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平成22年 2月17日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006476 更新日:2010年2月17日更新

日時:平成22年2月17日(水曜日)午前10時00分から
場所:知事応接室

発表項目

質疑応答

発表項目

鞠智城イメージキャラクター「ころう君」着任について

報道資料(PDFファイル:27KB)

蒲島知事
 本日は発表項目は3つあります。まず昨年10月に誕生しました、鞠智城イメージキャラクター「ころう君」が着任いたしましたので、皆さんに紹介したいと思います。

 「ころう君」です。どうぞ。

鞠智城イメージキャラクター「ころう君」の写真

 では「ころう君」を紹介します。「ころう君」は防人をモチーフに、鞠智城のシンボルである八角形建物、この頭の上ですけれども、それと鞠智城の特徴的な「鞠」の文字、鞠智城を全身で表しています。

 私も昨日初めて会いましたけれども、ご覧のとおりとてもかわいい、また人気者になってくれるのではないかなと確信しました。

 今日はここで「ころう君」に2つの特別任務を与えたいと思います。

「ころう君」と握手をする蒲島知事の写真

 まずは鞠智城広報活動です。鞠智城の国営公園化実現のためには、知名度のアップは欠かせません。鞠智城国営公園化推進など、様々なイベントで活躍し、鞠智城の知名度を飛躍的に高めてもらいたいと思います。

 なお、最初の任務は3月に開催される九州新幹線全線開業を記念した事業の『春のくまもとお城まつり』への参加です。鞠智城をPRしてきてください。

 次に、鞠智城の温故創生館の巡回警備活動です。鞠智城・温故創生館では、百済系菩薩立像レプリカの常設展示が始まっています。そこで警備強化のために、イベント出演のない週末や休日は※巡回警備にあたってください。(※実際は、巡回のみを行います。)

 では「ころう君」、しっかり頑張ってください。

(拍手)

発表項目

県産米粉を活用した大手企業の商品化決定について

 2番目は「県産の米粉を活用した大手企業の商品化決定」についてです。

 この度、山崎製パン熊本工場から熊本県産の米粉を使用した新商品が発売されることになりました。

県産米粉を活用した大手企業の商品の写真

 発売日は3月1日です。

 商品パッケージには、熊本県産米粉使用の明記やくまもと米粉応援キャラクター「米咲かじいさん」がデザインされており、県内初めての大手企業による商品化です。

 県としても「稼げる県くまもと」を目指して、誘致企業へのフォローアップにも力を入れております。山崎製パンでの商品化にあたりましては、去る1月18日に私自身が山崎製パン本社を訪問して飯島社長とお会いし、県産米粉の売り込みを行いました。今回の商品化は、このような県の取組みが実を結んだ成果であると思っています。

コメントする蒲島知事の写真

 私も先日試食させてもらいましたけれども、とても美味しくいただきました。皆さんも是非試食してください。どうぞ食べながら聞いてください。

発表項目

知事特命「景観形成プロジェクト」について

 次は3番目、「知事特命の「景観形成プロジェクト」」について発表します。

 昨年5月、九州新幹線沿線と阿蘇くまもと空港周辺の景観形成について検討するプロジェクトチームを設置いたしました。

 本日はこのプロジェクトの成果等についてご報告します。

 まず第一は、新幹線で熊本にいらっしゃる方々をどのようにおもてなしするかというための取組みです。

 まず、福岡からトンネルを抜けて玉名に入ります。そして玉名、宇城、八代など新幹線沿線の各地域で利用されていない農地を活用しながら、菜の花やレンゲなど目を楽しませる作物を栽培したいと考えておりました。今後、この取組みの拡大に努めていきます。

 それから屋外広告物については、新幹線開業前から規制を行えるよう条例改正にも取り組んでいます。また、商業地域等においても一般広告物を規制し、景観の保全を図りたいと考えています。既に景観形成や屋外広告物の規制に取り組んでいる阿蘇くまもと空港周辺については、景観指導や法令違反の屋外広告物に対する指導を強化します。

 今後は品格ある景観形成を進めていくために、県民運動を展開していきたいと思っています。

 これらの詳細につきましては、本日午後、景観形成プロジェクトのリーダーから説明をさせていただきますので、是非皆さんに聞いていただきたいと思います。

 以上3つが私からのコメントです。

質疑応答

荒瀬ダムについて(1)

(幹事社)
 発表項目について何かありますでしょうか。

 よろしいですか。

 幹事社の方からお伺いしたいんですけれども、荒瀬ダムについてなんですけれども、まず水利権をいつ申請するかとかがこれからの重要なポイントになってくるのかなというふうに思うんですけれども、そのあたりの考え方を知事の方からお願いします。

蒲島知事
 前回の記者会見で申し上げましたように、私の決断は荒瀬ダムの撤去ということになりました。

 この撤去の方針について本当かというお問い合わせ、あるいは疑問もありますけれども、私が撤去と判断した理由も前回述べましたように、撤去をすることによってこれ以上県政に混乱、それから県民の皆様の対立、そういうものを長引かせたくない。

 当然、存続という声もありました。既に存続を表明したのであれば国の意向とも戦ってでもいいから、あるいは裁判をしてでもいいから存続すべきだという声もありました。

 しかし私は、知事として総合的に考えて、それは取るべきではないと。そして存続という道を閉ざした後は、では撤去にどのようにして取り組んでいくかというところに可能性と活路を見いだすべきだと。そういうことで今、その一つとして企業局が持っている撤去に向けた貯金といいますか、あるいは蓄えを少しでも撤去のために取っておく、あるいは少しでも発電をしながら積み立てていくと。それが撤去ということに対しての経済的な、完璧にそれだけでその資金が確保できるわけではありませんし、他との組み合わせもありますけれども、一つの方法であると考えました。

 それで2年間、どう考えても本体撤去にかかる時間があります。勿論撤去は方針を決めましたので、来年度予算から撤去の費用は見込んでおります。

 そういう意味では2年後に撤去というのは本体の撤去であって、それまでの様々な撤去の事業はもう来年度から始まるということであります。それを引き返すことはできませんし、そのように私は決断しました。

 ただ、皆さんもご存知のように熊本県の経済状況はとても悪い。それから熊本の財政状況も悪い。

 その中で少しでも、その2年間をダムを有効利用したいという形で今、発電のための水利権の申請を準備しています。その方向で今進んでいるところです。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

(幹事社)
 具体的な時期等については。

蒲島知事
 まだ時期については、具体的に特定できてはおりません。ただ、なるべく早くということで考えております。

(幹事社)
 これまでの考え方としては今月中とかというふうに知事はおっしゃっておられたような、と思うんですけれども。今月中は変わりないということですか。

蒲島知事
 具体的にこの日ということは、ここではコメントできません。いろんな総合的な判断をしなくてはいけませんので。

(幹事社)
 総合的な判断というのは、要するに漁協とのやりとり…。

蒲島知事
 はい、様々な面があります。

(幹事社)
 じゃそれを含めると3月にずれ込んだりすることも可能性の一つとしてはあるかなというところなんですか。

蒲島知事
 少ないでしょうけれども、可能性の一つではないわけではない。ゼロではないということですね。

(幹事社)
 それと、地元の説明会が次々に行われて、そこで知事に地元に入って直接説明してもらいたいという大きな声が出されていたわけなんですけれども、そのあたりの知事の今のお気持ちですね、そういう大きな声があるということについてはどういうふうに感じていらっしゃいますか。

蒲島知事
 荒瀬ダムについては、まず撤去という方向が前知事で決まっていました。それを一度立ち止まって考えるという形で凍結、そして2008年の11月に存続という方向を決めました。それを大きな外的条件といいますか、そういうこともあって、今回また撤去という方向に舵を切ったわけですけれども、それについての説明責任は当然あると思っています。

 そして、その説明について、私も地元の、特に、旧坂本村の方々へ説明を行う機会があれば、是非地元に入りたいと思っています。

 そこでこれまでの経過もそうですけれども、私は存続から撤去に今回舵を切った大きな理由というのは、2回坂本村の方と話をして地元にも入りました。そして、坂本村の方々とも何度かここの場所でもお会いしましたけれども、撤去の思いが強いということはずっと私の心の中に残っておりました。

 そういう意味では、今回は地元の方々の願いに添った判断を私はしたと思っておりますので、是非そのことをご理解いただきたいということと、それからなぜ2年なのかと言うと、やはり安全性を考え、それから環境のことを考えると、私自身も不安なんです。

これは日本で初めての取り組みです。テレビで見ますとアメリカでダイナマイトで爆発していますけれども、ああいう撤去は当然あり得ません。初めての撤去で、どのように50数年間自然の中にあったダムが自然に影響を与えるのか、あるいは安全に撤去できるのか、その不安が私にはあります。

 そういう意味も込めて安全性の確保、環境の影響、これをしっかりとやはり検証したうえで、そして国の協力を求めながら撤去すべきだと思っています。

 すぐ撤去に入るべきだという声もありますけれども、私は2年は最低でも必要ではないかと思っています。そのくらい、解らないことが多いし、私自身も不安でもあります。

 当然、その準備のために来年度から撤去の予算がつきますけれども、本体工事が本当に始まるのは、遅くても2年はかかるのではないかと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

(幹事社)
 確認なんですけれども、先程坂本村の地元に入りたいというようなことをおっしゃったと思うんですけれども、それは要するに直接行って、もう入る方向で調整しているということなんですか。

蒲島知事
 はい、現在調整しておりますので、近く坂本村の方々とお話できる機会が訪れると思います。

(幹事社)
 時期的には今月中にもということですか。

蒲島知事
 はい、今2月ですよね。

(幹事社)
 漁協の方とかとも、当然その場とかで一緒にお話をされたりとか。

蒲島知事
 坂本村の方々のご意見をテレビや県庁の方々の報告からお聞きしており、私の口から直接今度の判断を聞きたいというお申し出がたくさんありましたので、それにお答えしたいと思っています。

(幹事社)
 幹事社の方からは以上です。各社ございましたらお願いします。


 確認ですが、坂本町に知事ご自身が入られるんですか。

蒲島知事
 はい、そうです。


 時期ですけれども、水利権の申請前になりますか。

蒲島知事
 当然です。


 申請前の2月中に坂本村に直接入られるということでいいですか。

蒲島知事
 はい、そのことも含めてお話しなくてはいけないと思っていますので。


 現段階で水利権申請を断念するという可能性はどの程度ありますか。

蒲島知事
 いいえ、断念することはありません。


 先程、水利権申請のタイミングとしては3月になることも可能性はゼロではないとおっしゃったんですが、先日漁協の水利権更新への不同意の決定の後のぶら下がりでは2月中に申請するということを明言されていたかと思いますが、そこの何か今の発言の変わったというところは何か理由があるのか。

蒲島知事
 はい、私が言いたいのは2月に当然水利権の申請をしたいと思っていますし、それは変わっていませんけれども、可能性がゼロかと言われるとゼロじゃないということを言っているだけです。坂本村に入って皆さんと話をして、そしてあらゆる同意への努力をすべきだと思っていますので。


 それが申請のタイミングへの、何か最終的な判断とお考えになるのですか、地元に入るということが。

蒲島知事
 だから地元に入るんです。

 そのことを踏まえながら入る、もう決めた後で入るということではありませんので。


 同意という話でいえば、どちらかというと球磨川漁協さんが関係するわけですけれども、ここで地元坂本村の方で重視されるというのは何か理由があるんでしょうか。

蒲島知事
 坂本村に行くことを考えています。


 先程本体撤去までには2年かかる。だからこそ発電をする必要があるんだというご説明だと思うんですけれども、坂本村の方々、この間現地でやはり私もご意見をうかがう中では本体撤去まで2年かかるのは、それは分かると。準備に2年間かかるのは分かるけど、その間発電事業を継続することが納得いかないと。水利権申請を改めてなさることには到底納得できない。

蒲島知事
 はい、2つあります。

 今おっしゃったように2年かかることについてはご理解いただけるというお話でしたし、その2年間、そこをどうするかということです。

 一つは、2年間発電所それからダムがある時に、それを維持するコスト、これをどこから出していくかというと、これは企業局の持っている、撤去に使われるべき貯金からどんどん目減りしていくわけです。

今私がとても困っているのは、今、政府にも求めている撤去費の確保です。撤去費用の確保は今でも100%それが可能かどうかというのは不安なところがあります。

 ただ、もう存続はなく、既に退路を絶ったわけです。そして2年後に本体工事をするというのも、もう決めたんです。だから後は安全性の確保と撤去技術の確立、そしてお金、資金の問題です。

 だから少しでもこの2年間発電をさせていただいて、県への負担が少なくなるようにするのが知事の役割ではないかと思っていますし、それをお願いしているところでもあります。

 それを最後までお願いする。その可能性に賭ける、それしか私には残されておりません。

 そういうことを踏まえて、今回の坂本町への訪問、それから私の決断へのご理解、大変難しい仕事かも知れませんけれども、それができないからといって諦める政治家ではいけないと思っていますので、最後まで努力をしていきたいと思っています。

 その撤去費用の確保が別からくれば、それは当然そういう可能性もあると思います。2年間管理をしながら、ほかの撤去費用の道を探るということもあるかも知れませんけれども、私は現実的には今ある発電を2年間だけさせていただいて、その間に工法の確立であるとか、安全性の確保、そういうものにすべて力を集中していきたいと思っています。

 もう退路を絶ったわけです。だからあと一つしか道はなくて、その道は撤去の4条件を満たすために努力していくかと。それしか残されていないというのが現状です。


 もう1点、その理屈と言いますか、現状は知事がおっしゃる部分、確かにそうであろうと思うんですけれども、地元の方々、球磨川沿線の方、八代海沿岸の方は、その理屈を超えたところで、いわゆる県に対しての不信、不満、不安、それは知事に対してということでもあると思うんですけれども、それを払拭するために、こういう理屈ですから理解してくださいでは、それでは納得できないという住民感情が今、渦巻いていると思うんですけれども。

蒲島知事
 私は同じような立場に直面したことが何度かあります。例えば川辺川ダムの白紙撤回を声明した時に、五木ダムの方々に一番辛い思いをさせてしまったと思っています。最大限の努力をして五木村の振興に邁進するということをお約束しましたし、県もそのように頑張ったわけですけれども、私も五木村に入ってお詫びをしました。

 私はあの時にやはり随分と厳しいお言葉をいただきましたけれども、五木村に入って自分の口で、私が決断したことについて皆さんにお話したことは良かったと思っています。

 同じようにやはり、それは理屈を超えた怒りだっただろうし、どんなに私自身の判断が合理的だというふうに言っても、それは受け入れられないものだと。そういうケースに知事としてはとても直面することが多いんです。今回の坂本町にも存続という方針を決めた後、2度私も訪れました。その時に私自身は誠実に自分の決定をお伝えしました。それもやはりとても辛い、政治家としてはこれは当然かも知れませんけれども、個人的に言うととても辛い仕事でもあります。

 その時は存続でしたから、坂本村の方々の希望に添うものではありませんでしたし、それから川辺川で五木村に行った時は白紙撤回ですから、これも五木村の方々に応えられるような話ではありませんでした。

 でも今回は、坂本町の方々の方向性と一致していると私は考えています。撤去という意味ではですね。そういう意味で撤去という方向に向かってより安全に、それからより環境に優しく、そして資金の確保も努力するというお話をすると思いますけれども、それにご理解していただけるというように願うしか、私としてはありません。

 ただ、前に行った時の苦しい気持ちよりも、今回は撤去という同じ方向を向くという意味では、今回坂本町に行くことに関して、心の痛みと言ったらおかしいですけれども、そういう面ではお許しいただけるのではないかという期待を込めて行きたいと思います。


 知事が一番のキーポイントというか、重要なところ、ゲートを開放すると、発電事業をしないと企業局の資産が目減りするというお話ですけれども、今の時点で2年間発電しなかった場合、企業局の資産がどのぐらい減るのかというのは、試算はどの程度されているんですか。

蒲島知事
 この具体的な数字については、後で事務局の方にレクチャーをさせます。例えば人件費についてはここにデータがありますが、人件費、市町村交付金、一般管理費、その他の減価償却などを含めると、平成22年度に必要な費用は3億3000万と見積もっております。

 これは発電してもしなくても減っていくというか、使われる費用です。これ以上発電すれば、これはプラスになっていきますし、これがゼロ発電であればゼロ、収益があればこれがそのまま費用となって重なっていって、撤去費用として貯めたものにひびくのかと思っています。
(※この発言の趣旨は、発電をしてもしなくてもダムの管理費用のコストがかかるが、発電をすれば撤去資金は目減りせず、収益があればその分上積みすることができるというものです。)

 正確な数字についてはまた、荒瀬ダムについての事務局からの説明をさせたいと思います。


 2年間で3億3000万円。

蒲島知事
 1年間です。


 知事今、撤去費用の話出ていますけれども、撤去費用の確保ということでいいますと、昨日村田副知事が民主党県連に対して、民主党県連を通じて撤去費用の確保という点で新たな交付金の増額でありますとか、撤去の新しい制度、これも対象に荒瀬ダムを加えることというのを要望されました。

 昨日、実は水利権に関しての要望というのは、その中ではされてなかったわけですよね。水利権についても、今までの前原大臣の見解からいきますと、4月1日以降、仮に申請したとしてもいわゆる許可するまでの期間がかかるということで、4月1日以降の発電の継続というのが困難になる可能性もある。それは変わっていないと思います。ということで2年間の発電という、今まさに知事が描いていらっしゃること自体が坂本の反発だけではなくて、対国交省という点においても、許可権者という点で、本当に実現できるのかどうかという非常にまだ不透明な状況なんですけれども、その点について、今後坂本へのそういった地元への説明という一方で、知事自ら、例えば前原大臣に対して県としてのお考えを直接伝える、理解を求めるということはどうなんでしょうか。

蒲島知事
 もう既に、前原大臣とお会いした時、それからその後の党への要望について、この件については県と国の見解の相違であるということを私自身が伝えております。

 ただ、国の方針からどのような形になるかというのは、これから総合的な見地から見なくてはいけないかと思っていますので、今回の水利権の、これまでの熊本県の考え方、そういうところをもう一度見直したうえで、水利権の申請にかからなくてはいけないと思っていますので、昨日の要望には入っていなかったということです。


 知事ご自身がまた改めて水利権の申請手続きをする前後になるかちょっと分かりませんけれども、そういった速やかな水利権の許可でありますとか、4月1日以降は発電ができるようにという配慮といいますか…。

蒲島知事
 もう少し歴史的に振り返ってみますと、県の企業局はこれまでも水利権については国土交通省と交渉をして、あるいは協議をしてきました。ただ今度、新しい水利権の考え方、それは、水利権は3月31日で失効する、4月以降取水する場合には別の水利権が必要だという判断が新たに示されました。

 この判断を受けて、水利権の申請について、あるいは許可手続きについて、河川管理者である九州地方整備局に相談、協議をしているところです。

質疑応答

アシアナ航空について


 話がちょっと変わるんですけれども、アシアナ航空撤退という話が出ていますけれども、この件に関して知事から何か働きかけなりをされる予定というのはありますか。

蒲島知事
 2月上旬に、アシアナ航空熊本支店をとおして、今年6月から9月までの4ヵ月間、運休を検討しているという連絡がありました。

 その理由として、熊本−ソウル間のラインが、韓国からの利用者が非常に減ってマイナス40%になったと。そして路線の収支赤字が1億円になったということを聞いています。

 それを踏まえながら、私は是非このアシアナラインは維持して欲しいと思っていますので、そのように関係部局に伝えましたし、それから、私ができることがあれば何でもやるということを言っております。

 一度私も同じように、ウォン安によって韓国からのお客さんが減った時に私自身がテレビに出て、旅行者を募集して一緒にグループで韓国に行ったことがあります。

 その時は少し、日本人、特に熊本からのお客さんが増えたんですね。

 この場を借りて、是非熊本からこの熊本−ソウル線を利用してソウルに行って欲しいというお願いと、それから今年は忠清南道で「大百済典」があります。その時は私も熊本のたくさんの方と一緒に韓国に行きたいと思っています。

 そのようなプロモーション、あるいは修学旅行を是非韓国でやって欲しいということを教育委員会を通してお願いすることとしています。

 だから、もし韓国からのお客がウォン安で少なければ、その利益をむしろ熊本の方々が受けるのではないかということで、熊本からソウルに渡ってほしいというプロモーションをやっていきたいと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 とりわけこの6月から9月、4ヵ月間運休するという決定の前にたくさんの方に行ってほしいというお願いをしていきたいと思っています。私自身もあらゆる機会をとおしてプロモーションを行っていきたいと思っています。どこまでそれが通じるか分かりませんけれども、県庁一丸となってこれを守るという気持ちを持てば活路が開けてくると思っています。

 それから熊本から福岡空港を通して、福岡から行っている方が結構いらっしゃいます。でもその方々にも是非熊本を使ってほしいと。ようやく熊本は新幹線の全線開業であるとか、あるいは熊本市の政令都市、そういう明るい話題、あるいは新幹線の駅の整備、それから私が常々言っている州都の問題もそうですけれども、比較的明るい話題が今出ているところです。だからこの時期には是非アシアナエアラインもとどまって欲しいと。これは気運の問題というか、やはり実際の経済的影響というよりも、ようやく熊本全体が明るい兆しがある時に、この問題は想像以上に私はインパクトがあると思っていますので、それを踏まえて、各部局に鋭意努力するよう指示しておりますし、私自身も自らプロモーションに邁進したいと思っています。そういう形で活路を見出したいと思っています。

すみません、あと1問でいいですか。もう時間なので。

質疑応答

荒瀬ダムについて(2)


 また、ちょっと荒瀬に戻るんですけれども、知事が存続を決断されてから、今回また撤去をされるまで、2年弱期間がありますけど、結果的に見て、この2年間ずっと撤去でやっておけば準備がある程度整っていたかもしれないというところを考えると、この2年弱というのはどういう意味があったのだろうか。それから政策的からみれば失敗と言われることはないんだろうかと。

蒲島知事
 あのまま、例えば私が荒瀬の問題に気付かずに着々と撤去の方向に入っていたとします。何が起こったでしょうか。一つは、私が直面した同じ問題が起こったと思います。それは費用がない。足りない。これは確実です。

それから、もう一つは、一切国は荒瀬の問題には関わらない。そして、それはすべて県が自ら決断したことであるから、そちらの判断でやってほしいというのが、私があのまま続けて撤去に入っていたら直面した問題です。同じような問題にやはり私は直面したでしょう。費用の問題、それから国との協力の問題。

しかしこの荒瀬ダムを立ち止まって考え、そして皆で考え、そして最終的には撤去という方針に変わったものの、そこで2つの状態が変わったような気がします。

 一つは、国土交通省、国もそうですけれども、それから国民全体で荒瀬の問題は、国も考えて、モデルケースにしなくてはいけないのではないかという、そのような状況は、私はプラスになったと思っています。そして、私はそれが全国的な世論になることを希望しています。

 大きな全国的な世論になれば、また国の方針もより積極的に関与してくださるのではないかなと思っています。

 それが一番大きいですね。あといくつか考えられますけれども、私としては同じこの問題に直面した時に、まだ少しプラスの可能性が出てきたと。あのまま着々と撤去した時に、もう撤去し始めたらまったく同じ困難に直面しても、国からの援護というのは一切考えられません。

 そういう意味で、荒瀬の時期的な問題の不信と、方向転換への不信感は払拭できませんけれども、私はその時々に状況を勘案して判断を下してきましたし、それは財政の問題、安全性の問題、すべてそうですけれども、どの方針が一番その時期にはいいか。ぶれるのではないかという批判もありましたけれども、そういう批判は私はあえて受けますが、やはりぶれてでもいいから、ちゃんと最終的には正しい判断をすべきだと思っていますので、今回の撤去の判断は私は全然後悔していません。


 2008年11月の存続に舵を切られた政策判断はミスではないと。判断ミスではないと。

蒲島知事
 あの段階では判断ミスではありません。

あの段階では、4つの条件を満たすまでは発電を続けるという判断です。それで4つの条件を満たすために、当然私も努力を続けるというのが、議会でも意見でありましたし、私もそのための努力をしました。

 それであの条件下、ただ一つだけ違うとすれば水利権の問題が、前の政権と今回の政権についてどうなったかは不透明です。前の政権でも同じ判断を下されるかどうか、ちょっと分かりませんけれども、政権交代という大きな状況判断の下で、新しい判断を行ったというのが今回の撤去の決定。その前は財政再建の中にあって、どちらを選ぶかということで、私は未来永劫存続ではなくて、撤去の道を4条件を求めながら存続するという、そういう方針を貫いてきましたけれども、あの時点では正しかったと私は思っています。


 再度撤去費用の事でお伺いしたいんですけれども、やはり2年間存続させて発電をしたいと。これまで撤去費用を上積みをしたいと、発電することで上積みをしたいとおっしゃっていたんですけれども、現実的に水利権の許可が4月におりる可能性は低くなっていて、丸々2年間発電は難しい状態になっていると、この時点でもやはり上積みは可能と考えていらっしゃるんですか。

蒲島知事
 上積みは最後まで諦めずに、この段階で諦めるべきではないと思っています。


 いや、諦めるとかではなくて。

蒲島知事
 いや、そうではなくて、今のあなたのご質問は、例えばこれが1年半になっても上積みできるのかというお話でしたね。

 その間、さっき言ったコストはどんどんかかりますね。そして収入はゼロと。2年間ゼロの時と1年半ゼロの時と、1年間ゼロの時とでは何か違ってくると思います。

 なるべくこのゼロの時を少なくするために努力するのが知事の役割だと確信しています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

(幹事社)
 ありがとうございました。

蒲島知事
 ありがとうございました。

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