本文
平成27年 5月 20日 知事定例記者会見
定例記者会見
日時:平成27年 5月 7日(木曜日) 13時30分から
場所:知事応接室
動画
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会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目
- インドネシア知事トップセールスについて
- 2019女子ハンドボール世界選手権大会「シンボルマーク」の募集開始について
- 世界農業遺産・阿蘇のミラノ万博出展について
- 「地域の小さな拠点」へのサービス付き高齢者向け住宅の立地促進について
- 平成26年度の農地集積の実績について
質疑応答
- インドネシア知事トップセールスについて・1
- 「衆議院議員松野頼久氏の「維新の党」代表就任について
- 大阪都構想について
- 世界農業遺産・阿蘇のミラノ万博出展について
- インドネシア知事トップセールスについて・2
- 平成26年度の農地集積の実績について
- インドネシア知事トップセールスについて・3
- くまもと県南フードバレー構想について
(幹事社)
おはようございます。定例会見を始めさせていただきます。
知事のほうから発表項目をよろしくお願いします。
発表項目
インドネシア知事トップセールスについて
報道資料:インドネシア知事トップセールスについて(PDFファイル:111KB)
蒲島知事
本日は、発表が5つあります。
まず、1つ目の発表です。
本年1月に実施いたしましたインドネシアのトップセールスに引き続き、5月31日から6月4日にかけて、県内経済界・観光業界や熊本県バドミントン協会、熊本インドネシア友好協会の代表の方々とともに、トップセールスを実施します。
今回は、オリンピックキャンプ誘致に向けたインドネシアバドミントン協会会長との意見交換をはじめ、現地の旅行会社、またマスコミ等を対象とした本県の観光PRや現地経済界との交流会、バリ州知事への表敬訪問などを行います。
ご存知のとおり、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。
このビッグチャンスを活かし、本県にも東京オリンピック・パラリンピック開催の効果が最大限波及するよう、キャンプ誘致を戦略的に進めて参ります。
特にインドネシアは、バドミントン王国であります。今回のトップセールスにより、本県へのインドネシアナショナルチームのキャンプ誘致につなげるとともに、今後、スポーツを通した交流を呼び起こし、本県の観光誘客の拡大や競技力の向上が図られることを期待しています。
また、我々とともに、熊本商工会議所、玉名商工会議所等の経済団体や熊本大学、崇城大学の代表の方々もインドネシアを訪問され、インドネシア事情や観光動向等のマーケットリサーチが行われます。
6月1日、2日には、現地経済界との交流会を予定しており、県側総勢約100人で官民あげて熊本の魅力をPRして参ります。
なお、インドネシアトップセールスに先立ち、5月29日から30日に、香港の有力旅行会社を訪問し、近年増加している香港観光客のさらなる誘客に向けて、意見交換を行います。
今後も交流を重ね、成長著しいアジアの活力を熊本の元気につなげて参りたいと思います。
発表項目
2019女子ハンドボール世界選手権大会「シンボルマーク」の募集開始について
報道資料:2019女子ハンドボール世界選手権大会の「シンボルマーク」を募集します!(PDFファイル:77KB)
蒲島知事
続いて、2つ目の発表です。
2019年に本県で開催される女子ハンドボール世界選手権大会のPRや開催に向けた機運醸成を図るため、本日、熊本推進協議会が大会で使用する「シンボルマーク」の募集を開始します。
募集期間は7月7日までで、受賞者は協議会の厳正な審査の後、組織委員会での承認を得て夏頃に発表いたします。
誰でも応募でき、優秀な作品には副賞も準備されています。詳しくはホームページ等に掲載されている募集要項をご覧ください。
大会を盛り上げ、国内外の多くの方々に、熊本らしさを感じていただけるシンボルマークを提案していただければ幸いです。
奮ってご応募いただきたいと思います。
発表項目
世界農業遺産・阿蘇のミラノ万博出展について
報道資料:ミラノ万博へ世界農業遺産・阿蘇が出展!(PDFファイル:112KB)
蒲島知事
3つ目の発表です。
今年10月16日から21日の6日間、国内の世界農業遺産認定5地域が連携してミラノ万博へ出展し、世界農業遺産の価値と阿蘇や本県の魅力を世界に向けて発信します。
期間中は、国内認定5地域のパネルを展示するほか、日替わりで日本館イベント広場において地域独自の催しを行います。
10月19日は「熊本県の日」です。この度、その内容が固まりましたのでお知らせします。
阿蘇を中心とする本県の農業遺産の内容やミラノ万博に向けて取組んだ地元の活動を紹介します。
また、イタリアンシェフの宮本健真(けんしん)さんによる、阿蘇のあか牛と、地元の子どもたちと若手農業者が栽培した米を使った料理ショーが行われます。くまモンも登場し、盛り上げる予定です。
さらに、ミラノ万博を足掛かりとし、世界の方々に熊本や阿蘇の魅力を紹介し、今後の熊本経済の活性化につなげるため、在ミラノのマスコミ関係者等と熊本の経済界との交流会も予定しています。
熊本県としては、今後も様々な機会をとらえて、世界農業遺産・阿蘇をはじめ、本県の認知度向上に向け、しっかりと取り組んで参ります。
発表項目
「地域の小さな拠点」へのサービス付き高齢者向け住宅の立地促進について
報道資料:「地域の小さな拠点」へのサービス付き高齢者向け住宅の立地を促進します。(PDFファイル:138KB)
蒲島知事
続いての発表です。
本県の高齢化は全国の10年先を行くと言われ、10年後には3人に1人が高齢者となる見込みです。
そのような中、蒲島県政の1期目は「長寿を恐れない社会」という目標を掲げました。そのため、特養など高齢者の住まいの整備や、熊本モデルと呼ばれる認知症医療体制の整備などに取り組んできました。
2期目においては、「長寿を恐れない」からさらに一歩進め、「長寿を楽しむ」ことができるよう、健康寿命を延ばす取組みや地域医療体制の整備など、「住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられる環境づくり」に取り組んでいます。
その一環として高齢者に配慮したバリアフリーと見守りサービスを備えた「サービス付き高齢者向け住宅」の整備を進めてきました。
特に高齢化率の高い中山間地域等において、医療・福祉・商業等の機能が集約した「地域の小さな拠点」に「サービス付き高齢者向け住宅」の立地を進めることは、入居者の居住環境の向上と、地域の拠点性向上を図る上で効果的であります。
そこで、今後は、地方創生の観点から、こうした地域への立地に補助を上乗せし、中山間地域等でも、高齢者が医療や福祉のサービスを受けながら仕事や生きがいを持って暮らせるような地域づくりを進めていきます。
その取組みと併せて、土砂災害特別警戒区域内にお住まいの高齢者については、区域内から「地域の小さな拠点」の「サービス付き高齢者向け住宅」に入居される場合も助成の対象とします。4月の定例記者会見で発表した「土砂災害危険住宅移転促進事業」がより利用しやすくなります。
このような取組みにより、高齢者の方が「いつまでも楽しく、元気で、安心して暮らせるくまもと」を実現して参りたいと思います。
発表項目
平成26年度の農地集積の実績について
農地集積面積が2年続けて年間目標の2,100haを達成しました!(PDFファイル:344KB)
蒲島知事
最後の発表です。
蒲島県政では、農地集積を新4カ年戦略の重要な柱として位置付け、平成24年度から平成27年度までの4年間で、8,400haの集積を目標に取り組んでいます。
この取組みを着実に進めることにより、平成35年度までに農地の8割を担い手へ集積することを目指しています。
このたび、平成26年度においても、昨年度に引き続き、年間目標である2,100haをクリアすることが確実となりました。
地域営農組織による作業受託分である特定農作業受委託面積については、現在集計中でありますので、ここに(プラス)αというかたちで載っています。6月末までに集計を終え、その面積が加わることから、実績はさらに増える見込みです。今、パワーポイントのほうに載っていますけれども、この推定にプラスαが加わると、農地集積の目標を更に超えることになります。
これは、平成24年度に市町村、農業委員会、JA等の関係機関と一体となって「ふるさと農地・未来づくり運動」推進本部を立ち上げて、「知事に農地を預けて下さい」というメッセージを発信するとともに、県単独の事業を講じるなど、関係者が一丸となって取り組んできた成果だと思っています。
「(農事組合法人)熊本すぎかみ農場」や「農事組合法人野口」のように100haを超えるような農業生産法人が設立されるとともに、荒尾市川登地区のように基盤整備と一体となった全国のモデルとなるような農地集積も進みました。
このように、農作業の効率化による生産コストの削減など、稼げる農業の実現に向けた取組みが着実に進展しています。
今後とも、関係機関の総力を結集し、地域の方々が地域の農業の将来像を真剣に考えるお手伝いをしながら、担い手への農地集積の加速化を図って参ります。
本日の発表は、以上のとおりです。
質疑応答
インドネシア知事トップセールスについて・1
(幹事社)
ありがとうございました。
幹事社のほうから、まず発表項目について1点お尋ねをします。
インドネシアに5月31日からご出張されるということで、2回目ということでよろしいですか。
蒲島知事
はい。
(幹事社)
バドミントン協会の会長との意見交換が、インドネシアがバドミントン国だということでしたが、それは熊本もバドミントンが盛んな地域ですので、その関係を意識したアプローチということで理解してよろしいですか。
蒲島知事
はい。インドネシアでは、バドミントンが国技となっています。
そのくらいバドミントンはインドネシアでは盛んでありますし、強豪国であります。
そういうところと、熊本が今とてもバドミントンが盛んなところですから、交流をもつことが第一(です)。
それから、そういう強豪国でありますので、そこが熊本にキャンプを張っていただければ更に交流が深まるだろうし、活性化にもつながっていくだろうということで、最初のワンステップですけど、会長とお会いして、その可能性を探りたいと思っています。
(幹事社)
改めてですけれども、アジアの活力を取り込むということでのそういう観点からインドネシアのマーケットというのを知事ご自身どのように分析して、どういう期待を持っていらっしゃるのかというのをお願いします。
蒲島知事
はい。インドネシアは人口でいうと日本の倍ですよね。だからそれぐらい大きな大国です。そして今ものすごい勢いで成長しています。
中間層がどんどん増えていく。今でも富裕層はとてもたくさんいらっしゃるんですけれども、将来的にわたってインドネシアのこの近代化は急速に進んでいくだろうと思っています。
そこで、今のうちに熊本が交流をしておくと。これは、もともとはハラール牛肉の輸出ということで行って、そこでわかりましたけれども、その潜在的可能性の大きさというんですかね、だから「アジアとつながる」という私の大目標に非常にマッチしていますので、インドネシアの活力を是非、熊本に取り込みたいと思っています。
質疑応答
衆議院議員松野頼久氏の「維新の党」代表就任について
(幹事社)
もう1点、発表項目以外で1つ質問させてください。
昨日、維新の党の代表に県関係の松野頼久さんが就かれました。それについての知事のご所感を1つと、その前段階として大阪都構想の是非を問う住民投票がございました。
その結果によって、今回松野さんが代表に就かれるわけなんですけれども、その住民投票を振り返ってのご感想をお願いします。
熊本県と熊本市の間の二重行政でありますとか、例えば知事が大都市制度の抜本的な改革が必要だと思っていらっしゃるのかというところをお尋ねしたいと思います。
蒲島知事
まず、松野代表の維新の党の就任というのは、熊本県にとってそれだけ有力な政党の党首が誕生することでありますから、また熊本県選出でありますので、そういう意味ではこれからもとても多くの議論ができて、熊本にとってもプラスになるんじゃないかなと思っています。
ただ、橋下さんというシンボリックな方が政界を引退されるということで、維新の党を引っ張っていく松野さんは、これからも大変ご苦労されるかなと思いますけれども、それだけの力のある方でありますから、頑張っていただきたいなと思っています。
それから大阪都構想を問う住民投票の結果ですけれども、これは大阪市民の方の判断でありますので、その結果がああいうかたちで現れたんだと思います。
僅差でありましたけれども、やはり結果は結果ですから、それに従うのが政治であります。
それからこの大阪都構想を最初からずっと争点として掲げられてこられた橋下さんは、私の親しい友人の1人でありますし、天才的な政治家ではないかなと私は思っています。
そしてこの結果を受けて、潔く引退されることを表明されましたけれども、その潔さにもとても感銘をうけました。
ただ、このことによって、大阪市の市民の方々の喪失感というんですかね、これに結びつかないで、これから新しいフレームワーク〔※枠組み〕のもとで、大阪がより一層活性化していくことを望んでいます。
質疑応答
大阪都構想について
(幹事社)
都構想は大阪府と大阪市の間の二重行政の解消というのが目的でありました。
(そこ)で、政令市の熊本市を抱えている熊本県としては、大阪府と同じような状況があるのかないのかというご認識(はいかがですか)。
蒲島知事
二重行政の問題は、大阪都構想の争点が出る前からずっと言われてきた問題でありましたので、私も知事になる前から、もし知事になったら、熊本市との強力な連携は必要だなと思っておりました。
そのような観点もありまして、それから将来の道州制を目指して熊本市が政令市を進めておられた時に真っ先にマニフェストでも言いましたけれども、それに協力すると、大賛成であると(言いました)。
普通、知事は政令市の誕生はあまり歓迎しませんけれども、私は全国の知事の中でも珍しく熊本市が政令市になることを望み、そのために県庁をあげて応援してきました。
そして政令市になって、その後の連携もスムーズに進んでいます。
そういう中でですから、二重行政の話が出てくれば、また十分話し合うことができます。
1つは博物館のことについても、やはり県市連携がとても進んでいたために、それから二重行政という問題があったために、熊本県のほうはネットワーク方式、そして熊本市と十分協力するというかたちで今進んでいます。
常にそのことは気をつけなきゃいけないんですよね。それに気をつけるということと、それをちゃんと解消できる道が熊本市と熊本県には連携会議が活性化しているといいますか、それが存在することによっていい方向に向かっていくんじゃないかなと思っています。
あくまで制度じゃなくて、そのリーダー達の考え方、その制度をつかって、両者でつくって、その二重行政の解消に向けていくことが大事だと私は思っています。
(幹事社)
現状では、その二重行政と感じられる部分というのは、知事としてはないとお考えになっていらっしゃる(ということでよろしいですか)。
蒲島知事
小さいところで、私が知らないところがあるかもしれませんけれども、ただ大きな意味では、もしあったらそれを解消していきたいと思っていますし、それが1番現れたのが博物館のネットワーク構想だと思っています。
(幹事社)
すみません。もう1点だけ、今回の住民投票の結果では、統治の制度を大きく変えるということに対して、民意が慎重だったというふうに見ることもできるかと思います。
知事も道州制というのを将来見据えていらっしゃいますけれども、民意がこういう大きく制度を変えるということに慎重じゃないかなという私は見方をするんですが、知事のほうはどのようにお考えになりますでしょうか。
蒲島知事
人間にはリスクをとる人と、リスクをできる限り避けたいという人、2つあると思いますけれども、やっぱり将来の明解な目標がないとなかなか一歩踏み出せない。
まあ、人生もそうですけれども、私の場合はどっちかといえばリスクをとるような人生を歩んできましたけれども、そういうリーダーシップもあると思うんですよね。
そこでそれ(目標)をちゃんと説明する。だからその2つが政策にあるんじゃないかと思っています。
皆もリスクをとらないからといって、大胆な政策をとらないというのも1つの方法かもしれませんけれども、大胆な政策を提示して、その後で皆で考えて、そしていい結論にもっていく。
今回の大阪都構想も、どちらかと言えば大胆な構想から、皆で話し合って、最後まで話し合って、それで住民投票という結果で、僅差、1万票ぐらいの差でしたけれども、そういう差になったわけですね。
逆にこの1万票差で勝ったとすればまた違った展開があったでしょう。
大阪都としての大阪のあり方ですね。
どっちが良かったかというのは、これは歴史にイフ(もしも)はありませんので何とも言えませんけれども、2つの勢力があって、1つはやっぱり一歩踏み出すべきだという勢力と、やっぱり踏み出すべきじゃないというのがあって、踏み出すべきじゃないというのが少し多かったので、こういう政治的な決着がついたと。それが政治だと私は思います。
(幹事社)
すみません。ありがとうございました。
各社さんどうぞ。
Q
知事すみません。
今の関連で質問なんですけれども、今回橋下市長ですね、二重行政と東京一極集中に対する抵抗、これを強く掲げたと思うんですよ。おそらく。私も大阪に長く住んでいたので、まさに大阪経済、更に大阪の地位の低下ということに対して、橋下市長自身が非常に危機感をもって、それを訴えてきたと思うんですけれども、そういう意味では、九州での道州制の導入というのも、東京一極集中への対抗及び是正に意味があると思うんですけれども、それについてもう一度ご意見いただければ(と思います)。
蒲島知事
はい。私は、第1回目の選挙に出た時から道州制に賛成しています。
どうしてかというと、私の考える道州制は、これまであった道州制の行政改革としての道州制じゃないんです。
州民の幸せを最大化できる、そういう組織は何なのかと。今の県の制度というのは多分追いついていないだろうと。だから熊本県民が県として幸せになるよりも、九州州民として幸せになる可能性が高いなと思って道州制を主張してきました。
私の考える道州制は、必ずしも県の役割をなくす、そういうものを要請はしていません。
県の役割を温存してもそれが州民の幸せになる、県民の幸せになればいいわけですよね。
そういう意味ではゆるやかな連携かもしれませんけれども、これまで言われてきた、とにかく県をなくしてしまえと、そして、行政改革のための道州制という見方は、あまりにも県民の幸せという目標とは違います。行政改革が大目標ですからきっとうまくいかないとは思っていました。
それから2番目に、熊本は州都を目指すということを言ってましたけれども、これはどっちかと言えば夢の政治ですよね。
でもそれを持つことによって新しい熊本のあり方が見えてくるし、それから他の都市も州都を目指せばいいんですよ。その州都を目指す過程で、九州全体の都市のレベルアップになる。
その中からまた最終的に選べばいいとそういう発想ですので、大阪都構想とはちょっと違うとは思いますけれども、私が目指しているのは、オランダとか、それからデンマークとか、あるいはスウェーデン、そこは経済成長もとても達成してますし、社会保障もとても実現しています。
その上に人口減少にも対応しているということで、ちょうど九州が道州制として独自の存在になると、人口の大きさ、あるいは地理的な大きさは、さっき挙げたような国と変わらないんですよね。そういう意味で、可能性があるのかなと思っています。
これは、すぐ私の時代にできるかわかりませんけれども、百年の礎の中にこういう州都を目指した都市政策を今のうちから作っておかなければいけないだろうと思って、実際には1期目から始めているんですね。州都構想を。
そういう意味で、私自身は、これが県政にマイナスになったとか、あるいは県民に夢を語ることがマイナスだとは思っていませんし、ただ、今はまだ実現していないと、そういう周りの政治状況はありますよね。
そういうことで、道州制の実現と熊本が州都になることを目指す県政は、これからも続けていくつもりであります。
Q
目的意識が違うということですかね。
要は、行政の改革ということと、その県民のその幸福量を上げるということで、道州制を目指す目的意識が違うと(いうことですかね)。
蒲島知事
そういうことですね。
あくまで、制度を変えることが目標、目的化してしまったら、なかなか理解できないんじゃないかと(思います)。私は常にパラダイムシフトと言ってますけど、行政のこれまでの目標というのは、規制であるとか、管理であるとかあるいは指導であるとか、そういう手段が目標化してしまったような気がするんですね。継続性であるとか、平等性、安定性、でももっと違うところに目標があって、私で言えば県民の幸福量の最大化(です)。その目標のために制度があるんじゃないか、或いはそういう規制があるんじゃないか、指導があるんじゃないかという考え方です。
そうすると、従属変数というんですけれども、Y〔※目標〕が明解になって、何をやらなければいけないかというのがよくわかるようになるんじゃないかと思っています。
それで道州制が目標じゃないんですね。道州制はあくまでそれ(Y〔※目標〕)を最大化するための手段であること(ということです)。
Q
その県を温存したままでの道州制というのをちょっとイメージしにくい(のですが)。
蒲島知事
県が存在したままじゃなくて、県の役割というんですかね、そういうことも考えていいんじゃないかと(思います)。例えば松下幸之助さんの道州制は大体そんな感じですね。
県の役割を残したままの、皆で道州の中で考える。
つまり、イメージとしては、大きな政策を九州府の中で考えるという感じですかね。今バラバラですので。
質疑応答
世界農業遺産・阿蘇のミラノ万博出展について
Q
知事よろしいでしょうか。
ミラノ万博の出展のお話しですが、認知度向上に、世界農業遺産としての出展で、「熊本県の日」というのもありますので、先ほど認知度向上に取り組んでいくということをおっしゃられましたが、特に期待することというか、何かあれば教えていただけますか。
蒲島知事
まずは熊本を知らしめるというよりも、阿蘇という観光地、これをヨーロッパの方々に知ってもらうことが大事ですよね。
今まででは、既にフランスのジャパンエキスポで行っています。それから、イギリスもオックスフォードMINIにくまモンが登場してくまモンMINIができたと。
それからフランスのくまモンバカラですよね。今度はミラノでくまモンがまた登場して、世界農業遺産だけじゃなくて日本全体を宣伝してくれるんじゃないかと思っています。
これとあわせてスペインですか、スペインに行くんですね。違いましたっけ。
スペインの陶磁器の人形メーカー。
(事務局)
はい。まだ。〔※正しくは、カンヌ国際映画祭5月18日~5月19日参加に併せて訪問。〕
蒲島知事
そういうものがあって、いろんなヨーロッパでの活躍、ヨーロッパにくまモンの共有空間を広げていくという役割もあるというふうに思っています。
質疑応答
インドネシア知事トップセールスについて・2
Q
すみません、東京オリンピックに向けたキャンプ誘致に向けた考え方をお尋ねしたいんですけれども、今回インドネシアにまず第一歩とおっしゃったと思うんですけれども、今後インドネシアのバドミントンというところで一極集中のようなかたちで行かれるのか、他の国も継続して見て行かれるのか、今どういうお考えでいらっしゃいますか。
蒲島知事
これは、インドネシアのバドミントンは、全体の大きなキャンプ誘致の1つの仕事といいますかね、もっと多くのキャンプ地になりたいと思っていますし、今そういう意味では各市町村への意向調査、そしてもう1つはどのような施設があるかという調査、それを踏まえて、もっと大きな広域的な動きが必要だと思いますけれども、まずは一番可能性があるといったらおかしいですけれども、実現しそうな、そういう思いを込めてインドネシアのバドミントン協会の会長とお会いしたいということです。
質疑応答
平成26年度の農地集積の実績について
Q
すみません、農地集積についてお伺いしたいんですけれども、2年連続で、2100haという目標をクリアした要因というのを1つ伺いたいのと、もう1つ、計画では農地中間管理機構による集積を目標900(ha)というふうに設定していたけれども、結局実績としては、その他の相対取引によるものが大半を占めてバンクのほうはあまり利用実績あがらなかったというふうに、これは、どういったところにそのバンク、どうしてそういう結果になったかというふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
先ほども、目標と手段という言い方をしましたけれども、大目標は毎年、2100ha以上農地を集積したいと(いうことです)。その1つの方法として、(農地)中間管理機構、(いわゆる)農地バンクの利用もあるだろうと(思います)。今回はそれを含めて2100(ha)以上になったので、これを平成35年まで続ければ約8割が農地集積できるんじゃないかというのが我々の計画です。
私の任期が平成27年度までですから、そういう意味では、一応計画としては、27年度までの計画ですけれども、最終目標は(平成35年までに)8割の農地集積を(行うことと)しています。
そういう中で、この農地バンクというのが熊本県の取組みを見ながら国のほうでできたんです。
それについて目標が、全国的にあんまり目標値に達していないという話になっています。
私は農地バンクももちろん制度としてあるので、是非使いたいと思っています。
ただ、その目標は900haと挙げていますけれども、それができなかったからといって、全体の目標ができなかったわけじゃないので、私は一番大事なのは、それを含めた全体の目標だと思っています。
だから農家の方があまり使われなかった理由はどうだろうかということはやっぱり調査しなきゃいけませんね。調査、それから分析。
Q
もう1つあります。
目標を達成したその理由、熊本県のその取組み・・・。
蒲島知事
私も理由をはっきり聞いていませんけれども、1つは、貸し出しが10年ですか、ちょっと10年というのが長すぎるんじゃないかというのが担当者の意見でした。
結局、国の制度というのはそういうものですから、国の制度にピシッとあってないとこのバンクが利用できないということになります。
でも熊本県はそれ以外にいろんなことでやってます。
また、農地バンクを含めた他のシステムの実績とか、あるいは計画の達成度というのは担当課のほうから詳しく説明をさせますので、一度そういう機会をもっていただきたいと思っています。
質疑応答
インドネシア知事トップセールスについて・3
Q
すみません、知事インドネシアの話で、インドネシアはマーケットとして、非常に有望だというお話でしたが、今、現在具体的なセールスの対象の品目としては、牛肉が今話が進んでいますけれども、その牛肉に続いて具体的な品目、売り込む品目としてはどういうのを想定されていますか。
蒲島知事
今のところ牛肉が、日本全体としても先行しています。ただ今、問題点もありますので、現在、問題点の整理中であります。
後は観光ですね。
観光が一番大きいと思います。
やっぱり国が発展する過程で、そして富裕層の方は最初にいらっしゃいますけれども、巨大な中間層が形成されます。その方々にまず日本を好きになっていただくことが大事だし、その中で熊本を認識していただく。そういうふうなかたちで観光というのは進んでいくと思いますので、早い段階で熊本の存在感、阿蘇の存在感、あるいはくまモンの存在感、それから熊本の美味しさの存在感、それを示すことが大事だと思っています。
Q
すみません。今、問題点と牛肉の点でおっしゃったのが、ゼンカイミートさんからの輸出がきっと止まっている件だと思うんですけれども、そのことについて今どうお感じになっているかということをお願いします。
蒲島知事
輸出が今、止まっているというのは、急にインドネシアの政府のほうでプライムカットと言いますけれども、肉の一番いい部分しか輸入しないという方向転換が成されました。
こちらのほうでは、肉全体〔全部位セット〕を輸出したいというふうに思っています。それはなぜかというと、ハラールの認証をとるために普通とは違うと畜方法をとりますので、当然コストがかかります。そのコストをほんの一部分にかけてしまうとものすごくそれが高くなるんですね。
牛全体にかけてしまうと、それが薄まっていく、そういうことでプライムカットだけでは困るということで、今、農水省を通して、二国間協議で交渉中であります。〔※県は国に対して、規制の撤回交渉を始めるよう申し入れ済み。〕
これは日本だけにかかったものじゃなくて、すべての国にかかったということでありますので、二国間協議の対象となるということで、鋭意、今、交渉中ではないかと思っています。
私もインドネシアに行って、もし、向こうの担当者と会える機会があれば、是非そのことも訴えていきたいと思っています。
Q
知事、その牛肉以外で、トマトとか、果実とか、いわゆる農産物で、インドネシアもかなり経済成長しているということなんで、更に駐在日本人もいらっしゃると思うんですけれども、そこらへんの輸出というのは、あまり考えていらっしゃらないということですか。
蒲島知事
まず、今の懸案事項を解決して、1つ門戸が開かれると、他のものもやっぱり流通組織ができますので、それに沿って輸出できるのかなと思っています。
たぶん輸出ってそういうものだと思うんですね。
一番得意なところから入っていって、それでこれもありますよ、ということが大事だと思っています。
質疑応答
くまもと県南フードバレー構想について
Q
すみません、フードバレー構想の推進についてお伺いしたいんですけれども、構想策定から2年が経過して、奇しくも今日は研究開発拠点施設がオープンするということがありまして、企業立地とか、農業参入なんかも着実に増えているようなところとお見受けしますけれども、取組状況と成果について知事のご見解をお伺いしたい。
蒲島知事
このフードバレー構想というのが実際に始まってまだそれほど長くはありませんけれども、成果は次々とあがっているんじゃないかなと思っています。
なによりも県南の方々の意識の高さですかね、一緒に参加してやるぞという、それと企業の方々の参入、こういうのが進んでいますし、それからアグリビジネスセンターがとてもいい仕事しているなと思うのは、農産物を輸出する時に冷蔵船というんですかね、そういう試験を始められたということですので、もし冷蔵コンテナが成功すれば非常に新鮮なまま、飛行機によらない輸送が可能になっていくと思います。
そうしたらもう少し値段が下がりますので、競争力が高まっていくのかな(と思います)。それもフードバレー構想の中で今やっていますから、県南の農産物に今から光があたっていくと思っています。
今までもとてもいい農業をされておりますけれども、海外展開という1つの大きな柱が出てくると(思います)。また企業参入もとても盛んであります。そういう意味で私はフードバレー構想というのは蒲島県政の1つの「華」ではないかと思っています。
(幹事社)
すみません、各社さんそろそろ時間ですけれども、よろしいでしょうか。
それでは会見終わります。ありがとうございました。