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平成21年 7月17日 知事定例記者会見
日時:平成21年7月17日(金曜日)午前10時00分から
場所:知事応接室
発表項目
- 全国知事会での議論について
- 熊本私学夢教育事業の実施について
- 行政文書の管理のあり方について
- 中国訪問について
- 熊本県企業立地促進補助金の最高交付限度額の引き上げについて
- ねんりんピック2011(ふれ愛)熊本実行委員会の設立について
質疑応答
- 全国知事会について
- 衆議院選挙への所感
- 行政文書の管理について
- 全国知事会について
- 行政文書の管理について
- 整備新幹線建設負担金について
- 熊本県企業立地促進補助金について
- 政令指定都市と市町村合併について
- 路木ダムについて
- 政令指定都市移行に向けた県のあり方について
全国知事会での議論について
蒲島知事
私の方からの発表項目は6つあります。
まず、「全国知事会の議論について」7月14日から15日にかけて、三重県伊勢市で全国知事会議が開催されました。
政権公約評価や地方消費税の問題などについて、活発な協議が行われました。
まず、「こうのとりのゆりかご」につきまして、会議の場で現状を報告するとともに、各都道府県における相談体制の強化や本県との連携について、各知事に対し積極的な協力をお願いしました。
また、各政党の政権公約については、分権改革政策を点数化して評価し、全国知事会として公表することに決定しました。
一方、問題になっておりました政党支持については、本人の思想・信条、選挙における支持母体の状況、県民全体の意向などがあることから、知事会として表明すべきではないと私は申し上げました。
結果として、全国知事会としても支持政党は表明しないということに決定いたしました。
また、神奈川県の松沢知事から、道州制を進めるための項目を各政党のマニフェストに盛り込むよう要請すべきではないかという提案がありました。
私は道州制は地方分権の究極の姿であると考えており、総選挙を控えた今が各政党のマニフェストに盛り込んでいただく最も有効なタイミングであると判断し、松沢知事の提案に賛同いたしました。
全国知事会としては、道州制に関して意見の統一はなされておりませんけれども、趣旨に賛同した13都道府県の知事で行動することとなりました。
昨日16日、13都道府県を代表して、北海道、神奈川県、岡山県、愛媛県及び本県の5道県の知事等が、自民党、民主党、公明党に対し、要請活動を行ったところです。
熊本私学夢教育事業の実施について
2番目の発表項目は、「熊本私学夢教育事業の実施について」です。
4月の知事定例記者会見で、今年度は「夢のある教育」を進めていくと申しました。
その具体化の一つとして、まず「熊本私学夢教育事業」を実施することとなり、その概要がまとまりましたのでお知らせします。
お手元の別紙1にありますように、今年度は大きく5つの事業を実施していくこととしました。
高校生の場合、本県では約30%が私立であり、その底上げを図ることは、熊本全体の教育レベルの向上につながるものと考えています。
しかし、少子化の進行による経営環境の悪化や不況の影響により、経済的理由で就学困難となる生徒の増加など、私学を取り巻く環境は厳しさを増しております。
この事業はそうした私学や生徒たちを応援するためのものです。
私は常々、人生の可能性は無限大であると考えていると言っています。
子どもたちには夢を持つこと、そしてその夢の実現に向けて一歩踏み出すことの大切さを伝えたい。夢を原動力に、自らの人生を切り拓いてもらいたいと考えています。
是非、やる気のある多数の生徒、教員の方々の参加を期待しております。
行政文書の管理のあり方について
3番目は、「行政文書の管理のあり方について」です。
行政文書の適切な管理は、民主主義の基本であります。
行政文書は県政運営を支える基本的なインフラであることはもとより、後世の県民に対する説明責任を果たすための必要不可欠な財産でもあります。
このような行政文書の意義を職員一人ひとりが常に意識することは、それぞれの職務に対する誇りと責任を明確化することになります。
国においても、去る7月1日に公文書管理法が公布され、2年後を目指して施行の予定となっております。
このようなことを踏まえ、行政文書の管理のあり方について検討する外部委員会を近く立ち上げ、半年程度の検討の後、提言をしていただきたいと考えております。
具体的な委員の人選はこれから行いますが、行政文書は現在、更には将来に向けての県民共有の財産との認識のもと、幅広くご意見を頂戴したいと考えております。
なお、当委員会にご審議いただく間、全ての行政文書について廃棄を一時凍結する旨指示をいたしました。
また、この機会に、改めて県の知事部局職員に対し、文書において公文書の意義の周知の徹底を図ることといたしました。
中国訪問について
4番目は、「中国訪問について」です。
当初5月下旬を予定しておりました中国訪問を、7月27日から7月31日に実施します。
今回の訪問は、本県と友好提携している広西壮族(こうせいそうぞく)自治区の馬(ま)主席とトップ会談を行い、観光や経済分野を主とする交流の拡大について友好交流促進覚書を締結するものであります。
私にとりまして、同自治区の訪問は今回が初めてとなります。
途中、上海市に寄り、上海市政府関係者との懇談、復旦(ふくたん)大学における講演、上海総領事及び経済関係者との懇談等を行う予定にしています。
今回の訪問を契機として、広西壮族自治区との更なる友好交流を促進し、観光を主とする人的交流の拡大や、南寧(なんねい)市で開催されている中国ASEAN(アセアン)博覧会を活用した中国及びASEAN各国への県産品の販路拡大等、実利ある交流に繋げていきたいと考えております。
なお、今年2月に香港で行ったトップセールスを受けて、その際にお誘いした香港商務経済発展省事務次官のイヴォンヌ・チョイ氏をはじめ、香港の政財界の要人15名が7月24日から29日にかけて、熊本を訪問されることが決まりました。この機会に熊本の良さをしっかりアピールしたいと考えています。
熊本県企業立地促進補助金の最高交付限度額の引き上げについて
5番目は、「熊本県企業立地促進補助金の最高交付限度額の引き上げについて」です。
8月から、大規模投資企業に対する企業立地促進補助金の最高交付限度額を20億円から50億円に引き上げる制度改正を行うこととしました。
これにより、九州トップの補助金交付限度額となります。
国内の景気は依然として厳しいものがありますが、国においては低炭素社会の実現に向けて太陽光発電等の環境関連産業への様々な施策を展開しており、今後ますます市場拡大が見込まれます。
近年の企業誘致の動きを見てみますと、半導体や太陽電池関連を中心に1000億円以上の大規模な投資が見受けられます。
熊本県としては、今後こうした大規模投資企業を積極的に誘致していくため、補助金交付限度額を引き上げる制度改正を行うことにしました。
地域経済に大きなプラス効果を与える大規模投資については今後自治体間の誘致競争が一層厳しくなると予想されています。
交付限度額を引き上げることで、本県への誘致を有利に展開していきたいと考えているところです。
ねんりんピック2011(ふれ愛)熊本実行委員会の設立について
- 報道資料(実行委員会)(PDFファイル:15KB)
- 報道資料(組織体制図)(PDFファイル:7.4KB)
- 報道資料(大会概要)(PDFファイル:27KB)
- 報道資料(種目・会場詳細)(PDFファイル:31KB)
最後は、「ねんりんピックについて」です。
平成23年10月に本県で開催する「ねんりんピック2011(ふれ愛)熊本」の準備を県民総参加で進めていくため、実行委員会を設立します。
この大会は、活力ある長寿社会を実現することを目的として開催するもので、全国から選手、役員等1万人、観客等を含めると、延べ約50万人の参加が見込まれています。
実行委員会には、県内の福祉団体や老人クラブをはじめ、スポーツ、文化、教育、経済、観光など、幅広い分野から総勢190名余りの参加をお願いしております。
8月5日水曜日、1時半から熊本テルサにおいて実行委員会の設立総会と、これに引き続き第1回目の総会を開催することとしております。あわせて総会終了後、事務局の開所式も行います。
大会の成功に向け、これから本格的な準備を進めてまいりますので、皆さまのご協力をお願いいたします。以上です。
全国知事会について
(幹事社)
おはようございます。
幹事社から何点かお伺いしますけれども。
まず知事会についてなんですけれども、各政党の公約の評価を点数化して公表していくということなんですけれども、各知事は参加を希望すればということですけど、蒲島知事としては参加をされるという…。
蒲島知事
まだそこまでは態度決定には至っておりません。近く態度決定したいと思います。
利点とデメリットもありまして、多くの人が参加して平均化してしまうということがいいのか、あるいはそれを何年かに亘って見てきた委員の人たち、特別委員の人に任せた方がいいのか、どちらの方がいいかということを見極めたいと思っています。
特に、私の場合は、初年度になりますけれども、これまで何度もマニフェストを検証した人たちもおられますので、その観点から検討してまいりたいと思っています。
衆議院選挙への所感
(幹事社)
選挙関係で伺いたいんですけれども、来週にも衆議院の解散がされるという予定になってますけれども、知事として今度の総選挙、先程道州制のお話もありましたけれども、どういう点を注目されているのか。
蒲島知事
はい、今回。すみません。これは知事としてではなくて、一応政治学者としてコメントをさせてほしいと思います。
私も長い間選挙を見てまいりました。
そして随分と戦後の選挙を分析してまいりましたけれども、二大政党制が確立して、政権交代の可能性が高まったという選挙は今回が一番それが高まったのではないかと思っています。
私も、願わくば両政党、とりわけ主要な政党である自民党と民主党が、それぞれの力を出し切ってマニフェストを用意し、そして他の政党も当然マニフェストを用意すると思いますけれども、それを国民に提示して、お互いが競い合うという王道選挙、マニフェストによる王道選挙を展開してほしいと個人的には思っております。
それで、先ほどのとりわけどういうことに期待するかということですけれども、今回知事会において、地方分権、これが大きな争点になるというふうに思いますので、これに各政党は取り組んでほしいと思っています。
それから道州制についても、13人の知事有志で今お願いしているところですので、これについても具体的なマニフェストに載せてほしいという気持ちでおります。
ただ、私は知事会でも主張しましたように、知事会として、あるいは知事として政党支持を表明するべきではないと思っております。
それは様々な考え方、イデオロギーもありますし、それからそれぞれの知事さんのおかれた支持基盤、あるいは県民の方々の様々な意見、そういうこともありますので、知事会として政党支持を表明すべきではないと思っておりますし、私自身もそうすべきではないと思っています。
(幹事社)
仮に次の総選挙で民主党が政権をとった場合、県政へも影響があるかと思うんですけれども、とりわけ川辺川ダムとかについては民主党の方は事業中止というふうに打ち出していますけれども、現段階で政権交代をした場合の対応は何かしら考えておられることがありますでしょうか。
蒲島知事
それは選挙が近く行われるということと、そういう仮定の段階でのことですので、仮定の段階でどうすべきかということは知事としてはコメントを控えさせてもらいます。
行政文書の管理について
(幹事社)
あとは各社さんからお願いします。
Q
行政文書の件なんですけれども、まず、行政文書の廃棄の凍結というのは、いつ指示をされたのかということと、その対象となるのはこれは知事部局だけということなんでしょうか。その点をまず確認を。
蒲島知事
指示の日にちはいつかということですけれども、指示を出したんですね、具体的な日にちはいつになるんですか。
(私学文書課長)
正式な文書はまだですけれども、もう一旦凍結ということで知事部局、振興局も含めてお願いしております。
蒲島知事
知事部局だけですか。
(私学文書課長)
はい、知事部局です。
Q
振興局も含まれるんですね。
蒲島知事
あ、そうですね。
Q
この行政文書については、廃棄すべきか保存すべきかというところの判断ですとか、文書をある程度残すということになりますと、当然保存する場所の問題であるとか、物理的な制約というのも当然出てくるかと思います。
そのあたりを外部の方に議論していただくということになるかと思いますけれども、知事としては、そういった保存をきちんとすることによるメリット、あるいはデメリットというのは多分そういう意味ではいろいろなところであると思うんですけれども、その点現段階、知事としてはどういうふうにお考えになりますか。
蒲島知事
私はもう最初から行政文書というのは民主主義の基本であると思っておりますので、保存すべきだという考えに立っています。
それは今、情報公開で、すごく短期間に情報公開もされていますけれども、諸外国の例を見てみますと、例えば30年なら30年以降に公開すると。それによって歴史学者が政治状況あるいはその政権なりを学問的に評価すると。そういうのをずっと見ておりましたので、やはり行政文書というのは民主主義にとってはとても重要だと。
今公開するというよりも、そうではなくて、長期的な展望に立ってそれがどのような政治が行われたかと。その抑制というか、その制約があるということは、今多大な行政をやっている人たちにとって、それが将来何十年後あたりで公開されるということであれば、まず責任が伴います。それから自分たちはいいことをやっているんだという誇り、これも伴う。そういう意味で私はずっと前から行政文書というのは民主主義の基本であると思っておりました。
ただご存知のように、今スペースの問題、巨大なスペースが必要です。
それから重要性の問題、そういうものもありますので、すべてを完璧に保存するというのは実際的ではないでしょう。
そういう意味では、メリット、デメリット、それからスペースの問題、そういうのを含めながら今回の委員会で検討していただければ幸いだと思っています。
一つ私がよく例に出すのは、永青文庫ですね。これも多分細川文書というのが、あれだけ完璧に残っているということが今は熊本県にとっても宝になっていますし、これは学界の宝でもあります。
そういう意味で、残すということが私はとても大事だというふうに昔から思っておりましたので、今回の行政文書の保存に関して、よい方向に進んでいるんではないかなと思っています。
Q
知事ご自身の問題意識として、今持っていらっしゃるのは、保存の年月が短いということを問題意識として持たれていると。
蒲島知事
問題意識としては、これは後世の人たちがその時代を検証する時に、それが残っていると、そういうふうな状況が理想的だなと思っています。
ただ同じように、これだけ巨大な文書がありますので、それをすべて永遠に残すというのは困難です。
だから当然どれを残すべきか、そういう判断も必要になってくると思いますけれども、少なくとも、これはどれも県民の宝であるというふうな観点から見るのと、そうでないと思って文書を見るのとでは全然違ってくると思います。
だから、私は民主主義の基本であり、県民の宝であるという観点から見れば、自ずと行政文書に対する扱い、丁寧さ、保存面で、そういうことも考えられる、検討されるのではないかなと思っています。
全国知事会について
Q
知事会の話にちょっと戻してよろしいですか。
蒲島知事
はい。
Q
東国原知事の動きであるとか、橋下知事の動きであるとかというのを、今回蒲島知事はどのように見られて、どのように評価されていますか。
蒲島知事
東国原知事と橋下知事の動きが、知事会に対するマスコミの皆さんと、それから国民の皆さんの関心、これを呼んだということはとても重要だと私は思っています。
その中で、皆さんが注目をしている中で地方分権の問題、それから道州制の問題を含めてですけれども、そういうものが皆さんが熱心に討議された結果、地方分権に関しての各政党の取組みを点数付けをするという、評価するという、そういう決定になったと。それはまた、そこで少し統一がとれなかったとすれば、東国原知事、それから橋下知事が政党支持まで踏み込むべきだとおっしゃったことに関して、私を含めてもそうではないんではないかという議論が多かったということで、それは政党主義については見送られたと、そういう意味で妥当な結論に落ち着いたのではないかなと思います。
関心を持ってそういう方向に行ったというのも東国原知事と橋下知事のお力が大きかったというふうに思っています。
Q
東国原知事は昨日の会見で自民党からの出馬を断念ということを明言されておりますが、それについてはどう思われますか。
蒲島知事
それについては、個々の考え方でありますし、個々の政治信条に関するものですので、私がコメントすることはないと思います。あるいはコメントいたしません。
Q
東国原知事の報道については、結果として地方分権というのを掲げつつも、東国原知事ご本人の、何というんでしょうか、中央政界への進出のために足場に使ったんじゃないかというような手厳しい見方もあろうかと思うんですけれども、そういう展開については、何らかお考えなんでしょうか。
蒲島知事
憶測で人を評価するというのは、いかがかと思いますので、それの件についてはノーコメントにさせていただきます。ただ自分のことは言いますので、私は前の記者会見でも申し上げましたように、二君に仕えずと、熊本県民に仕えるということを明言しておりましたので、私自身の判断については言えますけれども、東国原知事については、そのことについて聞いたことも確認したこともありませんので。
行政文書の管理について
Q
先ほどの文書のことにまた戻らせていただきます。
2点確認させてください。
1点は公文書管理法が成立して、施行に向けて、政令とか国側も考え方を整理していると思うんですけれども、それと今回県が今から独自に検討なさろうというもの、それを整合性なり、県は県として一定の踏み込み、方向性をきちんと独自性をもってやっていくというようなお考えに立たれているのか、それともう1点は、外部委員会ですけれども、人選はこれからということでしたけれども、おおよそどういった、例えば研究者の方であるとか、行政の方とか、市民の方とか、どういった方々の意見を求めようとされているのか、それとそこにはどういう権限といいますか、知事の明確な諮問機関というような位置づけになるのか、そこが決定したことが有効とされるのか、どういう位置づけで捉えていったらいいでしょうか。
蒲島知事
まず国との整合性ということですけれども、発想そのものは全く独立だと思います。私の方はもう知事就任直後からこのことに関しては考えておりましたし、これが民主主義の基礎だという、政治学者としての信念がありましたので、発想について、この国の方の動きを追っていったのかということではありません。ただ、既に国の方では、このような動きがありますので、それに整合性を持とうとすることの予想はできますよね。
そのような形で委員会の方々も考えられるだろうし、あまりにもかけ離れたものではないと思いますけれども。完全に同じかというとそうではないと私は思います。
ただ委員の方々のご意見がどういうものになるか、ちょっと私この段階で何も申し上げられません。
それから委員の方々の構成についても、この段階ではまだコメントできる状況にありません。
Q
権限としてはどういう。
蒲島知事
権限も含めて。
Q
それともう1点だけ、その関連で、知事の中には、例えば天草市がやっていらっしゃるようなアーカイブというか、そういうこう文書館のような、そういった資料性、県民に対する資料公開とか、そういう機能も将来的には県として必要というお考えでしょうか。
蒲島知事
今は財政危機の中にありますので、そういう制約状況のもとでどういうことが可能かということも委員会、あるいは委員会の意見を聞きながら知事部局で考えていきたいと思っています。
整備新幹線建設負担金について
Q
昨日佐賀県の古川知事が九州新幹線の追加負担の問題で、一定の理解、納得していると。熊本県も機構の説明に一定の理解を示しているというような発言をされたんですけれども、知事のお考えは。
蒲島知事
この新幹線の問題について追加負担問題については佐賀県と熊本県とそれから福岡県が、強い連携のもとに動いております。
それで一定の理解を3県がしながら、この問題に対処しているところです。
Q
鉄道運輸機構の説明があったかと思うんですけれども、それについても一定の理解をされているということですか。
蒲島知事
今その追加負担とか、そういうことに関しては、厳しい情報収集というんですかね、それから一定の説明、だから説明が十分納得できるものであれば、というのが今の各3県のスタンスだと思っておりますので、現在3県連携でこれをやっているところです。
これに関しての追加コメントがありましたら、担当者の人は、これでいいですか。
(広報課長)
ちょっと今日はまだ…。
蒲島知事
はい。
熊本県企業立地促進補助金について
Q
企業誘致の促進補助金の額を上げられるということなんですけれども、誘致が実現すると確かに経済的には大きな効果があるというのは分かりますけれども、我々直前において大企業が派遣切りをしたりとか、そういう状況もまさに経験してきた中で、例えば50億円の補助金を出すにあたって、仮にそういう状態になった時に、従業員の解雇をしないとか、ただそういうような条件とか、そういうようなことを付けるとか、まさに呼び水ですから、そういう条件を付けたら来ないよということかもしれませんけれども、この50億円と仮に経済状況が悪くなった時の対応というところで何かお考えはありますか。
蒲島知事
はい、今現在は20億円です。
そういう意味では私はちょっと理解が間違っているかも知れませんけれども、九州では(※)最低ですよね。
※企業立地補助金の最高交付限度額は九州内では、鹿児島県に次いで2番目に低い額
(企業立地課長)
現時点では鹿児島県が最低県です。下から2番目が熊本県です。
蒲島知事
はい、それで今一生懸命に企業誘致をしています。
とりわけ太陽光発電関係、それからとても大きな投資を伴うものですよね。
その時に、やっぱり50億という今正しいかどうかちょっと確認しながら言いますけれども、宮崎と…。
(企業立地課長)
大分。
蒲島知事
大分が50億なんですね。
それで熊本は20億、そこで競争している段階で、熊本はとても企業立地課は頑張っています。そして企業の評価も高い。
そして他のことも、例えば労働者、労働の質の方もとてもいいというふうに言われていますけれども、やっぱりそこの30億の差というのはとても企業誘致をする側にとっては大きいというふうに考えました。
そこで50億というところまで引き上げたわけです。
今のご意見ですけれども、これは50億は17年間で交付が終了します。
仮に交付期間内に企業が撤退した場合当然交付金は支払いませんので、そういう意味で来たらすぐ払うというものじゃありません。
そういうかたちでコントロールというんですか。
Q
じゃ仮にその期間内に経済状況が落ち込んで、派遣社員をまたバッと切る。そして結局県行政あたりがその方々の緊急雇用対策に更にお金を投入する。そういうことも考えられますよね。
蒲島知事
この補助金の交付にあたっての契約、そういうものが多分取り交わされると思いますけれども、そこまで私も詳しく理解していませんので、担当課長の方からすみません。今の契約社員の件について、すみませんお願いします。
(企業立地課長)
企業立地促進補助金の中身が2つございまして、投資額に対する一定の、これは業種とかそれから投資金額によってパーセンテージが若干変わるんですけれども、大規模投資については投資金額の5%というふうなことで決めております。
それプラス雇用に対する補助金との2本立てになっておりまして、当然非正規の不安定な雇用に対しては出さない。あるいは住所を移さないような、人口が増えないような雇用に対しては出さないというようなことで、十分だとはいえませんが、そういった助成金の中身で適正な雇用も確保していただくようなインセンティブになっているんじゃないかと考えています。
Q
この問題、この話は、今経済があんまりよくない時期で、なぜこの時期に増やすのかという、その理由は。
蒲島知事
経済がよくないから将来に希望をもって、企業誘致を進めるという側面と、今これを決めておかなければ、例えば経済が良くなって、立地をしようと思った時にすぐ対応できない。そういうこともあって、今すべての経済的な状況が良くないから、何もしないでただ待っておくという立場は私はとっておりません。だから先を見て、そしてとりわけ大型誘致が最近多いです。太陽光、太陽電池とかそういうものを含めてですね、そういうものを新たな柱として考えておりますので、この段階で補助金の引上げというものを提示したところです。
Q
目標で構わないんですけれども、この50億円の補助金を出せるような企業誘致がいつぐらいまでに実現するかということは。
蒲島知事
それは私も神ではありませんから、特に今のこの経済状況の悪い時期に、はい、ここにありますと、具体的に企業名がありますかというところでは、言えないところがありますし、前よりも一層厳しい状況にあります。
ただ、積極的にこのインセンティブを利用して、更に企業立地課が攻めていくと。攻めていこうという気持ちを持つことができると。それが大きいのではないかと思います。
政令指定都市と市町村合併について
Q
熊本市が政令市に向けて合併をしましたけれども、人口72万人近くの市が誕生しますけれども、そうすると熊本市に集中することになって、一極集中が進んで他の県地域が過疎化するんじゃないかという懸念もありますので、その辺はいかがでしょうか。
蒲島知事
私はもう選挙戦が始まった段階から、熊本市は政令都市になるべきだと。ちょっとのブレもなく、それでもって戦ってきたし、それが県政に入ってもそのように進めてきました。
それはなぜかというと、熊本市が政令都市になれば九州で3番目の政令都市になるわけですけれども、今、気分として、福岡と鹿児島に新幹線で人が吸収されるんではないかという一種の恐れがあります。
それをどうやって阻止するかというと、やっぱり熊本市が政令都市になり、それが人々を吸収して、そして熊本全体の経済上昇、あるいは誇りの上昇も含めてつながっていくということが大事だと思っています。
それで一般的には、知事は政令都市に大体反対するというふうに言われておりますけれども、私は一貫して熊本市の政令都市に賛成してきましたし、そのように積極的に行動してきました。
一つは、将来の現象として、もし熊本市に人が集まり、そして、これが拠点都市になれば、長崎島原の方に一方の線が伸び、今度は阿蘇・大分の方に線が伸びていくという横の連携もこれから十分考えられるわけですね。
だから、ここが拠点性を保つということは熊本県全体にとって、熊本市だけが一極集中というよりも、この一極集中というのではなくて、拠点性のある熊本市が中心になって、熊本全体、それから九州全体にプラスの影響を及ぼしていくというのが私の希望です。
九州全体に熊本のプラスの影響が及ぶとすれば、これはもし道州制が将来進むとすれば当然州都という目標も出てくるというふうに思っています。
そういう意味で、私は熊本市が単に一極集中するんじゃないかというそういう見方ではなくて、拠点化していく熊本市がさらに飛躍し、品格のある都市になって、すでに歴史は十分ありますので、それが高じて九州全体に波及効果を及ぼす、その前に熊本全体に波及効果を及ぼすと、そういうふうなシナリオを描いています。
Q
そうすると県の権限移譲も、相当程度、市にしなければいけないと思いますし、あと鹿本なんかは、植木町が熊本市になれば地域振興局は山鹿市しかないと思うんですけれども、地域振興局の見直しとか、県全体のスリム化につながると思うんですけれども、そのあたりはいかがお考えですか。
蒲島知事
これから権限移譲の問題が本格化していくと思います。
2年後には政令都市を目指しておりますので、それは地方分権という立場からどしどしと権限移譲をすべきだと私は考えております。
それから様々な組織の見直しはそれに伴って発生している問題です。
ただ今のところ政令都市に向けて、2年後に向けて、県も協力していくという立場です。
路木ダムについて
Q
すみません、昨日天草の路木ダムに反対していらっしゃる市民グループが住民訴訟を起こすと、監査請求の棄却を受けて住民訴訟を起こすということを会見で述べられていますが、それに対するご感想と、それからこれは多分県側としてはそういう認識を持たれては多分困るということになるんだろうと思うんですけれども、今回住民監査の監査委員の出した結論を踏まえて、県の監査委員は知事の御用機関じゃないかとかいうようなことまでおっしゃっていたので、それに対しての知事としての見解というのを併せてお尋ねできれば。
蒲島知事
監査委員の方々の報告を読ませていただきましたけれども、私はとても丁寧に、この問題を扱っていらっしゃって、そして説明、理由もかつてないほど、私もたくさん知っているわけじゃないですけれども、一般的に言われている監査請求の場合と比べると、私は丁寧だし、それから執行部の方のヒアリングも、聞いておりますと、大変真剣にヒアリングが行われたというふうに聞いております。
だから、知事の御用機関で知事の言うとおりにやったという、私はこれ大変な監査に対する誤解というよりも、そういうことは私は言ってはいけないんじゃないかと思っています。
ただ、住民請求、勿論その権利はありますので、それに関しては当然行使されることに関して私としてはそれをコメントする立場ではありません。ただ監査委員の方々が一生懸命でなかったとか、私はそうは考えておりません。
これは皆さんが読まれれば評価できることと思います。
政令指定都市移行に向けた県のあり方について
Q
すみません。あと1点、政令都市に絡んで、県の権限移譲に絡んで、確かこの間の議会の答弁の中では、政令市になった場合は、県の人材とかを熊本市以外の所に重点配置するというような答弁だったと思うんですが、大きく市町村合併の流れからいくと、いわゆる市町村を合併させて基礎自治体を強化していくという流れからすると、もうその周辺部分を、県がまた更に強化するという所と何かうまく整合性がつかないような、僕は気がするんですけれども。
蒲島知事
まず政令都市に熊本県がなれば、一種の自立ですからね、県からの。その人員を熊本市以外の所に配置していく、そのことにおいて熊本市は自身で伸びていく。そして熊本市以外のところも県と一緒に伸びていく、そういう構造ができると私は思っています。
その段階でまだ市町村合併があるかどうかとか、そういうことはもちろんあるかもしれない。
Q
もう十分市町村合併が進んで、それぞれ基礎自治体が強化されたわけですよね。
そこにまた新たに県が何をこう強化して重点化していく。
蒲島知事
いや、まだ完全にそこまで私は行ってないと思います。
それからその先には道州制がありますので、私のマニフェストで述べているように、あるいは今回の知事連合の中でも述べているように、道州制の前にやっぱり基礎自治体が必要ですよね。
だからそういう意味で、今県ができることは政令都市化に協力し、そして同時に熊本市以外の発展が政令都市からの波及効果、それから熊本市以外への我々の力の注ぎ方、それが有機的に結合していけば、私は熊本県にとってはいい方向に、確実に一歩踏み出していると思います。
Q
そこには県のスリム化という、組織のスリム化という視点は。
蒲島知事
もう熊本県は相当今スリムだというふうに思っています。
何かプロジェクトを組む時も人が足りないぐらいで、皆さんも相当、職員の方々も人員的には苦労されているような気がします。
もちろん将来的にもっとスリム化が必要という方が出てくればそうかもしれませんけれども、熊本県庁、特に知事部局におけるスリム化、人員削減については相当程度、この3年間はまだありますけれども、進んでいるし、進むであろうと思っています。
(幹事社)
以上です。ありがとうございました。
蒲島知事
はい。それではどうも。