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平成25年 2月 6日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006787 更新日:2013年2月6日更新

知事定例記者会見

日時:平成25年2月6日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

会見録

知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

発表項目

 台湾・香港でのトップセールスの手応えについて

質疑応答

(幹事社)
 おはようございます。幹事社のKKTです。よろしくお願いいたします。では、定例記者会見をはじめさせていただきます。まず蒲島知事の方から発表項目についてのご説明をお願いいたします。

 説明用スライド(PDFファイル:1.6MB)

発表項目

台湾・香港でのトップセールスの手応えについて

 報道資料:台湾・高雄市との経済交流等の促進について(PDFファイル:66KB)

蒲島知事
 今日はコメントが1つであります。台湾・香港でのトップセールスの手応えについてコメントしたいと思います。1月24日から29日にかけて、台湾と香港を訪問しました。

コメントする蒲島知事の写真

 訪問の目的の一つは、県産品の認知度向上と販路拡大についてであります。

 台湾では、許(きょ)新竹(しんちく)市長や劉(りゅう)社長らの出迎えを受けて、「太平洋SOGO新竹店」と「同復興館」で店頭PRを実施いたしました。さらに、各県企業13社が参加した「南九州3県合同商談会」には、台湾のバイヤー150名が集まるという盛況ぶりでありました。また、県主催のレセプションでは、台湾政府幹部や現地の流通関係者など100名に、熊本の食材を使った料理を楽しんでいただきました。本県の農林水産関係者22名も出席し、新たな取引のきっかけをつかんでいただいたものと思っています。

 香港では、「YATA百貨店」で、生産者とともに販売PRを行いました。くまモンも張り切って現地で熊本をPRしてくれましたので、売り場も非常に賑わっておりました。

 目的の2番目は、台湾との新規航空路線開設に向けてのトップセールスであります。チャイナエアライン及び復興航空の経営幹部と会談することができました。

 先方からは、将来的な戦略の中で、熊本は重要な地域であるとの認識が示されました。そしてチャーター便の運航を継続的に行いながら、実績を増やすことで将来の定期便につながるよう、お互い頑張りましょうとの発言がありました。

 ご存じのとおり、今回の台湾訪問ではチャーター便を利用し、企業や県民の皆様157名にご参加いただきました。このような実績を積み上げながら、新規航空路線の就航に向けた取組みを続けていきたいと思っています。

 第3の目的は、台湾旅行関係者への観光プロモーションであります。

 台北での観光説明会では、現地旅行社31社、航空会社3社、メディア8社など、60名の方にお越しいただきました。「熊本には、阿蘇・温泉・おいしい食べ物・名水など魅力的な観光資源がたくさんある」など、現地の新聞、旅行雑誌、インターネットニュースなど、多数の媒体に取り上げられました。

 第4に、表敬訪問についてであります。

 今回の台湾訪問では、台湾の馬(ま)総統をはじめとする台湾政府幹部への表敬訪問が実現いたしました。私からは熊本と台湾のこれまでのつながり、台湾との経済交流促進を積極的に進めていくことを申し上げました。馬総統は、「今後、熊本が台湾で認知度をあげ、台湾との交流が深まることを楽しみにしている」とおっしゃっておりました。

 また、台湾第2の都市である高雄市を訪問しました。高雄市は、私が1980年代に訪問したことがありますけれども、その時と比べるとものすごい大きな発展を遂げていたのに驚いた次第であります。高雄市は農・商・工のバランスの取れた都市であり、台湾の中で今、最も環境分野に力を入れているところでもあります。

 高雄市の陳菊(ちんきく)市長とは、経済・観光・教育等の分野における交流を推進することで合意いたしました。今後、経済等の交流促進に向けた覚書の締結に向けて協議を開始することとなりました。

 知事としての台湾訪問は、今回初めてだったわけですけれども、当初の期待値を大きく上回るものではなかったかと思っています。今回の訪問により、今後の台湾と熊本の交流促進に弾みがついたのではないかなと思っています。

 〔※パワーポイントを指して、〕大体ここに写っていますけれども、1つだけ付け加えますと、台湾と香港におけるくまモンの認知度の高さ、それから人気ぶりに、大変驚きました。くまモンにとっては初めての台湾旅行だった訳ですが、多くの追っかけの人がおられて、そしてくまモンよりも先に私が着いたら、熊本県の知事ということで、くまモンをよく見ている人は私の顔も覚えていたらしく、私まで覚えられていました。くまモン人気の波及効果が私まで及んだというものであります(笑)。

 そういう意味では、「アジアとつながる」ということを(新4カ年戦略の)4つの目的の1つにしておりますけれども、それも随分と果たすことができたのかなと思っています。皆さんのお手元に(台湾の)新聞の報道についてコピーが配布されていますけれども、その他にテレビでも相当報道されたと聞いています。

 以上が私の方からのコメントです。

質疑応答

中国の大気汚染(PM2.5)について

(幹事社)
 はい、ありがとうございました。まず、知事からの発表項目に関しまして質問がある社がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。じゃ、ちょっと時間を、今日またこの後もこちらの会見場の都合もありますので、次に進めさせていただきます。何かあったらその他の質問のところでもお願いいたします。

 では、発表項目以外に関して幹事社から1点お尋ねなんですが、今、中国といいますか、今お話をされた後でなんですけれども、先般から中国の方でいわゆる大気汚染の方が深刻化しておりまして、いわゆる「PM2.5」という物質ですね、熊本をはじめとします九州への影響というのも指摘されております。まず今回のそういった中国大陸の方からのそういった大気汚染といいますか、その影響が出る、あるいは出る可能性があるというようなことについて、この事態についてどのように受け止めていらっしゃるのか。それと、県としての現時点での対応方針等がありましたらお願いいたします。

蒲島知事
 多分皆さんは、お若いのでご存じないかも知れませんけれども、1960年代に日本でも、特に首都圏を中心にものすごい公害〔※光化学スモッグ〕がありました。私もその当時を思い出しますと、あまりにもスモッグが多すぎて、太陽が月みたいに見えるんですね。多分そういう状況が中国の方で大気汚染問題として起こっているのかなと思っています。

 県内でも、どのくらい影響があるかということを知るために、観測を行っていますけれども、環境基準を超えた観測データを確認しています。これは国内の排出源だけでは考えられない数量ですから、大陸、特に中国から流れてきている可能性が高いというふうに考えています。

 それをやはり県民の方に知らせなくてはいけない。その状態を知らせることが県の役割ではないかと思っていますけれども、今、熊本県では、観測体制については9局、観測の場所を設置しています。3月には、今年度整備予定の7局も完成しますので、16局の体制でこの観測を行っていきたいと思っています。

 それを県民の皆様に知らせるために、昨年の3月から、県のホームページで公開しています。

 そういうことで、今のこの現状を県民の方々に知っていただき、不安を持たれないように、あるいは健康の影響への不安解消のためにも、このデータを提供していきたいと思っています。

Q
 知事、熊本県は九州の中でも比較的、大気汚染に関して熱心に先進的に取り組んでいると思うんですが、昨日の福岡市長の会見で、PM2.5に関して、この夏ぐらいにも数値が高くなった時に外出を控えるようにとかいうような予報のようなものを出されるというコメントがあったんですが、熊本県としては、そこまで今のところ考えられていますか。

蒲島知事
 はい、そういう福岡市の状況が報道されていますけれども、それを参考に、今後の課題として検討していきたいと思っています。今、確固とした方針をこの場で示すものではありませんけれども、そういう状況があれば、観測データを見ながら検討しなくてはいけないかなと思っています。

Q
 知事すみません。この問題はやはり熊本だからどうこうということはできないという国レベルの話になると思うんですけれども、その辺りのことを何か申し入れたりとか…。

蒲島知事
 やはり国レベルで交渉するためにも、きちっとした観測データが必要だと思うんですね。これはかつて、福岡県の麻生(前)知事が九州知事会で、「これは大きな問題だから、皆で観測しよう。そして、その観測値を基に、国なりあるいは(全国)知事会なりとの交渉の1つの手掛かりができるのではないか」という発言があって、それで熊本県もこのような観測を今続けている訳であります。

 だから、今すぐ何かしらの対応をするということよりも、「このような大きな問題があります。これを国同士でも考えましょう。」とかですね、そういうことを熊本県だけで申し込むということはできませんけれども、国と国との関係で、今後、そういうこともやはり行っていかなくてはいけないだろうと思っています。

質疑応答

ダム建設中止時の生活再建法案について

(幹事社)
 じゃ、すみません。また幹事社質問からの今各社からも質問もありましたので、このまま各社からの質問に入らせていただきます。お願いします。

Q
 この間ですね、川辺川ダムの関係で水没予定地の生活再建支援をする法案を、政府としては今国会で一応見送るという情報があったんですが、これについて、熊本県は10億円の基金を創ったり、財政支援を約束して、村の振興策について取り組んでいると思うんですけれども、このことはどう受け止められますか。

蒲島知事
 生活再建法(案)についてだと思いますけれども、これは民主党政権の時に制定が約束されていたものでありますし、五木村の生活再建の重要性については、政権が変わっても認識されていると思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 川辺川ダムの白紙撤回は、民主党政権の時ではなくて自民党政権の時に、私が議会で表明しましたけれども、その時に五木村の振興について、川辺川ダムの建設がなくなると法律的な側面がないので、是非(五木村の生活)再建について考えて欲しいということを当時の福田首相に直訴したことを今でも覚えています。そういう意味ではどの政権であっても、五木村の(生活)再建は大事だと考えていると私は思っています。

 ただ法律がある、ないに関わらず、今国と県と五木村は三者合意に基づいて、それぞれの役割分担の下、村の生活再建に向けてしっかりと取り組んでいます。

 1つは、村の振興に対する10億円の基金、それから、県から国に先駆けて50億円の資金の供出、そういうものを踏まえた三者合意ができておりますので、国においてもそれを踏まえて、村への社会資本整備総合交付金の配分をはじめ、頭地大橋の整備、これは3月に完成するそうですけれども、また水没予定地内の整地や山をカットした平地の造成など、真剣に対応していただいております。

 そういう意味では、立法がなくなったからと言って終わるのではなくて、それがあってもなくても(五木村の再建が)できるような形で今三者合意が進んでいるということを申し上げたいと思っています。だから立法しなくても、あるいは立法するにしても、五木村の(生活)再建は大変大事だということを国に要請して参りたいというのが現状です。

Q
 生活再建支援法(案)自体の評価は、何かまちまちだという声もあるんですけれども、これ自体も必要だという認識でしょうか。

蒲島知事
 その立法について国が約束したことですからね。それを踏まえながら(法整備がなされればと思います)。しかし、それがないからといって、再建を止めるのでなくて、実態的には三者合意に基づいて進めていきたい。とにかく大事なことは、五木村の生活再建に支障が生じないことであります。

質疑応答

大蘇ダムについて

Q
 農業新聞ですけれども。産山村の大蘇ダムの工事の件でお伺いしたいんですけれども、来年度政府が漏水対策事業で136億円ですか、漏水対策事業、補修工事の追加事業をすることを決めておりますけれども、追加工事の負担分について、熊本県は従来から国の責任で工事はしてくれと、追加工事には応じないというスタンスだとお伺いしておりますけれども、その姿勢については、変更はないんでございましょうか。

蒲島知事
 追加工事に応じない、応じるとしての熊本県の資金の分担というんですか、お金の分担は応じないということだと思うし、その方向で進んでいると私は聞いていますけれども、いかがですかね、ちょっと担当者(補足してください)。

(知事公室長)
 今知事が申しましたように、今後の利水の状況に対する県の負担は応じないということで今進めております。

Q
 それは理由としては、水が足りているというような認識ですか。

(知事公室長)
 当初計画に沿って施行されて、その後の工事管理の問題もありますし、熊本県においては水が十分供給できるということ、2つの要素だと思っております。

蒲島知事
 よろしいですか。

質疑応答

海砂利違法採取について

Q
 よろしいですか。海砂の関係で、県内の業者が許可量を超えて、日常的というか、過去からずっと海砂を採っていたというのが、この間発覚しましたけれども、これについてちょっと改めてコメントいただきたいんですけれど。

蒲島知事
 はい。海砂の許可というのは、これは許認可行政に入るんですけれども、法令を守ることが業者の方々の原則になっています。それが守られなかった、ないがしろにされたということについては、強い憤りを感じています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 また、県としても、このような事態を見抜けなかったこと、そういうことが横行していたことに対して、きちんと阻止できなかったこと、これに対して大変県民の信頼を損ねるものと重く受け止めておりますので、県民の方々に大変申し訳ないと思っています。もともとやってはいけない(ことです)。しかし、県としてそれを見抜けなかった。この点については、責任があるのではないかと思っています。

 今後、捜査当局とも連携しながら、事態の全面的な把握と原因の究明に努めて参りたいと思っています。そして、それをベースに業者に対する適切な処分を行いたい。さらに、民間業者による海砂利の採取の禁止も視野に入れながら、海砂利採取削減計画のあり方を検討するとともに、水産業だけでなくて、他の産業へも影響しますので、その対応策を速やかに検討して、年度内には取りまとめを目指したいというのが、今の違法採取についての県の態度であります。

Q
 知事として、何でこういうことが起きたというふうにお考えになりますか。

蒲島知事
 こういう許認可行政というのは、皆さんが法を守る、規則を守るというのが原則になっていますので、こういうことが起こることを行政として想定していなかった。しかし、それを見抜けなかったことも行政の責任であると思っています。第一義的には、海砂利の採取業者の方がこのような法令を守らないということが、大変私としては怒りを覚えるところであります。

Q
 今、知事、採取の禁止という言葉を使われましたけれども、これっていうのはかなり強い判断かと思われますけれども。

蒲島知事
 それを排除するものではないということですね。それを視野にも入れながら、海砂利の採取削減計画のあり方を検討したいということであります。

Q
 それを視野というのは、方向性としてはそっちの方向に向かってという。

蒲島知事
 そういうことを視野に入れるわけですから、他の方向性も今年度の取りまとめの中には考えているところであります。担当課長の方、今日来ていらっしゃいますか。

(環境立県推進課)
 今、庁内にプロジェクトチームを作りまして、今後の海砂利採取のあり方については検討を行っているところです。採取の禁止につきましては、例えば有明海、八代海は特別措置法で守っていこうということになっておりますけれども、同様に瀬戸内海もそういう形になっています。瀬戸内海の各県におきましては、すべて海砂利採取を禁じているという例もございます。そういったことも含め、あるいは他産業への影響というものも含めてどういうあり方にするかということを検討していっているところでございます。

Q
 他産業という意味合いで、海砂が取れなくなったら、じゃ他からやっぱり建設骨材をどこからか仕入れなきゃいけないという状況、だからそのバランスとかそういうこともあるんでしょうけれども、要は知事として、有八〔※有明海・八代海〕の再生を重視するのか、それとも、もっとそういう他産業というか、そういう建設業界とか、そういうところのご意見なりなんなりを重視されるのか。今、知事はどうお考えでしょうか。

蒲島知事
 この段階ではまだ検討中であります。今、景気がとても回復基調にあるということ、それからそういうこと〔※建設骨材〕に対する需要が非常に増えてくる時期でもある。(有明海・八代海の環境を守ることと景気への影響をどう考えるか、)そういうジレンマの中にあるんですけれども、これはきちっと対応しなくてはいけないということで、全庁的にプロジェクトチームを作って、年度内には取りまとめたいと思っています。そういうジレンマにあるから先延ばしするのではなくて、対応策を、もう年度内といってもあと2カ月しかないですから、その間に取りまとめたいと思っています。

質疑応答

水俣条約の内容について

Q
 知事、水俣条約について、改めて合意内容について感想を伺いたいんですけれども。

蒲島知事
 はい。水俣条約というか、今年の10月に水俣と熊本で、水銀(条約外交)会議が開かれますけれども、私は、一番大事なことは、水俣のような悲劇を世界中のどこにも再度起こしてはいけないという、そういう気持ちで水俣条約という名前で締結されることを歓迎したいと思っています。そして、熊本ならではの素晴らしい会議となるように国や関係諸機関と協力して会議の成功に精一杯努力したいと思っています。

 それから、外交会議を実現するというのはとても大変な努力がいることなんですけれども、それを本県の熊本市と水俣(市)で開催できるようになったということについて、日本政府の努力に対しては大変感謝をしているところであります。

Q
 合意の中身について。中身について課題というかですね、指摘する声もあります。そこはいかがでしょうか。

蒲島知事
 以前から申し上げましたように、水銀による新たな健康被害や環境破壊の発生が世界で起こらないように。水俣はその経験がありますから、水俣条約の名の下に進められるというのは、水俣病という人類史上類を見ない悲劇的な出来事を経験した本県にとっては非常に重要な意義を持つと考えています。

 だから、これは日本でやるということ、あるいは本県でやるということはやはり水銀に対するセンシティビティ〔※sensitivity:感受性、感度〕と言いますかね、これは世界から問われていくことだと思っていますし、これは日本だけではなくて、本県もそういうことを考えながら、水銀の被害、あるいは水銀の問題点、これをどの県よりも敏感に感じていかなくてはいけないと思っています。多分、水俣市は県以上にそう思っていらっしゃるのではないかと思っています。環境に対するセンシティビティが、これからも本県にとても求められるのではないかと思っています。

Q
 知事、追加で、内容の中でですね、汚染者責任の原則が明確に盛り込まれなかったんですけれども、実際に水俣病は汚染者の責任が明確になるまでに10年ぐらいかかりまして、問題が今まで長引いているという現状もあると思うんですけれども、そこの部分が弱いということについてはどう思われますか。

蒲島知事
 これは、この条約を締結するに当たっては、それぞれ全権的な外交の権限を持った人が集まって、徹夜で議論したと聞いています。日本だけでも結論に到達するのが難しいぐらいの問題だと思いますけれども、これが世界的に、発展途上国、それから先進国も含めて討論されて、ギリギリの線でそこで条約がまとまったのではないかなと私は推測しています。それについて私の方から「これは弱いのではないか」というそういうコメント、それについては、私は差し控えたいと思っています。

 ただ、世界中の代表者達が真剣にこの問題を徹夜で議論して、最終的に結論に達したということでありますので、一歩前進というか、常に政治の世界というのは、理想と現実の絶妙なバランスの中で決定がされるものだと思っていますけれども、そうされたのではないかというふうに、現場にいませんから分かりませんけれども、推測しています。

質疑応答

水銀条約外交会議と県の水銀に関する取組みについて

Q
 別の角度でちょっとお尋ねします。水銀条約の会議というのは、10月に開かれるに当たって、熊本県庁の体制として、それはやっぱり各国の閣僚級とかが来る大きな会議ですよね。その準備としては非常に何か、今見てて遅れているんではないかというのが1つと、あとやはりこの会議を熊本で開く意味として、熊本県も水銀の何らかの使用なり、生活の中にある水銀をどうするかとか、そういう熊本独自の取組みみたいなもの、そういうのも今一つまだ…、調査はされていましたけど、それから先がちょっと見えてきていないと思うんです。だから、この新年度に入ってやっぱり人事とかそういうのも含めて、非常にその対応というのが必要ではないかと思うんですけれども、その辺はどうお考えになりますか。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 これほど大きな国際会議が熊本で開かれるということは、熊本にとってもとても大きな意義があると思います。

 私も3000人規模の国際会議を開いたことがありますけれども、大変な努力を要します。それで過敏になる必要はないし、過激になる必要はないんですけれども、本当に「おもてなしの心」、これを県民全体と共有しながらやっていきたい。(一昨年に熊本で開催した)「ねんりんピック」は大きな行事でしたが、私は「おもてなしの心」でとても成功したのではないかと思っています。だから、これまでも様々な会合、会議、それからイベントを熊本県はやったことがありますので、熊本県の能力としては十分あると思います。あとは10月に向けてどういうふうに段取りをつけていくか(ですが)、私は、今の熊本県の力と熊本県民の優しさで十分対応できると思っています。

 だから、弱いという意味がよく分からないんですけれども、これからの新年度の対応を見て、それでまたいろいろと意見があれば、その時にお伺いしますけれど。

Q
 取りあえず、海づくり大会は準備室というか組織をちゃんと作られておられるので、今回、新年度には、また今度はこの条約会議対応のそういう組織とか、何かを作るとか、そういう…。

蒲島知事
 元々これは、国が主催するのが水銀(条約外交)会議でありますので、県あるいは市はどちらかといえばサポートの方向なんですね。

 海づくり大会は、当然県が主催者となりますので、そこの違いはちょっとあるかも知れません。ただ、「国がやりますから、私どもは知りません」ではなくて、主催者となるぐらいの気持ちで、この問題には取り組んでいきたい。そのぐらい本県での開催の価値はあるのではないか思っています。担当課長は来ていますかね。

(環境生活部)
 環境生活部でございますが、今知事からお話があっておりますように、体制については新年度の体制を当局に要望しておりまして、できる限りの地元としての体制を整えて頑張って参りたいと思っています。また、先ほど(記者さんからお尋ねが)ありました一昨年のアンケート調査〔※熊本県水銀含有製品使用実態調査〕の結果については、公表はいたしておりますが、それに関する周知を更に進めていくということで今準備をいたしております。

質疑応答

台湾・香港でのトップセールスの手応えについて

Q
 すみません。今日の冒頭の台湾のトップセールスについてちょっと伺いたいんですけど、トップセールスというからにはセールスの成果というのはどんなところにあるのかというのを伺いたいんですが。具体的な商談会とかやっているみたいですけれども、具体的な成果、セールスの成果というのはどんなところにあるのかなというのがちょっとよく分からないんですが。

蒲島知事
 トップセールスで行ったから、はい決まったというところまでは直ぐにはなかなかいかないんですけれども、具体的に決まったことについて言えば、例えば香港でもっとも高級デパートといわれている「YATA」というのがあるんです。

 ちょっと(パワーポイントを)出してください。YATAの社長がこれから(新規店舗を)3店舗出すと(おっしゃっていました)。今3店舗あるんですけど。その(新規)3店舗では、くまモンを主題にした出し方をしたいと(おっしゃっています)。そこには、当然熊本産の農産物を中心に置いてもらいたいと思っているんですけれども、そのような熊本への(先方からの)熱烈なアプローチ、これが具体的な成果(であります)。

 それからもう1つは、高雄市というと人口数百万の物凄く大きなところなんですね。感じとしては大阪的ですけれども、そういう大都市の、非常に近代的な都市の市長の方から、熊本と経済とか文化交流、それから教育などについての(交流をしていきたいと)、どのような名前になるか、覚書になるのかどうか(は、今は)分かりませんけれども、(何らかの協定などを)結びたいという事でありましたので、ものすごくラブコールをされたという感じがしますので、これも大きな成果ではないかと私は思っています。それで、向こうは全部局長が歓迎会に全部出てきましてね。もう庁内全部一致して熊本との関係を結びたいというのも、「アジアとつながる」という意味では大きな成果かなと(思っています)。

 それから、馬総統と30分会談できたというのも、具体的に何を決めたかということは当然なんでしょうけど、お会いできたことで、くまモンをちゃんとインプットしてきましたので、熊本は忘れているかも知れないけれども、くまモンを見れば熊本を想像させ、連想されるのではないか。これも大きな成果かなと(思います)。

 そういう意味で、成果は今後につながりますけれども、トップセールスは、新規エアラインの航空路線の開設とか、あるいは農産物の輸出とか、そういう手掛かりがつかめたというのが成果と言えるのではないかと思っています。

Q
 例えば、今回160人の方で5日間現地にいろんな観光協会とかの方も含めて行っているようですけれども、例えば商談会も現地であっているようですが、何かそういう観光とかでそういう契約に結びついたようなことはないんですか。

蒲島知事
 日本から多くの観光関係の方もいらっしゃったし、向こうからの招待客の中にいましたので、そこでたくさんの商談があったと、私は聞いていますけれども、その個々の商談で何があったかということについては、承知していません。これについて、答えられる人は…。

(観光課)
 本県の旅館・ホテルの方々が数名、台湾の方に行かれまして、交流会もやっていますので、そこでいろいろ話をされております。それから、現地の方で、我々も一緒に旅行会社の方を回って、プロモーション活動を行ってきております。

蒲島知事
 航空路線の開設については、私が実際に1社には行きましたけれども、チャーター便はたくさん飛んでいますので、チャーター便から定期便への可能性をこれから検討していく。向こうも積極的でした。

 それから、向こうのスタッフに若い人達が多いというのは大変驚きましたけど、若い人達が決めているんですよね。だから、是非そういう人たちも熊本にたくさん来てくれて、熊本の良さを分かっていただければいいなと(思っています)。

 そういう時も、くまモンの威力はすごくて、旅行会社の人が、実は課長さんあたりの(役職の)女性の人達がくまモンの追っかけで、最初行ったのは商談会だと思いますけれども、その次に行ったデパートでトップセールスをした時、(パワーポイントを指して)これがそんな感じですけどね、名刺をいただいた旅行社の人だったから、追っかけになったんですね。

Q
 (台湾の)地元でくまモンが人気というのはよく分かったんですけれども、例えばエアライン誘致って知事いつもおっしゃるんですけれども、県内で最も観光客が多い外国人は韓国人ですが、韓国と結んでいるアシアナ航空ですら、週3便を何とか維持できているような状況だと思うんですけれども、そういった中でエアラインの定期便の就航というのは、しかも台湾との間で本当に現実的なのかなと思えるんですけれども。

蒲島知事
 アシアナはアシアナで積極的にやっていかなくてはいけないと思っていますし、やっています。ただ今回は、台湾とそれから香港という、新たな可能性を探ると(いうことなんです)。私が知事になって4年と9ヵ月ですけれども、初めて台湾に行ったものですから、台湾とのコネクションを今回は開拓しに行ったというのが主たる目的で、台湾に行ったからアシアナを考えていないかというとそうではなくて、それはそれでまた違った段階で考えなくてはいけないと思っています。

(幹事社)
 そろそろ、次のこの会場の設営等の関係等もありまして…。

Q
 すみません、高雄市は、向こう側から申し入れがあったということなんですか。

蒲島知事
 はい。昨年の11月に高雄市長がいらっしゃいました、訪問団と一緒に。その時にお会いして、とても打ち解けたと言いますかね。それで是非来て欲しいと。驚いたんですけど、ちょうど、このパーティー〔※高雄市主催のレセプション〕の日が私の誕生日だったんです。私は全然忘れていたんですけれども、誕生日だということで、こんな大きなケーキをですね(用意してくれていて)、私は、結婚式でもこんなに大きくはなかったので(笑)、〔※パワーポイントを指して、〕それに入刀しているところであります(笑)。だから、大歓迎ということ(です)。情報もきちん取って、私が誕生日だということで、何日も前にケーキを作られていたんではないかな。そのぐらいの歓迎ぶりでした。

 やはり、こっちにいらっしゃった時に、我々が大歓迎することがとても大事だと思うんですね。そしてそれがとても喜びに変わって、是非来てくださいということで(高雄市を訪問しました)。実は、香港に行きますから、高雄には行かない予定だったんです。しかし、それほど熱烈歓迎ということでありましたので、香港に行って、また台湾に帰って高雄に行って、(熊本に)帰ってきたんです。

Q
 高雄市長から、そういう覚書か何かを結びましょうという。

蒲島知事
 これは市長の方からだね、はい。

Q
 市長の方から。今後協議を開始しますとありますが、やはりいつぐらいまでに目処というのはあるんでしょうか。

蒲島知事
 これは両者の関係ですので、熊本だけという訳にはいきませんので、今の予定ではどういう感じですか、事務的には。

(国際課)
 来年度のできるだけ早い時期にそこまでいければと思っております。

質疑応答

農地での太陽光発電施設の設置について

Q
 知事すみません。太陽光発電の関係で農地を転用してソーラーパネルをつけたいという方々が一定数おられるみたいで、ただなかなか農地法の壁にあって転用が許可されないというか、申請まで至らないというケースが多いようです。知事は新エネルギーに熱心だと思うんですが、まず知事のお考えを…。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 私が担当部局に指示しているのは、耕作放棄地で、今、農地にすることが可能なのは、もちろん優良農地にすべきでありましょうけれども、不可能なもの、もう将来的にこれはずっと耕作放棄地になるのではないかというのをチェックしてもらって、そういうものが新エネルギー政策と連携しながらできないかと。そういうことを担当部局に対して指示しています。そういう方向で、農林水産部は動いていると思っています。

 ただそれは、農業委員会の(許可)とか様々なことがありますけれども、熊本県がそういう制度の壁でもって新エネルギー政策を展開できないようなことは止めようと。せっかく(新エネルギー政策は)県庁という組織の中でできることですから、そういう意味では、農林水産部も農地を守るということだけではなくて、守れない農地、これを早く把握して(新エネルギー政策と連携させる)、そして耕作放棄地の割合も少なくなるだろうと、そういう方向が私の考えであります。

Q
 ただ、農地法というのはそもそも法律ですので、やっぱり杓子定規に判断せざるをえない部分もあると思うんですね、許可に関しては、これはちょっとハードルが高いかなと思うんですが。

蒲島知事
 ハードであるけれども、ハードだからできないということではなくて、できると思ってやらなくてはいけない。農林水産部は来ていますかね。決意のほどを。

(農地・農業振興課)
 農地なんですけれども、例えば10ヘクタール以上のですね、こういった農地は非常に(規制が)厳しくなっております。国においても、そこら辺については再生可能なエネルギーについての検討があっております。先ほど知事の方からありました耕作放棄地でございますが、これはいろんな種類がございますけれども、どう考えても農地には復活しないようなところをリストアップしてございますので、そういったところを中心に太陽エネルギーの導入が進んでいくのかなと思っております。

Q
 すいません。それは、1種農地でも転用する余地があるということになるんですか。

(農地・農業振興課)
 第1種農地の判断を含めてですけれども、中心になりますのが2種とか3種のうちにある…。

Q
 それは、2種とか3種が転用されるのは、今でも転用されている訳でしょう。

(農地・農業振興課)
 はい、転用されています。

Q
 1種農地で転用したい人もいっぱいいるけど、それが通らないのが現状だというふうに聞いているんですけれども。今の話だと1種農地でも将来的に使われないなら変えてもいいじゃないかというふうに聞こえるんですけれども。

(農地・農業振興課)
 県内の耕作放棄地ございますけれども、耕作放棄地の中でもいろんな種類がございますので、そういった形で復活不可能な耕作放棄地についてということでございます。

Q
 1種農地でもいい訳ですか。

蒲島知事
 現状で判断するという訳でしょう。

(知事公室長)
 第1種農地、第2種農地というのは後できちっと説明してください。

蒲島知事
 決まったのが相当昔でしょうからね。そういう現状を見ながらということで、一番大事なことは、もう耕作できないような…、耕作放棄地については、農林水産部の方も積極的に転用できるような考えではないかと推測しております。

(幹事社)
 じゃすみません。時間もちょっと押しましたので、ここで終了とさせていただきます。細かいところはまた担当課の方から対応の方をお願いいたします。

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