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平成23年12月28日 知事年末記者会見
知事定例記者会見
日時:平成23年12月28日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
質疑応答
- 県財政の再建について
- 一年を振り返って
- 水俣病特措法の申請期限について
- 荒瀬ダム撤去の財源確保について
- 八ツ場ダム建設再開について
- 九州新幹線全線開業効果について
- 一年を振り返って
- 来年に向けての課題について
- 県警のいじめ訴訟について
- 熊本市の不祥事について
- 県職員の飲酒運転による懲戒免職処分について
(幹事社)
おはようございます。
蒲島知事
おはようございます。
(幹事社)
知事の方から。
発表項目
平成23年 県政10大ニュースについて
蒲島知事
報道資料:平成23年 県政10大ニュース(PDFファイル:93KB)
2011年は、私が知事になって4年目であります。マニフェストで掲げました「3つの困難」と「4つの夢」に向かって進んできましたけれども、「3つの困難」については、着実に一定の成果があったのではないかなと思っています。それから、「4つの夢」についても進展があった年ではないかと思っています。
今回10大ニュースを選ぶにあたっては、3つの観点から選びました。1つは県民の皆様に夢を与えるような出来事、それからもう1つは将来に向かって希望を与えるような出来事、3番目が県政の大きな課題の解決に向けての決断を行ったことであります。
10個、ここに掲げてありますけれども、まず「県政課題を決断の政治で大きく前進」というのが1番目であります。公共関与最終処分場・クローズド型の基本協定書が締結されました。それから、荒瀬ダム撤去の財源も確保することができました。建設業の構造改革、また県庁の経理文化の改革など、決断を行いました。
2番目は、「東日本大震災への対応」であります。まず救助・救出活動から始まり、職員の派遣、支援物資や塩害対策の技術供与、「みんなの家」の建設など、様々な支援を実施してきました。そして震災の影響による県内への負担を最小にするという取組みを行いました。
3番目は、「九州新幹線の全線開業」であります。3月12日に全線開業し、震災の影響はありましたけれども、その後国内客を中心に宿泊客、それから観光客は増えております。
次は、「熊本市の政令指定都市移行が決定」しました。来年4月1日からの移行が正式に決定しましたので、ますます熊本は活気づき、夢がふくらむのではないのかと思っています。
それから今年は、「水俣病の被害者の救済が進んだ」年でもありました。特措法による救済、そして裁判の和解成立、これが水俣病の救済に相当大きな貢献をしたと思っています。
それから次は「五木村の生活再建について国、県、村の3者で合意」ができたことであります。
次に、「阿蘇の草原の維持再生とあか牛放牧の推進」。
次が「ねんりんピック2011(ふれ愛)熊本の成功」であります。高齢者の元気を全国に発信できたのではないかと思っています。
次は、歴史的な円高などで逆境の中にあっても、また東日本大震災などの様々な逆境がありましたけれども、「企業誘致に健闘」したことであります。全国的に見ますと、国内の企業立地は減少する方向にあります。本県では幸いなことに、増加傾向にあります。その中でも、大日本スクリーン製造も進出を再開したということでありますし、それからマニフェストでは100件という企業立地を掲げておりましたけれども、今日現在で84件であります。そういう意味では、まだ3月31日まで時間がありますので、どこまで伸ばせるかということがこれからのキーポイントではないかなと思っています。
最後に「くまモンの大活躍」。もうこれについては述べる必要ないと思いますけれども、KANSAI戦略への貢献、それから営業部長としての貢献、それから「ゆるキャラグランプリ2011」での優勝、そういう意味では、熊本県民に誇りと夢とそれから熊本に対して様々な貢献をしたのが、今年のくまモンの大活躍じゃないかなと思っています。
以上が私からのコメントであります。
(幹事社)
各社さんどうぞ。
質疑応答
県財政の再建について
Q
知事、10大ニュースの中でですね、「3つの困難」、ダムと水俣病と県財政の再建ですね、ダムと水俣病については選ばれているんですけれども、県財政については、県債残高がずっと累増して行っていたのが、逓減の方向に向かったということはですね、大きなエポックとしてあるのかなという気がするんですけれども、これは県政の運営全般に係る話で、今年1年でつけたという話ではないので、書いてないのかなと思うんですが。
蒲島知事
ええ、今年は、あえて川辺川ダム問題、それから水俣病問題は前進したというニュースですけれども、財政再建についてはもう既に財政再建戦略を1年目に作り、それに沿って着実に進んでいると私は思っています。
私が就任した時には、借金の額が1兆700億あったと思いますけれども、それが1兆円を切る見込みになるようなところであります。ただ、それが最終的に3月の末にどうなるかというのは、まだここでは確定できませんけれども、少なくとも近くその見込みができるんじゃないかなと思っています。
それから貯金も8億増やすことができたという意味で、これまでの借金の増加傾向を低下傾向に持って行ったこと。それから、貯金がほとんどなかったのを少し積みますことができたこと。そういう意味では、まだ借金がたくさんありますけれども、その方向性としては財政再建の方向が示せたのではないかなと思っています。
ただ、財政再建だけを考えると、どんどん経費を削減すればいいんですね。でもその中で夢のある様々な事業をしなきゃいけないというところに財政再建の問題点があります。だから、県民の方々の幸福量を落とさないように財政再建をする、それが財政再建の難しさじゃないかなと。どれほど県民の方の不平不満があっても財政再建をやるんだといって、大胆にやるということも1つの方法かも知れませんけれども、私の県政の1つの方法としては、「夢挑戦予算in 大逆境」というのがコンセプトにありますので、そういう意味ではこの4年間、幸運な面もありましたし、それから夢を失わずにそれでも財政再建の方向ができたのはとても私自身は良かったなと思っています。
簡単にどのようにして比較するかというと、借金の額とかそういうのも大事でしょうけれども、例えば福島県政の時には借金が額がこういうふうな角度〔※右肩上がり〕で増えていったと、そして潮谷県政の時にはこれが平行になったと抑制型になったと、私の時にこうマイナスの角度〔※右肩下がり〕が出た。その角度のマイナスになったというところがとても私自身は大きいのかなと。それにもかかわらず県民の幸福量は下がって欲しくないなと思いながら県政を行ってきました。はい。
質疑応答
一年を振り返って
蒲島知事
はい。
Q
この1年を振り返られて、それこそ本当、「幸運だったな」とご自分で思われるところはいくつかあると思うんですけれども、それを教えてください。
蒲島知事
はい。これは政権にかかわらずですね、最初の段階では、県の予算を削減したけれども、国からの経済対策、これは補正を含めて打ち出されたことを熊本県としては積極的に活用していった。これは、私は職員の方々にとても感謝しています。
仕事をしたくなければ積極的に取りに行きませんよね。特に補正の場合はもう既に仕事決まっていますから、でもそうじゃなくて、常に「何をやるべきか」というのを考えておられて、そしてそれが出た時に積極的に、そしてそれが夢挑戦に結びついていった。
だから経済対策と職員の積極性、この2つがあることによって、財政再建にあるにもかかわらず様々なことができたのかなと思っています。
Q
その他には何かございませんか。
蒲島知事
その他に、例えば、川辺川ダム問題に関して言えば、あるいは水俣病問題もそうでしょうし、多くの場合、各県の知事さんが困られたのは、政権交代によってこれまでの政策がなかなかできないという、あるいはアクセスがないということでありましたけれども、幸いに私の場合は多くの民主党の幹部の方々を知っておりましたので、自分の意見が伝えられたということと、それからむしろ川辺川、水俣病というリベラルな政策が政権によって後押しされたというのも、政権交代というものがマイナスにならずにプラスに働いたということもあるかも知れませんね。
質疑応答
水俣病特措法の申請期限について
Q
直近の話ですけれども、今、水俣病ですけれども、22、23の両日に水俣で行われました被害者団体からの意見の聴取、これをどういうふうに県としては受け止めて、その後、副知事に環境省あての要望で慎重対応を求められていますけれども、それに込めた知事の気持ちを…。
蒲島知事
これは、期日の問題ですか。
Q
はい。期日の問題です。
蒲島知事
特措法の中に書かれていますように、この特措法が未来永劫にあるということは書かれておりません。だから概ね3年という形で期限が切られておりますので、ある時点で期限が来るということは避けられないと思っています。
ただ、特措法の中にもう1つ書かれているのは、「あたう限りすべての被害者を救済していただきたい」そういうことが書かれております。
だからその観点から見て、2つの事を国に対してお願いしてきました。1つは特措法の成立過程を見ますと、極めて例外的にできたんですね、超党派で、かつ短期間で。そういう意味では2度と特措法が成立するとは考えられません。だから今、特措法がある間に多くの方々を救済して欲しいという意味での「特措法を最大限尊重して欲しい」ということを言っておりました。
それからもう1つは、特措法の1つの精神である「あたう限りの被害者の救済を行って欲しい」と、そういうふうな意味で、今年は特措法とそれから裁判によって相当、救済が前進したのではないかなと思っています。そういう意味で、私の方から環境省の方に申し上げているのは、申請期限については特措法を大事にして、国においては十分に慎重に判断していただきたいということであります。
そして、県としては周知が更に進み、救済が必要な方々に申請していただけるよう、十分な期間を設定していただきたいとは考えています。
ただ、国が判断されますので、これから申請を考える方にとって、少しでも長い期間を確保していただきたいとは考えております。
Q
知事、関連してですね、要望の中に、期限が決まった後の、締め切られた後も健康不安がある方に対しての対応をという文言が入っていたかと思うんですけれども、具体的にそのどのような対応があるべきだというふうに考えておられますか。
蒲島知事
期限経過後にですね、メチル水銀による健康不安を心配される方々があれば、何らかの対応が必要であるとの考え方からそのような要望をいたしました。
Q
具体的なものというのはまだ…。
蒲島知事
具体的なものではなくて、今の形で要望をしたところであります。
Q
知事、関連して、環境省がですね、新潟、熊本、鹿児島、3県の知事の意見も聞きたいということで、最近にもこちらに来るご意向があるみたいなんですけれども、今おっしゃった中で期限の設定などもあまり具体的にいつという話ではないんですが、その時にはもう少し具体的なご要望をされるつもりなんでしょうか。
蒲島知事
まだどのようなことをお話しになるか、あるいはどのような具体的なことなのかについても全く聞いておりませんで、どのように対応するかということについては、この場ではコメントできないと思っています。
質疑応答
荒瀬ダム撤去の財源確保について
Q
知事、10大ニュースの中で、今、項目の1番目に「県政課題を決断の政治で大きく前進」とありますけれども、この中で荒瀬ダム撤去の財源確保というところも決断の政治の中に入っているんですが、これはどういった決断が、ということで入れていらっしゃるんでしょうか。
蒲島知事
これは決断の結果といいますかね、例えば有名なリチャード・ニクソンの言葉の中で、「指導者というのは正しいと思うだけでは駄目で、正しいことを実行しなければ指導者ではない」と。そういう意味では、荒瀬ダム撤去ということを決断し、そして、その決断を実際に実行に移す、そのために様々な現実の壁があり、その現実の壁を諦めずに、少しずつでもそこから可能性を探り出すというのが政治ではないかと思っています。
その意味で、ずっと財源確保に努力してきました。そして30億あった不足額を、国交省のダム本体ではない、例えば(道路)嵩上げであるとか護岸工事、あるいはその国交省と一緒になってコスト縮減、これを考え、または企業局の努力、そういうものをどんどん進めた結果、7億足りないと。そこで「7億足りないから一般財源か」ということにならずに、やはりこれは民主党が最初、荒瀬ダムへの財政支援というのを言って選挙に臨んだことであるから、是非民主党はこのことを重く捉えて欲しいと。
それと環境省と熊本県の連携の強さ、そして民主党の県選出議員の方々のご努力、そして、それを促進した議会の要望書、もういろんなものが関係者のご努力によって年内にその財源が確保できたということは、私にとって、決断の政治というよりも、むしろ10大ニュースとして捉えなきゃいけないなと思っています。
決断の政治の中に入れたのがいいのどうかちょっと分かりませんけれども、これそのものは10大ニュースの中に入れたかったと。どの部分に入れるかというと、10個しかありませんので、場所が。だから決断の中に入れさせていただいたということです。
質疑応答
八ツ場ダム建設再開について
Q
民主党の約束という意味で関連していうと、八ツ場ダムの建設再開決定をしました、政府は。もちろん、自治体の首長、知事、地方のトップの判断が、白紙撤回をされた知事と、他の関東の、建設を要望された、事情に違いがあると思いますけれども、この民主党の八ツ場ダム建設再開に関して、川辺川も含めて、どういう考えを受け止められたのか。
蒲島知事
はい。私は、川辺川ダムにおいて白紙撤回という決定に至る自分のこれまでの様々な努力といったらおかしいですけれども、有識者会議の結成から、そして多くの方々の意見を聞いて・・・、そしてやっぱり川辺川ダムの決断に至る過程というのはとても長い、それほど長くはなかったけど濃密なものだったと思っているんですね。
まず6ヵ月という期間設定をしたこと、そして様々な議論をこの透明性の中で戦わせたこと、そしてその決断に至る合理性、様々なものがあったけど、それがマニフェストにあるから止めますという、そんな簡単なものじゃないと思うんですね。
最初八ツ場ダムの話が出てきた時に、直観的に川辺川ダムの白紙撤回と比べた時に、努力がされてないんじゃないかなとそういうふうに私は感じました。
そういう意味で、難しいだろうなと、私は、自分自身は感じておりましたので、やはり難しかったのかなと。マニフェストに書いたからできるというものじゃないと。そのプロセスが組まれてなかったような気がするんですね。
Q
地元との調整という意味でしょうか。
蒲島知事
地元との調整もそうですし、有識者会議を結成してそれを決めたわけでもなかったと思いますしね。それで、時間的、僕は多分、時間的緊迫性とそれからその中で、苦しい中で精神的な自由を持ちながら判断する、そういうプロセス、その中でやっぱり決定というのはあるので、ただマニフェストに述べましたからやりますというのは、ちょっとこの問題の大きさから見て私は難しいのかなと思っています。
質疑応答
九州新幹線全線開業効果について
Q
知事、新幹線の話題も10大ニュースになっているんですけれども、この間政令市ビジョンというのを作られて、これからだとは思うんですが、すでにもう10ヵ月ぐらい、9ヵ月か10ヵ月ぐらい新幹線は開通してですね、この数カ月の期間で、県として新幹線の開業効果をある程度実行に移すことができたのか、それともこれからというふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
具体的な数字が示されていると思いますけれども、新幹線の開業前にKANSAI戦略、くまモンも投入した形で大宣伝を行ってきました。これは職員の方もものすごく努力をされたと思っています。
新幹線元年戦略とKANSAI戦略、両方相まってですね、関西からのお客さんがたくさん来ておられます。
そしてホテルの方に聞いてみますと、ある大手のホテルだと前年度比160%ということですので、それから関西からのお客さんの、あれは5倍でしたかね、前年度比。そのくらいまで延びているというふうに聞いています。
(政策審議監)
50%増です。
蒲島知事
50%(増)ですか。そういう意味では、多くの方々が関西から来られていると。
もう一つですね、鹿児島と熊本の違いを分析してみると、鹿児島への観光客の伸びはものすごく大きいですけど、熊本は、ホテルの方から聞いたことですけれども、ビジネス客が相当たくさん来ていらっしゃる。だからビジネス客プラス観光客があるので、一時的じゃないんじゃないかと。
私はそういう意味でKANSAI戦略が今、功を奏しています。ただここで安心しないで、一時的な効果に終わらないように、更に関西と中国戦略を進めていかなきゃいけないと。だから私の目はもう今年ではなくて、もう次の2年目、3年目(に向いています)。そのためには山田(京都府)知事もおっしゃったようにストーリー性のある戦略といいますかね。例えば細川家を中心とした京都と熊本の関係をうまく使いながら京都から人を呼び込む。あるいは宮本武蔵は岡山県で生まれ熊本県で亡くなったわけですけれども、それをストーリー性として捉えながら岡山対策を行う。広島は、今、この前も述べましたように平清盛、これが大河ドラマになります。それで平家の落人伝説のある、例えば熊本で五家荘とか、あるいは五木村、そういう所の平家の落人伝説を使ったそういう戦略、そういうものを、ストーリー性のある戦略を考えて、少し長期的にこの効果が伸展できることをこれから考えていかなきゃいけないと思っています。
それから、やっぱりビジネス客もとても大事ですので、例えば大日本スクリーンさんが熊本に来ることは、そういう意味では関西からのビジネス客の増加に結びついていくのかなと思っています。
Q
ビジネス客も観光客も大事ですけれども、もう1つの柱はですね、教育旅行ですね、修学旅行、これが熊本県の子ども達が新幹線に乗れないという事実があったんですね。それから関西からこちらに来る直行便も乗れないという実態があって、鹿児島では随分早くからキャッチしてJRに要望したりしてたんですけれども、熊本県はこの問題は何カ月か前に発覚するまで知らなかったんですね。やっぱりこの新幹線を全面的に活用するための、もう少し緻密な個別の対策というのがいるんじゃないかという気がするんですけれども。
蒲島知事
そういう意味では、修学旅行のお客さんが乗れないということを、最近様々なことで問題になっていますけれども、それを含めてですね、修学旅行は別に考えてなかったわけじゃなくて、例えばアシアナ(航空)の搭乗率をあげるために高校の修学旅行をなるべく韓国に行ってもらうとかですね、そういう修学旅行の重要性は十分認識していると思っておりますので、それも今後さらに長期的な新幹線の利用客を増やすために頑張っていきたいなと思っています。
質疑応答
一年を振り返って
Q
知事、一応10大ニュースは冒頭述べられたとおりすごく前向きな、県民に希望を与えたとか、そういう観点で選ばれたということなんですけれども、逆に一年振り返って、県政運営をしながらですね、悔やむことであったりだとか、次には反省すべきというように思ったことであるとか、そういう部分はございませんか。
蒲島知事
一番私にとってショックなニュースというのは東日本大震災であります。
これは個人の力とか、あるいは県の力、それで対応できないような想像を絶する大震災、そしてそれと共に原発の事故、この2つは指導者としてどうあるべきかということについて、深く考えさせられたもので、私はやはり結論として行き着いたのは、建造物とかそういうものに頼るのではなくて、まずは人命尊重で財産は後で付いて来ると。私はそのような考え方を強くしました。
そういう意味では、そういうことを政策、あるいは防災対策に(反映させる。)それから防災というのは非常に重要な(なことですが)、普通には、ずっと考え(続けてはい)られないような、そのような人間(の)性(質)でありますので、そういう時に、忘れた頃災害がやって来るということですから、やっぱりそういうシステム、システムとしての危機管理かな、これを熊本県にも導入しなきゃいけないと。当然組織としてはありますけれども、更に強いそういう危機管理、危機管理監を知事公室に持って来たのもその一つの機構改革でもあるんですけれども、そういう意味で、より危機管理ということを日常の政治とは違いますが、考えたうえでの県政をこれから求められているのかなと思っています。
それが10大ニュースの中に入っていませんけれども、私の中ではとても大事なものと考えています。
あとは何か、様々な事件がありましたけれども、これはそういうふうな社会不安、社会的な状況にならないように熊本県も社会の安定と明るさ、夢、教育、こういうものも大事かな。土壌としてですね、基礎、基盤としてもっと整えていかなきゃいけないと、いろんな事件が出るたびに感じた次第です。
質疑応答
来年に向けての課題について
Q
今、いろいろなお話を伺って、新幹線のお話もありましたけど、来年はご自身も含めて、世界中でいろんな選挙もたくさんあると思いますけれども、来年に向けた課題というのを、もし何か今あるとしたら教えてください。
蒲島知事
私はね、来年も同じ目標。と言うのは、「県民の幸福量の最大化を追求する」というのが来年度、来年といっても3月の末までですけど、これを追求していかなきゃいけないと思っています。ただそれに対して課題というのはマイナスの影響を持ちますよね。熊本県の様々な課題を残したままであると幸福量の方にマイナスに影響しますから、その課題は少なくとも私のこの任期中に、解決して行きたいと思っています。
じゃ、どういう課題があるかというと、大体課題については今考えられるものについては決断を下したと思いますので、ただそれがうまくいくような形で実行に移していく。一つは荒瀬ダムの問題をとるとそうですけれども、荒瀬ダムの撤去というのは決断しましたけれども、それは決断した人がやっぱり軌道に乗せていかないといけないなと思っていますので、決断したことがうまく軌道に乗るように、あるいは最終処分場の問題もそうですよね。あるいは不適正経理の問題もそうですけど、五木ダムもそうですね、決断した後始末も丁寧にやっていくということで、決断だけではやっぱりだめなような気がするんですね。そういう意味で、課題は一度決断が終わったから次の段階に今行っていると思っています。
あとは夢の実現に向けて、経済的な豊かさと、それから品格ある熊本づくりと、それから長寿安心と、そして夢のある教育に向かって、これは永遠の夢なんですよね。永遠の目標っていったらおかしいけど、完璧にもう最高まで行きましたというところはないんですよね。だから常にこう上に、上に、極限まであるわけですから、それに向かってひたすら進むというのが、私の来年の課題じゃないかなと思っています。
質疑応答
県警のいじめ訴訟について
Q
県警のいじめ訴訟についてなんですが、被告が熊本県ということになっているということがあってお尋ねをさせてもらいたい…。
福岡高裁が10月15日、県に200万円の賠償を命じた熊本地裁の判決というのを支持をしました。上告の期限というのが迫っているんですが、知事としてのお考えというのを伺わせていただければと思います。
蒲島知事
これは、ちょっと私も、県警としてなのか、私が答えていいのかちょっと分かりません。すみません。
(政策審議監)
たぶん公安委員会。県警の判断になると思います。知事がここで答えるべきでないと思います。
質疑応答
熊本市の不祥事について
Q
熊本県庁も、ついこの間、飲酒運転の懲戒免職処分が出ましたけれども、それも非常に残念な話なんですが、熊本市役所の方もかなり不祥事というか、もう全国ニュースになったパワハラというのも含め、まさに来年政令市になられる熊本市でまだそういう状況というのを知事としてはどのように見ておられて、どういうお言葉があるのか。
蒲島知事
熊本県の中ではなくて、市の話になりますので、一般的な議論にしかならないと思いますけれども、様々な不祥事が出るたびに、せっかく熊本県の品格を高め、そしてプライドを高めようと思って、また皆頑張っている時に、こういうニュースが起こるとですね…。私も熊本市の政令市を強力に進めていって、将来、熊本が品格ある、そして州都になるという、そういう目標に向かってやっていますので、一言でいうと、ちょっと残念だなという気がいたしました。
ただこれは、市の方で頑張っていただくということ以外には、私にはコメントできません。
(事務局)
すみません。時間も迫っておりますのでこの辺でよろしいでしょうか。
質疑応答
県職員の飲酒運転による懲戒免職処分について
Q
ちょっと待ってください。知事、市の方はもういいんですけど、県の方の飲酒運転に関しては何かございますか。
蒲島知事
だから飲酒運転により厳正な処分を行いましたし、懲戒免職という処分はとても重い処分だと思いますので、熊本県の方では、本県の職員が飲酒運転で検挙されていることそのものにも大変なショックを受けました。
ただこのような形で懲戒免職処分という重いパニッシュメント〔※罰〕というんですかね、そういう形でこれを見ながら職員の方々が法令を守らなきゃいけないと、あるいは少なくともこういうことをやっちゃいけないということを認識されるということを、これから繰り返し様々な研修であるとか、そういうところで言い続けなきゃいけないなと思っています。
それでは皆さん、よいお年を、よい年末と、よいお年をお迎えください。それでは。