向を把握することがとても大事であります。それに村と連携して、皆さんに寄り添って、方向性を考えたいというのがこのPTの設置の大きな意味であります。
(記者)
すみません。それに関連して、またお伺いしたいんですけれども、その意向調査の方法としては、アンケートなのか、それとも1軒1軒、職員の皆さんが回って、ヒアリングをするのか、どういう形でやるんでしょうか。
蒲島知事
意向調査の形は、ヒアリング、それからアンケートもいろいろ形があると思いますけれども、1番有効な方法を取ってやるんのではないかと思いますけれども。〔※事務局に向かって〕それでよろしいですかね。意向調査の方法です。
(事務局)
基本的には、今知事から申し上げましたように、アンケートを使いながら、個別のヒアリング等を実施していくことになろうかと思いますが、その具体的な手法については、今後、村等と連携しながら、はっきりしていきたいと思っております。以上でございます。
(記者)
よろしいですか。先ほど、知事、特殊な事情とおっしゃいましたけれども、なぜ、立野地区は、県のほうでこういったPTを設置しての支援が必要というか、特殊事情のどういったところが、今回のPT設置につながったんでしょうか。
蒲島知事
他の地域に比べて、南阿蘇村の立野地区は、山の崩落、それから、生活環境も今大津の方に移転〔※避難〕をされておりますので、そういう意味で他の地区よりも、より深刻であるというふうに私は思っています。
それから、お子さんたちも先ほど私のコメントでありましたように、学校にも行けなくなっていると、橋がなくなりましたから。そういう意味で、今後1番この方々が、将来に対する不安を抱えていらっしゃるんのではないかなと(思います)。
その不安の解消のために何が県でできるか。そして、村も大変なんですね。人員もそんなにたくさんいません。それから、村の予算もそんなに大きなものではありません。そういう不安があるので、できる限り、県が前に出て、村と一緒に不安解消、そして皆さんの意向に沿った将来像、そういう取組みをやるというのが、1つの決断の表れだと思っていただければいいと思っています。
本当はみんな、できれば(良いのですが)、全ての地区がみんな苦労されていますので。ただ、今1番深刻な状況に置かれているのは、私は南阿蘇村の立野地区だと思っています。被害もとても大きいところであります。家屋の倒壊も多いし、それから土砂崩れの危険が甚だしいものがあります。昨日もニュースでありましたように、土砂の崩れが続いて、また、ライフラインである国道57号も途切れていますし、阿蘇大橋も崩れてしまって、なくなっています。そういう意味で、(立野地区の方は)色々な苦しみの中にあると思っています。それを村と村民の方と一緒に不安な状況を解消したいと、そういう意味で、プロジェクトチームがこの地区でできたというふうに考えていただいたらいいんじゃないでしょうか。
(記者)
もう1点。今日で前震の発生から3週間経ちますけれども、改めて3週間経って、知事として県民に向けてのメッセージなり、なんなりあれば、ぜひ。
蒲島知事
私は、3週間経って、初めて被害の大きさ、それから、これからの復旧・復興の困難性、それを皆さんも同じように再認識されたのではないかなと思っています。
復旧・復興には様々なステージがありますけれども、人命救助、これは救助という観点から言うと、2,000名近くの方が救助されたというふうに私は伺っています。それは、自衛隊、警察、消防の方々、様々な関係機関の方々、国交省も含めてですね、多くの方々のご努力によって人的な救出活動ができたと思っています。
その次に、被災された方々の避難所の問題、避難所における食料、水の問題(などがあります)。それを乗り越えて、今避難所のアメニティを向上させ、より痛みが少ない形で避難所にいていただける、そういう方向をこれから考えていかなければいけない。その一方で、仮設住宅、それからみなし仮設住宅のことも含めて考えていかなければいけない段階にあると思います。その中で、常に将来のことも忘れないように、今災害対応の3原則で進んでいるところです。
この3原則はやっぱり必要だなと、私、今改めて感じています。それは被災された方々の痛みの最少化が第1ですね。
第2は、私は、この復旧・復興に当たって、単に元に戻すだけだはなくて、創造的な復旧・復興をしたいなと思っています。これは、第2の原則です。
第3の原則が、その復旧・復興が将来の熊本の発展につながることを見据えながらやらなければいけない。そのステージを今迎えようとしていますので、これから復旧・復興計画も本格的に進めなければいけない。その前に、何よりもこの避難所におられる方々の苦しみをいかに少なくするか、そのためにみなし仮設住宅も必要だし、仮設住宅も建設に入ったところであります。
そういう意味で、1つの感想じゃなかなか言えませんけれども、それぞれに違ったフェーズで一生懸命に取り組むだけだと(思います)。1番残念なことは、まだ余震が続いて終わっていないんですよね。終わりが見えない中で、これをやっていかなければいけない、そういう苦しみはありますけれども、とにかく私が県民と一緒になって、県庁も一緒になって、この困難を乗り越えていきたいと、そして熊本県民の力を信じて、この困難を乗り切りたいというのが今の私の率直な感想です。
(記者)
時間となりました。よろしいでしょうか。
(記者)
1件よろしいですか。今日から、くまモンの活動が再開したということで、そのことについてお伺いしたいんですが、感想をちょっとお伺いしたいです。
蒲島知事
くまモンの活動についての感想ですか。くまモンは今避難所に行って、お子さんやお年寄りの方を励まし、元気を与えています。皆さんがとても喜ばれていますので、これからもそういう県民を、特に避難されている方々、被災者の方々を力づけるような、そういう活動をやっていきたいと思っています。少しでも被災者の方々の痛みを最少化して、そして将来の夢につながるような、そういう活動をしてもらいたいと思っています。
(幹事社)
よろしいですか。どうもありがとうございました。