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平成25年 4月16日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見
日時:平成25年4月16日(火曜日) 18時12分から
場所:知事応接室
会見録
知事臨時記者会見の会見録を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
コメント・質疑応答
コメント・質疑応答
水俣病最高裁判決について
蒲島知事
それでは、私の方から、水俣病認定申請棄却処分についてのコメントを発表します。
本日、最高裁から二つの訴訟の判決が言い渡されました。まだ、判決の詳細は把握しておりませんが、福岡高裁判決については、県の上告を棄却する判決でありました。
溝口チエさん、及び御遺族の方々には心からお詫びしたいと思い、申し訳ない気持ちでいっぱいでございます。判決の正本が届き次第、速やかに認定いたします。また、大阪高裁判決については、破棄し、差し戻すとの判決でありました。今後の県の対応につきましては、判決内容を精査し、法律解釈の権限を有する環境省の判断を求めたいと考えています。以上が、私のコメントです。
(事務局)
それでは質問があるところから。
(幹事社)
今回の判決ですが、熊本の女性の裁判について、これまでの認定基準について、より弾力的な運用を求めていますけれども、今後、これまで棄却してきた未認定患者への対応について、影響をどう見通していらっしゃいますか。
蒲島知事
判定基準については、先ほども申しましたように、法律の解釈の権限を有する環境省の判断を求めた上で。今の段階で私も判決内容については詳細に把握しておりませんので、そのことについては、今ここで言えることは環境省の法律判断、これを待ちたいと思っています。
Q
溝口さんに申し訳ない気持ちということですが、どういった点で申し訳ないのか、知事の言葉で具体的に。
蒲島知事
まず、長い間、御苦労をおかけしたということが、一つであります。それから、そういう意味では長時間かかってしまったこと、それから御本人が亡くなられたことです。そういう意味では、御本人と御家族に、御心労をおかけしたことに申し訳ない気持ちで一杯です。
Q
知事、この溝口さんの訴訟で、上告をなさる時に、県の、知事のお話として、認定制度の根幹に関わるということでの御判断だったと思います。今日の判決を受けて、その根幹はどうなったとお受け止めでしょうか。
蒲島知事
上告をした時、私は、今、記者さんがおっしゃったとおり、水俣病の制度の根幹に関わる問題だと考えて、最高裁の判断を仰ぐべきだと考えました。この1年間、最高裁でこの問題について、審議されて本日、判決となった訳ですけれども、この水俣病の認定基準については、先ほど申し上げましたとおり、国の判断、あるいは環境省の方が法律解釈の権限を持っておりますので、それを待ちたいというのが今の状況であります。
それから、もう一つは、まだ、判決が出たすぐでありますので、それを十分に咀嚼といいますか、検討の時間がありませんので、ここでは判断を待ちたいというのが私の気持ちです。
Q
今日の判決の結論というか、県敗訴というのをどういう形で今日知事に一報が入ってこられたのでしょうか。
蒲島知事
八代の方でフードバレー構想の推進協議会の設立総会に出ておりましたので、その後、県庁に帰って参りました。県庁で判決を聞いて、今言ったように福岡高裁判決については、県の上告を棄却ということでありますので、それに沿って判決の正本が届き次第、速やかに認定するということを決断致しました。そして、ご遺族の方それから亡くなられた溝口チエさんについては、心から申し訳ないという気持ちに今あります。
状況としては、4時に判決が行われて、その時はもうこちらに戻っておりましたけれども、それから実際に私のところに届いたのは、ちょっと遅れていますが、内容については、まだ、把握する時間がこの2時間も経っておりませんので、そういうことで、今の現状では把握できてないということであります。
Q
じゃあ、その県庁にお着きになって、上告棄却という結論をお聞きになった最初のお気持ちはどういうお気持ちだったでしょうか。
蒲島知事
最初の気持ちは、上告が棄却ということでありますから、これをまずやらなきゃいけないと思ったのは、溝口チエさんへの謝罪とそれから御遺族への謝罪、それからずっとお待たせしてきた訳ですから判決の正本が届き次第、速やかに認定しなきゃいけないと、そのことが一番思い立ったところであります。
Q
一度は認定審査会で棄却した人を、今度、認定することになると思うんですけども今後の認定審査会のあり方を見直すというような考えはありますか。
蒲島知事
この段階では認定審査会について、どうこうということをまだコメントするところにはありません。ただ、これは義務付けでありますので、知事の一存で認定しなければいけないと思っていますので、速やかに認定したいと思っています。
Q
今の関連ですけど、溝口さんに対しては当然そうでしょうけど、その他の今審査が2~300件ほどだと思うんですけど、そういった方々も義務付けということなので、同じ手法で、同じ基準で認定していくおつもりなのか、そこは。
蒲島知事
そのことについては今日この段階でコメントする立場ではありません。
Q
知事、コメントする立場にないとありますけど、法律解釈の権限は環境省が持っているという、ある意味第三者的な発言なんですけれども。
蒲島知事
第三者的とか、そうでないとかいうことではありませんで、国の判断基準に沿って県はこれまで判断してきたということであります。だから判断基準ということに関わることであれば、国の判断を求めると、そういうことになりますし、それから、まだ判決内容を精査しなければいけないと。この段階で言えることは、法律解釈の権限を有する環境省の判断を求めていくということしか私には今言えません。
環境生活部長
よろしいですか。今の点、知事がおっしゃっているように、最終的にその判決文を精査する必要がありますので、しかもその上で国の判断を仰ぐ、判断を求めるということも必要になってくる部分がありますので、それについてはこれ以上なかなか知事としてもお答え、十分精査できているわけではございませんし、そこはお答えしづらい部分があると思います。
Q
今回の最高裁判決というのは非常に重いと思うんです。
蒲島知事
はい。それはそう思っています。
Q
今までの認定審査を、ある意味ちょっと覆すというか、覆すというのは大げさかもしれないけれども、やり方が十分ではなかったというのを明確に言っていると思うんですけれども、まあ当然、今は何もコメントできないということはあるのでしょうが。知事が結局は県の処分権者ですよね。環境省の判断がないということはちょっと。
蒲島知事
処分権者として今言えることは、速やかに認定に入ると、そして、正本が着き次第ですから、2~3日では着くと思いますが、それで認定すると、ということを今日は皆さんにアナウンスしているところですけれども。
Q
じゃあ、その環境省との、やりとりというか、それはどれくらい時間を要するのでしょうか。
蒲島知事
どのくらい、何時間とか、何日とか、この段階で言えません。ただ、これは大変重い判決であるというのは、国も県もみんな承知していると思いますので、両者にとっては、重要な案件だと思っております。
Q
今日の今の時点で、環境省から何かしらの連絡というか、それはないのですか。
蒲島知事
まだありません。
Q
それと判決ではですね、認定基準、基準そのものに対する是非については踏み込んでないんですけれども、その受け止めはいかがですか。
蒲島知事
実際の判決文を把握していないという段階では、答えられません。
環境生活部長
よろしいですか、あと1問ぐらい、どなたか。
Q
溝口さんへの直接の謝罪なのですが、明日になるということ。
蒲島知事
明日、お会いします。
Q
知事が交渉に参加されるということ。
蒲島知事
交渉というか、面会を希望されておりますので、私がお会いします。
Q
明日の県庁交渉に知事が出席されるんですか。
蒲島知事
溝口さんとの会議ですか。はい。
Q
それは今、おっしゃった面会とは別。
環境生活部長
面会のご要望があっているので、それを知事が対応しますということです。
Q
その場面で知事が謝罪されるということでよろしいですか。
蒲島知事
当然です。