本文
平成21年 8月20日 知事定例記者会見
日時:平成21年8月20日(木曜日)午前10時00分から
場所:知事応接室
メッセージ
発表項目
質疑応答
- 新型インフルエンザ対策について
- 韓国訪問について
- 公共事業等に係る市町村負担金の見直しについて
- 市町村合併について
- 赤潮被害について
- 熊本県政の推進について
- 衆議院選挙について
- 路木ダムについて
- ダムによらない治水を検討する場について
- 川辺川ダム事業について
メッセージ
新型インフルエンザに係る知事メッセージ
蒲島知事
今日は一つのメッセージと3つのコメントがあります。
最初に新型インフルエンザに関わるメッセージをお伝えしたいと思います。
4月28日にWHOがフェーズ4を宣言して以降、世界的に感染が継続しており、8月6日現在で17万7000人余の患者が確認されております。
また、昨日舛添大臣の記者会見の中では、「本格的な流行が既に始まっている可能性がある」とされています。
国立感染症研究所のまとめによると、1医療機関あたりのインフルエンザ患者数が0.99人、本県は0.15人となっておりますが、これは全国的な流行レベルである1人に極めて近い数値を示しております。
また他県においてですが、透析患者等のいわゆるハイリスクを持った方々の死亡例も既に報告されております。本県においても喘息の発作により熊本市内の医療機関に搬送され、人工呼吸器による管理を行っている小学生の女児の方が、新型インフルエンザに罹患していることが明らかになっております。
今後、県内においても感染が拡大していく恐れがあり、基礎疾患を有する、いわゆるハイリスクを持った方々の重症化が懸念されるところです。
熊本県としては、今後も全力で新型インフルエンザ対策を進めてまいりますので、県民の皆様におかれましても、こまめな手洗いやうがい、また様々な感染防止対策を継続していただき、警戒を怠ることなく、冷静に行動していただくようお願いいたします。
これが私のメッセージです。
発表項目
赤潮被害について
最初のコメントは「赤潮被害について」です。
今回、八代海、有明海で発生した赤潮については、有明海で8月17日に、八代海で8月18日に警報が解除されました。赤潮が終息したことに私も大変ほっとしております。
しかしながら、被害総額は約6億8000万円にのぼっており、平成に入ってからは3番目に多い被害金額となっています。
県といたしましては、現在、共済制度による早期の被害補填や、制度金融による経営支援に関係機関と連携して努めております。また、更なる支援策についても検討を進めているところです。
今後、夏から秋における高水温期においては、新たな赤潮の発生も考えられますので、引き続き、関係機関とも協力して、有害プランクトンの状況等について調査してまいります。
韓国訪問について
2番目のコメントは「韓国訪問について」です。
私は8月27日から29日にかけて、韓国を訪問します。
具体的な目的は4つあります。第1の目的は、アシアナ航空の尹(ユン)社長を訪ね、熊本−ソウル線の利用促進対策等について本県の取組みを説明し、今後運航について直接アピールを行います。
皆さんもご存知のように、ウォン安や新型インフルエンザの世界的な流行を背景として団体利用客のキャンセルなどが相次ぐなど、熊本−ソウル線を取り巻く状況は非常に厳しいものになっています。
この熊本−ソウル線の利用促進を盛り上げるため、私の訪韓に併せた特別ツアーを企画・募集しており、約100名の方が参加される予定となっています。
2つめは、ソウル観光公社の具(ク)社長を表敬し、熊本−ソウル線を活用した観光交流の促進目的についての事業協定を締結いたします。
3つめは、韓国のテレビ番組に出演し、トップセールスを実施します。
大田(テジョン)にあるテレビ局大田MBCから、番組出演についての話がありました。
テレビの画面を通じて韓国の皆様に対し、私の口から直接本県の魅力をPRし、本県との積極的な交流を呼びかけていきたいと考えております。
4つめの目的として、先月9日に熊本市内で開催されました百済文化と鞠智城をテーマにした『第3回忠清南道シンポジウム』に、忠清南道の李完九(イ・ワング)知事が熊本に訪問されたことに対する答礼を行います。
本県には鞠智城という、百済文化と深い繋がりを持つものがあるため、答礼に併せて、こうした繋がりを活用し、来年秋に忠清南道で開催される『大百済典』について本県としても参加を含め、できる限りの協力をさせていただきたいと直接申し入れたいと思っています。
さらに、今回のアシアナ航空に対する要望への同知事からの側面支援についてもお願いしたいと考えています。
公共事業等に係る市町村負担金の見直しについて
最後のコメントは、公共事業等に関わる市町村負担金の見直しについてです。
直轄事業負担金の廃止を含めた抜本的見直しを国に求めている中で、県事業に関わる市町村負担金のあり方について、県・市町村の共通理解に基づく制度として再構築するために、全国に先駆けて、抜本的・包括的な見直しに現在取り組んでいます。
見直しのポイントは、まず、情報提供の拡充を図ることです。
平成20年度及び21年度の事業明細について、より分かりやすく具体的な形で書式化し実施しています。
次に、対象事業・経費、負担割合の見直しを進めています。
維持管理的経費に関わる負担金については原則廃止、事務費についても原則廃止、道路関係事業については一般財源化による制度改正を踏まえ、県道管理の権限移譲を含めた抜本的な見直し、負担金全般についても全国調査や市町村との意見交換を踏まえ、見直しを進めています。
さらに、市町村の意見が十分反映される制度とするために、各地域振興局毎に、県と市町村の連絡会議を新たに設置する方向で検討を進めています。
これに対する県財政に対する影響額ですけれども、現段階では、約2.6億円と見込んでいます。
これについては、公共事業予算の削減には影響させず、県全体の財政再建の取組みの中で調整していきたいと考えています。
直轄事業負担金廃止に向けては、超えるべきハードルはまだ高いと考えています。
その実現に近づけていくためにも、まずは県として自らの課題をきちんと整理したうえで、国に対し意見・要望をぶつけていくことが重要だと考えています。
今回の本県の取組みがその一助になれば嬉しいと思っています。
以上が私のメッセージとコメントです。
質疑応答
新型インフルエンザ対策について
(幹事社)
冒頭、知事の方からもありましたけれども、新型インフルエンザでは昨日、重症患者が明らかになったということですけれども、今後も全力で新型インフルエンザ対策を進めていかれるということですね。具体的にこれまでとの対応を、どういうところを評価していかれるか。
蒲島知事
これまでの対応を多分継続していくことになると思いますし、それから先ほども言いましたように、県民の皆様方が自らその注意を怠ることなく、警戒を怠ることなく、手洗いやうがい、そういうことを的確にしていくことがとても大事だなと思っています。
熊本県ではインフルエンザの発生が、8月17日まで累計で116名の方の患者を確認しております。
そういう意味で全国的には、まだ少ないというふうに思っておりますけれども、これまで取ってきた対応を更に気を緩めることなくやっていくというのがとても大事かなと思っています。
(幹事社)
後は各社からお願いします。
Q
今の新型インフルエンザの件で、もうじき夏休みも終わって、いわゆる学校が再開すれば、またいわゆる集団という意味で、感染が拡大するような状況が出るかと思うんですけれども、知事部局、教育委員会も絡むんでしょうけれども、特に学校現場での感染予防について何らかの取組みを更に周知といいますか、何か知事部局としてもお考えになっているんでしょうか。
蒲島知事
現在は、学校等での集団感染を防止するために、国の方針に従って、同一集団における発生を感知することがとても大事だと思っております。
そういう意味では教育委員会とも協力しながら、学校が再開された後でインフルエンザの患者数が、爆発的に増えないような、そういう警戒といいますか、それは常に持っておかなくてはいけないと思っています。
特に大きな問題になるのは、いわゆるハイリスク者というんですか、そういうハイリスクの疾患を持った方々が特に重症化する可能性がありますので、その方々への周知徹底、それから学校でもどっちかといえば、年齢の若い層の方、それについてはとても心配しています。
韓国訪問について
Q
知事の韓国訪問なんですけれども、29日、30日が総選挙の投開票ですけれども、何故この時期に行かれるのか。
蒲島知事
実は、この韓国訪問に関しては6月の段階で決まっておりまして、それで選挙の方が後で決定されたということで、偶然でありますけれども、非常に選挙に近い時に韓国訪問を行うということになってしまいました。ただ、外交的なものでもありますので、キャンセルすることはなかなか難しい。それから熊本−ソウル線の利用促進を図って旅行者の皆様を募った関係もありまして、もう100名の方々が参加を予定されています。
そういう意味でこの27日から29日というのは、まさに6月に決まったことだったんですけれども、選挙の直前になってしまったということもありますけれども、偶然だと思っていただければいいと思います。
Q
九州新幹線が開通すれば、福岡空港まで1時間弱で行けるかと思いますけれども、そうすると更に熊本空港の国際線の必要性というものに、あえて維持する必要性があるのかどうかという議論を、若干疑問になるかと思うんですけれども、どうしても維持する必要性があるというふうに知事はお考えですか。
蒲島知事
はい、私は熊本空港は非常に重要な飛行場である、空港であると認識しておりますし、そしてこのアシアナエアラインがここを飛ぶというのはとても重要だと思っています。
それで福岡に集中して、一極集中するのではなくて、熊本に多くの観光客の方々がいらっしゃいますので、熊本・ソウル線はとても大事にしたいと思っています。
利用状況も、ウォン安で一時低下しました。そして、インフルエンザによる影響もありましたけれども、私の聞くところによると9月、それから9月以降は少し持ち直しているということを聞いています。
そういうその利用促進を盛り上げるためにも、今回熊本の旅行客の方々と一緒に行くのはとてもいいタイミングで、そしていい状況で行けるのではないかなと思っています。
公共事業等に係る市町村負担金の見直しについて
Q
すみません、市町村負担金の話なんですが、抜本的な見直しという、全国に先駆けてとあるんですけれども、知事として知事会なりに、国の直轄事業負担金廃止のために、全国の知事に廃止を求めたり、見直しを求めたりとか、呼びかけたりとか、そういったようなことをお考えなんでしょうか。
蒲島知事
まず、この熊本県がどうするか、それから率先して熊本県が、他の県がどうするかと周りを見るのではなくて、直轄負担金の問題に関して熊本県が市町村との関係の中で、どう取り組んでいくかということを率先してやるというのがとても大事だと考えています。
国には直轄事業負担金の廃止を求めながら、市町村に対しては違った方向性という、そういうことではなくて、地方分権は県内でも進めるという、そういう観点からこの見直しを率先してやっているところです。
聞くところによると、現時点では、包括的な見直しに取り組んでいる都道府県は知事会の方では把握していないというふうに聞いております。
そういう意味では画期的な見直しということになると思いますし、それを可能にしてくれた財政課の皆さんに大変感謝したいと思っています。
Q
知事、今の関連で先程、いわゆる国に対する都道府県の負担金の部分について、直轄負担金というのはハードルがなお高いというようなお話だったかと思うんですけれども、改めてですけれども、今後国に対する直轄負担金の、今ハードルと捉えていらっしゃるところ、どうやるとそれがもう一歩進むのか、そのところも今知事としての分析はいかがでしょうか。
蒲島知事
この問題は、政治状況が今後どうなるかによっても大変関係してくる問題だと思います。
それから必ずしも、全ての都道府県が見直し、知事会として見直しは求めていますけれども、例えば地方に対する公共事業が減るのではないかとか、様々な懸念もあります。でも一般的な傾向としては直轄事業負担金は廃止を含めた見直しというのが知事会の意向だと思っています。
ただ同じようなことが、やはり市町村と県の関係でも議論されなくてはいけないと思っていますので、県と市町村関係の中におけるこの市町村負担金の見直しを率先して取り組むという意味はとても大きいと私は思っています。
知事会の中における議論のモデルケースとしても、早めに熊本県が取り組んだことは、私自身はとても高く評価しています。
市町村合併について
Q
県内の市町村の合併が進んだところと進んでないところとあって、それぞれ規模が相当違ってきているわけですけれども、そういう中で小さな町とか村もあるわけですけれども、そういうところに完全に権限移譲して、それでやっていけるのかどうかというところもあるかと思いますけれども、それはいかがですか。
蒲島知事
やっぱり市町村のご意見とかあるいは先程言いましたように、県とそれから市町村の議論の場とか、それを作るとか、そういう形で、様々な特色、違いが出てくるのを県がどう把握するかということだと思います。
実は九州の戦略会議で元東京大学の教授だった西尾勝先生がおっしゃっていましたけれども、本当に小さな地方公共団体も自ら全ての政策をやらなくてはいけないという、そういう今の地方公共団体の制度になっているけれども、本当にそれでいいだろうかと。やっぱりそこで県と一緒にやらなくてはいけない場合もあるのではないかという議論も、その講演の中で出てました。それを聞いて、だから一律に、すべてフルセットで市町村がやれるかどうかという問題も含めて、これから市町村の方々と議論を重ねていきたいと思っています。
赤潮被害について
Q
赤潮の件なんですけれども、今既存の対策以外にも検討しているということですけれども、具体的にどういうことを検討されているんでしょうか。
蒲島知事
今のところ制度的なものとしての漁業共済、それから制度資金による経営支援というのが既にあるものですね。
行政としてできるだけ養殖業者の方々が経営が再建できるように、どのような対策が考えられるかと、そういうものを含めながら、農林水産部に対して、他の制度が、他のやり方があるか、速やかに検討するように指示しております。
どういうことがあるかということを含めて今検討中ということにさせていただきます。
熊本県政の推進について
Q
知事、まさに選挙戦真っ最中なんですけれども、それはともかく、この間もやはり熊本県内、地域経済という面からみると、中小零細の方々がどうやって凌いでいくかというのは、もう日々事柄が動いていると思うんですけれども、今現在の様々な各政党がいろんな経済対策、あるいは今後の国に財政をどう組み換えるか、どう展開していくかという議論が政治の舞台では活発なんですが、知事ご自身としては熊本の経済といいますか、県民の暮らしをよりよい方向にもっていくために、何をきちんと政治の場で捉えて欲しいとお考えか、そういった点はいかがでしょうか。
蒲島知事
今の国の政治がどうなるかという、そういう意味では大きな場面だとは思っています。
しかし、熊本県知事としてできることは、私のマニフェストに添った4つの夢、3つの困難性というのが川辺川と水俣病と、それから財政再建というもの、それを乗り越えて一定の方向性を示すことができましたので、4つの夢、経済上昇熊本と、それから長寿を楽しむ社会の構築、夢のある教育、品格ある熊本、それに向かって、着々とマニフェストにそって県政を進めていくべきだと思っています。
その中で、国の大きな変化があるかも知れませんけれども、それをプラスに変えるような形で、くまもとの夢4ヵ年戦略を進めていくということが私の今の任務ではないかと思っています。
国がどうなるか、それを心配しながら、県政が滞ってはいけないと思っておりますので、まずここはきっちりと自分達の方向性をもって、そして先ほどいった市町村負担金を踏まえて熊本県が独自にやるべきことは独自にやっていくということだと思います。
Q
今回、首長さん方、市町村長さんの中では、やはり今回政府与党が進めた経済対策なり、そういう面で、やはり地方に対する財源の手当など含めて、今の流れが途絶えては大変なことになるというようなご認識で選挙戦の一翼に関わっていらっしゃる方も多くいらっしゃるわけなんですけれども、その首長たる知事として、そういった今回経済対策の中では、やはり知事がおっしゃった夢という部分の一歩踏み出しができたという評価を一方ではなさっていたと思うんですね。その点でいうと。
蒲島知事
地方に対する手厚い政策ということに対しては、とても感謝しております。
どのような政権になろうとも、それを方向転換するというのは、私は難しいのではないかと思っています。
衆議院選挙について
Q
選挙関係でもう一点お伺いしたいのですけど、前回の定例会見にも出ましたけれども、先日公示されて、各陣営、出陣式などされましたけれども、今知事の方からもメッセージを送られた候補がおられるかと思いますけれども、特定の候補なり政党ですね、応援しないという知事のスタンスの整合性というか、それは改めてご説明をお願いします。
蒲島知事
前回も述べたように、私のマニフェストに添って、特定の候補、それから政党は応援しないというふうに原則は決めています。
それで、メッセージに関しては、やはりそれとは別に、前回も述べたように、知事選でとても一生懸命応援してくださった方々、あるいは県政に国政の場から大変貢献してくださった方々、その方々に選挙運動とは別に、選挙運動をしないだけですけれども、そういう心をというんですか、私も子ども達に「人の恩は忘れるな」と常に言い続けておりますので、その観点から最大限できることというのは、要請を受けた時にメッセージをお送りして頑張ってほしいということを言わせてもらっています。
それ以上マイクを握るかとか、あるいは選挙カーに乗るかとか、そういうことはありません。
Q
ただ県民からすれば、例えマイクを握ってなくても、選挙カーに乗っていなくても、知事のメッセージが読み上げられたり、知事からメッセージが来ましたというとやはり受け止めとしては、知事が支援しているんだという判断に影響するのでは。
蒲島知事
その判断、だから、私も全く冷徹に、書いたことはやるんだというスタンスをとるのか、あるいは生身の人間ですから、恩を大変受けてお世話になった方々に精一杯のお礼をすると、そこの限度を踏まえながら、そういう私の方が県の方々がいいのか、それはよく分かりません。ただ私は、そういう形で対応しておりますので、県民の皆さん方がそれを受け入れてくださることを祈っているところです。
Q
関連ですけれども、それというのは、いわゆるダブルスタンダードをご自身で作られたということですよね。
蒲島知事
ダブルスタンダードとか、そういうことよりも、私の気持ちの赴くままということです。
それを選挙運動と見るかどうか私はみておりませんので、頑張っていただきたいと、熊本のために頑張っていただきたいと、頑張っていただいた国政になられた方々、国政の中で県のために一生懸命にやっていただいた方と、それから私の知事選において、本当に献身的にやっていただいた方に、どこまでできるかというギリギリの線でメッセージを送らせていただきました。
Q
知事はよく、知事と政治家という立場を分けておしゃべりになることがありますけれども、まさに知事選というのは、政治家蒲島郁夫を応援された。そして今度は、例えば国会議員の方が国政で県のためにやるとかいうこと、それはある意味国会議員としては当たり前のことなんだと思うんですけれども、何かその辺…。
蒲島知事
もう一つあります。知事としての蒲島が一人、それから政治家としての蒲島も当然です。
当然もう一つ人間としての蒲島もあります。
だからそのバランスが日々政治をやっていく上でとても難しいし、それから大変ですけれども、やはり人間としての蒲島を失った政治家は政治家ではないと思うし、人間としての蒲島を失った知事は、県民の皆様方はむしろ信頼しないのではないかなと私は思っています。
Q
知事、そもそも出陣式で何陣営にメッセージを送られたんですか。
蒲島知事
リクエストを受けた方々で、それから三つある。一つは、国政でお世話になった方々、そして私の知事選の時に献身的に応援してくださった方々、そういう方にメッセージを差し上げています。
Q
要請を受けて送らなかった相手はいますか。
蒲島知事
私の知る限りはないと思います。
Q
何度伺っても多分よく理解できないんですけれども、政治家としてでなく個人として送られるんだったら、送られるメッセージに熊本県知事蒲島郁夫とはせずに、蒲島郁夫だけでもよかったんじゃないかと思うんですけれども。
蒲島知事
今言われているのは、確かにそうであります。
ただ蒲島郁夫と書いても、熊本県知事蒲島郁夫と書いても多分受けとる側は全く同じじゃないかと思っています。
路木ダムについて
Q
路木ダムの件で、知事が提訴されましたけれども、この件に関しては今後いかが対応される予定ですか。
蒲島知事
路木ダムに関して、まだ裁判所から正式な訴状を受け取っておりません。
それで訴状が届けられておりませんので、それを読んだ段階でないとコメントできません。
ただ訴訟が行われたことに関しては残念に思っています。
今後とも県民の方々に丁寧に説明を行って、事業に対するご理解を深めていただくよう努力したいと思っています。
Q
特にはこれまでの主張どおりというか、主張を繰り返すことになるんでしょうか。
蒲島知事
裁判となればその場で県の考えを主張してまいりたいと思っています。
よろしいですか。
(幹事社)
よろしいですか。
ダムによらない治水を検討する場について
Q
すみません、もう1点、前回もちょっと伺ったんですが、ダムによらない治水なんですけれども、次回の会合については、なるべく速やかにやりたいという意向で、市町村との調整というのも引続きやっていらっしゃるということで、今後の方針としてはダムによらない治水の検討を極限までやることは堅持するということを前回おっしゃられましたけれども、次回の開催見通しと、それから例えば8月30日という総選挙の投開票日、それによって国政の方もどういう状況になるのかというのが見えてくるわけですけれども、例えばそれを意識して、例えば日程調整でありますとか今後の展開というのを、例えば政治的動向も意識しながら検討しているのかどうか。その辺はいかがでしょうか。
蒲島知事
前回の8月5日の記者会見で、関係市町村を個別に訪問したいという話をしましたけれども、そこで今、事務当局と各関係市町村と話をし、そして意見をお伺いしているところです。
まだ日程は調整中ですので決まっておりませんし、この日程調整と政治状況というのは切り離して考えています。
川辺川ダム事業について
Q
川辺川ダムについて1点だけ。
今回民主党がマニフェストにダム中止というのを明記しているわけですけれども、八ツ場ダムについては関東の知事の中からは、地元のいわゆるダム建設要望に応えていないというような観点で、マニフェストに具体的に八ツ場ダムというダム名をあげて、一方的に民主党がマニフェストに挙げたことに対して批判というか、異論が出ている部分があるんですけれども、熊本県知事として川辺川ダムも事業の中止ということは、改めてですけれども、今回民主党なり他の政党も含めて、具体的に固有名詞を出して中止というのを掲げていることについてどう思われますか。
蒲島知事
民主党のマニフェストがどうであれ、今進めておりますダムによらない治水を極限まで国と県と、それから関係市町村で検討していると、この考え方を進めていきたいと思っています。
当然その方向をどういう政権の形であれ、尊重されるものではないかと私は思っています。
ダムによらない治水を極限まで検討するものを、今そういうふうに進めているわけですから、そのやり方というのは私は正しいのではないかと思っています。
Q
マニフェストに記載されたこと云々についての是非というのは特に、今の段階ではお考えではないと。
蒲島知事
私の与えられた時間の中で、熊本県の立場としてどういうふうなことをやるべきかと考えていますので、今はダムによらない治水をとにかく極限まで考える姿勢になんらのブレもありません。
事務局
それではよろしいですか。ありがとうございました。
はい。それではどうも。