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平成21年 2月 4日 知事定例記者会見
日時:平成21年2月4日(水曜日)午前10時から
場所:知事応接室
質疑応答
- 水俣病問題関連(1)
- 臨時職員の配置関連
- 香港での知事トップセールス関連
- 川辺川ダム事業関連
- 路木ダム事業関連
- 原子力発電所関連
- アシアナ航空 熊本~ソウル線関連(1)
- 水俣病問題関連(2)
- 平成21年度当初予算関連
- アシアナ航空 熊本~ソウル線関連(2)
水俣病問題関連(1)
蒲島知事
どうも、おはようございます。
(幹事社)
本日は、特に発表項目についてはないということでお聞きしているんですが。
蒲島知事
はい、発表項目ありませんので、早速質疑応答に入りたいと思います。
(幹事社)
そうしましたら幹事社の方から2点ほど、まず最初に質問をさせていただきたいんですが、1つは水俣病問題に関しまして、園田PT座長がですね、昨日、被害者団体に対してですね、チッソの分社化の法案について、3月にも関連法案を国会に提案して、4月から新救済策の実現を目指したいというような考えを示されたんですが、こういうスケジュールが具体的に示されたのは初めてかと思うんですが、これについてまず知事がどのように受け止められたかというのを。
蒲島知事
3月までというのは、様々な政治状況を踏まえてということと、それから早期解決という2つの理由があったと思いますので、私もこのように期限を切って物事を進めていくということは、自分自身の経験から言っても物事が進むのが早いんじゃないかなと思っていますので、ぜひ早急に救済策を出していただきたいなというふうに思っています。
(幹事社)
その関係でですね、現行の分社化案についてはですね、県の方から、最終的にチッソの親会社が清算された後に補償
業務なんかはですね、県の方が引継ぐという形になっていると。そういう部分について、県とか県議会の方から、そのあたり見直してほしいということをPTの方に要望を出されたと思うんですが、その部分について、今、PTとか環境省の方とですね、何らかの見直しについてのやり取りといいますか、そのあたりは何か。
蒲島知事
先日ですね、鹿児島県の伊藤知事と一緒に環境省にまいりまして、環境大臣、それから園田座長にお会いした時に、今の法案の素案を見ますと、様々な問題点があるということに懸念を抱いているということと、それからそれに関して園田座長の方から熊本県には迷惑をかけないというふうにおっしゃっていただきました。
そういう意味では、熊本県の様々な懸念については、環境省も与党PTの方も承知しているのではないかと思っています。
(幹事社)
その後、特に、PTの方から何らか、県の方に対して返答といいますか、要望に対するですね、そういったものというのは。
蒲島知事
私の方は伝えておりますし、そのお答えが、「熊本県には迷惑をかけない」と。「そのようにする」という園田座長からの、当日ですけどね、お答えがありましたので、現在のところそこまでです。
臨時職員の配置関連
(幹事社)
すみません、もう1つだけ。
テレビの幹事社、熊本県民テレビです。前回の会見でですね、臨時職員の廃止ですね、財政当局に指示したということでしたけれども、2月には答えを出したいとおっしゃっていましたが、進捗状況とですね、2月のいつごろになりそうなのか。
蒲島知事
この問題に関しては、前にも言いましたように、財政再建と雇用対策という、大変なジレンマの中で決定を下さなきゃいけないわけですけれども、今度は予算を示す段階で、この問題についての考え方、あるいはその解決についてお知らせしたいと思います。今はそれについては予算案と共に検討中です。
(幹事社)
そうしましたら、各社さんからお願いします。
香港での知事トップセールス関連
蒲島知事
今日はあんまり・・・・・。
Q
よろしいですか。話題は変わるんですけれども、明日から香港に訪問されるわけなんですけれども、改めてですね、香港で熊本の何をアピールしたいかということと、狙いみたいなものを教えていただければと思います。
蒲島知事
はい、香港に行くのは農産物のトップセールスという形で香港に行きます。
熊本県は、特に農業の可能性はとても高いと。そして国内の市場だけではなくて、国際的な市場、とりわけ香港、それから将来的には他の東アジア諸国も含めてですけれども、販路を開拓したいと。そこで、まず、向こうで影響力のある方にお会いするということと、それから、私自身がトップセールスをしてくるという、その目的のために行きます。
初日は、佐藤大使が、香港の総領事ですけれども、その佐藤大使の招宴で私を招待してくださいますので、そこに様々な関係者の方々を招待してくださるということで、まずそんなかたちでトップセールスを始めて、そしてまた次の日は、私自身の招待で様々な方をお呼びしてトップセールスをしたいと思っています。
その間、影響力のある方、市場関係の方々、あるいは将来顧客となる方々にお会いして、熊本の農産物をですね、できるだけ香港の訪問期間に多くの方に会ってセールスをしてまいりたいと思っています。
これは、数量がどれだけ輸出されるということよりも、やはり熊本の農家の方々が自分達の製品が外国で高く評価されるということによって夢を持ち、そして希望をもって農業にあたると。力を得ることができるんじゃないかなという意味もあります。
今度は、そういうことで香港で頑張ってきます。
Q
熊本の農産物のどういった点が優れているというところを直接話したいと思われますか。
蒲島知事
はい、まずですね、農産物はこれを見たらみんな同じですよね。どこのデコポンでも同じですが、ただ、熊本は水が素晴らしいと。熊本の農産物はその「水の結晶」であると。だから、すばらしい「水の結晶」として熊本の農産物のおいしさ、安全性、安心安全、そういうことを踏まえて、味だけではなくて、その背後に潜む自然、水、それから安全性、そういうものを話していきたいと思っています。
とりわけ、今、中国の方でも安全性の問題はとても重要になってきていますので、きっと分かってくださるのではないかなと思っております。
川辺川ダム事業関連
Q
すいません。五木の振興について、昨日、村の方から要望を持ってこられて、それに対して県側として、ある程度の期間、できる限りの財政的な措置をしたいという答えを返しているんですけれども、これに関してはどのぐらいのものを、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
私が本部長となって、今、五木村の振興計画を作成中ですけれども、現在、予算の検討中ですので、現段階でコメントすることはできませんけれども、五木村の方々のご希望をよく聴いて、そして、その主体性を重んじながら、振興策をうっていきたいと思っています。
Q
今日の朝刊でもいろいろと記事が出てましたけれども、基金だったり交付金だったりという文字が出てますが、そのあたりの考えはいかがでしょうか。
蒲島知事
それらの内容も踏まえながら、これから予算を検討していきたいと思っています。
Q
村側は、少なくとも20億は、今考えている振興策の中で、かかるのではないかというような試算があるみたいですが。
蒲島知事
そうですか、それはちょっと村の方から聞いていませんので。
Q
何らかの財政的措置をするのは、もうお考えの中にあると思うんですけれども、どういったものに使ってほしいというビジョンはある程度あるんだと思いますが。
蒲島知事
五木村の方々が、これからも、とても幸福に生活をしていけるような、そういう方策を、それが一番重要な振興策だと思いますので、そういう形で県と五木村、そして場合によっては国とも連携をしながらですね、振興計画をやっていきたいと。それを今、検討中であります。
Q
1番は観光振興策ですか。
蒲島知事
観光もありますし、それから農工商連携。こういう形で。五木村というのは、私も東京に住んでおりましたけれども、とても全国ブランドがあるんですね。特に、五木村の子守唄。
それから自然ということも、とても、東京から見ると、素晴らしい自然だろうと皆思っていますので、そういう観光資源が多分先天的に五木村にあるんじゃないかと。それを生かしながらですね、観光と農商工連携、そういう形で雇用の場も広げ、安心できる生活環境、そういうものを含めながら振興策をやっていきたいと思っています。
Q
さきほど、言えないということでしたが、基金として2億円ぐらいのものを考えている。
10年間ぐらいだ、そういうことで捉えていいんでしょうか。
蒲島知事
現在検討中ですので。
Q
分かりました。
路木ダム事業関連
Q
すいません。県営の路木ダムに関してなんですけれども、今、天草市がですね、独自の調査を始めていますが、まず1点、天草市の独自の調査ですね、県営のダムではありますけれども、この調査を熊本県としてはどういう位置付けで捉えていらっしゃいますか。
蒲島知事
毎回言っていますように、天草市の調査が、今、行われております。
それを、今、私どもは見守っているところです。
実際に市からは調査の依頼が来ておりまして、県としても協力しております。
例えば、路木川に関する公共土木施設災害工事の実績、あるいは路木川に関わる道路改良工事の処理、それから県職員からの聴き取り、特に洪水被害に関してですね、そういうものが、現在、調査依頼が来ております。
それで、私ども県としても、市に協力しているところです。
Q
県職員の聴き取りというのは、これは過去にもさかのぼってというような形で。
蒲島知事
洪水調査に関する県職員からの聴き取りということまで聞いておりますので、具体的な内容についてはここで私は分かりませんけれども、関係者の方々、ちょっと立ってここに来てください。
〔河川課〕
当時おられた方も含めて、幅広く県職員の方に聴くというようなことで協力依頼がきております。
Q
重要性というのは、どれぐらいのものというふうにお考えですか。
その天草市の調査の結果というものは。
蒲島知事
調査をされるということですので、その調査を見守っていると。その結果を、今、お待ち申し上げているというところです。
Q
仮に、その調査の結果がですね、水害がなかったという結論が出された場合というのは、ダム計画の見直しというのもあり得るんでしょうか。
蒲島知事
ちょっと、前提をもとにコメントはできませんので、まだ、調査結果を見てからということにしたいと思います。
Q
調査結果が出た場合は、それも考えるといいますか・・・・・。
蒲島知事
それを見ないと何とも言えない。
Q
知事、関連なんですけれども、来年度の予算にですね、調査結果がちょっと遅れているようなんですけれども、1月に終えると天草市は言っていたんですけれども、それがちょっと結構延びているみたいなんですけれども、路木ダム本体工事の予算というのはどうされるんですか。水害調査が終わらなくても付けられるんでしょうか。
蒲島知事
現段階では、再評価監視委員会の審議結果を踏まえて、これまでどおり継続ですけれども、まだ市が継続中でありますので、その状況を見守っているというところです。
Q
付けるか分からないということですか。
蒲島知事
まだ調査結果を見守っているところです。
Q
どういう意味なんですか。調査結果を見守って、まだ付けるかどうかも判断します、そういうこと・・・・・。
蒲島知事
まだ、今、検討中ですので。ただ、現段階ではですね、再評価監視委員会の審議結果を踏まえて、これまでの方針どおり継続中であるということです。
原子力発電所関連
Q
知事、話題が全く変わりますけれども、前回の会見でも伺ったんですが、九州電力がですね、第3の原子力発電所の計画を今後具体化していこうという中で、前回もちょっとお尋ねして、なかなかこれといったお話は伺えなかったんですが、原子力発電所の地元誘致なり、一般的に原発建設に関するですね、知事としてのご所見というのを改めて伺いたいんですけれども。
蒲島知事
その報道は見ましたけれども、私の方には一切そういうふうな事柄、情報、それから意見、県庁内からの情報は一切ありませんので、それについて何もない状況のもとでコメントすることはできません。
それから一般的な私の考え方についてということですけれども、私が教授としての立場であれば何らか答えることはできるかも知れませんが、私は知事としてですので、それについてもお答えできません。
Q
ちょっと意地悪な質問ですけれども。
蒲島知事
意地悪な質問はしないでください。
Q
意地悪じゃない、全うな質問なんですけれども、そういう情報があるという事実はあるわけで、それについて県としても重要な関心として情報を収集するというようなことはお考えにならないんでしょうか。
蒲島知事
現段階では何もありませんので。
Q
じゃなくて、何もないというか、県として情報をいろんな所から集めると。非常に重い課題だと思うんですね、原発の話になると。それを県としていろんなアンテナをはって、それについての情報を集めるということはされないのですかということです。
蒲島知事
それに関しては、じゃ担当の方からすみません。
(広報課)
今日はちょっと来ておりませんので。
蒲島知事
はい、じゃ私から答えます。
多分、省庁としては何もない段階で、噂の段階といいますかね、そういう段階で行動を起こすことはないんだと思います。
Q
九電さんとしてはですね、地元から誘致運動を盛り上げて欲しいというような希望があるようなんですけれども、知事が誘致活動をすると、そういったお考えとかはないですか。
蒲島知事
いや、それに関しては何らありません。
一切、今ゼロの状況ですので、考えたこともありません。
アシアナ航空 熊本~ソウル線関連(1)
Q
アシアナ航空に関係しての、ちょっと、話なんですけれども。今、円高ウォン安ということで韓国への旅行がかなり人気を集めているようで、日本人の送客というところが課題になっているところ、熊本~ソウル線からすれば追い風の状況かなと思うですけれども、そういう状況で、その中で熊本~ソウル線に関しては存廃の話もあがっておりますし、今、この状況の中でですね、県として、今も少しその支援策を始めていらっしゃいますけれども、さらにこういったことを打ち出したいとか、知事自身としてこういうふうな行動をしていきたいとか、そういうふうなお考えを少しお尋ねしたいと思います。
蒲島知事
まずですね、これまではウォン高によって、韓国のお客さんが熊本にたくさん来てくださいました。それによって熊本の経済がとても潤ったと思います。
そういう意味で、それだけを熊本が希望しては良くないと。だから、今、ウォン安ですから、熊本県からたくさんの人が、阿蘇くまもと空港からソウルに行くと、そういうものを今は積極的に応援しているところです。
これは修学旅行も含めながらですね、熊本からこのウォン安を利用しながら韓国に行くことができないだろうかと。私自身も先日テレビに出演してですね、ぜひ今の時期だからこそ韓国に旅行に行ってくださいという、これも一種のトップセールスだと思いますけれどもしました。
聞くところによると、テレビの番組の直後に100人ぐらいの方の申し込みがあったということですので、とても力強く思っています。
これは韓国でも言ったんですけれども、やはり両者の関係というのはどちらが儲かる、どっちが儲からないというのではなくて、ウィンウィンシテュエーションというんですかね、もし韓国から日本に来た時に楽しむことができれば、韓国からたくさん来てほしいと、日本から韓国に行って楽しむことができれば、ぜひそういう方向で、両方が利益を得るような形で交流が進めばですね、そしてこれが最終的に熊本~ソウル線の繁栄に結び付けばいいなと思っています。
実際にですね、1月日本人利用者数を比較してみますと、昨年1月の利用者数と比べると、265%、1691人となっています。
これは1月の日本人利用者数としては、平成15年9月の開設以来最多であります。
しかし、逆に今度は1月の外国人利用者は対前年比の約50%に止まっています。
だから、向こうから来る分は少ないので、それをぜひこっちから埋めていって、そしてアシアナエアラインがこの熊本~ソウル線が重要だと思っていただき、将来的にはもう少したくさん便数を増やすぐらいの気概を持って取り組んでいきたいと思っています。
その他にもいくつかの方策は事務局の方で考えていると思いますけれども、やっぱり一番大きなのは今、この時期にウォン安の時に、いかに多くの熊本県民の方々が熊本~ソウル線を利用していただくか。特に、ここの飛行場から、阿蘇くまもと空港から、ソウルに行ったということはとても大事だと思いますので、皆さんも大変お忙しい職業だと思いますが、時々休みを取らないと駄目ですので、ぜひご家族と一緒に熊本~ソウル線を利用されてウォン安を堪能してください。
Q
改めて聞くようで申しわけないんですけれども、熊本~ソウル線の重要さというのはどういう点でとても重要なんだというふうに思っていらっしゃいますか。
蒲島知事
2つの面でとても重要だと思います。
1つは、改めて熊本県の国際交流という方針を出したんですけれども、その中で、熊本と東アジアの関係、これの重要性をとてもその中でうたっています。
そういう意味では、ぜひアシアナエアラインがここに来ることを祈っています。
それから、鞠智城で、これは紀元7世紀の百済の仏像が出ましたけれども、実は、そのあたりからですね、熊本と韓国の間にはものすごい交流があったと。あの頃は本当に命懸けで交流したと思いますけれども、今は熊本からわずか90分で行くことができます。向こうからももちろん90分で来ることができるんですけれども、それぐらいこの交流の場は広がっています。
むしろ、これは東京−韓国間よりもですね、ずい分便利なんですよね。私もソウルに行く時には、我が家からまず出発3時間程前に出掛けて成田まで行って、成田からまたソウル線を利用したんですけれども、熊本だともう自分の自家用車で行って、30分ぐらいで行ってそこで駐車場に止めて、90分ですから、すごく早いと。だから、ずっとこう古代から交流が続いていて、それを今もっともっと利用する機会が与えられていると、それプラス、ウォン安だということもありますので、ぜひ熊本の方にこの機会を利用してもらいたいなと思っています。
水俣病問題関連(2)
Q
知事、別の質問なんですが、水俣病の関係ですが、今の水俣病関係で、被害者救済の案が、原因企業チッソの分社化案と共に考えられているという、今のこの動きについてですね、水俣病52年の歴史の中でどんな意味を持つというふうに知事はお考えになりますか。
蒲島知事
はい、水俣病の、私が一番大きな問題というのは、水俣病の被害者の方々が次第に年齢を重ねていらっしゃるということです。
それで、いかに早くこの問題を解決するかと、それが一番水俣病の問題の解決にとっては重要だと思います。
だから多くの患者の方々が早く、自分の生きているうちに、早期解決をしてほしいという悲鳴に似た要望を示されています。
それに対して、政治家である我々、それから県庁、それからチッソも応えるべきだと思っています。
だからそれぞれのアクターに対する思いはあると思いますけれども、やはりすべてのアクターの人達が早期解決、それに向かっていくべきだと思っています。
そういう意味では、今がその機が熟している時ではないかなという認識は多くのアクターが共通に思っているところです。
これを逃してしまうとまた、早期解決というよりも、解決が非常に遠のいてしまうというふうに思っています。
Q
その中に原因企業の分社化案というのが、加害者救済という意味も入っているのではないかというふうに考えるのですが、それが水俣病52年の歴史の中でどんな意味を持つとお考えになりますか。
蒲島知事
今、分社化の議論がされていますけれども、私は、救済策が一番大事だと思っています。
だから、その議論を拒むわけではありませんけれども、やはり救済策をどのように出すかと。その中での分社化の議論というのは、それを県として「いや、それはだめです」ということはしませんで、救済策の1つ、救済策をする為に議論はしながらも、熊本県が分社化によって不利益を被るということを懸念しておりますので、それは避けるように最大限の努力をしているところです。
平成21年度当初予算関連
Q
知事、すみません、よろしいですか。
予算のですね、査定がほぼもう最終段階というか、もうほぼ終わられているところぐらいまで来ているかと思うんですけれども、日々経済の状況が、雇用情勢を含めて、非常に悪化をしています。
おそらくこの先もっと悪化していくと思うんですが、補正をどう組むのか、もしくは、本予算はどう組むのかということと、財政再建をどういうふうに成し遂げるのか、さきほど臨時職員の話がありましたけれども、それは1つの象徴であって、非常に難しいところだと思うんですが、いろいろ国も、交付金とかですね、基金とかの積み立てを、今、財政支援をやっていますが、今、知事としてはどのような形で今度の予算を考えておられるのか。
今の財政再建との絡みも含めて、ちょっと、今の概念として、お願いします。
蒲島知事
はい、これは私が就任した当時は、どうやって財政再建をするかと、これが最大の課題でした。
だからサマーレビュー、それから予算の作成過程においては、財政再建というのが第一目標になってきました。
しかし、皆さんもご存知のように、昨年の暮れから世界的な大不況になってきました。
この大不況をどうやって、大恐慌と言ったらいいですけれども、どうやって解決するかというのは、多分、今、経済学的にいうと、金融というのは非常に重要だと。金融を、お金をどうやって回すかということですね。
それから積極財政、そういうその非常に片一方では県としては財政再建をしなきゃいけないと。しかし大恐慌を最小限に止めるためには積極財政が必要だと。その要請も多分世界から、それから国から来ているんだと思います。
その中でバランスを図るという、それを今の県の財政当局はやらなきゃいけない。私を含めてそうですけれども、その象徴的な事件が臨時職員の問題というところにきていますけれども、もっと大きな意味では、片一方にはローカルな要望としては財政再建、しかし世界的なマクロな要件としては積極財政、それから金融緩和、この2つがあるわけですね。
そこでオバマ大統領は、それをどう両立させるかというので、グリーンニューディールという形で新たな分野に、新たな投資をすることによってその両立を図ろうとしているわけです。
それで県も、両者のバランスをどうやって図るかというところにとても苦労しています。
だから、財政的に出動するところは、将来的に県にとってとても役に立つような、そういう投資、そういう投資もやりながら同時に財政再建もやっていくという大変難しい作業を、今、行っているところで、両方とも捨てたわけではありません。
今、両立を狙っています。
Q
財政再建に関しては去年の秋に、中間答申というか、出ましたね、中間報告ですか。あの時の方向性を何らかの形で見直しとか、そういうことというのは、今、考えておられるんでしょうか。
蒲島知事
財政再建の旗は降ろさないで、そして景気対策、雇用対策もやっているところです。
それは、国の方の様々な政策が展開されていますので、国の政策と連携しながら、いかに財政再建とそれからいわゆる景気対策、雇用対策、大きな意味では積極財政ですけれども、それを両立することを、難しいですけれども、やっています。
今度県の予算が組まれると思いますけれども、その苦心の程が分かると思います。
その中でいかに財政再建であっても、夢の部分には積極的に投資していきたいと。だから投資の方は夢の部分に投資していくと、そういう感じの予算の策定状況です。
Q
知事一言でいいんですけれども、財政再建戦略の中身の考え方の見直しがあるのか否かというところだけ、どうなんでしょう。あり得るということも。
蒲島知事
当然、全く財政再建だけの時と、それから今の時期というのは見直しというよりも、編成の違いは出てくるかもしれません。しかし、最初掲げた財政再建の旗は降ろさないという覚悟のもとで、どこまでできるかというところで財政戦略を行っているところです。
Q
ちょっと関連してですけれども、昔ながらのパラダイムでいけば、景気浮揚策として県単公共事業を増やすとかですね、そういうものの考え方があるかと思いますけれども、現時点でですね、県単公共事業が、例えば、前年度より増えそうだとか、あるいは削減率が、当初考えていたよりも緩和される方向の見通しなのか、どうですか。
蒲島知事
財政再建の旗を降ろさないで、そして景気浮揚を図るというのは、やはり、今、政府が行っている景気浮揚対策、それを最大限に利用する形で予算を組んでいますので、その県単の事業があるとすればそれに一緒にシナジー効果といいますか、そういうものであれば予算を組むということになっていますけれども、県単事業を増やしたか、減らしたかというそういう単純な次元ではなくて、政府の予算とどれほど連携をしながら、そしてそれが効果的に使われるかということに、今、一生懸命です。
Q
知事、それに関係してなんですけれども、法人税を中心にですね、税収不足というのが明らかになっていますけれども、税収不足の、最新の予想される今年度の規模とですね、来年度以降も税収不足が予想されると思うんですけれども、これに向けた新しい対応策という部分をどのように考えていらっしゃいますか。
蒲島知事
私が途中経過で聞いているのは50億程度というふうに、今年度は聞いておりますけれども、正確にはすみませんけれども財政当局の方、お答えくださいますか。
〔広報課〕
誠に申し訳ございません。財政課も今日はちょっと作業を急いでおりまして来ておりません。
蒲島知事
じゃ詳しい本年度と来年度に関してはあとで担当者の方から答えさせます。
ちょっとこれは正確な数字じゃないとまずいと思いますので。
(幹事社)
すみません。もうそろそろ時間も過ぎてきているんですが。
Q
知事が考えている対応策というのは、その税収不足の部分で。
蒲島知事
もう税収不足というのは、もうこれは当然予想されるし、実際に本年度はそれが発生していますから、それをどうやってカバーしていくかと。そして、それは節約、それから様々な政府の政策の利用というんですか、それを踏まえながらこの税収不足に備えなきゃいけないと思っています。
ただ、税収不足ですからといっても誰も助けてくれませんので、自らがやらなきゃいけないと思っています。
アシアナ航空 熊本~ソウル線関連(2)
Q
ちょっといいですか。さっきのアシアナ航空の話なんですけれども、他県では着陸料の減免とかですね、そういった県の支援も考えているんですけれども、熊本県としてそういうことをやる考えはありますか。
蒲島知事
はい、さきほど言ったように、熊本県からたくさんの人を送り出すというのが大前提ですけれども、その他にも様々な方策を事務局としては準備中だと思います。正確さについてはちょっと担当者、これもまたいらっしゃいませんか。
多分、今、向こうからの反応を聞いているんじゃないかと思っています。
いかに我々が努力しているかというのを今見せているところですね。
その1つとして私がテレビに出て、ビデオも撮ってアシアナのエアラインの本社の方に送ったそうですので、それをどう皆さんが評価されるかということになったわけです。
(幹事社)
よろしいですか。
蒲島知事
どうもありがとうございました。