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平成20年 5月21日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006450 更新日:2008年5月21日更新

日時:平成20年5月21日(水曜日)午前10時から
場所:知事応接室

発表項目

【第1回知事出前ゼミの開催について】

コメント

質疑応答

コメントする蒲島知事の写真

第1回知事出前ゼミの開催について(PDFファイル:69KB)

(幹事社)
 おはようございます。
 それでは、まず、発表事項からよろしくお願いします。

蒲島知事
 おはようございます。
 発表事項といくつかのコメントがあります。
 1つは、マニフェストの中で約束しておりました「知事の出前ゼミ」を、第1回目は6月の2日、県立熊本農業高校において第1回目を開催したいと思います。
 そこでは、私の体験等を通じながら、子ども達に夢を持つことの重要さ、それからそのために努力することの大切さ、それから生徒達が夢に向かって意欲的に学校生活、あるいは将来に向かって取り組むような、そのような話になればいいなと今思っております。
 その講義の後、質疑応答の時間等を通して高校生との交流を、久しぶりですけれども、楽しみたいと思っています。
 これが発表ですけれども、その他にいくつかの報告事項と言いますか、コメントをお伝えしたいと思います。

川辺川ダム事業に関する有識者会議について

 1つは、5月15日、東京において第1回の川辺川ダム事業に関する有識者会議を開きました。座長には金本良嗣先生、それから座長代理には森田朗先生が就任されます。両方とも東大教授ですけれども、私も昔から知っている方々なので、とてもいい方が座長と座長代理になられたなと喜んでおります。
 そこで事務局からこれまでの様々な議論の展開、あるいは要約がなされましたけれども、普通は、私も何度も審議会や研究会に出ておりますし座長もやっておりますが、事務局の報告で終わるのが第1回目の会議の通常の形ですけれども、もうその日から実質的な議論が展開されて、とても素晴らしい有識者会議だなというふうに感じました。

ふるさとくまもと応援寄附金について

 それから、もう1つは大変うれしいニュースですけれども、ふるさと納税制度にのっとった本県第1号の寄附金の申込みがありました。
 ホームページに「ふるさと寄附金制度」の概略をアップしましたので、これから私自身も先頭に立って様々な機会、媒体を活用しながら、この「ふるさと寄附金」、これをぜひPR活動していきたいと思っております。
 財政難の中にありますので、皆さんがそのことをよく理解されて、この「ふるさと納税制度」を使っていただき、熊本県を助けてくださればいいなと思っております。

水俣病問題について

 それから、これはいいニュースではありませんけれども、皆さんも報道でご存知のように保健手帳の不正取得容疑者が逮捕されました。
 この逮捕は非常に悪質である、それから非常に残念にも思っております。
 しかしこのことによって、今後の手帳交付にあたって、被害者の方々の救済に消極的になることはありません。これまで同様、被害者の救済には積極的に取り組んでいきたいと思っております。

こうのとりのゆりかごについて

 それからもう1つは、熊本市の「こうのとりのゆりかご」の運用状況について公表がありました。
 それについては、昨日コメントを出しましたので、そのコメントにそって述べますと、この17件というのが多いか少ないかという、その判断はすることはできませんけれども、これだけの17件というものがあったということを重く受け止めて、この利用状況を中期的、あるいは長期的観点から分析していきたいと思っております。
 以上が私の方からの報告、コメントですけれども、あと残りの時間を質問にあてたいと思います。

県下一斉ノーマイカー通勤運動 知事徒歩出勤 関連

(幹事社)
 まず幹事社から2問ございますので、質問させていただきます。
 今朝、徒歩で通勤されたわけですけれども、これを今後続けていかれるのかどうかということとですね、庁内でも、いまだに県庁内をアイドリングをしている車がありますけれども、そのあたりいかが取り組まれるのかということ・・・・・。

蒲島知事
 はい。私も歩くのは東京にいた頃からとても好きでしたし、それから朝もずっと散歩をしておりました。熊本に来てみると、皆さん自動車をよく利用されて歩く機会が少ないんじゃないかなと思いましたので、私もなるべく機会を設けて歩きたいし、それから環境のためにも職員の皆様もこういう歩くという機会をたくさんもってほしいなと思います。
 それで、1つは、歩きながら今日考えたんですけれども、県が持っている土地が、散歩というか、通勤の途中であるのが分かりまして、それが何にも使われてないので、これも早く活用できたらいいなと思いながら歩きましたから、1つは情報としてもいいものが得られたなと思っています。
 東京ではだいたい25分ぐらい通勤のために歩いておりましたので、まず自宅から駅、駅の間が7分、それから本郷3丁目という所がありますけれども、そこから大学までだいたい7分、そういう形で20分ぐらいですか、往復40分歩いておりましたから、健康には良かったかなと。これもできる限り続けたいと思いますが、ただとにかく時間がありませんので、1分でも惜しいということがあって、今は車を利用しておりますけれども、少し時間がとれたら、歩いて通勤できたら素晴らしいなと思います。

知事就任1ヶ月を振り返って(1)

(幹事社)
 就任されて1ヵ月経ちましたけれども、1ヵ月経たれて、ご感想はいかがですか。

蒲島知事

 まだ1ヵ月かと思うこともありますし、もう1ヵ月経ったのかと思うこともあります。
 ただ1ヵ月というのは、とくに連休が入っておりますので、実はこの4月、5月の1ヵ月というのはもう瞬く間に終わるのが普通です。
 しかし、就任の期間前までにちょっと時間がありましたので、そのためにこの1ヵ月はとても生産的に過ごすことができたんじゃないかなと思っています。
 特に、川辺川ダムに関する有識者会議、これは非常に早く取り組むことができましたし、それから財政再建計画にも自分自身の給料カットを含めて素早く取り組むことができたし、それが県庁の方々の意識改革に大きな影響を与えたと思っています。
 それから水俣病問題についても、積極的に取り組んでおります。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

   そういう意味では自分自身では、この1ヵ月間は評価するとすればとてもまあよくやったなとは思っています。
  ただ皆さんの評価はどうか分かりません。
  ただその分、自分自身の時間がほとんど取れずに仕事ばっかりという状況でありますので、今は多くの方々がもう少し休めと、もう少し体を大事にして下さいと。体を心配される方がたくさんいらっしゃるので、とてもその心には嬉しく思っています。

(幹事社)
 月並みですが、1ヵ月を振り返って何点ぐらいとご自分では達成されたと思いますか?

蒲島知事
 これは自分で評価するのじゃありませんので、皆さんに後で私の方から聞いて、それを平均して私の評価とします。

6月補正予算関連

(幹事社)
 もう1問ございます。肉付け予算ですけれども、知事としてマニフェストをどう盛り込み優先的につけていったのか、どういうプロセスで肉付けを考えていかれたのかという部分、財政が厳しい中でですね、そういったものを実現させるためにどういう基準で折り合いをつけていったのかというところを教えてください。

蒲島知事
 すでに骨格予算はできておりましたので、新任の私が、この1ヵ月間で大きく動かすことはできません。
 ただ6月の補正予算で少しは私のマニフェストに関しての希望が盛り込まれるのかなというふうに思います。
 できるだけ6月の補正予算には、そのような方向で臨みますけれども、やはりこれまで継続してきた事業であるとか、そういう方向性をなかなか変えることはできません。
 ただ私自身はすべての項目について、自ら目を通し、そして自ら担当者に質問し、そして納得が得られるような形で査定を行っています。
 現在その査定中ですけれども、その時の判断は、1つは財政再建という判断。だから、新しいプロジェクトが、私と同じような意味で財政再建、あるいは財政の危機というものを認識しているかどうか、共有されているかどうか、それが1つの判断の基準です。
 それでも財政危機の中でもやらなきゃいけないという、そういう強い意思があればそれはその査定の中で生かされると。
 もう1つは、マニフェストで述べましたように、県民の幸福量が最大化されるかどうか。最大化されるというよりも、このプロジェクトによって、県民の幸福度が上がるかどうか。そしてあまり上がらないような事業であれば、優先順位は低いし、上がるような事業であればぜひこれを取り上げたいと。そして、これは最終的にはマニフェストに沿ったものであるかどうかということが優先順位を決めるうえでとても重要です。
 それでこの予算の査定をやりながら分かったんですけれども、研究者の研究とあんまり変わらないところがあるなと。必死でその目的と、それから成果を勉強して、それがちゃんとこの予算によって達成できるかどうかというのを評価する。
 研究もそういうことがありますし、それから試験も採点する時にそんなふうに採点しますから、査定の試験の採点のようなものだなという意味ではあんまり違和感は感じませんでした。

(幹事社)
 ありがとうございました。各社からあとお願いいたします。

知事就任1ヶ月を振り返って(2)


 よろしいですか。就任から1ヵ月の感想の部分で、ある程度満足されているというようなお話でしたけれども、逆になかなか思うようにいかないなというふうな点、何かありましたら。

蒲島知事
 1つは、マニフェストに述べた自分の思いと、それからこれまで長く積み上げられてきた議論のもとで展開される予算の執行ですね。それはなかなか変えられませんので、非常に制約が多い。自分がやりたい事が予算という制約の中で、あるいは緊縮予算という中で、実現することが難しいことを認識したというふうに、それが難しいなと思います。
 だからもしたくさんの予算があれば、私がマニフェストで書いたこと、あるいは思ったことが実現できるんですけれども、まったくそういう余裕がない中で、これをやって欲しいという時にやっぱり制約がとても大きいなと。
 それからこれまでの県の負債であるとか、そういうものがやはり重くのしかかっているので、財政再建という目標と夢のある政策という、その整合性をどこでつけるか。
 それから、マニフェストで述べたような自主財源という問題も、実際にこの県庁の中に入っていくと、なかなか実現が困難なところがあります。
 ただ、目標自体はしっかりしていますので、それは何かというと1つは、3つの課題。水俣病問題、それから川辺川ダム問題、それから財政再建への取組みと、この3つに関しては明解な、課題を解決するという目標がありますので、自分自身も動きやすいです。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 それから、課題を克服した後でというか、克服しながら、夢のある政策、その1つは夢のある教育、それから稼げる県熊本にすること。それから長寿を恐れない社会にすること。それは私の約束ですから、それに向かって進みたいと。それで、進む時にさきほど言ったような財政難という問題があります。
 それが、やってみて困難だなと感じた次第です。


 お話の中でマニフェストの中でやりたいことがあったけど、いくつかの制約があってというふうな話がありましたけれども、何かいくつか具体的に例があれば、お話しいただければと思うのですが。

蒲島知事
 そうですね。具体的に1つあるとすれば、マニフェストで教育の問題をたくさん書きましたけれども、やはり教育委員会という独立した委員会がありますので、それと知事部局というところの、制度的な遠さというですかね、それをちょっと感じましたね。
 逆に言えば、教育について知事が独自にいう権限はあまりないということになります。

川辺川関連


 知事、川辺川ダムの有識者会議のことについて。初回から実質的な議論ができたと自己評価なさってましたけれども、会議の特徴というか、どう議論していくかという見定めがなかなか委員さんでも難しいということで、ああいった議論が初回からあったかと思うんです。2回目以降は実質的な論議に入っていこうかと思いますし、どういう結論を委員会自身が出すかというのも委員の先生方非常に見定めるのに苦労なさっていた印象があったんですけれども、2回目以降の議論をどういう形で進めてほしいという思いがあられるのか。
 それと、明日、現地人吉市では公聴会が開かれますけれども、現地の声を反映させていくような場を県として持たれていくのか。5回目の予定に入っていました現地調査も含めて、どういった形で議論を深めていくとお考えでしょうか。

蒲島知事
 私もさきほど言いましたように、様々な研究会や審議会の座長をしたことがありますけれども、そういう意味では私は本質的な議論は第1回目から委員の方がなさったと。素早くこの川辺川ダム問題の本質をとらえて、そして理解されたというふうに思っています。
 そういう意味では、第1回目の会議としてはすばらしい成果をあげられたと思っていますし、それをリードされた座長の金本先生の実力といいますか、あるいは委員の方の深い学識、あるいは経験、それがよく出ていたものだと思います。
 第2回目以降は、個々の問題について議論をしていくと。治水であるとか環境であるとか、あるいは財政問題であるとか、そういうその個々のケースから、それぞれの専門家が自分はどう考えるというふうな結論が出てくるのではないかなと思います。
 それを出し尽くした後で、現地調査に入りたいと思っております。5回目が現地調査になります。
 そこで合宿をしながら、深い討論を進めていくと。オランダの委員の方は、その時に参加されますし、多分、他の委員よりも何日か余分に現地を調査される予定です。
 そこで、最終的な知事の判断を助けると、それぞれの分野から判断を助けるような結論を出していただいて、その判断をもとに知事が判断すると。
 一種の賢人会議のような役割ですかね。賢い人の役割。そういうふうなものになるのかなと思いますけれども、まだその方向性、それから議論の進め方については、これは私が委員会に任せたものですから、自分自身でコントロールすればこういうことになって欲しいということはできますけれども、これは議長に任せざるを得ないというふうに思います。今後のそういう展開を含めて。
 ただ、この前参加した人は分かると思いますけれども、あんまり横にそれる時には、委員でもない私が手を挙げて軌道修正をしたということもありますけれども、今後それを許されるかどうか分かりません。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 それで、さきほどの人吉の件ですけれども、そういうケース、多くの公聴会なりそういう集会があって、私の判断の材料になれば、それはそれでとても素晴らしいことだと思っています。だから、私自身も興味をもって人吉の公聴会は見ているところです。


 現地の委員会は、合宿という表現をなされましたけれども、何日間ぐらい…。

蒲島知事
 1日、近くで泊まると。
 あれだけの人を1日どこかに泊めて合宿するとなかなか困難ですけれども、日程の調整が。ただとてもいいことにその時にオランダからの委員が参加してくださいますので、とても実りのあるものになると思います。


 知事、ダムの有識者会議の件で、委員の中に、河川工学の専門家が、アドバイザー含めれば、2人と思いますけれども、非常に少ないと思いますが、この間の初会合でもその辺の治水の部分の本質的な議論というのが今後やっていけるのかなという部分もあったかと思うんですけれども、そのあたり新たに水文学の分野の方を加えるとか、この間も言われていましたが、そのあたりはどのように…。

蒲島知事
 そうですね、私は、池田先生が水文学も詳しいのかなという感じで思っておりましたけれども、むしろその治水管理学の方だというふうに聞きましたので、水文学の方で、もし新たな情報が欲しいということであれば、誰か専門家に1日だけ来ていただくとか、専門家にですね。あるいは教室の中で誰かがその専門の方がいらっしゃるとか、そういう形で議論の方向にプラスになれば招待してもいいと思っていますけれども、新たに委員を任命することはこの段階では考えていません。
 ただ情報として、その情報が必要であれば、短期間でもいいですけれども手伝っていただく、あるいはその会議に出ていただく。そういう形でやっていきたいと思っています。
 それから、河川工学の方が少ないかどうかという判断ですけれども、9人のうちの2人が一応河川工学の専門家で、それからこれまでの議論でも河川工学の議論は、相当深く積み上げられてきたような気がします。
 むしろ、ここでは知事の判断としては、様々な観点からそれを検討するというものが効果的ではないかと考えて、あのような構成メンバーにしました。
 河川工学の方が少ないんじゃないかという、そういう感想は他の委員からは聞かれておりませんので、それぞれの委員が川辺川ダムの是非をめぐって、まったく違った観点、それから新しい観点、そういうものから議論してもらうことが実りのある有識者会議の方向性かと思っています。

 現段階で有識者会議の方から、第2回に水文学の専門家を呼んで欲しいとか、そういう要請は…。

蒲島知事
 まだ来ていません。来れば対応しますし、多分来ればこの人を呼んで欲しいという、そういう要請があると思いますので、それはいくらでも県の方で対応できると思っています。
 ただ、私が大事だと思うのは、地方分権の時代において、やはり国から県への一方的な流れではなくて、県が独自の議論をして、そして国の方針にも影響を与えるということが大事だろうし、それから、なんで私が客観性と一般性を、それから中立性を重視したかというと、それが世界に向かった発信になるかも知れません。
 そういう意味では、それを十分発信できる委員の方々は、素晴らしい経験と知識の持ち主ではないかと思っています。


 関連なんですけれども、冬柴国交大臣が1級河川を、1県単位で流域が完結する所は移譲してもいいというような発言が最近出てきたんですけれども、その国との関わりにおいて川辺川の有識者会議の議論というのは、その辺も視野に入れるのか、全く視野に入れずに進んでいくのか、どのように対応されるのか。

蒲島知事
 はい。この前の委員会の中でもそれが問題になりました。
 しかし、座長の意見は、それはいつになるか分からないと。それから、それが実現するかどうかもまだこの段階では分からないので、それは考慮しなくてもいいんじゃないか。今の現状の中で結論を出すという座長の気持ちだったような気がします。
 つまり、冬柴大臣が言われた方向性が実際に政策となる時期とか、可能性とか、そういうものもあまり分からない段階で、それに拘束された議論はいかがなものかというような座長の意見だったような気がします。

 今のにつながりますけれども、河川管理だったり、あるいは国道の管理、いろいろ福祉行政も含めて、国からさらに権限を県に移譲しようという議論が始まっているかと思いますけれども、その議論の行方をどう知事としてとらえていらっしゃるか、それと、県としてどういう形の、さらに進んだ権限移譲が望ましいとお考えなのか。

蒲島知事
 権限移譲には必ず財源の移譲も伴わなければいけないと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 だから財源の移譲と権限の移譲がセットになって初めて地方分権が生きると。皆さんも三位一体の改革でご存知のように、権限はそんなに移譲されていないかもしれないけれども、財源はより移譲されていないという、そういう問題もありますので、これは権限移譲と財源移譲のセットになった、そういう議論のもとでないとさきほどの一級河川の問題も県としては納得できないということになります。


 逆に県の方からそれを積極的に言っていく、権限も移譲してくれ、同時にセットで財源も移譲してくれというのを国側に県の方から求めていくというようなお考えはありますか。

蒲島知事
 これも急に出てきた案件ですから、それについて深く現段階で検討分析しているわけではありません。
 それからその実現可能性についてもまだ不鮮明なところありますので、もう少しこれが議論として深まった時に県の対応というのを、とりわけこの川辺川ダムの有識者会議が開かれていますから、その議論を参考にしながら考えていきたいと思っています。

水俣病問題関連


 水俣病の関係なんですけれども、今日の熊日にも載っていたかと思うんですけれども、今、チッソがこういうふうな状況で、負担は拒否しているということですけれども、その中で内部保留がこれだけの額があると、当然そのお金を患者補償にまわすべきじゃないかというふうな議論も巻き起こるかと思うのですが、知事ご自身のお考えはどういうお考えでしょうか?

蒲島知事
 私もこれだけ黒字を出しながら、患者補償、あるいは被害者に対する、PT案ですけれども、それを何で受け入れないかという、非常に強い憤りというか、違和感は持っています。
 これは同じようなことが議会の方でも考えられているのかなと思いますので、私はチッソ側が早急にこのPT案の救済案をのむことを希望していますし、その方向で説得を続けましたし、続けたいと思っています。
 逆に言えば、その大きな利益を出したというのは、説得がしやすいということも一方では言えるんじゃないかなと。まったくものすごく悪い状況の中で、被害者の救済をやってくれというよりも、業績が明るい時ですから、そういうふうにも考えられる。

ふるさとくまもと応援寄附金関連


 30分を回っていますので。

 ふるさと納税関係で、せっかくあったので、1点だけ。
 さきほど1つ、初めてのケースがあったということだったんですけど、具体的にどういうのがあったというのがもしできる範囲であれば1つと、それと他県でも同じような試みで、ふるさと納税に関しては積極的に、財源はどこも厳しいですから、具体的に熊本では例えば体制の整備であるとか、それこそ埋蔵金じゃないですけれども、目標額を例えば設けて知事自らハッパをかけるとか、それと、市町村との連携も当然出てくると思うんですけれども、この辺は今後どういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

蒲島知事
 はい、具体的には5月の15日に関東在住の方から、20万のご支援の申し出を受けました。熊本県出身、もしくは熊本ゆかりの方だと思います。
 これはホームページを見られると分かりますけれども、既にホームページでは、そのやり方、それから方法というのが書かれておりますけれども、私が職員の方々に指示したのは、分かりやすく、それからもし申し出があった時には迅速に対応する。それから、これはこれまでの国とか県、あるいは役所的、全体的にそうですけれども、寄附金とかそういうことをする時に、もらってやるという、そういう気持ちが、特に私は国の国立大学にいた頃を思ったんですけれども、寄附金の申し出があると、じゃもらってやるような雰囲気の事務体制だったのをよく知っていますので、それでは駄目だと。こっちからお願いするという、そういう積極的な対応をとってほしいというふうに指示しました。
 それから、埋蔵金といったらおかしいですけれども、この善意というのは今の県の財政にとっては、自由度といい、それから、まったくプラスの、純粋にプラスされる予算という意味ではとても素晴らしい資金源なので、ぜひ知事自ら積極的に取り組んで、できればプロジェクトチームを作ったりして、分かりやすく、そして皆が本当に寄附して良かったというような感想を持つような形で、寄附された後のアフターケアーといったらおかしいですけれども、その面も含めて頑張っていきたいと思っています。
 私はここにとても地方自治の可能性があるというふうに考えておりますので、皆さんも東京に友人、ご家族がいらっしゃったら、ぜひこのふるさと納税をすすめて、蒲島知事を助けてほしいというふうに言ってほしいと思います。
 そうすれば、もう少し熊本県も元気になると思います。あと1問だけでよろしいですか。


 ふるさと納税に絡んでなんですけれども、先行県といいますか、佐賀県とかですね、鹿児島県とか、4月30日の地方税法の改正案が通ったほぼ瞬間からPRを始めているんですけれども、熊本県は今21日ですから、大体3週間ぐらい若干遅れということなんですけれども、知事先頭に立ってPRをしたいということだったんですけれども、その3週間、若干遅れたのではないかなという懸念と、それが寄附金を集めることで、今全国で奪い合いのような状況になっているような気がするんですが、それに影響はしないだろうかというところの感想を聞かせてください。

蒲島知事
 私も、この寄附金の申し出を受けたという時に初めてその重要性を、知事として、いっぱいやることがあったもんですから、1ヵ月間で、そこまで及ばなかったことに、大変な残念な気持ちです。
 だから、今はそういう意味ではちょっと逆境の中に、他と比べると、ありますけれども、逆境の中に夢があるから、これをバネにもっとちゃんとやろうという気持ちになりましたし、職員の方々もそういう気持ちになりましたから、きっと追いつきます。
 それから、やっぱり熊本出身の方々は、県人会もあってとても熊本を愛されているということが福岡に行っても分かりましたし、それからこの前名古屋に行っても分かりましたから、1年間振り返ってみると、きっと熊本県はよくやったと、あるいは県としては市町村とは競合したくないなと。熊本県の他の市町村がふるさと納税をたくさん受けて、ここで幸せになることは県の幸せでもあるわけですから、県に下さいというよりも、市町村を含めて県にくださいという、そういう形のPRの方がやっぱり県だけ下さいというのは、県の方針としてはあまり歓迎すべきものではないかなとも思っています。


 知事質問にありました、目標額の設定のようなものは今の段階では。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 目標額は、多ければ多いほどいいと思っていますけれども、そうですね、担当者には100億を目指そうと言いましたけれども、本当の気持ちは、頑張って10億ぐらい。


 当面10億を。

蒲島知事
 当面、あるいはそう届きませんかも知れませんけれども、目標は高く、そして10億を目指しましょう。皆さんと一緒に。よろしいですか。それでは。

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