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令和2年(2020年)9月9日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0068199 更新日:2020年9月9日更新

知事定例記者会見

日時:令和2年(2020年)9月9日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

動画
 動画はこちらからご覧いただけます。

会見録
 知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

説明資料(スライド資料) (PDFファイル:1.58MB)

コメント

発表項目

質疑応答

コメント

会見等で使用する演台用のアクリルボードの寄贈について

蒲島知事
 発表に先立ち、報告があります。
 本日からこの透明のアクリルボードを使用することにより、マスクを外して会見を実施いたします。
 このアクリルボードについては、三菱ケミカル株式会社熊本工場様から、新型コロナウイルス感染症対策として寄贈いただいたものであります。
 光をほとんど反射しませんので、カメラへの映り込みを少なくする仕様となっています。
 マスクを外して発言することができ、報道や県民の皆様に対して、これまで以上に、はっきりとメッセージをお伝えできることになると思います。
 ご寄贈いただきました三菱ケミカル株式会社熊本工場様には、この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。

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発表項目

チョッパー像とブルック像の除幕式の開催について

コメントする蒲島知事の写真蒲島知事
 それでは発表に移ります。
 県では、大人気漫画『ONE PIECE』と連携した熊本地震からの復興プロジェクトを進めており、被災地への「麦わらの一味」の像の設置を行っています。
 当初の予定では、今年3月に、チョッパー像とブルック像の除幕式を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため、開催を延期いたしておりました。
 このたび新たな生活様式のもと、万全の感染防止策を取ったうえで、除幕式を開催いたします。
 まず、熊本市動植物園に設置する「チョッパー像」については、11月7日・土曜日に除幕式を行います。
 御船町ふれあい広場に設置する「ブルック像」については、翌日8日・日曜日に開催いたします。
 除幕式の一般参加者は、県外での感染の広がりを考慮し、県内在住者に限定して募集いたします。募集は、インターネットによる事前申込制とし、会場の広さに応じ、「チョッパー像」は100名、「ブルック像」は200名までと定員を設定しています。
 会場内では、距離を保ってイスに着席していただくなど、密集しない形で実施したいと思います。
 また、『ONE PIECE』ファンの皆様をはじめ、除幕の瞬間を楽しみにしておられる方々が全国におられます。そこで、YouTubeでもライブ配信を行い、日本全国の皆様に、待ちに待った除幕式の様子をお届けしたいと考えています。
 なお、年内には、6体目となる「フランキー像」を高森町に設置できるよう準備を進めています。詳細が決まり次第、改めて皆様にお知らせしたいと考えております。
 先般、発表されました尚絅大学の調査では、ルフィ像の訪問者は年間5万5,000人、経済効果が約26億円との報告がありました。
 今後、「麦わらの一味」の像の設置が進めば、その効果は飛躍的に高まり、県内観光客との相乗効果で、復興を大いに後押ししてくれると思います。
 改めまして、尾田さんと集英社の皆様のご支援に感謝を申し上げたいと思います。

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発表項目

令和元年度熊本県産農林水産物等の輸出実績について

蒲島知事コメントする蒲島知事の写真
 続いての発表です。
 県では、「県産農林水産物等の販路開拓・拡大」を目指し、巨大マーケットである海外市場へ挑戦しています。このたび令和元年度の、県産農林水産物等の輸出実績を取りまとめました。
 令和元年度の輸出実績は、過去最高の61億円となりました。2年連続で目標金額の60億円を達成しました。私の3期目がスタートした平成28年度と比べると、4年間で12億4,000万円増加しています。
令和元年度は、平成30年度実績である60億円を超えることを目標に、海外バイヤーとの商談会や海外での販売プロモーションなどに取り組んでまいりました。その結果、過去最高を達成し、大変うれしく思います。
 なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、海外フェアの中止や一時的な物流の停滞など、品目によっては多少の影響はあったものの、全体としては、昨年度の輸出の実績に大きな影響は出ていません。
 むしろ、海外においても日常生活に欠かせない野菜・果物等の需要は拡大するなど、巣ごもりを反映した消費行動の変化がみられます。県としては、この変化をチャンスと捉え、農林水産物はもとより、加工品など、あらゆる県産品において、巣ごもり消費に対応した商品提案や、新しい生活様式に対応したセールス活動など、輸出活動に向けて積極的に取り組んでまいります。

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発表項目

応急仮設住宅の建設について

蒲島知事
 最後の発表です。
 県では、「令和2年7月豪雨」で被災された方々の住まいを確保するために、応急仮設住宅の建設を進めております。
 これまでに、人吉市、相良村、山江村、球磨村の4市村で完成していますが、さらに八代市で初めての、また相良村では2つ目の仮設団地が完成しました。
 八代市の「市民球場仮設団地」は、木造平屋の仮設住宅が8棟26戸、談話室として「みんなの家」が1棟整備されています。
 相良村の「総合運動公園仮設団地」は、木造平屋の仮設住宅が2棟8戸整備されています。
 これまで完成した仮設住宅は、7団地156戸となり、今週末にかけて、入居者への引渡しを行います。
 さらに、来週の中頃には、被害の大きかった芦北町の仮設団地も完成し、50世帯の入居が可能となる見込みです。
 今後も引き続き、スピード感をもって建設を進め、被災者の痛みの最小化に取り組んで参ります。

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質疑応答

チョッパー像とブルック像の除幕式の開催について

(幹事社)
 まずは、『ONE PIECE』の仲間の像の設置についてなんですけれども、新型コロナの影響で延期されておりまして、ファンの皆さんは本当に待ち望んでいらっしゃったかと思います。知事もそうだったかと思うんですけれども、公開日が決まったということで、今のお気持ちを改めてお願い致します。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 延期して、いつかいつかと待ってらっしゃった方もおられると思いますので、この段階で予定日を発表できることを大変嬉しく思います。
 その前に、尚絅大学の学生の方々が、非常にタイムリーにこの経済効果を研究してくださって、それに対してもとても感謝しています。
 ただ残念なことに、コロナウイルス対策のために、県外からの参加者を募ることができません。本当は世界的(に有名)なルフィの仲間たち、『麦わらの一味』でありますので、世界中から来ていただくと、もっと華やかな除幕式になったんじゃないかなと思いますけれども、やはりそれだけではなくて、コロナの感染防止をしなければいけませんので、今回はこういう形でやらせていただきます。
 そういうことで、海外、また県外の方々も、末永くこの『麦わらの』一味の仲間たちの像を愛していただき、いつでも来ていただけるような状況になればいいなと思っています。

Q
 やはり、熊本県民にとって特別だと思いますし、かなり期待できそうですよね。

蒲島知事
 はい。新しい資産といいますか、観光資源、それとやはり誇りですよね。尾田先生がおられて、そしてそれが震災対応という、このような形で貢献していただいているというのは、県民としても、知事としても、とても誇りに思っています。
 それを皆さんが分かっていただくと、また熊本への愛情が出てくるんじゃないかなと、このように思います。

Q
 『フランキー像』の設置とありますけれども、これは除幕式が年内にあるというような認識でよろしいでしょうか。

蒲島知事
 はい。『フランキー像』の場合は、まだ正確にここで日程をお知らせできませんけれども、年内の設置を可能な限り目指しております。


【事務方】
 年内の設置に向けて準備を進めております。また、除幕式が決まりましたら皆様にご報告したいと思います。よろしくお願いします。

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質疑応答

令和元年度熊本県産農林水産物等の輸出実績について

(幹事社)
 農産物の輸出の件で伺いたいんですが、これが3月までの実績なんですけれども、上半期がもう間もなく終わろうとしているんですが、4月以降の目途とか、見込みとかを国は既に出してるんですが、県としてのお考えを聞きたいのと、恐らく香港騒動なども含めた知事のコメントだと思うんですけれども、かなりいちご(の輸出)が急に増えたりとか産物によって、急激な伸び、急激な減少がありますが、この辺りの要因がもし分かれば教えてください。

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 はい。私は前回の記者会見では、この令和元年度もかなりコロナの影響があったんじゃないかなと思っていました。
 というのは、海外だとちょっと早めに(新型コロナウイルスの感染拡大が)始まりましたから、2月から4月までの。それを乗り越えて過去最高となったことを、まず第一に知事としてとても嬉しく思っています。
 それから、これからどうなるかということですけれども、多分それほど大きなコロナの影響はないんじゃないかなというふうに我々の分析では考えています。例えば、水産物などの場合は、中国でシマアジの人気が出てきてるとか、それからアジアで、水産物の輸出が増加しています。そういう意味では、品目ごとの状況についてそういうことが言えるんじゃないかなと思います。
 それからもう一つは、農畜産物についても、昨年6月ぐらいから、香港での抗議活動とか、それから2月頃からの、新型コロナウイルスの影響などによって、大変懸念をしておりましたけれども、これまでの取組みの成果によって、牛乳や牛肉、いちごなどが大幅に増加していますので、輸出額は14.8億円と過去最高になっています。そういう意味では、この辺りはまだ伸びるんじゃないかなと思っています。
 具体的に言うと、農畜産物では、アジア向けの牛肉、それから牛乳の(輸出)増加が期待できるということ。それから林産物では、中国、韓国向けの丸太、それから台湾、タイ向けの製材品の伸びが見込まれるんじゃないかと。水産物は、先ほど言いましたように、北米に加えてアジア向けのシマアジやブリ、マダイの増加が期待できると。これからも、輸出相手国におけるニーズやトレンドを踏まえて、関係団体と連携を取りながら、積極的なプロモーションに取り組んで参りたいなと、このように思います。
 ただコロナウイルスというのは、なかなか思うように消えたり(しませんので)、そういう意味では難しい中での輸出増でありますけれども、今は楽観的なほうに考えて、これはチャンスだと捉えてやっていきたいなと思っています。
 具体的に、一つは、5月以降だけを見ても、各国の経済活動が再開していて、飲食店からの発注も戻りつつあるというふうに担当者からは聞いています。そういう意味で、5月以降は輸出量は回復傾向にあるというのが、今の我々の見方です。
 ただ、もともとマニフェストに書いた80億円という目標がどうかという段階ではありませんが、4期目の最終目標ですので、そういうのを目指してこれからいきたいなとこのように思っています。

Q
 ちょっと確認なんですけれども、細かい点は担当課で聞くんですが、国が出している今年度の数字、牛肉などもかなり落ち込んでいるんですが、知事はそのあたりの分析をした上で今のお言葉をおっしゃったんでしょうか。

蒲島知事
 これまでの動きを見ながら、今後の予測をすると、先ほど言ったような形で、増える部分が見込まれるということであります。
 ただ先ほど言ったように、これはあくまで今の状況の予想ですので、コロナがどうなるかによってもまた変わってくると思います。
 それから、例えば、先ほどの林産物、材木ですけれども、これも欧州から安い林産物が、中国向けに入っていったので、それが今回は下がったと。何で安いのかというと、ヨーロッパでは、病虫害対策として伐採された木材が、とても安く中国に輸出されたことによって、木材の値段が下がったと。そして中国が、ヨーロッパの安い木材を買ったために、昨年度よりも今年度は(輸出額が)低くなっている。そういう我々には予想できない要素もありますので、それも考えて、今言った楽観的な見方かもしれませんけれども、輸出増が見込まれる品目については、まだ楽観的な予想をお伝えしたところです。
 担当者は来ていますか。


【事務方】
 若干補足をさせていただきたいと思います。
 牛肉とかいちごの輸出が増えていると思うんですけれども、要因としましては、牛肉については、動物検疫の協議で、輸出の牛肉登録の施設登録をする必要があるんですけれども、そういう条件が整った国が出てきたということで、輸出が解禁というか、輸出ができるようになったということで、今伸びているというところでございます。
 加えて、牛肉については本県産品が指名で発注が来る例もあるということで、増えてきているというところであります。
 それと、いちごなんですけれども、いちご300%と書いてあると思うんですが、いちごについても規制が緩和されたのにしっかり対応して、例えば、タイでの衛生証明書の発行などがやれるようになりましたので、それで輸出が伸びているというような状況になっております。
 簡単ですけれども以上です。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について・その1

(幹事社)
 第1回球磨川豪雨検証委員会関係なんですけれども、8月の末に市民グループの方々が県庁を訪れて、知事に対する申し入れというのを出されたんですけれども、それを見ると結局検証というのは国(※正しくは県)、首長、国交省、この3者で、住民不在なんじゃないかという指摘があったんですけれども、知事が2008年に白紙撤回したときは、民意というのをすごく重んじられたと思うんですけれども、そういう住民不在の検証という指摘に対して、知事はどういうふうに考えていますでしょうか。

蒲島知事
 今検証が始まったところでありますので、当然民意はどこにあるかというのを、知事としてはしっかりと確認しなければいけないと。ただ、一番大事なことは、今我々が持っている資料をきちんとお出しして、分析を出して、それが科学的か客観的かということを見てもらわなければいけないと思います。そういう意味では、(検証委員会を)完全公開にしていますので、そういうことを踏まえながら、皆さんの考え方がどこにあるかということを、これから知事として民意を探っていかなければいけない、測っていかなければいけないと思っています。
 ただ、今の段階では全員参加するとか、そういうことよりも、検証も、その次の治水の計画も、早く進めなければいけない。そういう意味では、スケジュールに沿って今やっていますので。(九州大学大学院の)島谷先生が、要望を持ってこられたので、それについてもしっかりと見させていただいて、それからさっき言った、市民グループの方々の要望もちゃんと私は読んでいます。

【事務方】
 今知事から島谷先生の意見書が届けられたというお話がありましたけれども、今朝、先生からメールで届きました。以上、お伝えします。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について・その2

Q
 今、球磨川の治水の話がありましたけれども、民意を探っていく必要があるというお話があったかと思うんですが、具体的にどのように民意を把握したいというふうなお考えがあるんでしょうか。


記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 多分、一番使われている方法は、流域住民の方々の世論調査だと思います。ただ、それを誰がやるかが大きな問題だと思います。治水の計画を作る政府がやるのか、あるいは県がやるのか、あるいは流域の市町村長の方々が自分たちの範囲内で、自分たちの市町村の方々の民意をはかるのか。そういう形で様々な形があると思います。やはりきちんとした客観性のある権威のあるところに、これをやっていたただくのがとても大事かなと私は思います。
 それを熊本県として、また知事として、きちんと理解して、現在の民意はどこにあるのかというのを判断すると。判断した後、それを県民がまた評価すると。その部分が一番確かな民意じゃないかなと思います。
 例えば、2008年においては、私がダムによらない治水を求めるべきだと白紙撤回をしましたけれども、その判断に対して、その時点における民意は測れたんだと思います。流域市町村の方々の民意も、それから、県民全体の民意もあの段階で測る。私の感じでは、あの時の世論調査というのは、確かに適切で、かつ、その時の民意を十分反映していたなと私は思います。
 それでなんらかの私の治水計画ができるでしょうけれども、その時にその評価をやはり聞かなければいけないでしょう。私はその段階の民意が一番大事だと思います。そうでないと、どういうふうな治水計画かということを、県民の方々が評価できないんですね。だからきちんとできた後で、それを県民の方に発表して、それをどのように皆さんが評価するかということが、私の考える、今の県民の方々の民意じゃないかなと思っています。

Q
 今の話だと、何らかの世論調査的なものが必要ではないかというような認識を示されたのかなと思うんですが、その辺はいかがなんですか。

蒲島知事
 それ(=世論調査)を誰が行うかですよね。作業の本人である県が行った方が、その成果が客観的なのか、あるいはメディアの皆さんが行った方が客観的なのか。とても重要なものですので、実行する組織のこともとても大事だと私は思っています。
 そういう意味では、前回の白紙撤回の後、きちんと議論も説明し、理由も説明し、そして結論はこうですと言った後で、県民の方々が、それは嫌だというのであれば当然、責任を取らなければいけないでしょうし、あれでやってくれということであれば、責任をもって、そのようにやらなければいけない。だから同じようなことだと思いますけどね。今度の新しい決断も、そのくらいの重みがあると私は思っています。私が何を言いたいかというと、熊本県がやることが正しいかどうかを含めて、これからそれも検討しなければいけないと思います。
 ただ、民意を測る努力は、世論調査だけではなくて、人々に会ったり、それからまさに民主主義の世界では、市町村長がそれを反映していると。県民の民意は県知事が反映しているというふうに理解されますけども、そのはかり方を間違ってしまうと、私は本当の民意が活かされないんじゃないかと、このように思います。

Q
 仮に世論調査を県なりメディアなりが行わなかった場合は、知事として、例えば、県民と直接対話するとかそういうお考えはあるんでしょうか。


蒲島知事
 はい。考えています。前回もそうでしたから。世論調査で決断したわけではありません。前回も多くの方々とお会いし、多くの組織の方ともお会いし、そして最終的に自分の責任で判断しました。たぶん今回も同じようなことになると思います。多くの方々と会い、そして皆さんの意見を聞き、そして決断は自分でやると。

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質疑応答

流域治水に関する受け止めについて

Q
 今朝、島谷教授はじめ、専門家の方が要望されたとお伺いしましたが、球磨川本流や最大支流の川辺川だけでなく、数多くの支川についても対策することで、流域全体のリスクを減らすと、そういう考えだということなんですが、流域治水そのものについて知事はどのように受けとめてますか。

蒲島知事
 私も、この島谷先生のグループから、島谷先生のペーパーを送っていただきましたので、読ませていただきました。流域治水という考え方は、今は島谷先生だけではなくて、国土交通省も、流域治水という考え方でやっています。
 ただ今日と昨日のNHKの報道で見る限り、これを検証委員会で検証して欲しいというお話だったんですけれども、この検証委員会というのは、例えばダムによらない治水対策を行った効果であったとか、あるいは仮に川辺川ダムが存在した場合の評価、この他にも初動とか、それから正確な流量とかいくつかありますけれども、そういうふうな検証を行うところなので、検証委員会でこの提言がそのまま役に立つのではなくて、むしろそれを踏まえて、球磨川の治水の検討を始めることになると思います。その時に、この島谷先生グループから示された治水の考え方についても、参考にさせていただきたいなと思ってます。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について・その3

Q
 先ほどの世論調査の件で確認したかったんですけど、県として治水対策を治水計画を示したのちに、仮に世論調査があったとして、2008年の場合はそれを支持するという結果が多かったと思うんですが、もし仮にそうではない調査結果が出た場合、県の計画を覆すということもあり得るんでしょうか。

蒲島知事
 それは誰かが責任を取らないといけませんから、私が責任を取ることになると思います。

Q
 治水計画はあくまでも民意に沿った形で進めていくというお考えでしょうか。

蒲島知事
 当然です。

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質疑応答

ダムによらない治水対策について

Q
 検証委員会でダムによらない治水で行ってきた対策についての検証を、今後されていくと思うのですけれども、一方でダムによらない治水を、12年間のなかで抜本的な対策ということまでは、まとめられなかったと思います。12年間かけてそこがまとめられなかった一番大きな要因というものを、改めてお聞かせください

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 流域市町村の合意形成、これができなかったことが大きいというのと、もう一つは費用が膨大になったこと。そういうこともあって、国も県も流域市町村も、一生懸命に考えて10案ができてきましたが、残念ながら合意形成に至らなかったというのが現実であります。
 それで、合意されたことで、できることをやろうということで、例えば萩原堤防の強固な堤防を造るとか、あるいは市房ダムを最大限に利用しようとか、それから危険な箇所の掘削をやろうとか、そういうできることはやってきたんです。その効果は、次回の検証委員会でどのくらいの治水効果があったか(検証していきます)。
 あのときに考えたのは昭和40年(の洪水を防ぐこと)を目指し、できることをやろうとしていました。全部はもちろんできませんでしたけれども、ただ、皆さんもご存知のように、今回の洪水というのは、それ(=昭和40年の洪水)をはるかに超える洪水が来ましたので、それは次の治水対策に、その経験も踏まえて反映しなければいけないと私は思っています。そういう意味では、何もやらなかったという議論はおかしいと思います。
 例えば今回12のダムで事前放流しましたけれども、あれもダムによらない治水で、予備放流という形で市房ダムの放流もしていました。あのキャパシティがなかったら、多分、今回の水害でもとても悲惨な目にあっていたと思います。
 そういう意味で、極限までやったかどうかは別として、とにかく方向性に沿って、昭和40年の洪水を防ぐだけの対策を早くできることからやろうと。あれは多分ダム計画に沿ってやっていたとすれば、ダムができることは分かってますので、そういう努力はなかったと思います。
 だから、ダムによらない治水というのは、先程、島谷先生の流域治水という考え方がありますけれども、それもある意味、時間はかかったけれども、その方向に行っていた気もします。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について・その4

Q
 川辺川ダムについての民意というところで、もう一回お尋ねなのですが、2008年の白紙撤回当時、知事は、現在の民意は、ダムによらない治水を選択しているように思うとおっしゃっています。少なくとも、この時の民意から変わっている可能性があるというふうにお考えなのでしょうか。

蒲島知事
 それは当然です。時間の変化、気象状況の変化、そして新たな7月豪雨の経験、そういうものが当然多くの方々に変化、変わらないものも、もちろんあるでしょうし、変わる部分もあるんじゃないかなと思ってます。私もそれは当然だと思ってますし、その変化に応えきれないリーダーは責任がないと思います。

Q
 2008年の白紙撤回に至るまでは、もちろん前の知事の話なのですが、私が把握している限りだと、平成13年から住民討論会等々行われて、民意がどこにあるかということをかなり時間をかけて把握してこられたのかなと思うのですが、今回、スピード感をもって、復興を進めていくと知事はおっしゃっていますが、その辺の短い時間で民意を把握することが可能なのかどうか、その辺の難しさについて感じていることがあれば、教えてください。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 長い時間をかけたから、正確に民意がはかれるというものでもありません。それから、世論調査が知事の仕事ではないのです。知事の仕事は、いかに県民の安全・安心を守るか。それとともに、民意にもう一つあるのは、球磨川流域のこの恵みをいかに享受できる体制をとるか。だから、そういう形のなかで、皆さんの考えを聞いていかなければならない。
 今回、この洪水のあとで、新たに民意が形成されるというふうに仮定すれば、時間を大事にして、皆さんの意見を聞き、そして確かな治水対策を取らなければいけないというのが、今の知事に与えられた責任ではないかなと私は思います。
 だから、もう自分があそこで決めたからそれで行くんだという、その一つの民意があれば、もちろんそうでしょうし、そうじゃない民意があれば、やはりそれに応えるのが、その時々の知事じゃないかなと、あるいは政治家でないといけないと思います。
 今は、私は、グリーンニューディールという形で表しましたけれども、それは分かりにくいということで、この前、読売新聞(※正しくは、西日本新聞)の方が、分かりやすく「緑の治水」というふうに訳していただきましたけれども、とても良い訳だと私は思いました。そういう新たな考え方ができつつあります。
 いわゆるグリーンニューディールという考え方は、二つの目標を追求しようと。一つは、将来にわたって、安全・安心な球磨川の治水対策をつくるということと、ただそれだけでなくて、最初に民意が出てきたような、ダムによらない治水も考えてくれと。だから両方の可能性を排除せずに、今回は考えているというのが今の状況です。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について・その5

Q
 先程の民意との兼ね合いで、今後の治水計画の進め方なのですけれども、検証が終わったのちに、国・県で、治水計画案のようなものを示してそのあと民意を確認するというような手順になるのでしょうか。

蒲島知事
 その流れもあり得るということです。まだ将来の話ですので、そういう可能性もあり得るだろうと。前回の2008年のときはそうでした。私の白紙撤回をそれを県民がどう考えたかということが、とても大事だったと思います。

Q
 立案する段階で、民意を汲み取っていくということへの希望もあると思うんですけれどもそのあたりは。

蒲島知事
 その可能性もありますけれども、いくつかの可能性のなかで最高の可能性をはかってちゃんとした民意を捉えることが大事です。これは多分全員がそうだと思います。
 今どういうことを熊本県民として希望されているかということを、知事としてしっかり捉えきることが大事だと思います。

Q
 もう1件だけ、治水の案を示してその案が支持されなかった場合、責任をとるというご発言がありましたけれども、どういうことを想定されているのか。

蒲島知事
 当然、支持されなかったときは責任をとる、知事は責任をとらなければいけませんので。どういうことを考えているかというと、責任をとることしか考えていません。
 民意に反して、何が何でも決めたから続行するというのは、まさに独裁者ですから、デモクラシーの国では責任を持たなければいけません。

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質疑応答

球磨川の検証について

Q
 前の有識者会議のときにも確認をしたんですが、科学的知見とか検証とかいっても、どういうメンバーを入れて、どこが主体になるかによって、その結果が変わってきて、示す結果も、どういう検証をするかで変わってくると思うんです。
 そういう意味で、国主体だけでなく、メンバーを新たに加えるとか、様々なそういう知見を集めたきちんとしたそういう検証会議をやるとか、何かそういうお考えはあるんですか。

蒲島知事
 今のところ考えていません。
 この検証委員会とそれから有識者会議、そしてあとは県、国、流域市町村の、とにかく最高の力を発揮して、正しく客観的に検証するということになると思います。
 いずれにしても、責任ある人がどういうふうな検証委員会をもつべきか、どういうふうな有識者会議をもつべきか。
 ただ、今日島谷先生のお話もありましたけれども、ご意見をいただいた場合はきちんと私自身も読んで検討していくと。検証ではなくてそれは次の段階です。私は、検証委員会もそうでしょうし、今の有識者会議でも、あれだけのメンバーを揃えるのはなかなか難しいと思うし、専門家の方も入っておられます。
 そういう意味で、また改めて同じ有識者会議を別に作るとか、スピード感が必要なときには無理ではないかなと私は思います。

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質疑応答

球磨川の検証の今後の見通しについて

Q
 検証委員会の後に何らかの案を示す、考えを示すということだと思うんですけれども、知事はこれまでに、11月までにだったりとか、年内だとかそういったお話がありましたけれども、いつまでにどのくらいの結論を出すというところの今の考えはいかがですか。

蒲島知事
 既に11月を目指しているというふうに言っておりますので、時間は限られています。必死でこれからそれに向かって、県庁、国、流域市町村長の3者で全力を上げていきたいなと思っています。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について・その6

Q
 今日の発言のなかで確認なんですけれども、民意を問う局面というのは決定はしていないんでしょうけれども、治水対策の決定前なのか後なのかというのも含めて今考えているということでよろしいんでしょうか。

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 当然、どの段階か分かりませんけれども、ある程度こういう方向性でいくというそのピクチャーといいますか、絵が見えない限り民意が問えないんじゃないかと思います。
 2008年のときは明快でしたよね。ダムによらない治水を極限まで追求すべきだというのが民意であると。それに沿って白紙撤回と。だから、非常に世論調査でも答えやすいし正確な答えがくると。イエスかノーかですから。
 だからそういう意味では、治水対策を示さないで賛成ですか、反対ですかとかそういうのは世論調査になり得ないでしょう。
 例えば、流域治水の話は出ましたし、それから私の場合は、選択肢をすべて排除しないという形で、それで民意を問うって、皆さんどういうことか分かりますか、分からないでしょう。もう一歩先に進んでから世論調査をしなければ、不完全な世論調査だと思います。私自身も世論調査の専門家ですから、そのところは科学的、客観的にやらないと意味がないんです。

Q
 確認ですけれども、今の時点では治水対策を示した後に民意を問いたいという考えということでよろしいですか。

蒲島知事
 私が問うか皆さん(=メディア)が問うかわかりませんけれども、誰かが問うことになると思いますから。

Q
 そういう場面がくると。

蒲島知事
 そういう場面がくると私は思います。

Q
 あと、すみません。政治家の責任という話があったんですけれども、進退を含めてということになるんですか。

蒲島知事
 皆さんのご想像に任せます。 (了)

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