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平成26年 3月13日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見
日時:平成26年 3月13日(木曜日) 10時30分から
場所:知事応接室
発言要旨
3月13日に知事が路木ダム訴訟に関して記者会見を行いましたその発言要旨は以下のとおりです。
1.結論
まず、結論から申し上げます。
去る2月28日に熊本地方裁判所から判決の言い渡しがありました「県営路木ダム事業にかかる公金支出差止等請求事件」について、先ほど、「控訴」いたしました。
2.これまでの経緯
ここで、これまでの経緯を簡単に振り返りたいと思います。
この事業は、平成9年にダム全体計画を策定し、平成12年に河川整備基本方針を、平成13年に河川整備計画をそれぞれ策定し、事業を進めて参りました。
この事業は、私が知事に就任した平成20年の時点で既に始まっておりました。しかし、ダム建設を決めた時点からかなりの時間が経過しており、また、この間に県民の皆様から様々な意見が寄せられていたことから、私は、事業を進めるか否かについて、改めて、立ち止まって検証することが必要であると考えました。
その際、私は、県民の皆様から寄せられたご意見について、最大限、誠実かつ客観的に検証しなければならないと考えました。
そこで、私は、改めて全庁的な確認作業を行うことを指示し、ダム建設によって得られる効果と費用の検証や、ダム以外の代替策との比較など、治水、利水、財政、環境という多面的な観点から検証を行いました。
この間、地元天草市長や市議会から、路木ダム建設促進の要望をいただきました。
また、地元牛深地区・河浦地区の区長会をはじめ1万2千人余りの住民の皆様から路木ダムの早期完成を求める署名をいただきました。このことでいかに住民の皆様のダムへの期待が強いかを感じました。
そして、県民の生命や生活を預かる知事として、地域の皆様のこの強い期待に何とか応えなければならないとの思いを強くしました。
そこで、治水、利水、財政、環境の観点から総合的に検討した結果に基づき、平成21年6月に、私は、ダム事業の継続を決断しました。
その後、私は天草市とともに事業を進め、昨年10月には本体工事が完成し、現在試験的にダム湖に水を貯めている最中で、4月1日には地域の皆様に水を供給する段階となっています。
3.判決とそれへの対応
しかし、第一審は、路木ダム建設の前提となる河川整備計画等につき、治水の観点において重大な事実誤認があるとし、知事の裁量権の範囲を逸脱又は濫用したものであって、違法であると判断しました。
この事業は、治水、利水、財政、環境の観点から全庁的に検証した上で、決断したものです。
また、この事業は、公共事業再評価委員会の審議や議会の承認も得て進めてきたものであります。
よって、このような決断をした私にとって、承服することのできない判決です。
以上のとおり、本件第一審判決については、上級審の判断を仰ぐのが適切かつ正しい選択であると考え、控訴したものです。
控訴の詳しい理由は今後裁判所に提出する控訴理由書で明らかにするとともに、私の考えは控訴審の審理の中で十分に主張して参りたいと考えています。