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平成23年 8月 2日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成23年8月2日(火曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
お知らせ
質疑応答
- 「くまもとグリーン農業」のこれまでと違う新たな点について
- 「くまもとグリーン農業」を推進するにあたっての目標について
- 「くまもとグリーン農業」の信頼性の担保について
- 静岡県との「災害時の相互応援等に関する協定」について
- 原子力発電所に関する安全協定等について
- 九州電力のやらせメール問題に係る古川知事の対応について
- 水俣病不作為違法確認・認定義務付け訴訟の取下げについて
- 知事の夏休みについて
(幹事社)
おはようございます。7月、8月は日経新聞、時事通信、NHKが幹事社を務めさせていただいております。今日はNHKで仕切らせていただきたいと思います。
知事の方から発表項目2つあるということですので、最初こちらの方からよろしくお願いいたします。
発表項目
「くまもとグリーン農業」の新たな取組みをスタートします!
- 報道資料:「くまもとグリーン農業」の新たな取組みをスタートします!(PDFファイル:89KB)
- 別紙:くまもとグリーン農業シンボルマーク(PDFファイル:829KB)
- 別紙:くまもとグリーン農業推進のイメージ(PDFファイル:2.9MB)
蒲島知事
今、「くまモン」がここに来ておりますけれども、「くまモン」を起用しました「くまもとグリーン農業」のシンボルマークを作りました。今、くまモンが持ってきてくれたパネルのとおりであります。
このシンボルマークは、「有作くん」、「エコファーマー」などの農産物について、減農薬・減化学肥料の取組みの割合に応じて背景の色を変えています。背景はクローバーになっていますけれども、一番上の有機農産物、有機農業の場合は、クローバーの葉っぱが4つともグリーンになっています。それから「有作くん」は3つ、「エコファーマー」が1つ、環境に優しい農業をしている場合は色がついていない4つのクローバーになっています。ここにはちょっと載っていませんけれども、この5つに属しないいわゆる慣行農法、あるいは熊本産の農産物については、くまモンだけのマークにしたらどうかという提案を今しているところで、これから検討をされると思います。
来る8月10日には農業関係者をはじめ、学識経験者、企業、量販店などからなる「くまもとグリーン農業推進本部」の設立会議を開催いたします。
県民の皆様には「くまもとグリーン農業」の趣旨にご賛同いただき、「くまもとグリーン農業」のシンボルマークが表示された農産物を広くご愛顧いただきたいと思っております。
発表項目
高校生による東京大学視察研修について
報道資料:高校生による東京大学視察研修について(PDFファイル:45KB)
2番目は、「高校生による東京大学視察研修について」であります。
(※くまモンに向かって)もうしばらくいていいから。
(※くまモン頷く)
熊本県と東京大学は平成21年3月に連携協力に関する覚書を締結いたしました。それに基づいて、東京大学視察研修を実施して参りました。お手元の資料にあるとおり、8月17日から18日にかけて40人の高校生が東京大学を訪問いたします。内容は東大教授等による講話、東大の最先端の研究施設等の視察となっております。
また、東大工学部9号館屋上に、熊本県の県産材を利用いたしました「熊本テラス」があります。そこで県内高校生と東大教授陣との交流会も実施されます。8月17日には、私も同行する予定となっております。
ところで、とても嬉しいニュースですけれども、平成21年度の第1回の研修に参加した高校生の中から、今年4月、東京大学に2人が入学しております。この研修により本県の青少年が科学技術研究への関心を深め、わが国における理科教育の充実が図られるよう期待しております。
お知らせ
第6回「くまもと未来会議」の開催について
それから予告には入っておりませんでしたけれども、もう1つ付け加えさせていただきます。それは、「第6回『くまもと未来会議』の開催について」であります。
本日午後3時半から、ホテルニューオータニにおいて「震災後の日本、熊本の未来を考える」をテーマに、「くまもと未来会議」を開催いたします。第6回目となる今回の会議は、もともと九州新幹線全線開業直後の3月18日に開催する予定でありました。しかし、東日本大震災により今日まで延期していたものであります。
今回から新たに京都大学の人文科学研究所の山室信一教授を委員にお迎えします。これによって委員も10人となります。6回目にして初めて全員が出席される予定でありましたけれども、残念ながら急病のため姜(尚中)委員が欠席となりました。私を含めた10人で意見交換を行います。
3.11後、初めての未来会議になります。様々な観点から「震災後の日本、熊本の未来」に関する意見が出てくることを楽しみにしております。
私からのコメントは以上であります。「くまモン」どうもありがとうございました。
(※くまモン、知事に向かって 礼)
私には礼しなくていいから、皆さんにお礼して。
(※くまモン、記者に向かい 礼)
質疑応答
「くまもとグリーン農業」のこれまでとは違う新たな点について
(幹事社)
では最初、発表項目について幹事社の方から2点ほど先に質問をさせていただきます。
まず、「くまもとグリーン農業」なんですけれども、これまでも取組みとしてあろうかと思うんですけれども、新たな視点というか、新たな取組みというか、これまでと違う点というのはどの辺にあるんでしょうか。
蒲島知事
2つあります。まずは、分かりやすさ。これまでエコファーマーとか有機農業、有作くんなど、いろんなネーミングで、それぞれ非常に自由にマーケティングに使われておりましたけれども、それが熊本のものかどうかも消費者にはなかなか分からない(ということ)。そしていわゆる「グリーン度〔※化学合成肥料・化学農薬を減らす割合〕」というんですか、それもなかなか明快に分からないということもありましたので、グリーン度の連続性という観点から、このクローバーの葉の緑色でもって示すというのが1つ。
もう1つは「くまモン」の今度の恰好、デザインは分かりやすく親しみやすいので、「くまモン」を活用することによって、熊本の農産物というのが分かりやすいと(いうこと)。もう既に「くまモン」は今、東京にも進出しておりますし、関西ではかなり知名度があります。だから、その分かりやすさと熊本産という明解さ、それを今回熊本グリーン農業の新たな取組みとしてやったということであります。
質疑応答
「くまもとグリーン農業」を推進するにあたっての目標について
(幹事社)
では、もう1点なんですけれども、今回の推進本部を10日に設けられるということなんですけれども、どういう取組みを通じて、どういう目標というか、目標の達成というのを目指してらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
今言ったように、最終的な我々の目標というのは、熊本で、このグリーン農業が広がって、多くの生産者によって実施されるということが一つです。もう一つの目標は、消費者、あるいは企業に、これを分かってもらう、応援してもらう(こと)。その2つの目的がありますので、今回の10日の推進会議では、県民総参加という形で、農業関係者だけではなく、学識経験者、企業、量販店(など)からなる推進本部を立ち上げていきたいと思っています。
そういう意味で、2つの意味〔※生産者による生産宣言と消費者・企業等による応援宣言〕があります。
知事としては、生産者に是非グリーン農業に取り組んで欲しい。同じように、消費者、企業の方には応援をして欲しい。申し出があった人には宣誓書を交付するという、生産者と消費者の両面から、熊本のグリーン農業を推進していこうというのが今回の目的であります。
今までなかなかグリーン農業をやってても、市場で報われない、あるいは理解されない、そういう悩みがありましたので、今回は「くまモン」を活用することによって、その取組みをより消費者に分かって欲しいし、あるいは取り組む生産者の人達もやる気が出てくるという、それが大目標であります。
質疑応答
「くまもとグリーン農業」の信頼性の担保について
(幹事社)
では、各社さん、まず発表項目について自由に質問してください。
Q
グリーン農業なんですけれども、生産者の方はこうやって生産宣言をしていただくという形になりますけれども、現実、その化学肥料・農薬を20%から30%とか、50%とか、100%とか、減らしていますというのを、どういう形で誰が確認し、宣言を担保するというような形になるんでしょうか。
蒲島知事
これはちょっと技術的な面になりますので、担当課長の方から答えて貰いますけれども、これを厳密に測ってモニターすることは多分難しいんじゃないかと思います。これは自己申告ということが大きなことで、やはりそういう意味では、お互いの信頼がとても大事だと(思います)。その信頼のもとにこのようなグリーン農業、あるいは低農薬、低化学肥料というのが成立するのではないかと思っています。
モニタリングはどういうふうにしてするかという質問ですけど、すみません(が担当課から)お願いします。
(農業技術課)
農業技術課でございます。今知事からお話がございましたように、最終的に使用量まで確認するということは大変難しい部分でございます。ただ、今の段階で、「有機農産物」や、「有作くん」につきましては、それぞれ取組み状況について、調査・認証しております。今回の場合は、先ほど話がありましたように、まず生産者の方はそういう環境にやさしい、あるいは自然に配慮した農業に取り組むんだという、意思表示をしていただくことが一番大事なことだと思っております。
そういったことで、まずは取組みを進めていきまして、グリーンのレベルがございますけれども、少しずつレベルの高い段階に上がっていけるような取組みを推進していきたいと思っております。
Q
ついでにもう一つ。シールになって、農産物に貼られていくようなイメージでいいんでしょうか。
(農業技術課)
県がシールを印刷をするということは想定しておりませんけれども、利用したい方は利用していただいても構わないということで、貼っていただいて結構だというふうに思っております。
蒲島知事
私も、「くまモン」のデザインをたくさん見ましたけれども、(今回のは)とりわけよくできているなと思って(いますので)、これが消費者の方々、あるいは生産者の方々に愛されて、そして信頼のもとになるのかなというふうに感じています。
Q
理念としてはすごくよく分かるんですけれども、こうやってマークを使って、県内だけではなくて、全国に売り出そうということであるならばですね、それをやっぱりきっちり担保したものがなければ、今これだけ食の安全とか安心とか、いろんな問題が出てきている中で、何か今ひとつインパクトに欠けるようなイメージだし、逆に万が一、消費者の信頼を裏切るような場面が、もし出てきた場合は取り返しがつかないと思うんですけれども、その辺ちょっと何か話として…。
蒲島知事
同じようなことが、ブランド化についても言えます。ブランド化というのは皆が不良品を出さないということが大前提になっています。それが一度崩れた時には、ものすごく信用力が低下していく、その例が今たくさんあるわけです。
このグリーン農業に取り組もうという人達は、私は農家の中でも、とても意識の高い方々であろうと考えておりますので、協議会(などの組織)、あるいは意識を高めること、それは常にやっぱり県庁でもやっていかなきゃいけないと思いますけれども、個々に厳密に、畑まで行ってコントロールするというようなことまでは、これだけ大量になると不可能ではないかと思っています。それぞれの信頼感に基づかなければいけないと、私は思っています。これはどの分野でもそうです。
すべて一つ一つチェックできるかと言うと、かつての(諸外国における)共産党政権のように、個々を管理するというのは極めて難しいわけですから、その信頼の構造をどう作り上げていくかと(いうことが大切です)。その中で今、この「くまモン」の利用方法を導入したわけであります。今までも「有作くん」とか、「エコファーマー」とか、そういう形ではブランド化していたわけですけれども、それをより分かりやすくしたということで(あります)。農林水産部全体としても信頼の構造を高めていきたいという気持ちは十分あって、今回はこういう「グリーン農業」シンボルマークを出すことによってより(信頼を)高めていく。そういう(信頼の構造を高めていく)可能性が出てきたということではないかなと思っています。
ただ、おっしゃるように、何か問題があった時のコストはちゃんと考えなきゃいけないということですね。
(幹事社)
この項目はよろしいですか。では、あとは自由に質問してください。
質疑応答
静岡県との「災害時の相互応援等に関する協定」について
Q
知事、この間静岡に行かれましたけれども、静岡と防災協定を結ばれてですね、その中で防災危機管理に関する研究結果などの共有とかですね、平常時でもしましょうということが盛り込まれているんですが、知事としてはまず防災先進県といわれている静岡県からですね、どういうことを学んで、例えば今見直しが進んでいる防災計画などに反映させようというふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
まず、どうして静岡かという所から入りますけれども、同時被災する可能性が非常に少ないことが大事だと思います。これは軍事用語で「策源」と呼ばれていますけれども、実際に戦争が起こっている所から随分離れた所から(状況を)見ると、何をしなければいけないかというのがよく分かるんですね。そのことを「策源地」と言いますけれども、(両者がお互いに)その「策源地」に成り得るのではないか。例えば、静岡で大地震が起きたり、大津波が起きた時に、熊本で冷静に判断し得る。熊本には水も食糧も自衛隊もワクチンも揃っておりますので、それを海と空からどうやって送るか。こういう意味で、まず遠隔地の重要性。2番目に遠隔地であることから、同時災害の可能性が非常に低いということ。3番目に道路による輸送は無理ですから、空と海の輸送になります。多分被災してしまったら、隣県も同じように被災してしまいますので、道路も遮断される可能性があります。そういう意味で、この遠隔地の利点をうまくいかすために、静岡と熊本がこういう形で防災協定をできないだろうかというのが1つ。
2つ目に、それぞれの得意分野があるんです。静岡は、これまで防災対策に1兆円以上を使ったと言われていますけれども、特に地震と津波に関する防災意識と対策を持っています。それからものすごく手厚い人員配置をしています。そういう意味で、地震と津波に対してのこれまでの対策から見ると、熊本県は、手薄だったところがありますので、それが一挙にテクノロジーを獲得できる。逆に静岡県の方から新たに私どもに提案がありましたのは、口蹄疫などの対策も加えてくれないか(ということ。)あるいは熊本県は風水害についてもかなりの蓄積がありますので、その強みを活かして何かあった時には相互にいろいろ相談することもなく、職員間でもすぐ救援に出掛けるというそういう利点がある。
3番目はやっぱり船とそれから空路です。フジドリームエアライン(の熊本−静岡線)が7月中でなくなりましたけれども、これまでの経験がありますので、そういう意味でとてもいい形での防災協定ができたのではないかと思っています。
それから知事間の信頼関係がとても重要で、いろんな問題があってもトップ同士で分かり合うことができれば、かなりのスムーズな状況で相互支援ができるんじゃないかなと思っています
Q
特に静岡から学ぶのは地震と津波という。
蒲島知事
いや、そういうことではなくて、もう何があってもすぐ行くというふうに。
Q
いや、熊本がノウハウを取り入れるとするところは、特に地震対策…。
蒲島知事
そういうことではなく、防災先進県の静岡のノウハウを職員交流などを通して、常に獲得しておくということと、それから何かあった時にすぐ行ける体制を整えていくということでありますので、「これ」というふうには決めていません。
ただ、(静岡県は防災関係職員の)人数もものすごく多いんですよね。それから危機管理監は部長であります。そういう意味で危機管理に配置された人員も巨大でありますし、それから建物もそこだけものすごく防災に強い建物になっています。そして危機管理監は部長であるということで、相当防災対策は強い決意を持ってやってらっしゃると思います。
Q
熊本県も今度人事異動で危機管理監は部長級という形になるんですか。
蒲島知事
いや、私はそういうことは言ってません。静岡県がそうであるということであります。
質疑応答
原子力発電所に関する安全協定等について
Q
九州電力の話になりますけれども、あのやらせメールの問題から今度は古川佐賀県知事の話に今発展して、それこそ九州電力に対する信頼というのは、かなり失墜したと言ってもいいと思うんですけれども、前回もお聞きしましたけれども、確かに県内には原発は立地していませんけれども、両隣の隣県には立地しているという所に挟まれているわけですね。そこの熊本県知事として、今まではなかったと思いますけれども、九州電力との間で、やっぱり厳密に、再稼働であるとか何とか、いろんな問題に関して、ちゃんと情報をもらうとか、意見交換をするとか、いろんな意味での協定ですね、立地協定と言うのか、安全協定と言うのかよく分かりませんけれども、そういうものを熊本県知事として結ぶというようなお考えはいかがでしょうか。あの時はまだ検証したいということでしたが…。
蒲島知事
今までもちろん立地しておりませんでしたし、それから立地場所からかなり遠かったということもあって、協定は結んでおりませんけれども、今回の事件もありますので、これから原発の事故に対しても、防災の計画の中に入ってくる(のではないか)と思っています。そういう観点、仮定の中で、必要であるかどうかということを検討せざるを得ないと思っています。
今後、立地県である佐賀県、それから鹿児島県とも連絡体制を取るとともに、九州電力との情報伝達等に関する協定の必要性についても検討して参りたいと思っています。
Q
いつぐらいまでに結論は導かれるおつもりですか。
蒲島知事
まだ、国の検証、それからどのくらいのEPZ〔※Emergency Planning Zone,防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲〕(が設定されるべきか)、そういう検証の結果が出てくると思うんです。それを踏まえながらということになると思います。
Q
国の検証とは、福島第一原発に関する検証ですか。
蒲島知事
はい。そうです。それも踏まえて今全国で検証していますから、どのくらいのEPZが必要なのか、どのぐらいの範囲がいいのか、そういうことがこれから出て来るんではないかと思っています。
そして本県にとって大事だと思うのは、何かあった時、有事の時の情報収集体制の構築だと思っています。そういう意味で、万一の事態を想定しながら防災計画の見直しの中で検討していきたいというのが現時点でのお答えになります。
Q
熊本支社長さんが来られて以降は、今のところ九州電力から何らかの知事への説明とか、県への説明とか、今のところあれからはないんでしょうか。
蒲島知事
直接的な、お会いしての説明は、支店長がこの前いらっしゃった時に、皆さんも同席されましたけれども、あれが最後であります。
(政策審議監)
知事にはないが、事務的には受けています。
質疑応答
九州電力のやらせメール問題に係る古川知事の対応について
Q
佐賀県知事のあの対応というのは・・・。
蒲島知事
古川知事は私と同じく知事でありますので、様々な悩みの中で、いろんな決断をしなければいけないだろうと思っています。
そして、とりわけ原発の運転再開に関しては、原発の安全性の確保について、主に国から、県に対して説明してくれ、あるいは県民に対して説明してくれ、そして議会にも説明してくれということを度々申し入れされておられますし、慎重に対応されてきたのではないかなと思っています。
今回の古川知事の問題に関しては、御自身の思うところもあり、賛否の幅広い意見を出して議論を深めたいというお考えだったのではなかろうかと思っています。
ただその過程で御自身もおっしゃっているように、軽率なところがあったと述べられております。古川知事も一生懸命やっていらっしゃいますので、これ以上、私の方から隣県の知事としてコメントすべきではないと思っています。
ただ、一般的に、政治学者として言えば、マスメディアの方も含めて言えることは、例えば、ここ最近問題になっている特捜検事も、自分の思いに従って証拠を集めたがるとか、それから統計学者も、自分の理論に沿って、理論を構築したがるとか、それはもう人間の本性みたいなところがあるんじゃないでしょうか。
マスコミの人達も自分達の主張にしたがってコメントを集めたいという、そういう欲望がないわけではないでしょうから、それを他山の石として、自分自身も常にそういうバイアスがないように気をつけながらいかなくてはいけないと思って県政を続けております。
Q
ということは、古川知事も、やはり自分の思いのように・・・。
蒲島知事
いや、すみません。それはちょっと誤解で、人間というのは、そういう性向があるので、皆それぞれを他山の石として、自分自身を振り返りながら行動しなきゃいけないというのが、自分自身に課せられたものだと思っているところであります。
Q
知事、現時点で、その古川さんは何らかの責任のとり方というのがあってしかるべきだというふうにお考えになりますか。
蒲島知事
責任を取るべきかどうか、あるいは、ご本人も軽率だったとおっしゃっていますけれども、深い反省のもとにおっしゃっていると思いますので、そういうことを隣県の知事がコメントするべきではないと思っています。
水俣病不作為違法確認・認定義務付け訴訟の取下げについて
Q
すみません。よろしいですか。
水俣病の件なんですけれども、以前7月7日に知事にも記者の質問に答えていただいた方の件なんですけれども、認定されたですね、先日その方が認定を求める訴訟の取下げを致しまして、その際にコメントを発表いたしました。その内容というのが、以前私達が知事にお話を聞いた時にですね、その方の認定が遅れたことについて、40年近く保留が続いた責任については、申請者側の事情もあったというふうに知事がおっしゃった。これについてその方としては、認定が遅れた責任が自分にあるというふうに言われていると思うと怒りを通り越して悲しいと。知事が水俣病の事を勉強をして、患者の実情を深く理解してくださいと。そして更に、40年間自分が水俣病かどうか分からなかった原因はどこにあったのかを明らかにする作業に取り組んでほしいというようなことをおっしゃいました。
そこで2点なんですけれども、怒りを通り越して悲しいというふうにその方がおっしゃっていることについて知事がどう思われるのか。もう一つは、その方がおっしゃっている40年間、その方が水俣病かどうか分からなかった原因を明らかにしてほしいと、そういう願いに対してどういうふうな対応をとられるのか。この2点をご回答お願いします。
蒲島知事
はい。その方の県の検診に対する不信感を抱かせてしまったことについては深くお詫びをしたいと思っています。
県としては、これまでその方にご協力いただけるようにお願いしてきました。その結果、その方が検診を承諾されて、今回認定処分を行うことができたわけです。そういう意味で、今回ご協力をいただけたことに関して本当に感謝しております。
ただ、結果的に申請から処分まで長期間を要したことについて、また、ご心労をおかけしたことにつきましては、コメントでも述べましたけれども、改めて申し訳なく思っている次第であります。
それから、要望について、2つ明らかにしてほしいということであります。認定の理由を明らかにしてほしいということと長期的に処分が放置されたことに対するご要望だというふうに思いますけれども、その疑問については、丁寧に対応して、ご理解とご協力を得ながら、適正な認定業務に努めていきたいというふうに思っているというのが私のコメントであります。
Q
具体的に何か対応を取られるということはあるんでしょうか。
蒲島知事
どういうことですか。
Q
その方は認定されているので、特に認定業務は必要なくて、これまで時間がかかったことについてなぜだったのかということについて、明らかにしてほしいという思いがあるようですが。
蒲島知事
そういう本人からの疑問、あるいはご要望があった時には、丁寧にこれから対応して、ご理解いただきたいと、そしてお答えしたいと思っています。
Q
しつこくて恐縮なんですが、既に要望というのは、コメントでも発表されてて、記者会見の場に県の担当の方もいらっしゃっていたので、その要望については県の方に既に伝わっているのかなというふうに思うんですが、正式にそういった要望があってからご対応を検討されるという意味ですか。
蒲島知事
すみません、私はその場に立ち会っておりませんでしたけれども、具体的な要望について、ありましたでしょうか。
(水俣病審査課)
水俣病審査課です。
先日も裁判後、同じようなご質問が出たと思いますけれども、本人のご事情ですので、ご本人様から事情を知りたいという情報公開の要望がありましたら、手続きに沿って、丁寧に、適切に対応させていただきたいと思っています。
Q
すみません。よろしいですか。情報公開手続きが必要だというのは県の方がおっしゃっているのであって、公開手続きを取ろうと取るまいとその方としては、どういう理由でここまで長くかかったのかということを知りたいというふうにおっしゃっているんですけれども、それは情報公開手続きを取らないとやっぱりいけませんよ、というふうに理解すればいいんですか。
(水俣病審査課)
私どもも、この前も同じようなご質問もいただいていたと思いますけれども、ご本人様の事情ですから、ご本人からの申し出があれば対応させていただきたいと思います。
Q
最後にします。知事としては、その情報公開の請求があった場合にはこれまでの状況も鑑みて、かなり丁寧に対応していきたいというふうなお考えだということでしょうか。
蒲島知事
今の質問に対しては、ご疑問などの場合に、丁寧に対応してご理解とご協力を得ながらやっていきたいと思っています。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
知事の夏休みについて
(幹事社)
各社さんよろしいですか。
Q
知事は、夏休みは取られるんですか。
蒲島知事
夏休みは準備しておりましたけれども、結果的には取れなくなりました。
Q
公務で。
蒲島知事
はい、そうです。皆さんは遠慮なく取ってください。