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平成23年10月18日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見
日時:平成23年10月18日(火曜日)11時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事臨時記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
質疑応答
(市町村行政課)
それでは緊急記者会見をはじめさせていただきます。
まず知事の方から熊本市の政令指定都市移行に関しまして閣議決定がなされました、そのことに対しましてコメントを申し上げます。
発表項目
熊本市の政令指定都市移行に関する閣議決定について
報道資料:熊本市の政令指定都市移行に関する閣議決定について(PDFファイル:1.8MB)
蒲島知事
今朝の9時に総務省の方から熊本市の政令(指定)都市移行について閣議決定がされたという報告が参りました。この報告を聞いて大変嬉しく思います。というのは、政令市実現について、私も先頭に立って頑張ってきました。
まず選挙の時のマニフェスト、それを踏まえながら合併協議、そして権限移譲、そして国への要望という形で市長と連携を取りながら政令市移行の実現に向けて頑張ってきましたので、その報がとても嬉しく思っている次第です。とりわけ県の担当者の方々には、大変頑張っていただいたので、心からお礼を申し上げたいと思っています。
私は新幹線の全線開業と、この熊本市の政令(指定)都市化というのは、2つのセットで熊本県の発展にとって「100年に1度のビッグチャンス」だと考えています。
なぜかというと、この新幹線の全線開業と政令市というのは、県民の総幸福量を考えた時に、私は3つのことが大事だと考えています。「経済的な豊かさ」、それから「プライド」、そして「夢」。この3つにとても大きく貢献するのが、この熊本市の政令市移行ではないかなと考えています。
20番目の政令市になりますが、20番ということを考えないで、「県民の幸福量の最大化」と、あるいは「市民の幸福(量)の最大化」という意味ではナンバー1になるように、これから頑張って欲しいなと思っています。
県としても、この政令市の波及効果が最大化するような形で、市と連携を保ちながら、今後も努力していきたいと思っています。
以上がコメントであります。
質疑応答
県全体への波及効果について
(幹事社)
幹事社のKKTです。一つ伺います。知事が今、波及効果が最大化されるようにということをおっしゃいましたけれども、具体的に熊本県全体への効果というのは、今後どのようにして出していこうというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
熊本市は、どういう役割を熊本県の中に果たすかというと、やはり九州の中における熊本の役割と同じように、バレーボールのセッター役。熊本市の魅力を高めることによって、人々を熊本に呼び込む、それを様々な熊本の他の地域に送り出す。だから阿蘇の魅力と熊本市の魅力がセットになって熊本の良さが出てくると思うんですね。
そういう意味では、熊本県にとっても、とても重要な役割を果たすのではないかなと思っています。
それから熊本市と熊本県というのは、名前が「熊本」と同じですから、「熊本」のブランド化(という意味では)、市のブランド化、これはすなわち県のブランド化にもつながっていく。それから熊本市の品格、これは熊本県の品格にもつながっていく。そういう意味で、政令市の名前と都道府県の名前が違うとその効果はとても薄れてくると思いますけれども、幸いにして熊本県と熊本市は同じ「熊本」であって良かったなと思っています。
質疑応答
州都を目指すうえでの政令市移行について
(幹事社)
各社どうぞ。
Q
すみません。知事が前におっしゃっていた、道州制を見据えた時に、「熊本を州都に」というような意味合いの中で今回の政令市というのはやはりどういうふうに思われますか。
蒲島知事
私はいつも言っていますけれども、いろんな投資とか、あるいは将来の夢、あるいはプライドというのは、一つは政令市移行後にどうなるかということだと思います。私はなんで政令市をこれほど進めてきたかというと、「九州府」というのができた時に、熊本が州都に立候補すると。そして州都の条件を十分整えておく。だから今度は州都に向かって熊本市と熊本県と連携を取りながら、更にレベルを高めていく。それがひいては熊本県全体への波及効果になっていくのではないかなと思っています。
これまでは、政令市になるのが夢だったけれども、次はもう一つ大きな夢の、「州都」への夢に向かって県民とともに歩んでいく。その過程で熊本市、あるいは熊本県が更にレベルアップしていく。そういう意味ではとても大きいと思っています。
それから経済というのは、実態で動く部分もありますけれども、期待で動く部分があるんですよね。だから、新幹線が全線開業して、次に政令市になり、そしてこれからは州都を目指すんだという、その期待の経済、それによっていろんな投資も呼び込むんではないかなと思うし、あるいは県民の「プライド」、「夢」、そしてそれにプラス「経済的豊かさ」がついて来るんじゃないかなと思っていますので、州都の夢というのは、私にとっては政令市とセットになっています。
質疑応答
県と熊本市の関係について
Q
よその政令市では県との関係で、例えば権限や財源が移ったことで、県と対等になる。というのが、例えば医療費の助成問題とかで、県と政令市とで軋轢が生じることもあっているんですが、知事は、熊本市とはどういうふうに…。
蒲島知事
幸いにして、政令市になる前から県と市は大変、連携を取っています。この軋轢が生じないように、市と都道府県の間の、何というか、意志疎通というんですかね、あるいは共通の目標、そういう意味では市の方もちゃんと県のことを考えてほしいと。それは市が良くなれば他の地域も良くなる。そういう意味ではウィン-ウィンの関係。例えば今、熊本市だけの努力でコンベンションが開けるかというと、そうではありませんよね。やっぱり阿蘇の魅力であるとか、あるいは天草の魅力であるとか、人吉の魅力であるとか、あるいは山鹿の魅力であるとか、そういうのが相まって熊本市がコンベンションシティとして成立するんじゃないかなと思っています。
そういうウィン-ウィンの関係を常に市長とそれから市役所、それから知事と県庁が同じ目標を持っていけば、それはそれほど顕在化しないんじゃないかなと思っています。
質疑応答
州都実現に向けてのかじ取りについて
Q
一つだけ。政令市がこれで大きく実現に向けて、もう動いて。
蒲島知事
もう実現します。向けてじゃなくて。
Q
州都の夢と政令市の夢はセットになっているということでしたが、政令市はこれで実現して、州都の実現に向けても熊本市と連携を取りながら、知事としてかじ取りをしていきたいですか。
蒲島知事
それ〔※州都の実現〕はもうずっとマニフェストの段階から言っておりますし、その方向に向けていっている。幸いにしてですね、大分市も立候補しましたし、それからこれまで久留米、鳥栖も立候補というか考えておりますので、多くの九州の都市が競い合ってね、州都を目指す中で、九州全体のレベルアップを図れますし、その中でやっぱり熊本はもっともっと努力して、そしてその第一段階として新幹線、第二段階として九州で3番目の政令市、そして今、より努力しているのは、「地下水を守る」、それから「加藤・細川400年の歴史と文化を守る」、そして、熊本市の発展と非常に関連のある「阿蘇の大草原を守る」というものを今年の目標に掲げておりますので、そういう運動が必然的に、ニューヨークとしての福岡、ワシントンD.C.としての熊本、そういう認識が高まるんじゃないかなと思っています。少なくとも私の就任した時よりも、今の時期の方がそういう機運は高まっているような気がします。
Q
任期との兼ね合いもあるかとは思うんですけれども。
蒲島知事
私ができることは、任期の間120%走り抜いて、その夢に向かって走り抜くことであります。
質疑応答
州都を目指すにあたっての課題について
Q
すみません。今の要素で、地下水とかも、そうした「品格を守る」ということがすごく大事だと思うんですけれども、やはり九州の中で熊本が州都に是非選ばれるというためには、あと何が足りないのかという課題という意味では何が必要だというふうに思われますか。
蒲島知事
やはり先ほど熊本市がバレーボールのセッター役を果たすと言いましたね、熊本県の中でね。同じように熊本県が九州全体のバレーボールのセッター役になって、セッターそのものも魅力的だけど、アタッカーに対してどれほどボールを上げることができるか、渡すことができるか、そういう役割をこれから続けていく。だから九州全体のために汗をかく。それが今まで欠けていたのかなという気がします。
そういう意味でこれから、私はいつも言っているんですけれども、熊本県はバレーボールのセッター役を務めようと。そうすることによって熊本に対する期待値が高まってくるのが一つ。
それから地理的な中核性がありますよね。新幹線も今、九州の中でどこよりもたくさん止まっています。だからそういう中核性と便利性、それから水が豊富にあるという安全性、それから食糧基地であるという安全性、それから化血研にあるワクチン、それから防衛拠点としても西部方面隊、そういうものが安全という意味ではとても重要なのかなと思っていますので、それプラスどういうことが必要かというのは当然出てきますけれども、自然にそういうものを兼ね備えているので、さらに磨きをかけていくとすれば「品格」だと思っています。
どうもありがとうございました。
(幹事社)
ありがとうございました。