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平成24年 5月23日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成24年5月23日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
質疑応答
- 「県民幸福量の指標化」の取組状況について
- 「州都構想」について
- 「県民幸福量の指標化」の取組状況について・2
- 再生可能エネルギーについて
- 「幸せ実感くまもと4カ年戦略」(案)について
- 副知事2人制について
- 「県民幸福量の指標化」の取組状況について・3
- 知事と行く団体旅行(ツアー)について
- 政策参与(危機管理担当)に対する期待について
- 九州電力との安全協定について
(幹事社)
おはようございます。まず発表項目の方からよろしくお願いいたします。
蒲島知事
今日は発表項目が3点あります。
- 1つは「県民幸福量の指標化」の取組み状況であります。
- 2番目が、広西壮族自治区友好提携30周年記念事業への参加。
- 3番目が、「幸せ実感くまもと4カ年戦略」のパブリック・コメントについてであります。
発表項目
「県民幸福量の指標化」の取組状況
報道資料:「県民幸福量の指標化」の取組状況(PDFファイル:106KB)
まず、「県民幸福量の指標化」の取組状況についてお知らせします。
私は、これまで「県民幸福量の最大化」、これを県政の基本目標として掲げてきました。そこで、幸福量の考え方をさらに県民の皆さまと共有し、効果的な政策につなげるために、一昨年から幸福量に係る研究に取り組んできました。
昨年度は、熊本学園大学の坂本教授らとともに、幸福量を測る指標の作成に向け、県民アンケートやワークショップを実施してきました。そして、総合指標として検討している「県民総幸福量(AKH)」の有効性を検証しました。
具体的には図で示しておりますように、AKHは幸福要因の“4つの分類”のウエイトと、それを構成する“12の項目”の満足度をアンケートで把握し、それぞれ掛け合わせて算出する仕組みであります。
詳しくはまた、後から坂本企画課長の方から説明させますけれども、分析の結論だけ述べさせていただきます。分析の結果、「幸福の要因として非経済的要因も重要であること」、それから「地域によって求める幸福の形は異なること」、これが分かってきました。
こうした結果は、経済的な豊かさのみならず、夢や誇り、長寿・安心といった分野にも力を注いできた県政の方向性が間違っていなかったことを立証するものであります。
今後はこれらの指標を活用して、地域の特性等に応じたきめ細かな政策の立案、さらには政策の効果を、幸福の観点から評価するという政策評価も可能になると考えています。
以上のような研究結果の詳細を、午後に坂本企画課長から報告させたいと思います。
私としては、マニフェストに掲げましたように、幸福量の指標化に挑戦し、さらに施(し)策の充実や展開につなげていきたいと考えています。
発表項目
中国広西壮族自治区友好提携30周年記念行事への参加
報道資料:中国広西壮族自治区友好提携30周年記念行事への参加(PDFファイル:41KB)
2点目は、広西壮族自治区30周年記念行事への参加についてであります。
平成24年度に、本県と広西壮族自治区との友好提携が30周年を迎えます。7月に広西壮族自治区で、「広西国際友好都市交流大会」が開催されます。これは、我が県と広西壮族自治区の30周年を契機に開催されるものであります。この交流大会は、自治区が友好提携している世界12ヵ国の自治体や団体を一堂に招き開催されるものであります。
7月17日から、私をはじめ訪問団が広西を訪れ、交流大会及び関連行事に出席いたします。また、自治区との一層の経済交流促進を図るため、トップ会談も予定しています。
今回は、阿蘇くまもと空港からの直行チャーター便であり、乗り換えがありませんので3時間半で訪問できます。なお、定期便を利用した場合は乗り換えがありますから10時間以上かかります。このチャーター便は160人乗りでありますので、この機会に多くの方々にご参加いただきたいと思っています。そして、広西やアジアの魅力を感じていただきたいと思っております。
なお、広西ではくまモンを初披露する予定であり、熊本と広西との交流に一役買ってもらいたいと考えています。
発表項目
「幸せ実感くまもと4カ年戦略」(案)の県政パブリック・コメント手続の募集結果(速報)
報道資料:「幸せ実感くまもと4カ年戦略」(案)の県政パブリック・コメント手続の募集結果について(速報)(PDFファイル:285KB)
3番目は、県政パブリック・コメントの手続きの募集結果についてであります。
今後4年間の県の取組みの基本方針である「幸せ実感(くまもと)4カ年戦略」の策定に向け、4月19日から5月18日までの30日間、県政パブリック・コメントを実施いたしました。
その結果、55個人、8団体から、150件を超える意見をいただきました。
個人からいただいたご意見については、現在1人1件とカウントしておりますが、最終的にはもっと数が増える見込みであります。
マスコミでも取り上げてもらった結果、最近の例からすると、かなり多くのご意見をいただいたものと思っています。このことは、この4カ年戦略への県民の関心が高まってきたことへの表れだと感じています。
現在、それぞれの意見への対応方針の検討を行っているところであり、取りまとめが終わり次第、速やかに県庁ホームページ等で公表する予定であります。
なお、いただいた主なご意見については、お配りしている報道資料の裏面に記載させていただいておりますので、参考にしていただきたいと思います。
なお、その中で、「公的な“(新たな)形の霊園”のあり方」については、パブリック・コメントでも様々なご意見を27件ほどいただいており、その意見を踏まえて4カ年戦略の全体構成等の観点から再度検討を行いました。
「新たな(形の)霊園」については、長寿を楽しむ社会の実現に向け、「安心して生涯を終えることができる」という視点から課題を整理し、研究をしようとするものであります。現段階では具体的な政策として、取組みの方向性や内容が固まっているものではありません。
一方、新4カ年戦略は、具体的な成果を目指して、今後4年間で取り組む政策を示すものであります。こうした戦略の位置づけから、「新たな形の霊園」については、今回の4カ年戦略には記載しない方向で判断いたしました。
ただし、「長寿を楽しむ」という社会の実現に向け、研究すべき重要な視点であると考えており、そのためにマニフェストで示しました。そういう意味では、研究は庁内で続けていきたいと思っています。
以上が私の方からのコメントです。
質疑応答
「県民幸福量の指標化」の取組状況について
(幹事社)
幹事社から、熊日から2つとKABさんからお1つずつご質問させていただきたいと思います。
発表項目に関してなんですけれども、県民幸福量の指標化に取り組まれているということでしたけれども、ちょっと確認なんですが、県民総幸福量はこうですよという形で県民にお示しをいつかされるというか、そういうイメージで進められている…。
蒲島知事
私は4年前の一期目の選挙の時に、「県民幸福量の最大化」というものを掲げました。それについて、「具体性がないんじゃないか。」と、「漠然としてちょっと分かりにくい。」「幸福量が上がったかどうかというのもなかなか測りがたいのではないか。」という疑問が上がってきました。私もその様々なご意見を踏まえて、では幸福量とは一体どういうものかと(いうことを研究することにしました)。
私が考える幸福量というのは、あの時、(一期目のマニフェストでは)4つ掲げたんです。
1つは「経済的な豊かさ」、そして「誇り・プライド」、「長寿安心」、そして「夢」(です)。「経済的な豊かさ」以外の様々な観点も重要ではないかという(ことを)、一期目のマニフェストに掲げたんですけれども、「それは本当にそうだろうか。」ということから、今回具体化して、アンケート調査とワークショップの結果(により)、それは正しいのではないかということが立証できたと(思います)。
ただ、もう1つ分かったことは、地域によってそれ(幸福要因の“4つの分類”のウエイト)が違う。だから地域によって、幸せの度合いがものすごく経済的豊かさを望む地域もあれば、経済的豊かさ以外のものを望むそういう幸福度もあるという、そういうことが今度分かったと(いうことです)。
そういうことを踏まえながら、さらにこの研究を進めながら、より熊本県民の幸福量をアップしたいというのが、今回の研究成果の1つであります。
(幹事社)
数字で「幸福量はこういうものですよ。」とかいうことを今回出されるというわけではなくて、まだそういう研究をこれからもされて…。
蒲島知事
元々幸福量を数字で表すのはとても難しいんですね。ただ、1つ(表している例として)は、完全に客観的なデータから、今、福井県が一番幸福量の高い県だと法政大学の坂本教授は実証されております。
私はむしろ、幸福量というのは主観的なもの(と考えています)。「あなたは今幸福ですか。」という形での、そういう幸福量があって、それに寄与する様々な要因があって、これまで「経済的豊かさ」が一番大きいのではないかと考えられて、その政策が世界中でGNPという形で行われてきた訳ですけれども、そうではなくて「幸福量の最大化」(を県政の基本目標とする)ということを4年前に言った、それの実証研究と思っていただければよろしいんではないでしょうか。
質疑応答
「州都構想」について
(幹事社)
ちょっと項目以外で1つなんですけれども、この前、21日に熊本市と政策連携会議、トップ会議を開かれましたが、その中で「州都構想」というか、そういった話はあんまりなかった、全く無かったというお話でしたけれども、今度27日に、(くまもと)未来会議の方で構想に着手されるかとは思いますけれども、熊本市との「州都構想」に向けての連携はこれからどういった…。
蒲島知事
熊本市と熊本県、両方とも、「熊本が州都にふさわしい」という考えは共有しております。
ただ、幸山市長の場合は当事者でありますので、なかなか自分が「州都、州都」とは言いにくい、そういう立場にあられますので、それに配慮してこの前の県市(政策)連携会議の中ではそれほど取り上げなかったし、それから今回の未来会議の委員の中にも入っておられません。
ただ、ある段階でこの議論がどんどん高まっていって、特に「州都構想」の未来会議の中で高まっていって、市長の意見を聞きたいとか、そういう時期になればお聞きすることもあると思いますけれども、一応、役割分担ではありませんけれども、私としては県の方で「州都構想」を始めていきたいと、そのようなことであります。
それで、少し幸山市長の立場を配慮して、あまりこの問題には、県市政策連携会議では触れなかったということであります。
(幹事社)
申し訳ないんですけれども、市長が「州都、州都」と主役であるのに「州都、州都」と言いにくいお立場があるというのは、噛み砕いて言われるとどういうこと…。
蒲島知事
例えば、政令指定都市が(九州には)3つありまして、北九州市、それから福岡市、熊本市、その連携を今ものすごく推進されていると。もう1つは、特にこの政令市3市の場合は道州制の実現、九州府の実現を最初の目標とされています。そういうこともあって、その中で熊本市長が「俺が州都だ。」というのは、なかなか言いにくいのではないかということで配慮したということであります。実際は、気持ちは同じだと私は考えています。
質疑応答
「県民幸福量の指標化」の取組状況について・2
(幹事社)
KABの方からも、1点追加して県民幸福量についての質問と、もう1点させていただきたいと思います。補助指標という言葉がありますが、これはどういったものなのかというのと、「笑い」の数による幸福度指標の実用可能性とあります。今から探っていくものなのか、その他にも補助指標があるのか、その点をお願いします。
蒲島知事
ちょっと先ほど言い忘れましたけれども、笑いの指標というのも補助指標として実用可能性があるのではないかという、そのことについては報道資料の中に(書いて)ありますけれども、その他にも補助指標があるかどうかということ、それを含めてですね、午後に坂本課長からもっと詳しく聞いていただきたい。研究結果をこの場でそう簡単には説明できませんので、そこで詳しく聞いていただきたいと思っています。
質疑応答
再生可能エネルギーについて
わかりました。では、もう1点、再生可能エネルギーについて、今、宇土や菊陽でメガソーラーが決まったりと、太陽光の先進県として順調に進んでいるようにも感じているんですが、今回予算の案の中でもバイオマスに大きな予算を割いていますし、今いろんな所で取組みが進む中、大分では温泉を活用した湯けむり発電なるものも、研究が進んでいるようなんですけれども、自然エネルギー政策を、今後、知事としてどのように進めていくのか具体的な案があれば、そこも含めてお願いいたします。
蒲島知事
はい。今、再生可能なエネルギーについては、福島の原発事故以降全国的に注目を浴びています。
ただ、1つ言いたいのは、熊本県では、私が知事になってからもそうですけれども、太陽光エネルギーをはじめ、そういう再生可能エネルギーにずっと取り組んできました。
だから、原発事故が何を今後要請〔※意味〕するかというと、原発の新たな建設は困難であると。そうすると次第に老朽化してきますし、それから、原発が再開されるということも永久的には分かりませんので、それに代わる再生可能なエネルギーの道を見つけなくてはいけない。そのためには2つしかないですね。省エネルギーと新たなエネルギーの開発(です)。
そういう意味では、ずっと熊本県が取り組んできた再生可能エネルギー、これは太陽光エネルギーも踏まえて、住宅の(太陽光)パネル設置の全国一を目指すとかですね、そういうこれまでの取組みに追い風の状況ではないかと思っているんですね。
そういう意味で、これまで取り組んできたことをさらに進めたいと。太陽光エネルギーもそうでありますし、それからバイオマス(を進めたいと思っています)。
特に熊本県は、施設園芸でナンバー1であります。今、(施設園芸用ハウスの加温には)重油を使っていますが、重油に代わって間伐材、そういう、今は使われていない木材を使ったエネルギー源を作れないだろうかと(いうことで実証実験を進めています)。
そして、少なくとも熊本県では、今後家庭で使うぐらいのエネルギーは節電と新しいエネルギー源で確保したいという目標を掲げています。
そういう形でこれから進めていきたいし、それから地熱についても可能性の研究はこれから始まると思いますし、小水力についても熊本は恵まれているところであります。
そういうことを踏まえながら、ぜひ最終的には「家庭で使うエネルギーは、省エネルギーと新たな再生可能エネルギーで賄える」ような社会を目指しています。
(幹事社)
では、各社さんお願いします。
質疑応答
「幸せ実感くまもと4カ年戦略」(案)について
Q
霊園についてお尋ねですが、自民党も無所属改革クラブも霊園への反対と言いますか、否定的な意見、提言等で出されていますが、パブリック・コメントでも27件出ているように、基本的にそういう議会の声も受けられての判断ということでよろしいですか。
蒲島知事
各政党からですね、「ちょっと分かりにくい。」(というご意見がありました)。
私(が「新たな形の霊園」を記載したの)は、例えば、お年寄りの方と話す時に皆とても心配されていますよね。自分の子ども達が都会に行ってしまっていると。その後自分が亡くなった時に、お墓はどうするんだろうかと。そして、実際にお墓を都会に移されている多くの方々もいらっしゃいます。
それからもう1つ。少子高齢化でずっとそれ〔※墓〕を守る人たちも少なくなっている。もう1つは、結婚しないで独身の方もたくさんいらっしゃる。そういう方々が、若いうちはいいんですけれど、段々社会の流動化が進んできて、(今も)都会では大きな問題になっていますけれども、何十年後かにはきっとこの問題が、熊本でも大きな問題になるのではないかと私は感じておりました。
社会、特に高齢者の方の長寿安心というのが1つの政策の大目標でありますので、その不安を解消するために、自分が生きた証と言いますかね、お墓とかそういうものではなくて、生きた証、熊本で生きた証、熊本に源流があるとか、そういう存在の意義、そういうものをどういうふうに考えるかという研究は必要ではないかと感じておりました。
一期目からそういうふうに思っておりましたので、二期目を迎えるにあたってマニフェストにその研究を進めると(掲げました)。ただ、(今の時点で)具体性があるわけではないんですね。どういう霊園のあり方が可能かということを(研究したい)。社会の不安がなければ関係ないですよ。でも、社会の不安がとても大きいんですよね。
私は、そういうことに対応するのが政治だと思っております。かつて政治の一番の役割は「ゆりかごから墓場まで」という言い方がありましたけど、その(「墓場まで」の)部分を皆不安に思われているということから、これを研究するということをマニフェストに掲げました。
ただ、超党派でいろいろなご意見があるように、まだちょっと分かりにくいということと、「具体的な目標として4カ年戦略に掲げるべきではないのではないか。」とか、「そういう性格のものではないのではないか。」というコメントをたくさんいただきました。
そう思ってみると確かに、4カ年戦略にこういうことまでやりますというものではないかもしれないと。ただ、大事だと思ったのでマニフェストに掲げたし、当初は4カ年戦略に掲げましたけれども、いろいろなご意見に対応するのが、「熟議民主主義」でありますので、これについてはマニフェストに掲げたとおり研究は続けるけれども、4カ年戦略に載せるべき性質ではないのかなということで立ち止まって考えて、今回は、これを庁内における研究を行うという形でやらせていただきたいと思っています。
Q
すみません。関連なんですけど、「載せる・載せない」というご判断をされたということで、ただやっぱりマニフェストに書かれておられて、庁内で研究すると。具体的には担当課がどこなのか、どういう形の研究を内部でしていくのか、その部分が大事かと思います。
蒲島知事
私はですね、これは私のイメージでありますので、これは庁内で検討しているものではありませんけれども、専門家の研究会を設置して、この問題についての課題の整理ですか、そういうものを始めていきたいなと思っています。
Q
つまり、4カ年戦略には文言は触れないけれども、ちゃんと専門家の研究会を立ち上げるということですか。
蒲島知事
それも踏まえて研究をしていきたいと、これは県民との約束でありますので。ただ4カ年戦略に掲げて…、4カ年戦略は皆さんもご存じのように数値目標があって、これだけ達成する、というものでありまして、ちょっとそれにはそぐわないかなというのが判断であります。
Q
その他に4カ年戦略のパブリック・コメントで、知事が特に目を留められたテーマというか、ご意見などありますか。特に霊園に関しては今回判断をされた…。
蒲島知事
4カ年戦略で記載を止めたのはこれだけだと私は判断していますけれども。
Q
特に大きく変更された点は…。
蒲島知事
だから、そういう意味では、多分今までの日本の政治の中で極めて稀な政策体系だと思っています。
というのは、マニフェストをほぼそのまま4カ年戦略に入れて、かつ入らない霊園の場合も研究は庁内で続けていくということでありますので、1個の漏れもないと私は思っています。そういう意味では、今までの日本の政治史を見た中でも極めて稀なケースではないかなと思っています。それから、早く取り組むことも含めてですね、一期目は戦略ができたのが(12月でした)、12月の議会にかけたものですから。今回は6月議会ですから、スピード感もとてもあるのではないかと思っています。
Q
細部に入ってしまいますが、マニフェストの阿蘇の採石場の部分ですけれども、マニフェストでは28年という数字が明記されてて、今回はそれを早期という言葉に置き換えられていて、事務局側の説明だと知事の任期が27年までなので、28年と書くのはどうかというようなご判断でここは外したということなんです。その外されたのはよろしいんですけども、政治家としてマニフェストで28年とおっしゃった、その辺について。
蒲島知事
結局、任期を越えた先にこれ〔※期限〕があるんですよね、契約の部分が。そういう意味では、自分の任期より先のことについて言えないのではないかというのが判断であって、この採石場の件について断固取り組むということについては全然変わりません。だから、そういう意味ではテクニカルなものであって、方針が変わったとかあるいは態度が変わったとか、そういうものでは一切ありません。ひょっとするとその前にできるかも知れませんしね。だからそういう、任期を越えたところの判断、一番いい例が任期を越えて自分が誰かを(県の役職に)任命できるかどうかという、そういう時〔※時期〕にやっぱり(目標を定めることは)控えるようなものでありますので、態度が変わったとか、それから軟化したとか、そういうものではなくて、これに取り組むという発想とそれから情熱は全然変わっていません。ただ、その時期が〔※採石場に係る契約の終期が〕(私の)任期外だということでありますので、機械的に「早期に行う〔※早期終掘に向けて取り組む〕」と書き換えたということであります。
Q
すみません、戦略で立て続けに申し訳ないんですけれども、戦略の中の指標の中にですね、幸福量の指標化と関連するんですが、経済的な豊かさだけではないという部分も分かるんですが、経済的な豊かさというか、その部分もある意味大きな要素だと思うんですね。そんな中で、今回の戦略の指標の中に、例えば県民所得であるとか、厚労省と県が毎月出しておられる「毎月勤労統計調査」に基づく、いわゆる給与、これは毎月出てくる指標なんですけれども、これは本当に歴史は古くて、遡れば大正時代からずっと統計をとっている調査ですね。もうベーシックな指標なんだけど、それが戦略の中の指標に入ってないんですが、それは如何お思いでしょうか。
蒲島知事
私は、「経済的豊かさ」は4つの指標という大きな固まりの中では、最も大事だと思っています。
経済的豊かさがあって、その他の夢とか誇りとか安心というのがあると思いますので、これを疎かにすると、重要ではないと言っている訳ではありません。だから相対的にそれだけが幸福かというと、そうではないことをずっと1期目から示してきたもので、それも分かっていただけるだろうと思います。
その中で指標として、私はこの県民所得だけで経済的豊かさを測るのは少しおかしいのかなとずっと思っていました。県民所得は、個人の所得と企業の所得、それを人口で割るわけですから、例えば、少子高齢化が社会的な状況だとして、熊本では、出生率が高ければ分母が大きくなりますので(1人当たり県民所得は)小さくなりますよね。それから仕事をされていないお年寄りの方々が幸せに熊本で住んでおられ、長寿を楽しんでおられる方が多ければ多いほど分母が大きくなりますから、この(1人当たり)県民所得が小さくなる。そういう意味では、もう1つの指標である仕事をしている人達の給料ですか、これは、この前記者さんが、それを自分で計算されて指標化されて(いましたね)。最近2011年から12年にかけて所得の伸びがあって、最低が2009年のリーマンショック(でした)。ああいう直近の経済の動きに敏感でないと、経済政策というのはうまくいかないのでないかと(思っています)。県民所得というのは大体2年ほど前の所得ですよね。
ですから、今は2009年から2010年の一番悪い時を県民所得で見て「なんだ熊本はこんな悪いのか。」と思うのか、あるいは(給料の統計が)毎月できるように、もう直近のものがあるから(、それで評価するのか)。私自身は、県民所得だけが入っていて、そして給料が入っていないということに関しては初めて聞きましたけど、正式にそこのところを坂本企画課長の方から。他の指標は入れてないんですか。県民所得だけですか。
(知事公室長)
これは後でしましょうか。午後から(企画課の)記者会見もありますので。
Q
一応入っていないという前提で、入ってた方がいいと思われますか。
蒲島知事
いや、少なくとも県民所得だけではないものが私は必要だとずっと実感しています。というのは(県民所得だけであれば)2年前のデータで今を評価するわけでしょう。だから、かえって、今何かしなくてはいけないことが分からなくなる。すみません。今ここで問題にするべきものではないかも知れませんけれども。後で、幸福量の指標化の記者会見で説明してもらいます。
(知事公室長)
(「幸福量の指標化」の取組状況についての)記者レクがありますので、そこでご説明します。
質疑応答
副知事2人制について
Q
ちょっと副知事体制についてお尋ねしたいんですけれども、6月中旬に兵谷副知事の任期が切れるかと思うんですけれども、今後も2人副知事体制を続けていかれるのか。あるいは知事がおっしゃっていた、3つの困難も解決の方向に向かっているから、もう1人で十分というふうに判断されるのか。その辺はどんなふうに考えていらっしゃいますか。
蒲島知事
まだ時間がありますので、副知事の任命権は私にありますので、今、一生懸命に熟慮しているところであります。
Q
ただ中央からもらうとしたら、時間的には結構制約が限られてきますですよね。
蒲島知事
そういういろんなことを考えないで、一番(の目標は)、熊本県民の幸福量の最大化はどうしたらいいかだけですから、そういう制度的なものとかいろいろ考えて今熟慮中であります。当然、ある段階ではこれは決定しなくていけませんので、然るべき段階では発表できると思います。
Q
県議会の方では、「もう1人でいいんじゃないか。」というような意見も、前に本会議で出てたかと思うんですけれども。
蒲島知事
そういう意見を、私自身は多く聞いたことありません。
それじゃ、よろしいですか。
質疑応答
「県民幸福量の指標化」の取組状況について・3
Q
ちょっとお待ちください。もう1つ、幸福量の指標化なんですけれども、これは今の知事のご説明だと、ご自分が出された方向性、4つの方向性が間違いないかどうか検証して、やはり間違いなかったと思ったと。それは1つのこの指標化の役割だったと思うんですけれども、せっかくここまで指標化されたならば、その後は4カ年戦略でいろんな施策を打っていって、その都度、この指標をもとに検証するとか、そういう使い方はされないんですかね。
蒲島知事
もちろんこれは、この指標を使うことが目標ではなくて、目的というのはあくまで、県民が本当に(幸福を)実感できる(ことです)。だから、「多分、県民の方々がこういう感じで幸せを感じていらっしゃるのではないか。」という研究結果なんですね。
それはアンケートの結果等によって検証されたんですけど、でも実際に大事なことは、本当に県民の方々が(幸せを)実感できるような、そのような状況を作りたいと(いうことなんです)。まさにそれが「幸せ実感4カ年戦略」でありますので、やはり政策の結果がこの指標化にもあって、両方がですね。
例えば、直近の調査でいいますと、83%近くの方が「あなたは今幸せですか。」と聞いた時に「幸せです。」というふうに(答えています)、間違いありませんかね。数字をちょっと。
(企画課長)
81.3(%)です。
蒲島知事
81.3(%)ですか。これは非常に高い数字なんですね。だから、これをキープするのもとても大変なんですけれども、より多くの方々が4年後には今よりも(「幸せを感じている」割合が)高くなるようなそういう政策(を行いたいということです)。(幸福量の指標化は、県民の方々がより幸福を実感するための)手段なんですよね。これはあくまで手段であって、目標ではありません。
県民が最終的に(幸福を)感じる、そして今よりも高く幸せを実感する、そういうものが私の二期目の県政の目標であります。(指標化は)そのための手段ですね。だから、地域によって違うということが分かったのはとても大きいと思うんですね。地域によってどういう政策を(行っていくかについて)細やかに書いていくかということも大事だし、それから先ほど12の分野がありましたけれども、漏れなくやっていく。そういうことも大事ですから、これまでバサッと、幸福は4つだろうと、それは「経済」、それから「品格と誇り」、それから「長寿安心」、そして「夢」、バサッとこういうふうに切ってたんですけれども、今回はそれをより12の要因に分解して、それを政策体系に持っていく時の指標とするということであります。でも最終的には、それが正しいかどうかよりも、一番上位にある、大目標である県民の幸福量が上がったかどうか、それを実感したかどうか。
だから実感できない人がいたら、そういう人達にどういう施策を行っていくかという、そういう指標というかな、そういう手段として私は使いたいと思っています。
質疑応答
知事と行く団体旅行(ツアー)について
Q
すみません。あと3問。
「チャーター便で行く、中国広西の旅」という、これは県民の一部かも知れませんけれども、最近よくこういう旅行パンフレットに知事の顔が出過ぎじゃないかということもあるんですけど、この件に関しては如何でしょうか。
蒲島知事
出過ぎかどうかは県民が判断することでありますけれども、やはり(知事)自ら、こういう国際関係(を築くこと)はとても大事であります。
次に、このチャーター便は(蒲島県政では)最初ですよね。南寧のチャーター便を成功させることによって、将来、さらにチャーター便で両国の間が交流できる。その走りですから、私の時間の使い方としては、とても乗数効果が高いのではないかと思っています。
そういう意味では、「アジアとつながる」という私の4つの目標の1つの実証ですかね。それを示しているのであって、「アジアとつながる」というマニフェストを基に、今、政策を組んでいますし、その政策の1つがこれであります。
出過ぎる・出過ぎないは、私のマニフェストと4カ年戦略からいって、むしろ出過ぎなくてはいけないのではないですかね。
Q
出過ぎなきゃという、その部分は分かるんですけれども、つまり別の観点からいくと、いわゆるこれはある旅行代理店、旅行業者さんの旅行商品ですね。そこに知事が出ることに対して如何なものかという見方が…。
蒲島知事
そういう発想が一方であって、そういうその行政の公平性、そういうもので先に出ることを随分と抑制されてきたところに、やはり私はこれまでの熊本県の発展の大きな阻害要因があると感じておりますので、そういう批判を恐れず、やるべきことはやるというのが蒲島県政であります。
質疑応答
政策参与(危機管理担当)に対する期待について
Q
それと、今日もこの場にいらっしゃるんですけれども、元県警警備部長の吉村さんを新しいポストでお迎えになられました。吉村さんに対してどのような役割を期待されて、新しい政策参与というポストに招かれたか。それを知事の言葉で…。
蒲島知事
危機管理の重要性は皆さんも今十分認識されていると思います。災害だけではなくて口蹄疫の問題(がありました)。口蹄疫の時に私は吉村さんと一緒に仕事をしましたけれども、重大な認識でもってあのような災害あるいは困難な時に対応するというのは、やはり知事がずっとそのことだけに1年中携わっていられないということが、私は知事の問題であると思います、時間的な配分を含めて。
ただ、誰かが私と同じ認識を持ちながら、そういう危機管理を考えてもらう。十分な実績と経験がある、そういう方が私は必要ではないかというふうに感じておりました。
一方、制度的には危機管理監がおります。危機管理監の場合は、ずっと24時間私に代わって様々な問題に対応できるという、むしろ組織の中の役割が重要でありますから、そういう意味では、別途政策参与という形で経験豊富な吉村さんを迎えることができて、熊本県の危機管理にとってはすごくプラスであると感じております。
そういう役割を果たしていただきたいし、何かあった時には私に助言をしていただき、一緒にやっていく。それから、私がいろんな問題に携わっていますので、常に私に代わって危機管理、あるいはこういう時にはどうするかというシステム作り、そういうことをやっていただきたいと思っています。
だから、一期目よりも二期目には「長寿安心」から「安全・安心を作る」という、いわゆる防災という側面もとても大きくなったのかなとそのように感じていますので、政策参与を置かせていただきました。
質疑応答
九州電力との安全協定について
Q
九州電力から節電の要請が来ましたけれども、一方で、熊本県なり熊本県民からのお願いとして、例の原発に関する協定がまだなかなか向こうの抵抗も強いようで、進んでないようなんですけれども、それについてはどうお考えですか。
蒲島知事
鋭意、今進めております。だから、結果を待っていただきたいと思っています。
Q
交渉中。
蒲島知事
交渉中でありますので・・・。
よろしいですか。それではどうもありがとうございました。