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平成22年 2月 3日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006475 更新日:2010年2月3日更新

日時:平成22年2月3日(水曜日)午後4時00分から
場所:知事応接室

発表項目

荒瀬ダムについて

質疑応答

荒瀬ダムについて

発表項目

荒瀬ダムについて

蒲島知事
荒瀬ダムの今後の対応について説明させていただきます。

 ご承知のように、私は知事就任直後の、平成20年6月、荒瀬ダム撤去方針を一旦凍結し、総合的に判断するための検討に入りました。そして同年11月、庁内プロジェクトチームによる検証を行い、深刻な財政危機にある本県の現状においては、荒瀬ダムを存続させることが最適の選択であると判断いたしました。

 その判断で私が最も悩んだのは、長年にわたり、荒瀬ダムの影響で苦しんでこられた地元坂本町の方々のことです。ダム存廃について再考したこの期間に、荒瀬ダムの電気事業は、地元の方々の痛みの上に成り立っていたことを、私も、また多くの県民も知るところとなりました。

 ゆえに、存続の判断と同時に、荒瀬ダムの発電事業を未来永劫続けることが、最善の選択肢ではなく、撤去可能となる条件が整えば、撤去すべきであること、ただ、その条件が整うまで存続し、地域と共生するダムを目指すとの表明を行いました。そして、地元要望を踏まえつつ「荒瀬ダム対策アクションプラン」を取りまとめ、環境に配慮し地元と共生するダムとして運用することについて、地元に説明しご理解いただくべく準備を進めて参りました。

 しかし、荒瀬ダムを取り巻く環 境は、昨年9月の政権交代によって一変しました。政権交代前、当時の民主党の菅直人代表代行は、荒瀬ダムを視察された際に、荒瀬ダムの撤去に関し、国の財政支援の必要性について言及されました。連立を組んでおられる福島みずほ社民党党首も然りです。そして、その後の総選挙で、民主党を中心とする政権交代が行われました。さらに、八代市では荒瀬ダム撤去を公約に掲げた福島新市長が誕生しました。地元や関係者の皆様方の撤去への期待感が一気に高まったことは当然のことであります。

 民主党が政権をとれば国が財政支援をし、荒瀬ダムを撤去できるという期待感。 民主党は、それを信じて投票した人々に、まず応えるべきではないかと思っています。同時に知事としての私も、民主党政権が選挙前に約束したことを実行すれば、地元住民が望んでおられる撤去のための条件が整うと考え、政府、与党民主党に対して、撤去に関する財政的、技術的支援を求める要望を積極的に行ってきました。その要望の中で、水利権の更新が間近に控えていることもあるので、平成21年末までに回答してほしいと繰り返しお願いしてきました。

 そして、本年1月14日にようやく前原国土交通大臣との面会にこぎつけました。その席での大臣の回答は、(1)現在の水利権は3月31日をもって失効する、これから水利権の申請を行っても許可は3月末までには間に合わないこと。(2)また、荒瀬ダム撤去費用について国が直接支援することは難しい、来年度予算に計上する「社会資本整備総合交付金」を撤去費用に活用してはどうか。(3)そして、現在、全国の老朽化した河川工作物への補助を検討しているので、今年の夏ごろまでに方針をまとめたい、というお答えでした。私はこの夏までに国がまとめる方針については、撤去への制度的な支援になるのではないかと期待しましたが、大臣は翌日の記者会見で、荒瀬ダムは対象外となる、と発言されました。

 私にとって、こうした大臣の発言は全く予想していないものでした。そもそも、水利権更新のための申請をぎりぎりの時期まで待っていたのは、民主党が昨年の総選挙の前に約束していた撤去のためのスキームを作るという言葉を信じてきたからです。その発端は選挙前の菅副総理の「県営であっても、自然回復事業なら国として費用の一部を負担することを検討すべきだ」という発言でした。さらに、前原大臣による老朽化した工作物の取り扱いの検討表明であります。それを今になって、水利権は3月末で失効する、さらに、荒瀬ダムは今検討している枠組みの対象外であるというのは、到底納得がいきません。

 そもそも、国が老朽化した工作物の取り扱いを検討し始めたのは、われわれの荒瀬ダム撤去についての補助の要請からです。早く更新手続きをしなかったのは甘すぎではないかと批判されました。しかし、私の政治学は「信頼と誠意の政治学」であり、一方で撤去のための補助を求めながら、もう一方で更新手続きを始めるような「両天秤の政治学」ではありません。

 大臣からの回答を受けて、私は荒瀬ダムについてどう判断すればよいのか、悩み続けてきました。国の「現行水利権は3月末で失効し、新たに別の水利権の申請が必要」という考え方は、県のこれまでの考え方とは異なるものでした。したがって、県としては20年の水利権申請を行い、訴訟してでも経営存続を目指すべきという意見も強くありました。先に行った存続という判断を貫くという選択肢は、当然ありえます。

 しかし、水利権取得を目指したとしても、認定までに多くの時間がかかることは確実であります。また、国と訴訟で争うことなどが予想され、発電できない期間がさらに長期化します。そうなれば、結果として存続できたとしても当初の収益計画が成り立たなくなります。また、訴訟の結果、水利権が最終的に不許可になるリスクもあります。つまり、水利権の存続そのものが不透明となり、同時にそれによってダム存続と判断した前提条件も崩れてしまいました。さらに、荒瀬ダム問題をめぐり、国と訴訟合戦を行うことにより、県政の混乱が長期化することは目に見えております。

 私は、県政を預かる者として、しっかりと将来を見通した上で、熊本県民が最も幸福になる選択をしなければならないと考えております。川辺川ダム問題、水俣病問題の例をあげるまでもなく、問題が長期化すること自体が、熊本県民の一体感を失わせ、発展を阻害します。私は、現時点ではもはや存続を目指すこと自体が、長い目で見ると適切な選択ではないと思うに至りました。そして何よりも、荒瀬ダム問題については、私の任期中にしっかりと解決の道筋をつけるべきだと思いました。

 以上の理由により、私は、荒瀬ダムは撤去すべきであると判断しました。

 前知事が表明した撤去方針を、私が知事就任直後に凍結、そして存続へと転換し、さらにその後政権交代という大きな状況の変化があったとはいえ、今回再び撤去に向けて舵を切ることになりました。この間、県民の皆様に対しご心配をおかけしたことについては素直に謝りたいと思っております。

 しかし、撤去へ舵を切ったらすぐに実現できるほど、問題は簡単ではありません。当然、撤去までには様々なハードルを乗り越えていかなければいけません。今後、撤去の第一段階として河川管理者である国との協議を行い、撤去計画の策定、撤去に向けた準備を行い、その期間が2年間必要だと思います。今後2年間でそれらの準備を完了し、平成24年度から本体撤去工事に着手する予定です。ただ、撤去に着手するまでに、次の4つのことに取り組まなければなりません。

 第1に、撤去費用の確保です。それに向けて最大限努力するとともに、そのことについて県民のご理解をいただけるよう努めなければなりません。まず、第一に国に対して、今年の夏までに取りまとめられる老朽化した工作物の取扱方針の中に、役割を終えた工作物として荒瀬ダムも対象に加えること、第二に社会資本整備総合交付金について、対象事業の追加・拡充を行うとともに、荒瀬ダムの撤去について十分な配慮を行うこと、第三に特別交付税の増額を強く働きかけて参ります。民主党におかれましては、選挙前からさまざまな場面で主張してきた国による支援を実現し、住民との約束を果たしていただきたいと思っております。同時に、県は発電機の主な設備更新を行わず発電を2年間継続し、一方で維持管理費用を抑制することにより、少しでも撤去費用の確保を図り、県民への負担が極力生じないようにしたいと思います。

 第2に、ダム撤去に伴う安全面へのしっかりとした対応を行います。わが国にとって初めてとなるダム撤去の安全面への影響については、不明な点が多く、大きなリスクをはらんでいることについては、県民の皆様のご理解をいただきたいと思います。道路や河川護岸の安全性の確保について、当然県も懸命に取り組みますが、国に対し、河川管理者として主体的に取り組むよう協力を求め、連携して取り組んでいきたいと思います。

 第3に、代替橋や農業用水の確保など地域の要望については、八代市や、地元に対し主体的に解決を図るよう求めます。この点については、それぞれの利害が対立し、収拾がつかなくなることがないよう、すべての当事者に撤去実現という目標が達成できるようご協力いただきたいと思います。

 第4に、ダム撤去による環境への負の影響を少なくするため、専門技術的な観点から国の支援を求めます。ダム撤去はわが国初のケースとなります。安全面だけでなく、環境面についてしっかりとしたデータを取って撤去技術を確立し、今後国が整備する老朽化した河川工作物を撤去する制度に生かしていけるようにしたいと思います。この点については国と連携して研究チームを編成し、取り組んでいきたいと考えています。

 次に水利権についてです。今述べた4つの整備のための準備、また撤去資金の確保を図り、県民への負担を極力生じさせないという観点から、藤本発電所の発電を平成24年3月31日まで継続できるよう、現行水利権の許可期間を2年間延長する申請を行うこととし、速やかに許可が得られるよう国に対し働きかけます。県民に過度な負担を負わせず、撤去を確実に行うためには、費用の確保が何としてでも必要です。1円でも多くの撤去費用を確保するために、八代市や球磨川漁協に対しては、撤去までの2年間の水利権延長について、ぜひともご理解をいただきたいと存じております。

 最後に、荒瀬ダム撤去にあたって、私は県民の皆様方に、荒瀬ダムとは一体何であったかということを今一度考え、記憶の中に留めていただきたいと思っています。

 荒瀬ダムは、戦後間もないわが国の復興の時期に、技術の粋を結集して建設されたものです。建設期間中12名の尊い命が失われるなど、工事も困難を極めました。そして、建設後、県内の電力需要に着実に応えてきました。操業を続ける中で、住民の皆様方に環境面でご迷惑をおかけし、それに対する企業局の対応も必ずしも十分でなかったことは確かです。この点については大変残念でありますし、企業局の経営者として申し訳なく思っております。

 しかし、荒瀬ダム自体は立派にその役割を果たしてきました。我々はこの荒瀬ダムからどういう教訓を学んだのか、そしてこれからそれをどう生かしていくのか。撤去を行うまでの過程をきちんとデータで残して今後の役に立てることも大切だと思います。それらを皆で共有した上で、撤去の日までの最後の働きとして、2年間発電をさせていただき、荒瀬ダム退役の準備をさせていただきたいと思っております。

 私は、先月、国から、水利権は3月末で失効する、荒瀬ダムは補助の対象にしないと、突き放されたときに、正直絶望の淵にありました。進むも困難、また、退くも困難となった現実にどう対処すべきか、随分と悩みました。そこで、私が行きついたのは私が大変尊敬する政治学者の丸山真男の言葉です。丸山は、現実というものを「可能性の束」と表現しています。その可能性の束のうちいくつかは、未来につながるものが必ずある。その認識なしに現実はこうだからとあきらめてはいけない、そのようなことを述べています。そして、私がその可能性の束から見出したのは、国、県、地元、関係者の力を総結集してダム撤去という難題にあたるということです。

 荒瀬ダム退役のためには、国や県、県議会、八代市のみならず、地元住民や漁業及び農業関係者、九州電力、専門家などの幅広い協力を得ることが必要です。撤去に向けて今後もさまざまな困難はあろうと思います。しかし、県民、関係者が一丸となり、この目標に向けて力強い一歩を踏み出すよう心からお願い申し上げます。

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質疑応答

荒瀬ダムについて

(幹事社)
 幹事社の方から2問ほど聞いたうえで、あとは各社から質疑応答したいと思います。

 まず1点目ですけれども、財政難というところを理由に存続を表明されたわけですけれども、今回、国に求めていく部分が、財源を確保するうえで多くて、大分不透明なような印象を受けるんですけれども、国から県が思っている以上の支援が得られなかった場合に、どういうふうに蒲島知事は対応しようというふうに考えておられるのか、また改めて存続というふうに方向転換を余儀なくされることはあり得ないのかということも。

蒲島知事
 まずその1点でよろしいですか。

 今のご質問は、基本的には国に要望する部分が多く、その部分の実現性は不透明ではないかと。その場合、改めて存続ということになるのではないかというご質問だと思います。ここで決めたのは、選択肢は2つしかありません。存続か、撤去です。先程述べたように、存続という判断は熊本県の長期的な展望を見た時に、すべきではないというふうに決断しました。そこでもう存続というチョイスはありません。次にあるチョイスはなにかと言うと撤去です。撤去という判断のもとに、資金をどのように確保していくか、安全性をどのように確保していくか、地域の利便性をどのように確保すべきか。そして撤去技術をどのように確保すべきか、ということをこの2年間で最大限に努力するという、その選択しか今はありません。

 不透明かもしれませんけれども、そこに私は先程言った、「現実は、可能性の束である」という丸山真男の言葉に賭けました。その可能性に向けて最大限に努力するという、その決断をいたしましたので、これができなかったから存続ということはあり得ません。

(幹事社)
 幹事社からもう1点お聞きしますけれども、知事の方針、前知事から引き継いだものを凍結と、それで再度撤去ということになると、県民から、漁協関係者からも不信感が非常に高まっています。

 県政を混乱させたということもあったと思いますけれども、県民からの不信感と、そしてこうした形で混乱を招いたというご自身の責任についてはいかがお考えですか。

蒲島知事
 先程も述べましたように、前知事の判断を凍結し、そしてそれを存続に転換し、今回状況の変化があるとはいえ、また撤去の方針に変えたことに関し、県民の皆様方に大変申し訳なく思っております。一つの考え方として、ぶれるべきではないという考え方もあります。しかしそれは、存続を国と争ってまで追求するという考え方になると思いますけれども、私はそれはこの時点でとるべきではないと考えました。それぞれによって、それぞれの時代にやはり争点として、プロジェクトというものは遭遇するのではないかと思います。

 一番いい例が、川辺川ダム問題です。あれはあの時点では当然川辺川ダムを造るべき、しかし今になってみると、時代はそれを求めていない。だから時代によって様々な点検が行われること自身は、私は政治的リーダーとしてはすべきだと思うし、そしてその時代、時代で違った判断を知事がすることも、私はあるべきものではないかと思っています。その場合、その時々の判断を透明性のあるものにするということと、それから合理性のあるものにするということが大事だと思います。私はそういう意味で、平成20年の11月に判断した時にも県民の総幸福量、とりわけ財政危機の中にある熊本県にとっては、存続しかないという判断をしました。それは私は合理的だったと思っています。

 今回の判断は、改めて水利権についての方針が示されたことによって、存続そのものの前提が崩れたと。その崩れた中でもう一度検討し直してみて、そして前回の存続の判断を、撤去に方針転換せざるを得なかったという、この批判は私も受けたいと思いますけれども、私はこの判断は県民の総幸福量の増大という観点から、県民の方だけを、その事だけを考えると、判断そのものに対して後悔はしておりません。

(幹事社)
 各社さん、お願いします。


 最初に知事が凍結をされたのが、就任2ヵ月だったと思うんですけれども。その判断が、ちょっと早すぎたというか、拙速すぎたというふうな印象があるんですけれども知事はどう思われます。

蒲島知事
 あの時は凍結ですけれども、一度立ち止まって見直すべきだという判断が6月です。

 それをベースにプロジェクトチームで更に検討しました。これは全庁的なプロジェクトチームです。その時は本当に全庁的に、この問題を真剣に考え、そしてその結論が存続、とりわけ熊本県のこの財政危機の中にあって、存続した方が財政的な負担は少ないし、それから財政にも荒瀬ダムは貢献するという、そういう判断でした。だからそのPTにおける見直し、それから判断、これは私は拙速でも何でもないと思います。

 ただ、それにいたる凍結といいますか、もう一度立ち止まって考えようと。もし立ち止まって考えていなければ、今何が起こったかというと、いよいよ4月から撤去が始まります。でも同じように撤去資金は無いと、そういう大きな問題に直面していたでしょう。それを始めてからでは多分遅かったのではないかと私は思っていますので、平成20年11月のあのPTを踏まえた判断に関しては、あの時点においては合理的な判断だと私は考えています。

 結果的に、存続の前提が現在狂ってきました。その中で改めて前提が変わった中で、将来の荒瀬ダムの方向性を考えた時に、今回のこの決断しかなかったと私は信じています。単に策がなかったということです。

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 ダムの撤去に向けて費用の問題というのが今後非常に重要になってくると思うんですけれども、国に対する要望という意味では、前知事が7年前に決断なさった時も国に要望が必要だということで県は働きかけをなさって実現しませんでした。

 今回も政権交代云々という要素はありますが、知事が今、見通していらっしゃるなかで、今後本当に具体化するために、どういう見通しを立てていらっしゃるのか。今までとは違う、何らかの県としての取組みを用意なさっているのか。

蒲島知事
 県が前の潮谷知事の時から国に要望していたということは確かです。そしてまた、前の政権の時に、私もそのようなかたちで要望をしておりました。

 その政権と今の政権の違いは何かと言うと、選挙の時に荒瀬ダムに国の資金を提供しても撤去すべきだという、例えば今の民主党の菅副総理の言葉、それから選挙における民主党の人たちの約束、これは前回の自民党政権下の国土交通省とは違うと私は判断しています。

 これがどこまで、政府の方針となるかということは大変難しい課題でありますけれども、前原大臣は難しいとおっしゃっておりますし、松野頼久議員はその方向で進めたいとおっしゃっているし、まだ法律になっておりませんので、この法律は法案化する過程で様々な議員の方々のインプットといいますか、それが法案に生きてくるというふうに思います。

 それから、その前に参議院選挙というのもあります。選挙の争点となり、そしてそれが法案の形成過程で、県から多くの意見を述べる機会はあるのではないかと思っております。それが第一ですね。

 それから前原大臣が私に提案なさった社会資本整備総合交付金、これを活用してはどうかという問題ですけれども、これに関しても前の政権、潮谷知事の時はなかった制度であると思っていますので、そういう意味では確かに荒瀬ダム撤去費用を直接支援することは難しいけれども、新たな制度である社会資本整備総合交付金、これはどうなるかまだ分かりません。今のところ明解な形になっていませんので、可能性があるということと、老朽化した河川工作物への補助の中に、役割を終えたダムというものも含めてくれないかという、いわゆる希望を出すチャンスがあるかないか、とても大きいです。

 とりわけ選挙、それから今から法案過程、国会ということになりますので、その様々な段階で最大限の努力をして、これに荒瀬ダムを入れてほしいというふうに思っています。

 もともと先程から言っているように、荒瀬ダムから始まったスキームなんです。荒瀬ダムから始まったスキームで、作る時には補助金を出すけれども、壊す時は補助金は出せないというのはおかしいじゃないかというのは、私の11月の荒瀬ダムについての判断の時に既に述べています。

 制度そのものは導入する方向になっていますので、あの時の提案そのものは生きていると。その提案の中に肝心な荒瀬ダムが入っていないところが問題だと。そこを国に対して説得していく、提案していくという、そういうチャンスがある。だから可能性を追求するというこの基盤は、私は、前の知事の時と今は随分違っているのかなと思っています。両方とも困難ですけれども、可能性が残っている。

 それを知らないまま、例えば来年の4月に荒瀬ダム撤去が始まった時に、初めて問題を発見したとすれば、もっと困難に陥っていたのではないかと私は思っています。そういう意味であの時に立ち止まって考え、それに対して様々な方策を考えたことも、先程言ったように、これは県政の混乱と見れば大変マイナスでありますけれども、その間いろんな面で対処できるというプラスの面もあったのかと私自身は思っています。ただ、全体的に見ると、方針の転換によって県民の皆様にご迷惑をかけたということに対しては大変申し訳なく思っています。


 それにちょっと絡めてなんですが、現時点で財政的な支援という将来的な確約というのはとれているんですか。

蒲島知事
 それは先程も言いましたように、選択が二つあります。一つは存続。存続の方針をもう諦めました。なぜかというと、存続する方がより熊本県にとってはコストリーではないかというのがその判断です。

 そして、何年も、あるいは何十年も、国と争い続けるという判断が求められるかも知れませんけれども、それは賢い判断ではないと。それからもう一つの判断は撤去です。撤去という時に、この2年間という時期をいただくことによって、さっき言った可能性の追求、全然確約がとれてないではないかと言われればそうかも知れませんけれども、少なくとも可能性を追求する場、舞台を与えられていると。それにこれから2年間必死で取り組むというのが今の私のスタンスです。

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 だから、その存続という道がなくなったという、もともとの根底はやはり水利権が迫っているという問題に立ち返るわけですよね。

蒲島知事
 水利権の考えについては、県は県の考え方があります。国から示された水利権の考え方と乖離があると、そこに思いを致さなかったことについて、私は素直にこれは県は謝罪すべきだと思います。ただ、それはあくまで考え方の違いですから、法廷に持っていって裁判で決めるという道もあるんです。そして存続という道もあります。確かにそういう存続の道を追求すべきだという意見もありました。その意見も強かったんです。

しかし、そのコストはあまりにも大きい。そのコストが余りにも大きいということを、私は改めて今回のケースで感じましたので、コストの大きい、前提が変わった存続という道を選ばずに撤去と。ただ撤去は明日から撤去しろと言ってもこれは無理です。安全性の確保、それからもう一つは撤去技術の確立、それから先程も言いましたように、これは初めてのケースですから、ちゃんと後世に資産として残しておかなくてはいけないそういう気持ちもあります。そういうデータですね。そのためには2年間が必要で、ただ、2年間でも、もし撤去のためにゲートを開けて発電しないということであれば、ただでも少ない資金です。私は、もう熊本の財政は大変厳しい中にあって、また撤去費用ということが出てきますから、1円でも無駄にしたくないのです。だからその間、発電できることを希望して、そのために皆さんに協力をお願いしている。1円でも多くの撤去費用を確保したい。今までは存続のための発電ですけれども、そうではないことを私は言っています。

 その第一は、本格的な設備更新をしないということです。それから平成24年度から本体の撤去を始めますけれども、その前に、実際に撤去の手続きに入っているということと、それから平成23年には24年度の予算も組まなくてはいけないということも皆さんご存知だと思います。私の時期にこれを決めておきたい。道筋を決めておきたいと、そういうふうに今は思っています。だから任期中にやるべきだと。任期を越えてやれば、更に不透明感が出てくるということもありますので、私の任期中にやりたいということです。


 すみません。2年間とした、2年必要とされた根拠は何でしょうか。具体的な。

蒲島知事
 1年で済むんじゃないか。あるいは1年半で済むんじゃないか。まず第一に、この判断が出るまでにどのくらい時間がかかるか分かりません。ただ、大事なことは終わりを決めたことですね。終わりを決めたというのは、例えば、更新できるのが3月31日とは限りません。いろんな経緯があって、もっと延びる可能性もありますね。ではそれから2年間ということじゃなくて、平成24年3月31日で決めると。終わりを決めたということです。だからそれが2年になるか、最大で2年ですね。そういう意味で、これだけの期間内であれば、先程の4つの事柄を追求できるし、それから少なくとも切羽詰まって撤去に走る、そういうことではなくて、やはり十分な事前の研究、安全性の確保、それからやはり大事なことは、撤去技術の確立、これまである程度進んでいますけれども、それをもっと強固なものにしたいと、それはやはり私は平成24年度の本体撤去着工ではないかと思います。


 つまり2年というのは、任期の最後だという意味しかなくて、2年間の間の売電収入がどうとかそういう積み上げの結果ではないということですか。任期中に手をつけるという意味で2年なんですか。

蒲島知事
 いろんな総合判断ですね。2年間積み上げられる売電の収入もとても魅力的です。それから2年間あるという意味では、安全性の確保と撤去技術の確立、そしてこの2年間の間に政府に要望していく期間もあると。総合的に2年間必要だと。本当は1年9ヵ月かもしれない。


 これは前倒しの可能性はあるんですか。

蒲島知事
 しかしながら、誰も実はそれを明解に積み上げることは今はできません。それで私はその2年間というのは、いろんなものを総合して2年と。2年というか、最後は平成24年3月ですか。ですから、それが最後のぎりぎりだと。そこで終わりという、その日にちを設定したと。私は前から知事になって感じたことは、そういう時間的な緊迫性と言うか、その中で物事を進めることがとても重要だと思っています。だからそこまでにすべてを決めなければいけないと。例えば川辺川ダムの時も6ヵ月と決めましたけれども、では6ヵ月が本当に必要だったのかと。実は5ヵ月半だったかもしれない。しかし6ヵ月と決めることが政治的には重要で、それに向かってすべて進むわけです。

 だから今度は2年というのは、そこを設定することに重要性があって、それに伴う様々なアクターたちにこの時間的緊迫性が出てくるという、そういう意味で2年というのは意味があるということを分かってほしいと思います。


 費用捻出に関して、一般会計予算の中の土木予算であるとか、事業見直しを改めて進めて、そこから費用を捻出して、企業特別会計に振り向ける、そういう考えはありますか。

蒲島知事
 今は考えていません。


 時間的緊迫性というのは3月末というのはある意味あったと。国からの支援という可能性を求め続けて、その結果やはり、こういう状態があるわけで、今後の2年間に何が違うんですか。これまでの1年ちょっとと。

蒲島知事
 これまでと、これからの2年間、何が違うかというと、私はこれまでは存続という中で、民主党の新しい政権の下で、4つの条件が整うのではないかという皆さんの期待、県民の期待感というんですか、それにやはり知事としては応えるべきだという観点から、私自身も一生懸命に、その4条件の条件整備に努めたつもりであります。

 しかし、そのような民主党政権の中にあって、期待は非常に高まりました。しかし答えは失望になりました。そういう中で存続という、その選択も閉じられました。そうすると、あとは残るのは、撤去と。だからどういうかたちで撤去するかと。県民の方々の負担が生じないように、そして、4つの安全性と撤去技術の確立、資金の確保、そういうものを求める2年間であるし、その可能性のために我々は一生懸命に動くと、そこで私が今日最後にお願いしたのは、県だけでできるものじゃないので、県民総参加でこういう難題を、今突きつけられておりますので、それに向かって一歩を踏み出してほしいというお願いをしたところです。


 球磨川漁協が今日の段階で、2年間の水利権の更新には同意できないのというのを、改めて今日言っているみたいなんですけれども、それについては知事としては今どのようにお感じになって、その2年間を続けるというのにも、やはりそういった方々の同意とかも必要になってくると思うんですけれども、それについては今後どういうふうに理解を得ていきたいというふうに思われていますでしょうか。

蒲島知事
 まだ球磨川漁協の方々とお会いしておりませんけれども、この撤去判断を受けて、私の気持ちはやはり撤去はもう決めたんだと。この撤去の2年間というのはどうしても必要な2年間であると。せっかくの2年間だから、もし撤去せずに、もちろん撤去の方向にいくんですけれども、発電はしなくても発電のコストはどんどん掛かるんですよね。だから少なくともコスト分はカバーし、かつ1円でも多くのお金を貯めて、2年間ですから、1円でも2円でも、3円でも、あるいは何円でもいいから利益を積み上げて、それを撤去費用にしたいという気持ちを分かっていただくしかないと私は思っています。それにご協力していただくように、今後、地元の方々、漁協の方々、目標は同じなんです。安全な撤去、そして撤去技術をちゃんと確立したうえでやるという、やはり安全性というのは私は漁協の皆様も同じ思いだと思います。そして、やはり漁協の皆様も、一般県民の方々の負担をなるべく少なくしたいという思いは絶対お持ちだと私は思っておりますので、それを今後お願いしていくということになると思います。


 7年前に撤廃を前提に更新されてきて、それを一回覆しているわけですから、それに対する不信感というのは多分非常に強くて、水利権の更新に応じないというのは、それは当面できる話ですけれども、それでもあえてなおかつ更新申請をして発電事業が継続できるのか、そのあたりの見通しもどうなのだろうという指摘もありますけれども、そのあたりはいかがですか。

蒲島知事
 方針転換したことに関して、大変な不信感を持っておられるということは私も承知しております。

 しかし、ここで言いたいのは、私も撤去のための条件整備のために、一生懸命に新しい政権の下では働いてきました。それは地元の方々の強い思い、私は一度存続とした時と、それから2度目に選挙の後での地元の方々の思いは、何倍も大きくなったと思っています。

 最初に私は言いましたように、旧坂本村の方々の思いをとても強く受け止めていました。その時でもとても大きな撤去への思いがあって、それが選挙によって巨大に膨らんだんですね。私もその思いの大きさを感じておりましたから、新しい政権になって一生懸命に撤去費用の確保、安全性の確保、これを政権にお願いしてきました。なぜならば、新しい政権の民主党がその思いを大きくしたと私は思っています。私はその思いに知事としても応えなくてはいけない。それで撤去費用の確保に奔走しました。

 残念ながら今の段階では、それに至りませんでしたけれども、今お願いしたいのは、撤去ということをもう私は決断したんです。存続はないと。だから私の時期にその道筋をつけたいと。でもそのためには1円でも多くの撤去費用を無駄にしたくないと。確かに企業局は撤去のためにある程度のお金を貯めています。しかしその金がなくなっていくんです。2年間待つ間に。そのお金を少しでも貯めるために、私は発電をお願いしたいと思っています。だから目標は同じです。

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 費用の面にこだわりますけれども、そもそも現段階で企業局の留保金。それを述べるなら国の補助を得たい、何らかの形で別の資金を得たいと考えていらっしゃるのは何億円なのか。それと、該当する何億、何十億円の100%を国補助で補わなければ実現しないのか、仮にそうなった時に一般会計からやはり投入してでも、もう存続というのはあり得ないと先程から強調なさっていることを踏まえれば、最終的な段階ではやはり一般会計からの投入ということもあり得るのか。そうなった時に再び行き詰まる可能性はないのか。それはいかがでしょう。

蒲島知事
 私は一般会計から投入というよりも、県民の方々の新たな負担が生じないようにするためにはどうすればいいかと。正確には企業局長がいますので、足りない額というのは28億でしたか。撤去に必要な額が91億。

企業局長
 91億8000万円で、残事業が71億です。

蒲島知事
 92億ですね。残事業が71億。そして企業局の貯金がありますので、足りないのが28億、これは約ですよ。それをどう確保するかということが今、我々が直面している問題であります。


 結局は国交省の判断のうえに、県からは要望をしていくというお話で、最悪のシナリオ、資金も調達できなかった、安全面も確保出来なかった。技術も確立できなかったという2年後そういう状況になったとしても、今までのお話からすると撤去はされるお考えだと思うんですが、その時には当然一般会計なりに穴があくというか、県民の負担が何らかのかたちで出るというふうに普通考えると思うんですけれども、その時はどのように、その時の責任というか、お考えになられるのか。

蒲島知事
 あらゆる可能性があると思います。ただ、私が県庁の職員に就任当時言ったことは、「できないと思うな」と。できると思わないとこれはできないんです。

 だから私は難しい課題であるけれども、これは2年間いただければできると、最大極限までやると。それが行政であり政治であり、最初から難しいですと、最初からできませんと、それは私のとる態度ではありません。

 だから一度撤去と決断しましたから、撤去に向けて様々な事柄、4つの事柄ですけれども、これに向けて最大限やると、私は、その覚悟が今求められていて、できなかったらどうするとか、できないだろうとか、そういうできないことを思うのは簡単なんです。できない理由を言えばいっぱいあります。しかし、私はできる理由をこれから県民とそれから県庁の方々と考えていきたい。


 意欲は分かるんですけれども、県行政のやはり最終責任者として、最悪のシナリオというのも想定しておくというのは必要なことだと思うんですけれども。

蒲島知事
 はい、分かります。その最悪のシナリオももちろん考えた中で、この最高の成果を求めてこれから県行政を進めていくと。逆に、20年で存続という判断をしたとします。そちらの時の混乱というんですか。これは私の任期を越えての混乱になります。これを選ぶのか、そうではなくてまだ可能性にチャレンジするのかという、その2つの選択という中での今の私の選択でありますから、多分最悪のチョイスというのは多分前者ではなかったかなと思います。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真


 今の覚悟は分かるんですけれども、結果として知事のご判断が、2年前に存続に1回転換して、その時期はまた状況が変わったんだから仕方ないんだということをおしゃって、また今回、そういった結果的のブレというのが、やはり地元の方々は特に不信感に繋がっていると思うんです。それがベースにある中で今、知事が意欲、覚悟を示されてもなかなかやっぱり地元の方々は、ああそうですかとは言えない部分があるのが心情的にはそうだと思うんですよね。そこをどう知事は解きほぐして説得していこうと思っていらっしゃるんでしょうか。具体的な行動も含めて。

蒲島知事
 先程丸山さんの話をしましたけれども、現実はそういうものです。私が直面している現実というのは、大変難しい現実であります。でもその中に未来の可能性がないかを必死で見つけて、その線に沿って地元の方と話し合い、そして価値を共有し、これまで私がとってきたその行動を理解していただくということになると思います。それは長い道のりかも知れませんけれども、同じ人間として、同じ撤去という可能性に一緒に進むパートナーとして、ある段階で分かっていただけるのではないかと私は思っております。


 あと一点だけ、球磨川水系という捉え方をすれば、知事が白紙撤回を求められた川辺川ダム、これは本体着工前のダム計画に待ったをかけた、全国的でももう先駆的な例、同じ球磨川水系において、全国初の既存ダムの撤去というのが今、実現に向かおうとしています。球磨川は宝というキーワードで発言なさった。今回結果として荒瀬ダム撤去というご判断をなさって、川辺川のご判断と絡めて、熊本県がダム問題に対する、ある主の先駆的な動きをとっていることについて今どう思われますか。

蒲島知事
 私が荒瀬ダムと川辺川ダムの判断において違うのではないかという批判を受けました。私はダムはそれぞれの歴史があり、それぞれの背景を持っているとお答えしました。川辺川ダムは今から作ろうとする段階、それから荒瀬ダムは今あるものを壊すという選択ですね。

 そして財政再建という大きな観点の中では、荒瀬ダムは存続すべきだという判断をいたしました。しかし、今回存続か撤去かという時に、実際に先程言いましたように、チョイスは2つあるんです。存続の方が困難です。しかし先程言ったように、可能性の束、現実という可能性の束の中にやはり川辺川でダムを造らなかったという、そういう判断と今回の判断が、結果的ですけれど、一致したということも未来に繋がる可能性の束の中には一つあったというお答えにさせていただきます。


 今回の判断の中に、川辺川ダムの時のように球磨川は宝だという価値観は入っていないのですか。

蒲島知事
 今言ったのはまさにそのことで、今回の現実の中で突きつけられた中で、何か未来へ繋がるような可能性の束はないかということを考えて、その時に球磨川は宝だという束は一つあったということです。


 新年度予算の編成が今進んでいますけれども、いわゆる22年度の県の予算の中に、まさに何らかの準備、経費なり、費用なりというのは計上されるんでしょうか。

蒲島知事
 判断は本日行いました。そして、これは県庁の職員、財政課を含めて今日の判断を聞いたのは今日がはじめてです。たからその事に関しては、予算については現在コメントできる段階にはありません。


 知事として、この先2年間で準備を進めるんだという判断を今日今表明されたわけで、その判断に基づいて、もう新年度予算から何らかの経費は当然掛かってくると思うんですが、それを入れるのか入れないのかという、そのお考え、知事のお考えをお聞きしたいんです。

蒲島知事
 実はもう判断した段階から、撤去への前段階は進んでいるんです。だからそれはどのくらいかという、どこまでやるかという、その判断は今日の段階ではそこまでちょっと私も答える用意がないというのが事実です。必要であればもちろんそうします。


 ダムを継続するために発電事業を継続するために水利権を更新するという、現状認識で更新できて発電事業が2年間できると本当にお思いなのか、そこをちょっと確認したいんですけど。

蒲島知事
 これは先程言ったように、県民の総力戦、国も含めて本格的なダム撤去というものを安全に成功させるんだという、そういうすべての力の結集ができるかどうかにかかってくると思いますけれども、私はそれを求めて、これから頑張っていきたいと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真


 確認なんですが、水利権の更新と新規という考え方がこれまで何度かおっしゃってこられたと思うんですけれども、今日そこにあえて触れられていないような印象を受けるんですが、地元の球磨川漁協は更新か新規の申請なのかというところにこだわっているような感じがして、知事としては今どちらの思いでいらっしゃるんでしょうか。

蒲島知事
 延長ということで考えてます。それでよろしいですかね。具体的にちょっと。

企業局長
 水利権については、更新とか新規とかいうのは法律用語ではございません。それで、これからダムを作って新しく発電事業を行うというのは、これは全くの新規ですけれども、今回、国から言われているのは、別の新たな水利権です。こういう形で話を伺ってます。

蒲島知事
 すみません。これで。


 知事難しいことではないので。

蒲島知事
 もう1問でいいですか。ちょっと時間がない。


 老朽化した工作物について、国と連携して研究チームを作られるというふうな話で、どういうイメージ、メンバーとか。

蒲島知事
 いや、そこまではメンバーであるとか具体性は考えていませんけれども、全国最初の本格的なダム撤去ですから、この撤去の過程、それから影響についてきちっと後世に残しておくべきだと私は考えています。

 そのためにはやはり第一の研究チームを作って、本当にダムを撤去した時に安全なのか。あるいは安全性、環境への影響はどうなのか、あるいは川の形がどう変わるのか、やはり長期的に見ていかないといけないと思うし、これはとても大事なことだと思うんです。

 だから、それを考える組織が、これは国と相談しないといけませんけれども、私はそのような方法の研究チームを考えています。

 それでは終わります。