本文
平成25年 1月 4日 知事年頭記者会見
知事定例記者会見
日時:平成25年1月4日(金曜日) 11時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
- 新年の抱負について
- 今年の一文字について
- 国の大型補正予算等への対応について
- 地方公務員の給与削減について
- 国の経済対策に係る地方負担の軽減について
- 一括交付金の廃止方針について
- 国の出先機関改革の白紙化について
- 県民ファンドによる新エネルギー推進について
- 職員の飲酒運転による懲戒処分等について
- 知事と政党代表の両立について
(幹事社)
知事、あけましておめでとうございます。
蒲島知事
おめでとうございます。
(幹事社)
今年1年間、またよろしくお願いいたします。
蒲島知事
はい。
(幹事社)
幹事社の読売とKKTです。まずは、知事の発表項目からよろしくお願いいたします。
発表項目
くまもと県民文化賞の決定について
報道資料:第23回「くまもと県民文化賞」の決定について(PDFファイル:188KB)
蒲島知事
はい。発表項目は1つだけです。「くまもと県民文化賞」の決定についてであります。
第23回「くまもと県民文化賞」の受賞者が決定しましたので、お知らせします。
受賞者は、「地域文化活動部門」として、3名の方々がいらっしゃいます。
最初に、約60年にわたり、伝統的な建築に欠かせない欄間彫刻(らんまちょうこく)の高度な技術を県内で唯一継承されている熊本市の徳永政男(とくながまさお)さんです。徳永政男さんの作品は向こうの方に展示してあります〔※会見室内に展示〕。
2番目は、宮地手漉き和紙の伝統を約60年間にわたり一筋に守り、和紙の普及活動にも取り組まれている八代の宮田寛(みやたひろし)さんであります。宮田寛さんの作品もそこに置いてあります。
それから、昭和57年の県立劇場のこけら落としとして初公演以来、30年間継続して演奏会をされ、年末の風物詩となるなど音楽の振興に貢献されている熊本県民第九の会です。
次に「年間文化活動部門」として、昨年、正調刈干切唄(せいちょうかりぼしきりうた)全国大会で優秀な成績を修められ、地域における民謡の普及・発展に寄与されている宇城市の瀬井真奈美(せいまなみ)さんであります。今こちらの(パワーポイントの)方に映っていらっしゃる方です。
最後に、特に優れた功績が認められる「特別賞」には、染色工芸家の高津明美(たかつあけみ)さんに贈ることになりました。高津さんは、県の代表的な風景である阿蘇をテーマにろうけつ染めに取り組まれ、日展で特選を2回受賞されるなど、全国的にも高い評価を受けられています。また、伝統の染物「天草更紗(あまくささらさ)」の復元にも取り組まれるなど、熊本県の工芸美術の発展に大きく貢献されるとともに、県民全体に励みと希望を与えてくださっています。今、(パワーポイントに)映っていらっしゃる方がそうです。
受賞される皆様の、本県の文化振興へのご貢献に感謝申し上げるとともに、今後の更なるご活躍を祈っております。
以上が私からの発表項目であります。
質疑応答
新年の抱負について
(幹事社)
新年ということで、知事に新年の抱負を聞かせていただきたいのですが。
蒲島知事
新年の抱負ですか。もう既に先程職員の前で、私の抱負については言いましたので、詳しくは言いませんけれども、今年は4つのことを頑張りたいとお願いしました。
1つは、熊本広域大水害の災害対応について、3つの原則、痛みの最少化、創造的な復旧・復興、将来の発展へのつながり、これらの観点から、いくつかのお願いをして、そして歴史に残るようなそういう災害対応をして欲しいと職員にお願いしました。
項目としては、滝室坂の復旧・復興を将来の中九州横断道路につなげていくこと。それから、これを機会に農地の集積と大区画化を図ること。それから、土砂災害の危険地域については、その土砂を利用した宅地を造成して、そこに移ってもらえるような、そういうことができないか。あるいは、避難路の機能を持つバイパスができないか。それから、龍田(陳内)地区における河道の大胆な変更。それから、木造仮設住宅を2年間と区切らないで、終の住み家として使えないかどうか。これらは、これまでの災害対応からみると大変画期的でありますし、創造的ではないかと思っていますので、これを是非進めて欲しいというのが1つであります。
それから、2番目は、政権交代に伴って、政府は景気対策にこれから全力を投入するものと思われます。
これは自民党の政策が成功する・しないというよりも、むしろこれが成功しないと、日本全体の地盤沈下になるのではないかと思っていますので、これを是非成功させていただきたいなと(思っています)。そういう大きな経済対策の波に乗ろうと(いうことです)。その波に乗る時に、ただ乗るだけではなくて、(県は)既に新4カ年戦略で4つの目標を掲げています。「活力を創る」こと、「アジアとつながる」こと、「安心を実現する」こと、そして「百年の礎を築く」ことであります。それに沿って、大胆に我々もメニューをそろえて、(国の)大型補正(予算)、それから(平成)25年度予算の大きな波に一緒に乗っていこうと、そのような抱負を持っています。
そのためには、4つの戦略というのを早く決めておいてよかったと思います。それからやはり、(国の)大型補正(予算)、経済対策に乗る時に後世に借金を残すような、そのようなことはやってはいけない。それから、無駄使いもよくない。百年の礎を見据えた熊本県民の幸福量の最大化のために、そういう形でこの大きな波に乗ろうというのが、2番目の抱負でありますし、それを職員にも伝えました。
3番目に、「第2のくまモン」を探そうと(いうことです)。くまモンを(もう1つ)作るという訳ではありません。くまモンは1つの政策です。
私は幸福量の最大化のためには、4つの要因があると思っています。1つは「経済的な豊かさ」、それから「プライド・品格」、それからもう1つは「安全安心」、そして「夢」であります。その4つの要因に、くまモンは間接的に大きな貢献をしています。
くまモン自身の貢献もまた大きい訳ですね。だから、そういう間接的なものと、それから直接的な幸福量に貢献しているような、そういう政策を探し出そうということで、各部局でそういう政策をこれから見つけて欲しいというように、今日はお願いしました。
私の方でのくまモン的なもの1つ(の例)は、農業の多面性を生かした形の農業政策のあり方、例えば、イエロー・プロジェクトというのが今、進められておりますけれども、熊本では随分とレンゲやあるいは菜の花がたくさん植えられるようになりました。
これは、観光という農業以外の側面に大きな影響をもたらしておりますし、環境という側面にも影響をもたらしています。そして水資源の涵養にも大きな力を持っている。そしてこれをコミュニティ的に広げる、各地域に広げることによって、コミュニティ活動として皆が参加できるような、そのような事業ではないかなと(思います)。
だから、農業と共に、農家の人と一緒になって、熊本県を美しい田園風景にしたいと(いう思いがあります)。農家の人がいわゆるガーデナーといいますかね、庭園師のような(役割を持って)、そういう熊本を形づくるようなアプローチはできないかということを抱負として持っているということを、今日は「第2のくまモン」という形で紹介した訳であります。
4番目は、熊本発のイノベーションをどんどんどんどん創っていこうと(いうことです)。
例えば、新エネルギーを県民ファンドで創ったらどうか。あるいは、熊本でとても普及しているハウス園芸のエネルギー源に木質バイオマスを使ったらどうか。あるいは、教育委員会で作った英語の教科書〔※正しくは、「音声CDテキスト」〕、これを熊本イノベーションとして、熊本初として普及させたらどうか。
そういうことを、今日は4つのお願いとして県庁の職員の方に訓示として示しました。
それが、私の抱負であります。
その他に、もう決まったこととしてですけれども、全国豊かな海づくり大会と、それから水銀の国際会議、これを成功させたいというのが、これは、成功は間違いないと思いますけれども、期待以上に成功させたいと思っています。
以上です。
質疑応答
今年の一文字について
(幹事社)
例年なんですけれども、知事の方から毎年1年を象徴する一文字というのを掲げていただいていると思うんですけれども、今年の分はどうでしょうか。
蒲島知事
はい。今年の私の一字は「勢」。熊本県は「ホップ・ステップ・ジャンプ」という形で今、動いています。
「ホップ」が(九州)新幹線の全線開業、「ステップ」が熊本市の政令市(移行)、「ジャンプ」がもし道州制が実現したら、「州都」に熊本が名乗りを上げる。
〔※ 記者から、知事の顔が色紙で隠れているとの発言あり〕
(私の)顔が見えないのね。
〔※色紙を下に下げて〕というのが、「勢」という字であります。だから今年は勢いの1年にしたいと思っています。これは職員の訓示でも言いましたけれども、珍しくおみくじを引いたところ大吉でありましたので、これも、勢いがついたのではないかなと思っています。
いいですか。顔は見えたかしら。
(幹事社)
では、各社さんの方からよろしくお願いいたします。
質疑応答
国の大型補正予算等への対応について
Q
知事、具体的に今後の…、今、県の予算編成作業が進んでいると思いますけれども、国の大型補正と、あと多分暫定予算と、25年度予算をですね、とりあえず暫定になって、5月に本予算と、だからそういうスケジュールで進んでいる…、国の方はするということのようなんですが、熊本県としてはどういう対応を具体的には考えておられますか。
蒲島知事
もう既にですね、12月26日には要望書を自民党県連に提出して、自民党県連が県、市町村、各種団体の要望事項を12月27日に自民党本部の県選出国会議員に提出されたということであります。
また、既に安倍内閣が発足しましたけれども、この発足に当たっての大きな政策というのは、経済をいかに建て直すか、景気をいかに建て直すか、デフレ経済をいかに脱却するかということですから、庁内にですね、それに対応するために、12月27日に私が本部長になって緊急経済対策本部を設置しました。
それで、私はその中で、国の動きを受けて各部局長に対してその対応を加速化して欲しい。それから、新4カ年戦略に沿った形で様々な施策をメニューとして出して欲しいと(指示しました)。そして、今回の経済対策が県庁だけで成功するのではなくて、県議会や市町村、それから各種団体とも連携しながらですね、「チーム熊本」として(予算を)取っていきたいと、そういうふうに思っています。
だから、たくさんのメニューが今、上がってきておりますけれども、そのメニューを近くまた、私自身が東京に行って要望活動をしたいと思っています。
例えば、新4カ年戦略に即した事業としては、JR鹿児島本線の連続立体交差事業、これはもうとにかく急がなくてはいけません。とてもお金もかかる事業であります。
あるいは、九州中央自動車道、それから中九州横断道路、南九州西回り自動車道や国道57号、あるいは今日も話しましたけれども滝室坂の改修ですか、そういう意味で事業の前倒しを図っていきたいと(思っています)。だから、たくさんのメニューはもうあるんです。すぐでも出せる形で、今それを要望しています。
その他に、国の予算に合わせるとすれば、学校とか医療施設、福祉施設の耐震化のスピードアップですね。
それから、前回の経済対策ですごく効果があったと思うのが、雇用創出の基金事業です。これを拡充して欲しい。あるいは、中小企業の金融円滑化法の終了を見据えた、その後の経営支援強化事業、そういうものを要望しますけれども、もっと要望の幅としてはたくさんありますし、先ほども言いましたように、新4カ年戦略に沿ったそういう形での要望活動をして、将来、「百年の礎」に貢献できるような、そういう予算の使い方(を考えています。)幸いにして、1期目で財政再建の道筋ができましたので、大胆に国と共にやっていけると思っています。
もしこれが財政再建していなかったら、こっち(県)から出すお金もないですからね、消極的になると思いますけれども、今回は、借金を減らす程度を少し減らしながら、その余裕の部分を200億円(4年間で)という形で見積もってますので、大胆に県としても出動できるのかなと思っています。
Q
その大胆な出動のところで、冒頭、知事が、後世に借金を残すようなことは良くないと。それは県財政のことについておっしゃっていると思うんですが、今回の安倍政権の大型補正というのも、ある意味国民の借金を増やしながらの経済対策だというふうに考えます。それについてはいかがお考えなんでしょうか。
蒲島知事
多分国の方も無駄使いしろと言っている訳ではありません。だから、将来の国民の幸福量に貢献できるような使い方をして欲しいというのは、多分誰でもそう思っていると思うんです。
だから、県として要望できることは、県民の幸福量あるいは将来の熊本県の発展のために正しくお金を使う、正しく要望する、それが大事ではないかと(思います)。他の県もそういうふうにすれば、全体的には国の財政出動が正しい形で使われるのではないかなと思っています。
Q
借金が残るという事実はまたあるとは思うんですけれども。
蒲島知事
これは、借金を減らすのを優先するのか、あるいは、ここでデフレ経済から脱却するために大きく財政出動をやろうというのが国の決断でありますから、その決断に無駄使いする形で、あるいは後世に借金を残すような形で県が財政出動をしてはいけないということでありまして、県は、あくまで新4カ年戦略に沿って、かつ将来の県民の幸福量あるいは現在の県民の幸福量に貢献できるような形で、大胆に我々も国と一緒に財政出動しようということであります。
質疑応答
地方公務員の給与削減について
Q
知事、関連ですけれども、今の…、自民党が大盤振る舞いをするために、麻生大臣がですね、地方公務員の給与引下げというのをまた今度、次の予算で何とか反映させたいということをおっしゃっているんですけど、それについては…。
蒲島知事
はい。地方公務員の給与については、私の場合は、既に1期目で(県職員の)皆さんに3%から7%の給与引下げをしていただきました。
これは大変辛いお願いだったんですけれども、(県職員の)皆さんが合意してくださって、それで財政再建の道筋ができたんです。その時、国は何もしなかったわけですから、もう既に我々は県庁の職員の給料カットを踏まえたうえで財政再建をしたので、ただ国がまたこれに付き合えという、そういうことであれば、断固反対したいと思っています。
質疑応答
国の経済対策に係る地方負担の軽減について
Q
経済対策で、ちょっと関連して質問なんですけれども、自民党は麻生政権の末期の頃にですね、臨時交付金と言って、裏負担を、県の裏負担分をかなり少なくする、9割ぐらい国で持つというやり方をしました。今度の新政権もどうもそういうやり方をしようと考えているみたいなんですけれども、そのやり方については支持をされますか。
蒲島知事
はい。第1期(目)の蒲島県政で、夢への挑戦とそれから財政再建を両立できたのは、その裏負担がとても少なかった、これによるものだと私は大変感謝しています。
今回もそういう方向でやっていただければ、地方の方も財政再建をしながらも、大きく財政出動できるという体制はできるのではないかと(思います)。みんな全国一律にですね。
それがないと、かつて熊本が経験したように、県の財政出動に当たって、国の経済対策に県が付き合って、後世に借金を残して、あとで苦しむということになりますので、そういう意味では裏負担が少なければ少ないほど、県もいろんな事業に乗り出せるのかなと思っています。
質疑応答
一括交付金の廃止方針について
Q
経済対策で、ちょっと関連して質問なんですけれども、自民党は麻生政権の末期の頃にですね、臨時交付金と言って、裏負担を、県の裏負担分をかなり少なくする、9割ぐらい国で持つというやり方をしました。今度の新政権もどうもそういうやり方をしようと考えているみたいなんですけれども、そのやり方については支持をされますか。
蒲島知事
はい。第1期(目)の蒲島県政で、夢への挑戦とそれから財政再建を両立できたのは、その裏負担がとても少なかった、これによるものだと私は大変感謝しています。
今回もそういう方向でやっていただければ、地方の方も財政再建をしながらも、大きく財政出動できるという体制はできるのではないかと(思います)。みんな全国一律にですね。
それがないと、かつて熊本が経験したように、県の財政出動に当たって、国の経済対策に県が付き合って、後世に借金を残して、あとで苦しむということになりますので、そういう意味では裏負担が少なければ少ないほど、県もいろんな事業に乗り出せるのかなと思っています。
質疑応答
国の出先機関改革の白紙化について
Q
あともう1つ、新政権の中で国の出先機関の改革については白紙化と、そういう言葉がもう飛び出していますけれども、それについて。
蒲島知事
1つは、道州制の議論がどうなるかということだと思います。
自民党政権の公約の中では、5年を目処に道州制の実現を目指すというふうに書かれていると思いますけれども、道州制に一足飛びにいくのか、あるいは我々がずっと言ってきたように、九州だけ集まって、それで九州広域行政機構の中で地方の出先機関を全部引き受ける。そういう道があると思うんですけれども、我々が考えていたのは、道州制に行く前に、九州広域行政機構で一度、予行演習をしようと(いうことです)。その予行演習をベースに道州制に持っていったらどうかという感じですよね。
そうではなくて、一足飛びでやろうということなのか、全くそういうことは無関係に出先機関(改革)を白紙化するのか、ちょっとそこのところ議論がよく分からないんですけれども、ただ九州全体としては、九州広域行政機構という組織(の構想)を持っていますので、そこで合意しているのは、道州制への一里塚という形での出先機関の全面移譲をやったらどうかという、やや穏健な形での道州制の議論ですよね。
私はそっちの方が穏健な形での道州制の実現だと思いますけれども、そうではなくてもう一足飛びに道州制だということになるのか。そこのところは、まだちょっと議論が煮詰まってないのではないかと思っています。政権そのものがですね。だから注視していきたいと思っています。
Q
じゃ九州知事会の会議としては当然そういう、一旦予行演習してからいきましょうという話は当然政権に対しては求めていくと。
蒲島知事
(自民党の)マニフェストの中に、絶対反対と最初書いてあったんです。民主党の進める地方出先機関の移譲はね。そうではなくて、それに対してやっぱり抗議しました。絶対反対というのはおかしいのではないかと。それで白紙化とか、そういうふうな形でやや穏健な形になったんだと思いますけれども、これから多分、地方との話し合い、知事会との話し合いでこれからどういうふうに進んでいくかというのは、まだ弾力的だと私は感じています。
質疑応答
県民ファンドによる新エネルギー推進について
Q
冒頭、知事の言葉にもありましたけれども、新エネルギーを県民ファンドで作ろうという話なんですが、その今後の動きの焦点は、熊本県内の経済界であるとか金融機関であるとか、そういうところがどれだけ理解をいただいて、どれだけ主体的に動いていただけるかというのが1つのポイントだと思うんですけれども、これに対して知事としてはどういう。
蒲島知事
既に熊日さんが1面に書かれたように、考えてみると熊本県の中にある土地で、熊本県の太陽光ですよね。これが県外あるいは国外の資本で賄われて、その利益が吸い上げられてしまうというのは、ちょっと…。電気代に反映しますからね。熊本県民は電気代に上乗せして払うことになるわけですよね。利益というけれども、電気代が高くなるわけですから、その電気代が高くなった分が県外あるいは外国に行くというのは、ちょっと熊本県としては見過ごせないのではないかということで、県民に還元できる形での県民ファンドができないかというのが今回の発想です。
それで、県民運動としてやらなくてはいけないけれども、やはり大事なことは、熊本県の大企業の人達がどれほどそれに同意してくれるか。熊本県の企業であればそこから利益をあげていただいても素晴らしいことだと思うけれども、やはりそういうふうな認識を皆が共有できるかどうか。
これから私も、今日、熊本イノベーションという形で、抱負を述べましたけれども、これは部局を越えた形でやはり対応していかなくてはいけないのかなと。
一番、部局を越えた(形)とすれば、もう未来永劫に亘って耕作放棄地になるような所、そういう所を農地としてずっと抱えているのではなく、県がそれを緩める形で太陽光エネルギーの用地にする。それを県民が、県民ファンドでエネルギーを生産すると。それを県民に還元する。還元した分で、また電気代が高くなるでしょうが、それを払うことになるんでしょうけれども、そういう形でできないかと。まだ構想の段階ですけれども、今日は抱負として皆の前で述べましたので、部局を越えて考えていきたい1つの方向性であると。
私の新4カ年戦略の中で、未来エネルギーのフロントランナー〔※正しくは、「未来型エネルギーのトップランナー」〕となるというのが、大きな目標の1つですので、それを支える県民ファンドという考え方、これから根付いていけばいいと思っていますし、それ根付かせるために私自身も、それから皆さんのご協力も得たいと思っています。
私も、正月には多くの経済人と会いますので、多くの経済人にこの話をしていきたい。もう既に何件かしましたけど、していきたいと思っています。
質疑応答
飲酒運転による懲戒処分等について
Q
それと、ちょっとお正月にというところもあるんですが、年末ちょっと聞かなかった部分があったので、年末知事会見の前々日に飲酒運転で懲戒処分が出されました。
2つほどちょっと。1つはですね、飲酒運転の対応として熊本市の職員さんの不祥事と同じような駐車場内での、なんかぶつかったみたいな話なんですけれども、確か熊本市の場合は懲戒が停職6ヵ月だったと思うんですけれども、県職員の場合はそこが3ヵ月というところの違いがありました。それが1点と、もう1点は今回1回の人事課長の会見で4人の懲戒処分を一気に出されたんですね。
それがどうしてなのかというか、できれば、懲戒するいろんなタイミングがあるとは思うんですけれども、それを4人まとめて出すということが、我々から見るとどうなんだろうかと。その都度やはり懲戒処分出されたら、その都度やっぱり出されていくべきではないかなと思うんですけれども、その点を。
蒲島知事
何で4人一度に出したかというのは、これは人事課長に聞いて欲しいんですけれども、我々はそういう様々な罰則を適用する時には、十分考えてですね、そして一番適切な形で懲戒処分をしています。
県の方が3ヵ月で、市の方が6ヵ月という、単純に同じ事故かどうかということも含めながら、それから県と市の方針も違うかも知れませんが、これまでの過去の例、それから懲戒処分の重さ、そういうことを踏まえて3ヵ月としたと私は信じています。
ただ、3ヵ月、6ヵ月、それから免職も含めてですね、飲酒運転というのはやってはいけないということをですね、これをこれから知事としても、ものすごく…、言い続けなくてはいけないと思っています。
それで、そういうことも含めて、年末には私のメッセージを全職員に出しました。
飲酒運転で事故を起こしたら、もうこれは犯罪ですからね。だからこれはやってはいけない。
それから、これが続くということは潜在的に(誰でも飲酒運転をすることが)あり得るということですから、事故のチェック、それから(県庁の)売店でも、自分でアルコール検査もできる器具も非常に簡易なものが売っているということですので、そういうことも含めて、やってはいけないということをとにかく言い続けてなくてはいけないと私は思っています。
ただ、何で4人一緒かというのは、ちょっと私自身も答えられない。
Q
じゃ、もうそれは知事結構です。
結局、飲酒運転はだめなんだけど、今回は、非常にその対応を見るとですね、駐車場に止めて、後ろのアパートの人がうるさかろうと気遣われて動かしたら当たっちゃったという、ある意味ちょっと非常に話を聞くとですね、なんかかわいそうだなというか、お気の毒というか、気遣ったが故に事故ってしまったというところもあるとは思うんですが、それでも飲酒運転をされたと。そのことで知事が処分をされた。そのこと自体について、知事、県民に対して何かおっしゃることはございませんか。
蒲島知事
飲酒運転は絶対悪いわけですから、それが明らかになった段階で処分を与えて当然だと思っています。
質疑応答
知事と政党代表の両立について
Q
ちょっと話題が変わるんですけれども、日本未来の党がですね、選挙の後にすぐ分党しまして、今日、滋賀県の嘉田知事がですね、年頭挨拶の中で代表辞任を述べたそうなんですけれども、こういう第三極の選挙目当てとも捉えかねない動きとですね、あと知事職と政党の代表というのを兼務する両立について、知事はどう思われますか。
蒲島知事
はい。私もよくいろんな人から、あなたは国政に進出しないですかと聞かれることがあります。私はその時、二君に仕えずということで、もう熊本県民だけに仕えていますので、そういう気は一切ありません。
それから、もう1つ、知事職というのは、ものすごく激務なんです。皆さん、新聞に載った知事のスケジュールだけ見て、あんまり仕事してないなと思っているかも知れませんけれども、本当に実際のスケジュールを見ると分刻みでやっていて、夜までやっていますので、そういう意味では、政党の党首をやりながら、国政をやりながら知事をやるというのは、私は不可能に近いと、自分自身の経験から思っています。
それから政党自身もそういう党首を持つと、いつも東京にいませんから大変だろうと思いますので、私自身のことを言わせていただければ、やはり知事は知事に専任すべきだと思っていますし、それが県民の信頼に対する対応策だと思っています。
ただ、他の方々はスーパーマンかも知れません。今のことは私自身の能力の範囲で言っていますので、スーパーマンであったり、天才である人には、それはできるかもしれない。それに対して私が、あなた止めなさいということは言えない。ただ、自分自身のキャパシティから考えると、やはり知事をやりながら政党の党首をやるというのは、両方とも不十分になるのではないかなと思います。
(幹事社)
では、そろそろ時間がまいりましたので。
蒲島知事
はい。それでは皆さん今年もよろしくお願いします。