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平成20年 7月23日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006447 更新日:2008年7月23日更新

日時: 平成20年7月23日(水曜日)午前10時から
場所: 知事応接室

発表項目

質疑応答

*この質疑応答中、太字部分は「(知事部局で)合否決定前に受験者名を伝えていた」との答弁を前提とした質疑応答となっていますが、「合否発表後に受験者名を伝えていた」が正確な趣旨です。詳細は知事の訂正コメントをご覧ください。

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熊本県−忠清南道姉妹提携25周年記念式典等の報告について(PDFファイル:361KB)

(幹事社)
 よろしくお願いします。
 まず、知事の方から発表項目が3つこちらに挙がっているんですが、これについてよろしくお願いします。

蒲島知事
 本日発表項目が3つあります。
 第1は、熊本県と韓国忠清南道との姉妹提携25周年を記念して、7月10日から12日までソウル及び忠清南道を訪問しました。
 まず、10日は、アシアナ航空本社に姜柱安(カン・ジュアン)社長を訪ね、「熊本~ソウル線」の週5便化をお願いしました。そこでは、時間オーバーして会談を行いましたけれども、前向きの回答が得られたものと思っています。
 また、今回旅行会社の方で企画された、「蒲島知事と行くソウル3日間の旅」の一行110 人とともに、ソウル市の観光担当課長などと一緒に交流会に出席しました。
 最初、こういうツアーを計画して人が集まるのかなと思っておりましたら、たくさんの人が集まったということで、とても安心しました。
 また、11日には、忠清南道の徳山(トクサン)。ここは将来道庁が移るところだそうですけれども、そこで「姉妹提携25周年記念式典」と、「日韓地方行政フォーラム」に出席いたしました。
 さらに、場所を移して、道庁所在地の大田(テジュン)市において、道庁に李完九(イ・ワング)知事を表敬訪問いたしました。
 そして、道主催の歓迎晩餐会に出席いたしました。
 「日韓地方行政フォーラム」では、基調講演で水俣病問題を教訓に日本一の「環境立県くまもと」を目指している本県の取組みを紹介したところです。
 その他、昨年、県立装飾古墳館と姉妹提携館をしました百済歴史文化館の視察を行うなど、とてもハードスケジュールでありましたけれども、李知事や、金道議会議長には、議会開催中にもかかわらず、温かくもてなしてもらい、厚い信頼関係とこれまでの交流の成果を心から感じた次第です。
 そして、未来志向の交流事業の促進を確認いたしました。
 これが第1の今日の発表です。

「燃油・資材・飼料等価格高騰対策会議」の設置について(PDFファイル:70KB)

 第2は、「燃油・資材・飼料等価格高騰対策会議」を設置いたしました。
 みなさんもご存知のように、燃油や資材、飼料、肥料の価格上昇が農林漁業経営に大きな打撃を与えていることは、ご存知のとおりです。
 しかし、農林水産物価格は低迷しており、さらにコスト上昇分を販売価格に転嫁することは非常に難しい状況にあります。
 また、このことは農林漁業者の自助努力の範囲を超えており、この危機的状況が続けば、生産意欲の低下、離農、廃業が進むことが予想されます。
 まさに危機的な状況と認識しております。
 これまで本県では、6月補正予算において、新規事業を予算化する等の対策を講じて参りましたけれども、このたび「燃油・資材・飼料等価格高騰対策会議」を設置することにいたしました。
 第1回の会議を明日午後1時30分から開催いたします。
 本会議において、県として技術的支援や指導など、何ができるかを検討したいと思っています。
 また、農林漁業者へのきめ細かな情報提供や地域振興局に設置している相談窓口の強化などに取り組んで参りたいと考えております。
 なお、原油価格高騰につきましては、お配りしております「参考資料」をご覧いただくと分かりますように、農林漁業者だけではなく、福祉・衛生関係、建設業など、他の事業者も対象とした各種相談窓口を設け、融資制度や補助事業等の様々な支援を行っております。

川辺川ダム事業について(PDFファイル:77KB)

 3番目は、川辺川ダムに関する最近の動向です。
 今月12日から13日の2日間にわたり、有識者会議の現地調査を実施しました。
 8人の委員全員に加え、アドバイザーのブラウン氏にも参加いただき、これまでの議論の論点となっていた箇所を中心に、球磨川、川辺川を下流から上流まで広範囲に現地を調査していただきました。
 2日目には、流域の町村長さんや、住民団体の方々のご意見も直接お聴きすることができました。
 私も韓国出張から人吉に入り、2日目から同行させていただきましたが、有意義な現地調査であったと思います。
 次にお手元の資料の「県民の意見をお聴きする会」についてですけれども、今月27日に八代市で、29日に人吉市で実施します。
 意見発表及び一般参加者を事前募集し、意見発表者につきましては既に決定しておりますけれども、一般参加者につきましては、両会場ともまだ席に余裕がある状況なので、当日受付を行うことにしております。
 また、今月2日から、はがき・Fax・メールなどによる意見を募集しておりますけれども、現在18通の意見が寄せられております。
 今月末日の消印有効としておりますので、県民の皆様に様々な意見をお寄せいただきたいと思っております。
 私は、県民の皆様の様々な意見を広くお聴きしたいと考えており、県民の皆様にとって改めて川辺川ダムについて考える良い機会であると思いますので、是非「県民の意見をお聴きする会」への参加、また、文書による意見の応募をお願いしたいと思っております。
 私の方からの報告事項は以上のとおりです。

(幹事社)
 それでは、まず、幹事社の方から何点か発表項目について、最初お伺いして参りたいんですが、今、この資料を、これだけ募集が集まっていますが、「川辺川ダム事業に関する意見をお聴きする会」に対する人員なんですけれども、定員に達していないというのは、これは、県民の意識・関心が低いのか、それとも、もう少し県の方からアピールしなければならない、というふうに捉えているのか、どちらでしょうか。

蒲島知事
 どちらが正しいかというのはよく分かりませんけれども、私の印象としては関心がもっとあってもいいのかなと、率直に感じました。
 私も多くの人の意見を聴きたいので、まだ時間がありますので、ぜひ、会場に来ていただいて、ご意見をお聴きしたいと思っています。

川辺川関連

(幹事社)
 さきほど、有識者会議のメンバーと一緒に現地に入ったというお話をされていましたが、今、9月に向けて、判断材料というのは集まってきているんでしょうか?
 あと、何が必要でしょうか?

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 これまで様々な観点から有識者会議で討論されてきましたけど、まだ、経済問題、財政問題、それから、これまで討論し尽くせなかったところですね、そういうものを含めて、あと3回東京でありますので、それをもとに報告書ができてくるのではないかなと思っています。
 その段階で報告書は済むと思いますが、これまでの有識者会議の議論をもっと深めてほしいと思っております。

(幹事社)
 知事の中で、判断するための材料というのは集まってきているんですか。

蒲島知事
 はい、私はずっとこの有識者会議に参加しておりますし、その議論にも参加しましたし、それから、自分自身でもこの問題については深く研究しているつもりですので、もう少し時間はかかりますけれども、9月の判断ということは変わることはありません。

(幹事社)
 もう1つ、アドバイザーの方から、治水の観点から見れば、ダムがベストだという見解があったかと思いますが、どのように受け止められましたか。

蒲島知事
 ブラウンさんは河川工学の専門家で、その観点から様々な国のダムの問題に関わっておられます。
 そういう広い視野から、非常に短期間の視察でもありましたけれども、逆に言えば、その短期間の視察で自分なりの確信をもったようなコメントを出されたということで、その知識の深さには感銘を受けました。
 ただ、彼の意見も参考にしながら、それから有識者会議の意見も参考にしながら、総合的に私が判断したいと思います。

教職員・県職員採用関連

 *この質疑応答中、太字部分(※1※2※3※4※5の5箇所)は「(知事部局で)合否決定前に受験者名を
   伝えていた」との答弁を前提とした質疑応答となっていますが、「合否発表後に受験者名を伝えていた」が正確な趣旨で
  す。詳細は知事の訂正コメントをご覧ください。

(幹事社)
 すみません、もう1問。
 隣の大分県では、教員採用試験の件でいろいろと騒がれていますけれども、熊本県教委の方でも採用試験の際に、事前通知を行っていたことなどが明らかになっていますが、その辺についてどう受け止めておられるか、という点と、県職員の採用試験において、同様のことが行われていないと言い切れるのかどうか、そこをお願いします。

蒲島知事
 大分県の事件に関しては、私もマスコミ報道を通して、これは教育に対する信頼を大きく揺るがす、あってはならないできごとだと感じております。
 それとともに、教育者としては大きな怒りを感じております。
 そして、「夢のある教育」というものをマニフェストに打ち出しながら私は当選しましたので、「教育県くまもと」というものを目指すうえで、本県では絶対発生させてはならないと思っております。
 私も早速教育長の方から聞きましたけれども、本県の教員採用選考考査には大分県のような不正はなかったと聞いております。
 ただ、今ご指摘の、事前に合否を知らせたのではないかという質問ですけれども、その質問については、合否や異動に関しての事前連絡をしたという報告を教育委員会から受けております。
 今後は、事前連絡を行わないようにする、というふうに聞いております。
 しかしそこには不正はなかったということです。
 もう1つは、県職員についてですか。県職員の採用については、第三者機関である人事委員会で採用試験を行っております。
 採用にあたっては公平、公正に実施されていると考えています。

※1
 それから、事前に受験者名を伝えたのではないか、ということがご質問だと思いますけれども、数件あったと聞いておりますけれども、詳しいことについては人事課に確認していただきたいと思います。

(幹事社)
 数件というのは、いつごろ、誰が、というのは・・・・・。

蒲島知事
 そこまでは報告を受けておりません。数件あったということを聞いております。

(幹事社)
 では、各社、お願いします。


 今の件に絡むんですけれども。事前に連絡を・・・・・。ちょっと確認も含めてなんですけれども、今、知事がおっしゃったのは、事前の連絡があっていたということを教育長の方から聞いたということですね。

蒲島知事
 はい。


 今後、何とおっしゃいましたかね、ごめんなさい。事前の連絡は・・・・・。

蒲島知事
 今後はそういう事は行わないと。


 行わないと。

蒲島知事
 ということを聞いています。
 それは当たり前のことだと思います。


 知事ご自身の所感として、こういうことが熊本の場合歪められるということはないということなんですが、こういうふうに県議会議員の方から、事前に、番号を教えて、それを連絡してくれという具体的な内容があったかないかはともかくとして、そういう行為があっているということ自体に関してどういうふうにお考えになっているのかという点、1点と、それと、これはもう熊本でも従前からもう何度もこれ繰り返されて、うちも報道してきている話で、結果的に、それが、不正の温床になりかねないということから報道もしてきているんですが、こういうことをある意味防ぐためには、口利きに関しては今年度中にということで制度設計ということを言われていますが、何が必要なのか、本当に、ある意味、県議にそれを求めるというだけで、果していいのかということに関しては、どういうことをすればこういうことが防げるというふうにお考えなのかという点ではいかがでしょうか。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 はい、まず、この教育という大きな問題に疑惑があってはいけないと。そのことをすべての人が認識するということが大事だと思います。
 子ども達の気持ち、あるいは先生達の気持ち、いろんな事を考えると、そういう疑惑の温床、あるいは疑惑の少しでもそういうことがあってはいけないと思っています。
 それで、そのことに不正があったかないか、ということに関しては、幸いなことに不正はなかったと。ただ、事前連絡があるということは、今後このようなことは、行わないということを聞きましたし、それから、さきほど口利きの明文化ということが言われましたけれども、教育委員会としても知事部局と同一歩調をとって、いろんな制度改革を今行っておりますので、この明文化についても知事部局と一体となって進めることにしたいとも、そういうことを聞いております。


 知事、今、合格者について、事前に通知するという点が、今、問題視されていますが、それがたとえ事後であっても、いわゆる合格発表日の後であっても、その前段で県議なり、非常に影響力がある立場の方から、特定の受験者名が、複数の受験者名が、例えば教育委員会であったり、人事委員会であったり、そういった採用に関わるところに伝えられている、そのこと自体が今後どう取り扱うべきとお考えでしょうか。

蒲島知事
 私は、県民に対して誤解を与えかねないような行動そのものは好ましいことではないと考えておりますので、その是正の方に向かっていくのではないかと思っています。
 その方向に教育委員会も行くというふうに聞いております。


 人事委員会の県職員の合否に際して、事前に県会議員からそういった名前を聞いていて、それは事前通知ではありませんでしたけれども、事後に知らせていると、合否を。直接知らせている。ただ、合否が決定する前に受験者名が手元にあるわけですよね、県議なりが記した名前というのが。そのこと自体、県職員の採用に関しても、知事はどういうふうにお考えでしょうか。

蒲島知事
 私の聞いたところによると、県のホームページに合格者の受験番号を公表した後に、結果を知らせており、合否決定には不正が介入することがなかったと聞いておりますけれども、そのような行動は今後とらないようにお願いしたいと思います。


 それは、議員なりから特定の受験者名を聞くこと自体をもう止めるという…。

蒲島知事
 そういう方向でいかないと、この問題については少しでも疑惑が起こるのではないかなと思っています。


 それは、個別にその受験者名を聞いて、事後であっても聞くということと、答えるということ、両方ともやらない方向で検討してもらうと。

蒲島知事
 今後の文書化の一連の過程の中で、その方向で進んでいくと思いますけれども、今後、私の考えとしてはそっちの方向にいくのが当然だと思っています。


 教員採用、もしくは教員の昇進ですね、加えて、県職員の人事関係、ひっくるめて、それぞれの部局に今回指示を出されたことはありますでしょうか。
 ちょっと、ひっくるめの質問になりますけれども。

蒲島知事
 教育に関しては教育長と懇談し、その後の事後報告をいただきました。
 そして私の考えを伝えたところです。
 そして、当然、人事に関しては人事委員会の方が採用しておりますけれども、厳正に処理するように私の希望は伝えております。


 知事、さきほど県職員の方で数件とおっしゃいましたけれども。教えたのがですね。

蒲島知事
 はい。


 あれは、確認ですけれども、合格発表以降にということでしょうか。

※2

蒲島知事
 これは、合格決定前に受験者名を伝えていたようだが、それは数件あったと聞いております。

(幹事社)
 それは、じゃ事前に教えたのが数件。

蒲島知事
 はい。

(幹事社)
 それは誰が伝えたんでしょうか。

蒲島知事
 これは、人事課に確認していただきたいと思います。

(幹事社)
 人事課が伝えたんですか。

蒲島知事
 誰が伝えたか、とかまでは聞いていません。

(幹事社)
 知事、それは今…。

蒲島知事
 ここには人事課がいらっしゃらないかな。

(幹事社)
 今おっしゃったのは、特定の年度の採用試験に関してでしょうか?それとも恒常的なものとして、報告を受けたと・・・・・。

蒲島知事
 それは、特定の年度かどうかについては、ここでは把握しておりませんので、それも人事課の方に問い合わせてください。

(幹事社)

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 知事、すみません、教員採用もそうですし、それから県職員の方の採用もそうかもしれませんが、事前通知、それから県議の方から受験者の番号が伝えられて事前に通知するような依頼があったということについて、昨年度だけではなくて、過去慣例化してしまっている部分というのもあるのかと思うんですが、そういった推測もできるんですけれども、過去にさかのぼってそういった不正と言いますか、疑わしい行為があったかどうかを調査する必要があるかどうか、その点についてはいかがでしょうか。

蒲島知事
 私もこの問題については、みなさんと同時期に知ったという段階でありますので、それを含めて今後調査検討します。

(幹事社)
 知事、申し訳ありません。今の「調査検討」というのを、ニュアンスとして、はっきりしときたいんですけれども。

蒲島知事
 私はこういうことが起こる事自体を大変遺憾に思っています。
 そして、過去にこういう事が起こったかどうかに関しても知りたいと思っておりますし、それから、こういう事が起こらないような形で、今後方向を定めていくと、そういうことです。

 

 方向を定めるという表現が、具体的に・・・・・。

蒲島知事
 こういうことをしないということです。させない。


 知事が思っているのは、それは採用の場面のことだけなんですか?

蒲島知事
 いや、採用というか、これは第三者機関であります。これは、人事委員会も。それからもう1つ教育委員会も私の方とは違いますので、そういう意味で、知事部局でできるところに、こういう事が起こらないような方向性でいくと。


 それは、例えば、既に採用された後の、誰々職員さんをどこどこ課長にしてくれとか、そういう口利きまで入っているんですか。

蒲島知事
 そういうことは・・・・・、私は、まだ3か月ですけれども、一切聞いておりませんけれども、そういう事があったとは。

※3


 今後の対応の中で、少なくとも人事採用の場面で、そういった口利きやあるいは事前通知みたいなことはさせないと。

蒲島知事
 当然、公正・公平に人事はやらなければなりません。
 


 職員間の異動の場面で、例えば、大分でも県教委のなかで昇進するにあたって、何やら怪しげなことがあっている、と出ていますので、そういった昇進の場面、人事の異動の場面・・・・・。そこも知事の頭に入ってますか。

蒲島知事
 大分県のケースを熊本県にそのまま当てはめるということが適当かどうか分かりませんので、それは今後検討していきます。


 知事、すいません。さきほど、人事委員会に厳正に処理するように伝えた、と言われたんですが。そこを。

蒲島知事
 人事委員会というよりも人事部ですね。


 人事部。

蒲島知事
 人事課です。すみません。


 人事課の方ですね。

蒲島知事
 はい。

※4


 それは、例えば、事前通知について調査するようにとか・・・・・。

蒲島知事
 私のところに来た情報はすべて人事課を通して来たものです。


 人事課に対して。

蒲島知事
 はい、どうなっているかという事を聞いたところです。


 事実関係の調査とか、過去にさかのぼっての調査とか、もう少し具体的にどういう指示を人事課に対して言われたんでしょうか。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 現在は、現状把握、というところです。
 まず、現状を把握して、どういうことができるかどうかを、今後の方向で。
 みなさんもご存知のように、数日前の事件ですので、私も完全に過去にまでさかのぼって把握しているところではありません。今後それを把握していきたいと思っています。 


 過去に起こったことを知りたいとおっしゃったんですが、いろんなスパンがあるかと思いますけれども、大体、知事としてどれくらいの期間を想定していらっしゃいますか。

蒲島知事
 それが、どこまでさかのぼるか、さかのぼれないかもしれません。
 どのくらいのスパンかを含めて、やっぱり、これから知りたいと思っています。


 それは、人事課の方から、あるいは教育委員会の方から、どのくらい前からあったのかというのを…。

蒲島知事
 教育委員会に関しては、教育委員会の方がやられると思いますけれども、知事部局であれば私の方でやることになると。


 事前にどのくらい前からあったのかというのをあげてもらうという、知事に報告してもらうというスタンスですか。

蒲島知事
 あれば、ですよ。


 あれば、ですね。
 知事が人事課にさかのぼって調査をするように指示したと受け止めていいですか。

蒲島知事
 現在は、さかのぼるというよりも、今、現状に、今日みなさんにご報告したところまでですけれども、現状の報告を受けているという段階です。


 今後調査をきちっと指示するということですか。

蒲島知事
 現状を分析したうえで、必要であれば調査します。


 現に数件あがってきているわけですよね。

蒲島知事
 はい。


 ということは、さかのぼれるだけさかのぼって調べるというのが普通だと思いますが、。どうでしょうか。

蒲島知事
 この段階では、数件あったと聞いているという段階で、さかのぼるとか、誰であるとか、そういうことに関しては、まだ報告を受けていませんので、それも検討課題としたいと思います。
 


 知事、報告を受けていらっしゃる点と、知事が指示なさる点が、ちょっと、ごっちゃになっているように聞こえるんですけれども。

蒲島知事
 はい、まず報告を受けて、現状を認識して、そして、それを分析したうえでその後の私の方向性が決まるということです。


 ちょっと頭の中を整理させていただきたいんですけれども、知事、実際、直接、採用を担当する人事委員会に対しては、まだ直接何も、指示とか依頼とか、そういうのもまだされてはいらっしゃらなくて。

蒲島知事
 人事委員会というのは、第一次試験として教養試験と専門試験を行い、第一次試験の合格者について第二試験で論文試験と面接試験を行います。
 第二次試験合格者は採用候補者名簿に登載されるわけですけれども、その後各任命者において改めて面接を行い、採用を決定しているのが、今の職員の採用の形態です。
 その人事委員会は、第三者機関であるわけですから、その第三者機関として、知事としては公平・公正に実施されているものと考えております。 

※5


 数件あったと報告を受けられた事前通知、それは人事委員会がされたんですか、それとも、人事課がされたんですか?

蒲島知事
 私が聞いたのは、人事課に聞きましたので、そのことは、ちょっと、人事課に確認していただきたいと思います。これだけでいいんですか。よろしいですか。

水俣病問題関連


 水俣病のことなんですけれども、国に上がられた時、環境省にもおうかがいされたと思うんですが、どういった話をされて、どういうふうな回答を得られたのでしょうか。

(幹事社)
 ちょっと、もう一度、すみません。


 水俣病についてなんですけれども、国への要望というか、上られたわけですけれども。

蒲島知事
 何を。


 水俣病の関係で、環境省におうかがいされたかと思うんですけれども、そこではどういったお話をされたんでしょうか。

蒲島知事
 これは、国会議員の方に対する要望と、国に対する要望の一環として環境省にまいりました。
 そこで、大臣、それから、今度、環境省の次官になられた西尾次官、それとその他の担当者の方々と水俣病についての意見を交換しました。
 そして、これは国と県、それから与党PTと一丸となって早期解決が必要だということと、それからチッソに対して交渉に臨む、というか、私達と同じように共同歩調等をとってほしいと、与党PT案に沿ってやってほしいということを再度要請すると。そしてそのためにも国と県が一致してやらなければいけないという、そういう認識を新たにしたところです。 

荒瀬ダム関連


 すいません。話変わって。荒瀬ダムのことなんですけれども。例の、発電の運用の1億円について、それから100 億か、60億か、撤去費用についてもきちっとした再度の精査をという話がありましたが、見通しとしてはどれぐらいを考えておられますか。

蒲島知事
 荒瀬ダムに関して、今のご質問は、精査をするというのはどのレベルで精査するということですか?


 費用について、再度の詳しい精査を…という話だったと思いますけれども。

蒲島知事
 今、鋭意やっておりますので。説明会がありますから、なるべくそれを目指してまいります。


 昨日も八代漁業の人が来て、ぜひ撤去してほしいという話がありましたけれども、あの人達を納得させる、「愛されるダム」は可能だと思われますか。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

蒲島知事

 なかなか、納得させるとか、そういう意味じゃなくて、合理性のある答えが出せたらいいなと。
 1つは、環境問題に鋭意取り組んで、そして、発電を二次的にしてもいいから、環境問題、あるいは、昨日の話ではアサリの覆砂の問題、いろいろありましたけれども。そういう要望に応えられるような方向がないのかなと。そして、財政問題が1番ですけれども、あるいは温暖化問題、そういうものを含めた形で総合的に判断したいと思っています。 


 発電を二の次にすれば、例の、運用益1億円というのは、くずれてきますけれども、それは計算し直すということですか。

蒲島知事
 それは幅の問題だと思います。
 だから、環境問題にどれだけ取り組んだということによってまた利益率も変わってくると思いますので。シミュレーションといってもいろんなケースが、これだ、というものはなくて、1案、2案、3案という形でしか示すことができないんじゃないでしょうか。


 あとですね、代替橋の問題なんですけれども、代替橋と言われるものなんですけれども、車1台通れるか通れないかぐらいの道幅だと思うんですが、その上流1キロにもっと立派な橋があって、その1キロのために28億円投じる余力が今の県財政にあるのかという気がするんですけれども、あの交通量から考えても、ちょっとどうかなと思うんですが、そのあたりはいかがですか。

蒲島知事
 今、もし撤去となった時の代替橋のことについてだと思いますけれども。それは、今、市の方から要望事項としてあがっています。
 今のご意見は、県としてはそうあって欲しいなと。もし橋を作らなくてもすめば、ただ、地元の方のご要望はまたご要望で違うと思いますので。今の段階では、それは凍結しておりますので、そのまま撤去のままいったとすれば、今の橋の問題は地元八代からの要望として出てきたであろうと思います。
 それで、私はそこで橋を入れて、あるいは井戸枯れも入れて、100 億というふうに撤去の場合の費用を算出したわけです。
 もし地元の方が橋は要りませんと、あなたがおっしゃったように、そうであれば、それから橋の代を引いたのが撤去の費用になるというふうに思います。


 地元の要望もあるかと思うんですけれども、知事が現地をご覧になって、1キロならばもっと別の方法があるんじゃないかとか、知事のご意見としては、あの場所に橋が必要なのかどうか、いかがお考えですか。

蒲島知事
 その橋を利用される方の意見と、第三者的な意見は多分違うと思います。
 これまでの知事部局の考えを述べますと、知事部局は私が就任する前は撤去の方針でいっておりましたので、その時に企業局長は、橋は必要ではないと言っていたと思います。
 ただ、それは、まさに住民の方々のご要望がどのくらいかによってもまた違ってくると思いますけれども。
 そういう意味では対立点があったわけです。
 地元の方では橋が欲しい。企業局の方ではそれは要らないんじゃないかと。


 知事、荒瀬ダム撤去凍結を、最初に、この場所で言われた時には、使えるダムを使わないのはもったいないというのが理由だったんですが、昨日の八代漁協の申し入れにも、発電を二の次にしても環境に力を入れたいと。知事の中で随分と気持ちが揺れているというか、お考えも変わってきているんじゃないかという印象を持つんですが、そのあたりはいかがですか。

蒲島知事
 基本的には変わっておりません。ただ、その後いろんなご意見を聞きました。
 そして、知事としては、様々な要望を聞いたうえで、様々な要因を考えたうえで総合的に判断しなければいけない。
 それで、まず、最初の時に言った財政問題、これは今でも変わっていません。
 特に、この財政問題は、28億近くの、さきほどの橋の問題を除いても70億以上の真水というか、県の支出が必要です。
 今それだけの余裕があるかどうかという、特に財政再建をゼロベースから始めた時に、それは今でも大変厳しい状況は一切変わっておりません。
 好転していません。
 もう1つは温暖化について言いました。
 水力発電は、そういう意味では自然エネルギーですし、それから最近の水力発電に関する懇談会、あるいは審議会だと思いますけれども、そこで水力発電の重要性を認めております。
 これまでは20%までの補助金だったのが、50%まで出してもいいというふうな方向性がきておりますので、それを維持する為のコストが非常に安くなっていることは確かです。
 その温暖化問題と、それから維持する為のコストが安くなってきているということを考えた時に、これは撤去を決定した時に決めた条件と随分違ってきているなと思っています。
 もう一度違った条件で考え直してみようと。それで、その間で、様々なご意見を聞いて、はっきり言って、私も人間ですから、心の揺れはありますけれども、基本的な条件は変わっていないような気がします。
 その中で様々な方のご意見を聞いて、最終的には孤独な決断であっても、どの決断が一番県民の為にはいいのか、県益と言いますけれども、それのもとに判断しなきゃいけないと思っています。
 それでその時に私は常に思うんですけれども、必ずその決断には私の決断と相いれない方々がいらっしゃる。そのいらっしゃる方々に思いを致す心は常に持ちたいと。その心を常に持ち続けつつ、決断すべきところは決断しなきゃいけないなと思っています。

 環境問題を考えた時には荒瀬ダムは撤去した方が環境には優しいんじゃないかという考え方があると思うんですが、知事が今おっしゃったのは、そういう熊本県内、球磨川流域、あるいは八代海の環境問題よりも水力発電の優位性という、全体状況の環境の方に重きをおいて判断するということがあり得るということですか。

蒲島知事
 もしですね、「もし」という言葉は歴史にありませんので、確かにダムがあることによって環境に対する負荷は高いというふうに直観的には思われます。
 それから昨日、漁業者の方々がおっしゃって、何十年も見てきたけれども、ダムがあることによって随分と海が荒れたというふうにおっしゃっています。
 それは、でも、環境に対する負荷を何か人間の手で軽くすることができないだろうかと。その方向性も考えてもいいのではないかと。他の要因もありますけどね。そういう考えが、発電を二の次にしてでもいいから環境に優しいことはできないだろうかというのが、今の私の立場です。それを、今、一生懸命に探し求めているところです。


 あとですね、川辺川ダムと荒瀬ダムの問題ですけれども、以前別々に考えるというふうにおっしゃっていましたけれども、川辺川ダムと荒瀬ダムというのは同じ水系なので、仮に川辺川ダムができるとなると、荒瀬ダムに及ぼす影響というのは少なからずあるとは思うんですけれども、その点に関しては前提条件が変わってくると思いますけれども、どう考慮されますか。

蒲島知事
 この段階では別個で考えています。


 知事、今・・・・・。

(幹事社)
 時間が・・・・・。

蒲島知事
 最後でいいですか。


 さきほどですね、ちょっと、基本的な政治スタンスのことで。

蒲島知事
 「さきほど」とは、どのことですか。


 さきほどのやりとりの中で、知事が決断をなさったことに対しては、反対を唱える方が、相いれない方が必ず生じるだろう、という中で、孤独な決断をしなければならないと、そういう場が来ると思うんですね。
 知事はそういった場合に、例えば、それを肯定する方、賛成する方、反対する方の多い少ない、世論というものがいろんな形であろうかと思うんですけれども、例えば、数的なものをどう見るかとか、例えば、肯定なさる方が少数であって、反対の方が多いというような空気があっても、それはそれで、ある決断をしなければならないと、そういう政治スタンスというか、お考えでしょうか。

蒲島知事
 はい、それは、今、現在の状況と、また歴史的にどのくらいのスパンをもつかという状況もいろいろあると思いますけれども、やはり、すべてを見て、そして、指導者というのは神ではありませんから間違うこともあるかもしれませんけれども。すべてのその時期における知識、あるいは、洞察、そういうものを求め、そして、その人々の意見の分布を知り、そういうことを全て含めたうえで、やはり判断しなきゃいけないと思っています。


 知事、すみません。1点だけ。荒瀬ダムの関係で、昨日、八代漁協の方が来られましたけれども、ダムができたことによる漁業への影響とか、球磨川・八代海ですね。漁業に影響とか、環境への影響について改めて県として調査されるような考えとかありませんか。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 その後、荒瀬ダムについても研究しましたけれども、かなりの程度データはあるような気がします。
 そして、もし、例えば、これまで堤先生がこの前人吉か八代で講演をされましたけれども、それも1つの研究だと思いますし、そういう研究の結果が、これを、現在、庁内を含めてあるかどうかを調査して、私は学者ですので、結論も踏まえながら見てみたいと思っています。
今から調査をするという場合に、どのくらいの時間がかかるのかということも踏まえて、もし可能であれば、それはとても実証研究ができればいいことですけれども、時間的に可能でなければ、それは今までの知識の蓄積のもとでやらなければいけないなと思っています。


 時間も含めて、県としての調査みたいなことも検討はされるという・・・・・。

蒲島知事
 それも検討課題の1つです。
 ただ、それだけの時間が許されているかどうかということは、どのくらいあれば、みんなの理解が得られる客観的な分析・データが揃うのかというのも含めて考えなければいけません。
 それが、いわゆる政治的決断に不可能な時間的なものであれば、これまで蓄積された、そういう知識でもって、決断する以外にないと思います。
 それではよろしいでしょうか。

(幹事社)
 ありがとうございました。

蒲島知事
 はい、それではどうも。

 教職員・県職員採用に係る知事コメント
 本日(7/23)の定例記者会見で、記者から「複数の県議から合否決定前に受験者名を伝えていたのか」という趣旨の質問に対して、私の方から「数件あったと聞いている」と申し上げました。これは、「合否決定前に県議から問い合わせが数件あった」ということをお伝えしたかっただけであり、複数の県議に合否決定前に受験者名を伝えていたということではありません。説明が足りなくて誤解を与える表現となりましたので、訂正をさせていただきます。 

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