本文
平成27年 4月16日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成27年4月16日(木曜日)10時00分から
場所:知事応接室
動画
動画はこちらからご覧いただけます。<外部リンク>
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
コメント
発表項目
報告事項
質疑応答
- 熊本県版タイムラインの策定について
- 市街化調整区域における開発許可の運用見直しによる遊休公共施設の有効活用について
- 土砂災害危険住宅移転促進事業について
- 県議会議員一般選挙について
- アシアナ航空機着陸事故の影響等について
コメント
くまもと歴史の小路~HiGO!TRAIL~について
蒲島知事
蒲島県政の2期目の総仕上げにあたり、これまで種をまき、育ててきた「華」を咲かせていかなければいけません。
本日の記者会見では、「華」を咲かせるための、全国に先駆けた熊本独自の取組みについて、いくつか発表いたします。
まず1点目に、「くまもと歴史の小路~HiGO!TRAIL~について」です。
これは私が暮らしていたボストンのフリーダムトレイルというものをイメージして知事マニフェストに掲げていた「くまもと歴史の小路~HiGO!TRAIL~」が熊本市の協力のもと、このたび完成いたしました。
「HiGO!TRAIL」とは、熊本駅から古い町屋などが残る新町・古町、熊本城へと続く2.6キロメートルの道で、歩道上の案内表示を見ながら散策することで、熊本の風情あふれる通りや建物を眺めたり、そこで培われてきた文化に接することができます。
私も4月24日の9時半から自分の足で歩いてみるつもりです。
是非、記者の皆様にも歩いていただき、熊本の歴史・文化の良さを再発見していただきたいと思います。さらに、多くの県民の皆様や熊本を訪れる方々にも愛していただけるよう、紹介していきたいと思いますので、御協力をお願いします。
コメント
認知症サポーター養成率6年連続日本一達成について
蒲島知事
2点目に、うれしい報告です。
本県の認知症サポーター養成率が、6年連続で日本一を達成いたしました。
本県の認知症サポーター数は、平成27年3月末時点で、22万2,604人となりました。実に県民の約8人に1人が認知症サポーターということになります。
蒲島県政では、「新4カ年戦略」において、県民の「安心を実現する」ため、認知症サポーターが日本一活動する県を目指しています。
サポーターの養成を進めた結果、徘徊されている認知症高齢者の早期発見につながった事例なども出てきています。
今後も、小中学校、スーパー、金融機関などに向けたサポーター養成や認知症の方の見守りを中心としたサポーター活動の活性化に力を入れていきたいと思います。
今年9月には、熊本において認知症アジア学会も開催されます。
養成率日本一の認知症サポーターの活動状況や、「熊本モデル」と呼ばれる認知症医療体制など、熊本の先進的な取組みを積極的に国内外に発信して参ります。
発表項目
土砂災害危険住宅移転促進事業について
蒲島知事
3点目に、「土砂災害危険住宅移転促進事業について」です。
県では、県民の「安心を実現する」ため、平成28年度末までに土砂災害警戒区域の指定完了を目指しています。
そこで、指定後の土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーン内に居住されている住民の方々の安全・安心のために、今年度、県単独費による「土砂災害危険住宅移転促進事業」を創設しました。
この事業は、幅広くレッドゾーンの中に居住する方々が、安全な区域へ移転することを支援する事業です。
危険地区から移転することによって、安全を確保するだけでなく、移転先の集落への集積を図ることになります。
地域コミュニティの活性化、さらには、生活の利便性向上や住民サービスの充実にもつながると考えています。
具体的には、レッドゾーン内の住宅に対して、集団移転などの条件を付けず、1戸でも補助の対象とする点や、急傾斜地のみならず、土石流、地すべりのレッドゾーンも幅広く補助の対象とする点において、全国初の取組みとなります。
補助金の内容は、住宅除却費、それから住宅の建設購入費、移転先のリフォーム費等について、市町村を通じて300万円を上限に補助します。
また、一定の条件を満たした場合には、既存制度の「がけ地近接等危険住宅移転事業」と併せることによって、最大1100万円の補助が可能となります。是非、ご活用いただきたいと思っています。
今後、この事業を広く県民の皆様に知っていただくため、来週から市町村への説明会を皮切りに、広報活動を行います。
7月上旬には市町村において住宅移転促進事業の受付が開始できるよう、取り組んで参ります。
発表項目
市街化調整区域における開発許可の運用見直しによる遊休公共施設の有効活用について
蒲島知事
4点目の発表です。このたび、市街化調整区域の遊休公共施設を有効活用できるよう、開発許可の運用を見直しました。
例えば、廃校となった学校を活用して、民間企業の事務所として貸し出そうとしても、都市計画法を踏まえた県の取扱方針上、認められませんでした。
そこで、県では、開発許可制度の検証等を行い、開発審査会の審議を経て、市町村が所有する遊休公共施設全般について、一定の要件を充たす場合に、民間事業者への貸付けによる有効活用の道を開きました。これも全国で初めての取組みとなります。
今回の運用の見直しにより、民間の活力を生かした地域福祉の充実や雇用の促進が図られ、地域の活性化につながることが期待されます。これは地方創生の観点にも沿ったものです。
これからも、市町村と連携しながら、熊本独自の地方創生の取組みを展開して参ります。
報告事項
熊本県版タイムラインの策定について
蒲島知事
最後に「熊本県版タイムラインの策定について」です。
今回、市町村や警察、消防などの防災関係機関と連携して、「熊本県版タイムライン」を策定いたしました。
タイムラインとは「防災行動計画」のことであり、台風のように、事前の予測が可能な災害に対して、被害の発生を前提として、対応策をあらかじめ準備し、いざ発生した場合に実行するものです。
防災・減災を実現する上で、特に有効な手段の一つであると捉えています。
そこで、県を含む防災関係機関や県民の皆様がとるべき防災に向けた行動・対応策を共通の時間軸で整理し、今回「熊本県版タイムライン」として策定しました。
例えば、昨年7月に九州に上陸した台風第8号の際には、上陸2日前に県災害警戒本部を設置し、全庁的に台風への備えを徹底しました。
また、市町村長に文書による注意喚起を行い、併せてマスコミを通して県民の皆様に台風への備えと予防的避難を呼び掛けました。
1日前には、市町村においても避難勧告が発令されるとともに、避難所が開設されました。
当日は、県内の多くの学校で休校措置がとられ、公共交通機関も運休の措置がとられております。
このような時間の流れによる対応をあらかじめ整理し、今回タイムラインとしてとりまとめました。
今後は、適時・的確な防災対応が着実に実施されているか確認するためのチェックリストとしても活用するほか、関係機関同士の連携強化にもつなげていきたいと思っています。
熊本県版タイムラインの特徴は次の3つであります。
一つ目は、大雨、台風を想定したタイムラインとして策定したのは都道府県レベルでは全国初の取組みです。
二つ目は、市町村、国等の防災関係機関、民間団体など、合計49機関が策定に参加しており、幅広い機関との連携のもとに策定しました。
三つ目は、県独自施策である「予防的避難」もタイムラインの項目として組み入れました。
県としては、今後、策定したタイムラインを活用し、適時・的確な防災・減災活動に取り組んで参ります。
本日の発表は以上です。
質疑応答
熊本県版タイムラインについて
(幹事社)
はい。ありがとうございました。
発表項目いくつかありますので、幹事社からの質問を割愛しまして、まず発表項目に関して各社からの質問をお願いします。
Q
はい。
ではすみません。
蒲島知事
はい。
Q
熊本県版タイムラインの策定についてなんですけれども、従来にも出水期の前には地域防災計画というのが作られていると思いますが、それとの大きな違いというのは何なんでしょうか。
蒲島知事
同じ時間帯、また同じ時間軸といいますかね、それに沿って各機関がどのように行動すべきかというのを明解に示したことではないかと思います。
それがまさにタイムラインの特徴ですけれども、それから先ほども申しましたように、これは全国初の取組みでありますので、そういう意味ではこれから有効に活かせるんじゃないかなと(思います)。特に予防的避難という概念も、これまでもありましたけれども、どの時点で予防的避難をするかというのを、各機関が共有できる、時間帯も共有できる、そういう意味で時間の軸を共有化したことが大きいんじゃないんですかね。
Q
その予防的避難という概念を、もっと具体的にその時系列で定めているというところが今回知事としてメリットが大きいと。
蒲島知事
他の行動もそうですけれども、ただいろんな行動があるけれども、予防的避難という概念は熊本県が先行して考えた案なので、それをこの時間軸の中に入れたということですかね。
ただ、これは皆さんも県民の方々にわかっていただかないといけないので、是非、マスコミの方のご協力も得たいなと思っています。
Q
県としてそのタイムラインのこの流れをなにか、例えばホームページなんかで公表するとか、そういう何か動きはあるんですか。
蒲島知事
ホームページの中にも、掲載する予定です。
そして、是非これを周知していきたいなと思っています。
とりわけ大雨とか、台風とかいうのはある程度事前の予測ができますよね。
そういう意味ではこれが有効に働くんじゃないかなと思っています。
ただ、突発的な事故、それに関しては、例えば鳥インフルエンザのようなああいう対応はやっぱり、見事に熊本県庁の職員がやってくれたように、リスクを恐れず、初動を大事にするということだと思います。
ただ、これ〔※熊本県版タイムライン〕はある程度予測する(ことが可能)という意味でのタイムラインということですね。
Q
例えばすみません、阿蘇山の噴火なんかにちょっと難しい対応ですかね。
蒲島知事
だから、平時から難しい、突発的な事故というものですけれども、平時から避難準備計画のシミュレーションなんかが必要になってくるんじゃないかと思っております。
これはあくまで、大雨と台風災害の場合であって、それ以外の場合はなかなかこれにそぐわないですよね。
ただ、シミュレーションをやっておけば、あるいは訓練をやっておけば、鳥インフルエンザのような対応も可能だし、それが今熊本の取組みが全国的な取組みになっているんじゃないかなと思っています。
Q
知事、すみません、このタイムラインなんですが、確認ですけれども、もう今年の梅雨時期とか台風シーズン、雨が予想される、それから台風の接近が予想される時、これを運用していくということですか。
蒲島知事
今日もうタイムラインを発表いたしましたので、当然今年の台風からそれが適用されると思いますけれども、担当者のほうそれでよろしいですか、時期は。
(事務局)
はい。関係機関にはすでに市町村もはいっていますので、すべて。
Q
すみません。これのタイムラインの動きなんですけれども、市町村の動きもある程度これに沿ったかたちでしばられていくというかたちになるんですか。
蒲島知事
それぞれの視点に立ってタイムラインの作成が必要になってくるかもしれませんけれども、これは市町村の参考には十分なるんじゃないかと思っています。
Q
あくまで参考程度、参考ということでよろしいんでしょうか。
蒲島知事
これは強制はできませんよね。
(事務局)
ただ、知事も申しましたように、時間軸で全部流れていますので、その時点で県がどんな動きをしているのか、例えば消防本部がどういう動きを始めているのかというのが市町村のホームページで見れるようになりますので、併せて自分達の行動も整理して準備していただくということになるかと思います。
蒲島知事
そういう意味では各機関がこの時間軸に沿ってどう行動すべきかというのは、大体それを見るとわかるんじゃないんですかね。
Q
一つ心配しますのは、これがあるがゆえにしなかった時に対する根拠であったり、これがよりどころになってしまうと困るなという思いがある。
蒲島知事
それは確かにあります。
例えば私が気付いた対応では、危機の対応でいうと、さっき出てきた鳥インフルエンザの時ですけど、普通は簡易検査を県でやって、それ(検査結果)を国に送って、国の検査で陽性〔※国が陽性であると確認〕だった時に初動が始まるんですけれども、今回はそれを、「皿を割れ」という精神でもって県の段階で出動計画をしましたよね。
だからそういう時にこれ〔※熊本県版タイムライン〕があるから、まだ大丈夫だというふうに、そういうふうな使い方は、怖いといえば確かに怖いですよね。
だからそこではやっぱり日頃の研ぎ澄まされた危機対応というんですかね、それを持ちつつ、大体こういうふうな流れになっていることがわかることが大事ですね。
とても、素晴らしいコメントありがとうございました。
質疑応答
市街化調整区域における開発許可の運用見直しによる遊休公共施設の有効活用について
Q
知事すみません。市街化調整区域の遊休公共施設の活用についてですけれども、これは地方のほうでは生徒数が少なくなったりして廃校になった所を公民館的な活用をしたり、あるいは企業に貸し付けて事業活動に使ったりする例があると思いますけれども、これはやっぱり基本的に想定されるのは、廃校跡などを民間の事業者に貸し付けるようなかたちが想定されるんですか。
あとどういうのが想定されるんでしょうか。
蒲島知事
一番それがわかりやすい例としてあげたんですけれども、廃校が人口減少によって増えています。
それを一般の企業の事務所とか、あるいは福祉サービス等そういうものに貸し付けることによって雇用の場の創出と、福祉の充実、或いは地域コミュニティーの活性化に寄与するのではないかなと思っています。
この遊休の公共施設全般を対象として運用するのは、先ほどいいましたけれども、本県が初めてであります。
これを厳しく都市計画法に沿ってやると、市街化調整区域では難しいんですけれども、それを見直すということでありますので、それによって大分活性化とそれから雇用と、福祉の充実に貢献するんじゃないかと思っています。
Q
市街化調整区域といいますと、熊本都市計画区域のいわゆる熊本の市街地周辺部というのが大体想定されるかと思うんですけれども。
蒲島知事
大体感じとしては熊本市ですよね、熊本市は政令市でありますので、独自で許可を行うことができます。
ただ、その周辺の合志市、あるいは菊陽町、嘉島町、それから益城町、このあたりですかね。
Q
これはやっぱり地元市町村というか、町ですかね、地元町からの要望等もあっていたわけですか、こういう規制緩和といいますか、活用したいと。
蒲島知事
個別には、そういう問い合わせというか、相談というのは寄せられてまして、県民の幸福量の最大化というのが一番大事な視点でありますので、私も常日頃から規制・管理・指導そういうものはあくまで手段であって、県民の幸福量の最大化に最大限の重点政策を置こうと思っていますので、そういう政策の流れの中でこういう運用見直しということになったんだと思います。
質疑応答
土砂災害危険住宅移転促進事業について
Q
知事すみません、土砂災害危険住宅移転促進事業ですが。
蒲島知事
はい。
Q
極端な言い方をすると、レッドゾーンの中に今住んでいらっしゃる方、世帯とか、お家というのは、最終的には(レッドゾーン)以外の地域に住んでくださいという捉え方でよろしいんでしょうか。
蒲島知事
例えば、土砂災害を完璧に防ぐためには、全ての危ない所に砂防ダムをつくりますよね。それはでも巨大な費用ですよね、そして安全とも言えない。
安全とも言えないというのは、想定外の土砂災害が起こったり土石流が来た時なんかは対応できない。だから、むしろそこから安全なところに移ってもらうと、それが私は重要な視点じゃないかなということで、熊本県独自にこの移転費の補助を行うと(いうことです)。そして他の条件が許せばですけれども、他の政策と組み合わせることによって、1100万ぐらいの補助も得ることが可能だと(いうことです)。だからイメージとしては、そういうとても危ない所から、同じ村のたくさんの集落のところに家を建てたり、あるいは空き家があればそれを使って移転したり、そういうことがより可能になるように行う政策です。
Q
知事、レッドゾーンに、現在熊本県内で何戸こういう世帯がありますか。
蒲島知事
今、指定が60.6%しか進んでいませんけれども、7,578箇所土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンが存在します。
その住宅は10万753件です。
これが現在のところレッドゾーンの中にある住宅です。
ただ指定が60.6%ですので、これが完了したら、もう少し増えることになります。今の説明でよろしいですか。
(事務局)
はい。住宅の数はですね、1万753戸でございます。
質疑応答
県議会議員一般選挙について
(幹事社)
では、すみません、発表項目以外の質問もありましたら、この後どうぞ。
Q
知事よろしいでしょうか。
蒲島知事
はい。
Q
昨日県議選が終わりまして、新しい県議さんが決まられたんですけれども、結果を見ますと現職の方が9人落選されまして、うち7人が自民党ということでした。
あと民主党がお1人議席を増やして2になりましたけれども、全体的な県議会の情勢は大きく変化しないという結果だったかと思いますけれども、今回の県議選を振り返って知事が印象に残られたこととか、そういったことのお話をお願いいたします。
蒲島知事
はい。現職の方の落選という内容を見ますと、そこの首長さんとの対立みたいな構図があったんじゃないかなと(思います)。それが今回多くの落選に結びついたというふうに思っています。
とりわけ自民党の議員さんの現職の方が落選した場合ですね。
2番目にとても競争率が大きかった選挙区、特に熊本市の2区ですか、こういうところでは誰かが落ちらざるを得ないようなそういう選挙戦であったというのも大きかったような気がします。
そういう意味では、一つは首長さんとの戦い、2番目に激戦区があって、当然そこでも現職が落選せざるを得ない状況にあったと(思います)。
そしてまた民主党が1人から2人になられましたけれども、民主党のその激戦区においてもかなり強い戦いをされたんじゃないかと思っていますけれども。
私がバッファープレイヤー〔※基本的に自民党政権を望んでいるが、政局は与野党伯仲がよいと考えて投票行動を行う有権者。〕とよんでいますけれども、バッファープレイヤーの人たちが民主党をすこし応援したのかなという分析もしています。
Q
あともう一つ、投票率のほうは、残念ながら50.24%ということで、また過去最低を更新しました。
前回は震災直後ということで52%だったわけですけれども、今回はそういう事情がないにも関わらず更に下がってしまったということになっております。
知事から見られて、この投票率の低下傾向と、これを戻していくためにはどうしたらいいかという考えがあれば。
蒲島知事
私は、投票率も含めた政治参加という本を書いています。それで投票率に大きな影響を与える要因は何かと考えてみますと、私の分析では、政治参加のコスト感覚というんですかね、これが一番投票率に大きな影響を与えている。
結局、自分が行っても行かなくても結果は同じじゃないかと、そういうふうな感覚が1つ、2番目に大きな政治的な意識というのは義務感なんですね。投票義務感、これがとても大きく関与している。
3番目が地域愛着度。地域をどのくらい愛しているか。次が政党支持の強度。そして次は政治的関心という具合にきているんです。
だから投票率をYとすると、一番大きなXの値はコスト感覚。2番目に大きな要因は義務感、3番目は地域愛着度、4番目が強度、政党支持の強度、政治的関心、そういう意味ではみんなが下がってきているような気がするんですよね。このXの値が。
まず投票に自分が行かなくてもいいんじゃないかと考える人が増えてきた。そして義務感というのはこれまであんまり学校でも教えなくなったんですね。投票義務感。投票に行くべきだと。それもあるのかなと。
地域愛着度はたぶんあると思いますけれども、特によそから移転してきた方々は低いんですよね。例えば、熊本市から周辺の市町村に移転した人、新住民といいますけれども、だからそういう方々は地域愛着度も低くなる。
政党支持もだんだんだんだん弱くなっていると。政治的関心も政治的にそれほど関心を持たない人が増えてきたというので、ずっと下がってきていると。
ただ今回の問題で、1番私が危機感を持つのは、熊本市議選とそれから県議選が同じ日にされましたよね。
これは投票のコスト感覚からいうと1回で2回の選挙に行けるので、それほど下がらないと思うんですけれども、それでも両方下がったということは、これはある種の統一地方選挙なんですけれども、そういう意味でも、統一してもあんまり上がらないのかなという気がしました。
そういう意味で、やはり地味なことであっても義務感を教え、そしてみんなが地域に愛着をもてるような政治をおこない、関心も高いような、そういう政治をするべきかなと私自身も思った次第であります。
Q
知事関連して、すみません。
今の挙げられた中に、無投票の選挙区があったというのはどれか関連しますか。
蒲島知事
やはり無投票だとですね、常に選挙をする習慣ですよね、それがあるところで絶たれるんですよね。そういう意味でいうと今回は(投票に行かなくて)いいかとなりますので、常に投票率の観点からいうと、無投票の選挙区があると、そこはまた次は下がる可能性があります。
無投票だと選択がありませんので、有権者にとっても選択がないという選挙です。
Q
すみません、関連してですけれども、今、義務感とかいう話をひとつされましたけれども、公選法の改正で、選挙年齢が18歳までに引き下げられる方向になっておりまして、早ければ来年の参院選からもといわれておりますけれども、そういう意味では学校現場において、こういう義務感、政治主権者教育といいますか、そういうのをやっていかないと当然子ども達の投票率のアップといいますか、高い投票率は期待できないと思うんですけれども、ただでさえ20代低いんでですね、知事はその辺どういうふうにいかが思われますか。
蒲島知事
はい。18歳からになると、やはり学校で今いったような投票率に影響を与えるような要因というのを気にかけなきゃいけないと思うんですね。
ただ学校の先生というのは意外と、その政治的な話というのは最近されないんじゃないかなと思うんですよね。
むしろ政治からは距離を置いていく。そういう意味では18歳から選挙に行くという習慣をつけることが大事なので、やはりさっき言った、政治的な義務感であるとか、あるいは政治的な関心であるとか、そのようなことをある程度学校の教育の中でも教える必要があるんじゃないかなというふうに思います。
このままどんどんどんどん投票率が下がっていったら、つまり一部の人しか投票しないと(いうことになります)。そうすると一部の人の投票によって政治が決まっていくという状況になりますよね。
この投票義務感というのは、戦後なかなか教えなくなったんですけれども、オーストラリアなんかは投票義務ですから、行かないとたぶん罰金をとられるんじゃないかなと思うんですよね。
それはもう一番徹底した投票義務感ですけれども、だから投票は義務だという国もあるんですね。
Q
そういうのも必要だということですか。
蒲島知事
そういう強制的なものじゃなくて、民主主義を守るためには、自分たちの参加が必要だという、そういう義務感の教え方というのはあるんじゃないですかね。
Q
知事、すみません。
先ほど分析をいただいたところなんですが、今回の県議選の結果が、メンバーも変わることになりますが、県政の影響をどのように知事としてお考えになっていらっしゃるか、それが1点、もう1点、投票率の低下で、いわゆる二元代表であるところの議会の存在感の低下というのが言われて久しいところなんですけれども、今回のこの投票率の低さというのが、二元代表にどんな悪影響をおよぼすのか、悪影響じゃないのかもしれませんけれども、どういう影響を与えると思っていらっしゃるか。
蒲島知事
投票率の低下が何に影響を与える(と言われましたか)。
Q
二元代表のそのなんていうかバランスに影響をあたえるものがあるのではないかと。
蒲島知事
バランス。皆さんもご存知のように、私は各政党とはまた各会派とは等距離でこれまで行ってまいりましたので、この結果が県政に影響を与えるということは考えていません。
私もこれまで県議会の先生達に敬意を表してまいりましたし、今からもすべての会派の先生達に敬意を表して、そして二元代表を成功裏に、車の両輪として議会と執行部が進んでいかなきゃいけないなと思っています。
とりわけ蒲島県政の中で、私自身がとてもよかったなと思うのは、「チーム熊本」として議会とそれから国会議員の先生と、それから執行部がいろんな対応をやってまいりました。
国に対する要望とかですね、そういうものもこれから続けていきますので、投票率の低下によってこれまでのバランスがくずれるとか、そういうことはないと思います。
Q
知事、すみません、しつこい質問なんですけれども、「チーム熊本」というのは、自民党さんはおっしゃいますけれども、他の政党さんはおっしゃってないですよね。
蒲島知事
私は例えば民主党政権の時は、それは民主党の先生も、どこの政権がどこの政党にあるかによってかたちは変わるかもしれませんけれども、議会の先生も一緒にやっていくと。そして、執行部と議会とチームを組んで、そしてその県選出の国会議員の先生も一緒にやってもらうということで、政党を超えたところでの「チーム熊本」だと私は捉えています。
質疑応答
アシアナ航空機着陸事故の影響等について
(幹事社)
他はいかがでしょうか。どうぞ。
Q
広島空港で起きたアシアナ機の事故についてお伺いしたいんですけれども、標高が高い場所にあって、霧が発生しやすくて、「カテゴリー3」というシステムを導入しているというのは熊本空港と通じるところがあると思うんですが、知事はあの事故をどういうふうに受け止めていらっしゃるのか。
蒲島知事
これから事故の原因の解明が成されていくと思います。それは人為的なものか、或いは性能的なものか、あるいは空港側にあるのか、そういうことが解明されてきて、それを十分にエアラインというのは参考にして、こういう事故が絶対起こらないような方策をとるということが大事だと思っています。
私の率直な考え方はそうです。ただ、まだちょっと何が原因なのか本当にわかっていませんので、その原因究明が一番大事なことではないかなと思っています。
その原因究明の中で、熊本空港がすべきこと、或るいはパイロットがより気をつけなきゃいけないこと、そういうことを教訓として学んでいくんじゃないかと思っています。
幸いにして、死亡された方々がおられなかったのがとても嬉しく思いました。
飛行機事故というのはどうしても人身事故が多いので、今回あれで留まってくれてよかったなと思っています。
それからアシアナ航空は熊本も飛んでいますので、アシアナ航空もきちっと原因究明と、これから得られた教訓等をを活かしていただきたいと思っています。
(幹事社)
よろしいですか。
ではこれで終了いたします。
蒲島知事
ありがとうございました。