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平成20年 8月20日 知事定例記者会見
日時: 平成20年8月20日(水曜日)午前10時から
場所: 知事応接室
発表項目
質疑応答
- 内柴正人氏への「県民栄誉賞特別賞」授与関連(1)
- 川辺川関連(1)
- 「くまもと農林水産業再生会議」の設置関連
- 財政再建関連
- 川辺川関連(2)
- 県政への取組み関連
- 内柴正人氏への「県民栄誉賞特別賞」授与関連(2)
(幹事社)
知事おはようございます。
蒲島知事
おはようございます。
(幹事社)
まずは県からの発表項目について説明をお願いします。
蒲島知事
はい。今日は4つ発表項目があります。まず、第1に、『内柴正人氏への県民栄誉賞特別賞の授与』についてですけれども、北京オリンピックで見事金メダルを獲得して、オリンピック2連覇という快挙を達成し、日本中に、夢と感動を与えてくれた内柴正人選手に「県民栄誉賞特別賞」を贈ることにしました。
内柴選手については、アテネオリンピックの金メダルで、既に「県民栄誉賞」を贈っております。今回の活躍は、再度顕彰するにふさわしいものと考え、お一人の方が重ねて「県民栄誉賞」の授与に値する功績をあげられた場合には、新たに「県民栄誉賞特別賞」を設けて贈ることにいたしました。
柔道への情熱、不屈の闘志、たゆまぬ努力、そして熱い家族への思いを胸に、逆境を乗り越えて再び世界の頂点に立った内柴氏の姿は、まさに県民に夢と誇りを与えてくれたものと思います。
「県民栄誉賞特別賞」をお贈りし、県民の皆様と共にその功績を称え、今後の益々のご活躍を期待したいと思っております。
なお、授与式は今後日程調整を行っていくこととしております。
これが第1の発表項目です。
「くまもと農林水産業再生会議」の設置について[PDFファイル/265KB](PDFファイル:265KB)
第2は、「くまもと農林水産業再生会議」の設置についてです。
このたび、熊本の基幹産業として、稼げる農林水産業を目指し、生産者と消費者、関係団体等が自由に意見交換を行う「くまもと農林水産業再生会議」を設置することにしました。
設置については、私のマニフェストにも掲げており、これまでメンバーや開催方法、時期などについて検討してまいりました。
構成メンバーについては、夢のある幅広いご意見をいただくため、生産者、消費者団体、流通関係、観光関係、学識経験者等の中から添付の名簿のとおりお願いしております。
会議は、本年度限り、3回の開催を予定しており、第1回目を8月27日午後1時30分から開催いたします。
第1回目の会議においては、本県の農林水産業の現状について情報提供を行い、課題認識の共有化を図りたいと思います。
また、現在、農林水産部で今後4ヵ年の方向性を定めるものとして「農林水産部施策方針」(通称:部マニ)の作成を進めておりますけれども、その案をご説明し、ご意見をいただきたいと思っております。
再生会議からいただいたご意見やご提案については、農林水産部が所管する協議会やプロジェクトチーム等で内容を検討させていただき、素早く施策に反映させていきたいと思っております。
県職員等を対象とした認知症サポーター養成講座について[PDFファイル/76KB](PDFファイル:76KB)
第3番目の項目は『県職員等を対象とした認知症サポーター養成講座について』です。
8月26日火曜日、午前10時から県庁地下大会議室で、県職員等を対象に認知症サポーター養成講座を開催いたします。
約200名の受講が予定されています。
認知症対策としては、認知症の人々や家族の方々を地域で支援する体制を充実させることが重要だと考えています。
そのためには、まず、認知症についての理解者、応援者である認知症サポーターを1人でも多く育てることが必要だと認識しております。
そこで、県職員が率先して認知症についての正しい知識や対応の仕方を学び、認知症に対する理解者となることを目的に開催するものです。
今回、私自らが受講することで、より多くの職員に自分の問題として考えてほしいと思っています。なお、都道府県知事が認知症サポーターとなるのは、全国で初めてだと思われます。
併せて、これを契機として県内全域で認知症サポーターが増えていくことを期待しています。
今後、県は、「安心して長寿を迎えられる社会づくり」に向けて、認知症の人々や家族の方々が安心して暮らせるよう、様々な認知症対策に取り組んでいく所存です。
今日たくさんの方がここにおいでですけれども、記者の方々も、ぜひ、私と一緒に、8月26日に受講していただきたいと思っています。お待ちしております。
川辺川ダム事業について[PDFファイル/55KB](PDFファイル:55KB)
第4番目の項目ですけれども、川辺川ダム問題についていくつかあります。
まず、第7回有識者会議が先週木曜日に開催されました。
私もそこに出席させていただきました。
今回の会議では、報告書骨子案やとりまとめのためのたたき台をもとに総括的な議論が行われました。
8月22日に予定されている次回の会議では、最終的に報告書をまとめていただけるのではないかと考えております。
次に、私の判断に向けての取組みとして、マニフェストに掲げておりました国土交通省の考え方や県議会のご意見をお聴きすること、また、6月定例県議会でお約束いたしました流域市町村からの意見をお聴きすることについて、次のように日程が決まりましたのでご報告いたします。
まず、国土交通省につきましては、8月25日、午後3時45分から県庁において、九州地方整備局長においでいただき、国土交通省としての考え方をお聴きすることにいたしました。
次に、流域市町村の市町村長及び議長につきましては、8月27日、午後3時半から2時間程度、球磨地域振興局にお集まりいただき、ご意見をお聴きすることにいたしました。
県議会については、9月5日午前11時から議会棟におきまして、県議会議員の皆様にお集まりいただき、ご意見をお聴きすることになります。
以上が、私の方で用意いたしました報告事項です。
内柴正人氏への「県民栄誉賞特別賞」授与関連(1)
(幹事社)
それでは、まず、幹事社の方から何点か質問をしたいんですが、まずは、内柴選手の「県民栄誉賞特別賞」についてお伺いしたいんですが。先日、北京で金を内柴選手がとった時に、蒲島知事は何らかの形で県としてお礼を言う機会を作りたいというふうにおっしゃっていましたが、この内柴選手の活躍が「県民栄誉賞特別賞」というものを作らせたというか、今回、どうしても形にしたいということで、特別賞というのを作ってしまったということでいいんでしょうか。
蒲島知事
作ってしまったというよりも、ぜひ、内柴選手の活躍に応えたいと、県としても顕彰したいという気持ちでこの新しい賞を、2度目ですので「特別賞」という形で贈らせていただくことになりました。
(幹事社)
前例はないそうですけれども。
蒲島知事
はい、いつも前例はありませんので、これが前例になると思いますが、それにふさわしいご活躍をされたと思っております。
(幹事社)
この特別賞を作るにあたっての知事の思いみたいなものはあるんですか。
蒲島知事
優勝された瞬間に、ご活躍というか、あれは、熊本県民だけではなくて、日本全体に大きな希望と夢を、それから、素晴らしい活躍の姿を見せてくれたと思いましたので、当然、何らかの形で顕彰したいと考えておりました。
それで、8月13日には「県民栄誉賞特別賞」授与のだいたいの方針を決めたところです。
川辺川関連(1)
(幹事社)
あと4つ目の発表項目の中で、川辺川ダムのことに関して、日にちを決めて意見を聴取されるということですけれども。意見を聴取したうえでのことになるかと思うんですが、9月議会もいよいよきて、態度表明をすることになると思います。11日に発表するというふうに思っていていいでしょうか。
蒲島知事
日にちについてはまだ検討中ですけれども、9月議会で自分自身の態度を表明することはマニフェストでも掲げておりますので、それに揺るぎはありません。
(幹事社)
知事は、これまで、議会を議論の場にしたいというスタンスでこれまでしてこられたと思うんですが、そういうスタンスからいくと、議会初日に発表しないという理由はないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
蒲島知事
それも含めて検討させていただきます。
いずれにしても、議会で態度表明することに関しては、そのとおりにしますので、間違いありません。
(幹事社)
初日の知事表明の機会にということも考えられますか。
蒲島知事
それも含めて考えています。
(幹事社)
また、国交省の球磨川の治水目標が「80年に1度」の洪水という設定から、「20年から30年に1度」の洪水というふうになったことについてはいかがでしょうか。
蒲島知事
報道を私は見ましたけれども、詳細については、まだ国交省の方からいただいておりません。
今、事務方を通じて事実関係を確認している段階です。
それから、25日には、九州地方整備局長に私自身がお会いすることになっておりますので、その時に、内容を確認したいと思っています。
(幹事社)
報道のとおりだとすれば、これまで「80年に1度」というところで説明してきたものを、反対派もそれをもとにして反対意見を言っていたところの前提が崩れることになるかと思うんですが、知事の判断の前提が少し崩れるというような受け止め方でしょうか。
蒲島知事
事実関係を明らかにしたうえで、判断したいと思いますので。ただ、私が9月に判断するということに関しては、方針は変わりません。
(幹事社)
各社いかがでしょうか。
Q
よろしいですか。
蒲島知事
はい。
Q
川辺川ダムについてですけれども、判断されるのもいよいよ大詰めを迎えていると思うんですけれども。9月議会で決断ということには、時間的にどうですか、4月に就任されてマニフェストにこだわるあまりにですね、9月議会で決断するというには時間が足りない、結構タイトだったんじゃないかなというのがありますけれども、その辺は。
蒲島知事
正直に言うと、6ヶ月というのは、とても短い期間だと、今は感じています。
ただ、マニフェストに約束しましたように、今、何が求められているかというと、早期の決断が求められておりますし、それから、有権者の方に約束した事柄がマニフェストですので、9月の議会において自分の決断を表明するということに関しては、そういう方針は変わりはありません。
それに向けて、様々な事柄を行ってきましたし、それから、有識者会議の方々も、その日にちに合わせてですね、結論を出していただくということになっておりますので。印象としては、ちょっと、私自身もスケジュール的にはタイトだったかなと思っていますけれども、9月に結論を出すべきだと感じています。
Q
今日、報道で出ている国のですね、治水目標に関してのことは事実関係を確認するということですけれども、仮に、そういう考え方を国がとっているとした場合ですね。やはり、ダムが要るという水準、水量が下がるということになってしまいますので、ダムの是非を考えるという知事の今のお立場ですね、それに対して、やはり、もう一遍、ちょっと考える要素を整理し直して、9月決断というのを少し猶予をしたりとか、改めて立ち止まって、もう一遍、状況分析をし直すとか、そういう何らかのお考えというのはありませんでしょうか。
蒲島知事
既に、ご存知のように、もし、これが事実としても、このことに関しては、有識者会議でも議論の焦点になったところでもあります。
今、事実関係を確認していますので、その上でですけれども、それだからといって9月の表明を変えることは、今のところ考えてはおりません。
Q
報道のレベルではありますけれども、知事ご自身が今日の報道内容をご覧になって、どういった印象をお持ちになられましたか。
蒲島知事
印象としては、これまで「80年に1度」という議論をテーマに行われていましたので、やや驚いたところです。
ただ、そういうこともあって、事実関係とかとても重要ですので、事務方の方に、今、問い合わせていただいているところです。
その報道の内容が正確かどうかということを含めて。全体像がちょっと見えませんので。
Q
この件でですね、1つ、国交省側の主張の中で、こういった考え方を公表する機会がなかったのでというふうな言い方をしているんですけれども、こういう非常に重要な問題で、議論の根本にも関わるような部分をですね、適切な情報公開を国側がやってなかったという見方もできると思うんですよね。
整理して2点伺うと、県は、その点に関して何らかの情報を概略でも持ってはいなかったのかという点と、国側のそういう姿勢については何らかご意見ありませんでしょうか。
蒲島知事
まず、第1番目の質問ですけれども、一切、県の方はそういう情報を持っておりませんでした。
それから、第2点目については、まだ、その認識を含めて、事務方の方で問い合わせ中ですので、それについては、その情報を基に判断したいと思います。
ただ、この考え方そのものは、有識者会議で鈴木先生が提出された白川の件もありますのでですね、そういうケースはあるんだなということは認識しておりました。
Q
それから、今の有識者会議に関してなんですけれども、もう、いよいよ、今週、あさってですか、最終的に取りまとめということになりますと、先週のが、そのたたき台というか、報告の方向性というかですね。大きく言うと、何らかの治水対策が必要であるということ。それから、基本高水というのが絶対ではないということ。それと、やっぱり、環境への一定の配慮が必要であるというようなこと。大きく言うと、その3点が印象に残った感があるんですけれども。知事は今までの議論も含めてですね、そこに関してはどのような認識というか、所見を感じていらっしゃいますか。
蒲島知事
私も有識者会議には、全回出席しました。
そして、その中の議論で、今の3点、その他にも、地域振興とか、それから、財政問題とか、いろんな観点で討論されましたけれども、私は、この問題については、やっぱり、多面的に議論がされて、それが、とても私自身の判断の材料にはなったかなと思っています。
ただ、マニフェストに述べておりますので、それだけではなくて、地域の方々。それから様々な団体の方々。それから県議会。それから市町村長。それから議長さん、いろんな方々から。そして国土交通省も含めてお話を伺って、最終的に9月には自分自身で判断しなければいけないなと思っています。
それから、前にも述べましたけれども、有識者会議で科学的な観点から議論していただいて、科学的に正しい結論が出るのかなというふうに、最初は予想しておりましたけれども。やはり、科学的に議論すればするほど、科学的に正しい結論というのは出ないのかなというのは、私の有識者会議についての感想です。
やっぱり、そうなると、政治的な判断というのが必要になってくるというふうに考えていますし、また、そのようなことも、有識者会議の中では皆さんが議論されているところです。
Q
そうしますと、余計に、財政的な検証であるとか、今、あったような治水の根本に関わるような基本高水の考え方とか、そういうことからすると、あまりにも判断をなされる材料としてですね、果して。例えば、ダムを造る場合、造らない場合の財政的検証まではできないわけですよね。今の段階ですと。そこら辺に関しては、知事の決断の中では、時間的な・・・、さきほどの質問にもありましたけど、そこに関してはどうでしょうか。
蒲島知事
私自身も、さきほど率直に言ったのは、時間が非常にタイトだなということを感じましたけれども、ただ、9月に判断するという約束はとても重いものですから、これを変えることはできません。
それから、それに沿って、様々な方々とのご意見をお伺いする会も、今、設定しているところだし、それから、有識者会議の方も、結論は近いうちに出るということですので、9月の決断に向けて着々と、今、進んでいるところです。
Q
意見を聴かれる場で、国交省からは、さきほども今日の報道内容の点の確認というのはおっしゃいましたけれども、改めてですね、国交省からどういった問題点といいますか、内容を、知事として確認、聴かれたいのか。国交省からですね。この問題について、単なる事業の経過をお聴きになりたいのか。例えば、今後の整備計画に対しての考え方とか、何を知事としては判断材料としてお尋ねになりたいのかというのと、それと、流域市町村長ですが、今、この資料によりますと、人吉市や相良村の掲載があっておりますけれども、これは、現段階では、全ての流域市町村長がご出席という前提で、今、準備を進められているんでしょうか。
蒲島知事
はい、まず、第1の国土交通省の観点ですけれども、国土交通省としての考え方、ダムに関する考え方、それから、主張、そういうものをお聴きすると。それは、とても全体的な意見としては大事なものだと考えています。
それで、それを判断の1つの材料としたいと。
それから、2番目のご質問ですけれども、今のところ、全市町村長を、その方々のご意見をお聴きしたいという前提のもとで進んでいます。
Q
これは、仮に、どなたかがご欠席だったりした場合は、個別にでも、知事として、直接、何らか会談をなさるとか。
蒲島知事
もし、ご欠席があれば、何らかの形でご意向はお聴きしたいと思っています。
Q
今、現在ですね、川辺川ダムの県の負担分というのは、どの程度、最新の試算はされていますか。
蒲島知事
まだ、整備計画が出ておりませんので、その段階では、県の負担分というのは計算できません。
それで、これまでの整備計画に関しては、仮でしょうけどね、一応、部内で試算しておりますので、その結果については課長の方からお願いしたいと思います。
金額、これは、まだ、新しい整備計画に基づくものでありませんので、仮に、という形になりますけれども、ちょっと詳しい数字は課長の方でお願いしたいと思います。
Q
例えば、新しい整備計画ができた場合はどうなのかというのは、国交省との会談でそういう話も聴かれるということなんですか。
蒲島知事
いや、それはもう、その時間はないと思います。むしろ、国交省の考え方をお聴きするということで。
(川辺川ダム総合対策課)
この前、有識者会議でお出ししたので、後ほどお配りするということでよろしゅうございますか。資料がありますので。
Q
例えばですね、その額が巨額にのぼる場合、知事としてはどのような政治判断をされるおつもりですか。
蒲島知事
財政問題も、当然、ダム問題に関する考慮の中には入っておりますので、有識者会議の中でもそのことについては議論されたところです。
Q
有識者会議でですね、おそらく、会議としての全体的な総括意見というまとめと、それに対しての個別意見、先生方のいろんな所見という形の報告書のスタイルになろうかと予想されるわけなんですけれども。有識者会議として、ある1つの考え方を示されるということについてはどうでしょうか。知事の何らかの判断を、少し判断の選択肢を絞り込むというような意識で捉えられますか。
蒲島知事
全回の有識者会議に参加いたしましたけれども、それぞれの委員の方々が、それぞれの立場から主張されていることが必ずしも同一ではありませんので、全く同じ結論が、有識者会議の中で結論として出されるということはないんじゃないかと思っています。
それかといって、何らかの形のまとめがあるのかなということも想像しますけれども、最終的には取りまとめ案を含め、一切、知事はこの有識者会議の結論に関与しておりませんので、中立的な観点から報告書は出ると思いますが、どのような形になるかは座長が決めることだと思います。
Q
知事、有識者会議の中でですね、ダムを造らない場合の代替案のようなものをですね、あまり検討されてなかったように思えるんですけれども、仮にですね、反対を表明する場合は、代替案を含めて、治水対策をどうするかを含めての話をされるということ・・・・・。
蒲島知事
それも含めて、まだ、報告書ができておりませんし、それから、それも座長に一任しておりますので、それを見てからということになります。
「くまもと農林水産業再生会議」の設置関連
Q
知事、発表項目に戻らせていただきます。
蒲島知事
はい。
Q
「農林水産業再生会議」ですが、これは、基本的に、知事の任期の4ヵ年のですね、戦略、特に、農林水産業の分野の方針の件かと思うんですけれども、農林水産業をとりまく状況としては、中長期的なものももちろんですけれども、非常に、極々、短期間の、燃油高騰とかですね、極めて高齢化が進んでての後継者不足とか、産業そのものの存在もですね、揺るがすような状況が、実際はもう迫っているとか、もうあっていると思うんですね。そういう意味では、例えば、この会議が、どういった性格で、そういった、県政の農政についてのものを提言されていくというか、意見を求めたいと知事は考えておられるのかというのと、もっと、短期的なスピーディな政策という点でですね、これとは別に何か知事として取り組むべきものを、今、イメージなさってたりというのはないんでしょうか。
蒲島知事
この「くまもと農林水産業再生会議」というのは、どちらかと言えば、もう緊急にこれをやらなきゃいけないということ、そういうことも含めながらですね、より熊本の農業を再生するためにはどのような方針があるかという、長期的な戦略を様々な分野の方々に討論していただいて、そして、それを蒲島農政に反映していきたいと思っております。
ただ、今、おっしゃったように、緊急の課題も当然あります。スピーディにやらなきゃいけないことに関しては、農林水産部を中心に取り組んでいくということになると思います。
Q
今年度中ということですけれども、今年度に区切った理由というのとですね、もう少し現場の声が伝わるような、実務を、今、現在やっている人とか、なぜ入っていないのかなという・・・・・。
蒲島知事
生産者の代表も入っておられますけれども、実は『蒲島知事と語る会』というのを、1週間程前ですか、開きまして、最初は30人ぐらいという人数の予定だったんですけれども、多分500人ぐらい集まられたんじゃないかなと思っています。
そこで実際に現場でやっていらっしゃる方々の声をたくさんお聞きしました。
そこには、様々な問題、あるいは、様々な夢、そういうものが語られておりました。そこで現場の声を十分お聞きしたというところです。
この再生会議は、生産者はもちろん入っておりますけれども、それ以外に、消費者団体の関係、流通関係、観光関係、学識経験者の方々がいらっしゃるというのは、もっと多面的に農業というものを戦略的に捉えようということから、こういう再生会議が設置されたと。このことに関しては、大変、私自身も期待をしております。
Q
3回ということはなぜですか?
もう少し頻繁にというわけじゃないんですか。
蒲島知事
様々な会議を、今、行っておりますので、年に3回というのが今のところの私どもの考え方です。
財政再建関連
Q
ちょっと話題が変わるんですけれども。
蒲島知事
はい。
Q
財政再建に関してですね、先月でしたか、第1回目の、知事を本部長とする会議がありましたですよね。今、サマーレビューが実施中で、おそらく、そういう形で、近々、とりまとめもあるかと思うんですけれども、今、聞いている範疇では、なかなか目標とする財源不足額に対してですね、各部からあがっているものだけでは足りないというか、まだ、そこまで達成できないということで。どういう形で今後取りまとめられるか、中間答申がなされるかは分かりませんが、最終的に平成12年度に財政健全化計画を出した時みたいに、何らかの形で県の痛みを伴わない限り、それをセットで出さないと、いろんな補助金であるとか、いろんな事業を打ち切るとかですね、理解が得られないのではないかというような考え方、見方というか、そういう声もあるようなんですが。知事は、その人件費というのは最後の最後ということでおっしゃっていますけれども、そこに関しては、今、どこまで知事まできちっとあがっているのか分かりませんが、認識としてはいかがでしょうか。
蒲島知事
今、担当者を中心に、サマーレビューは行っているところですので、最終的にそれが近くあがってくるものと思っています。
今回、今までの県政とは違って、痛みの分配というそういう形のものが出てくると思いますので、知事としては大変難しい作業ではないかなと思っています。
その中でさきほどの問題も出てくると思いますけれども、マニフェストに述べたように、これは最後の最後の手段ということで考えておりますので、今もその考えには変更ありません。
Q
何らか、今後、議論の中で上がってきたときには、やっぱり想定をしなければならない事態というか、それもやっぱり…。
蒲島知事
1つの考え方の中には入っているものと思います。
ただ、今、その前の段階の、サマーレビューの段階ですので、それがどういうふうに関わってくるかというのはサマーレビューの結果から導き出されるものと思っています。
川辺川関連(2)
Q
川辺川ダムの関係なんですけれども、この間の有識者会議では、最後は、知事の価値判断じゃないかという意見も出ました。最終的にはそうなると思うんですけれども、有識者会議の結論がですね、どの程度、知事の判断のウェイトを占めるのかなというのを思ったものですから。今まで地元の住民の賛成、反対の意見を聴かれました。今後、国からも聴かれるでしょうし、県議会からも聴かれると思うんですけれども。全体を100 %とすると有識者会議の意見というのは50%とか…。
蒲島知事
パーセントで示すことはできません。ただ、7回の議論を、皆さんも一緒に聴いたと思いますけれども。大変深い議論、それから、多面的な議論、それとともに、私もこの問題に深く関わってきました。
そういう面を含めますと、やはり、判断の中ではとても大きなウェイトを占めるのかなと思います。
だから、結論そのものも大事でしょうけれども、これまでの議論の展開、それから、そこで議論されたテーマ、分野、内容、それを含めて判断にはとても大きなウェイトを占めると思いますけれども、何パーセントかと言われるとちょっと答えることはできません。
じゃよろしいですか。
県政への取組み関連
Q
1点よろしいですか。漠然とした話になって申し訳ありません。先日、知事が雑誌に掲載された対談で。
蒲島知事
どの雑誌でしょうか。
Q
週刊朝日さん。
蒲島知事
週刊朝日、はい。
Q
知事に就任なさって、「栄光の100日」というふうなフレーズで、就任してすぐは周囲もみんな頑張ってくださいとエールを送るような環境の中から、それを過ぎるとですね、非常に厳しい状況になるものだというようなやりとりがあったと思うんですけれども。既にもう100日を過ぎられて、ご自身の、当初、どんどんメッセージとして発信されたスピーディな県政といいますか、そういったところからすると、今は、非常に川辺川の結論に向けて、その問題にぐぐっと集中してますし、他の幅広い県政という点ではですね、今、知事はどういう舵取りをなさっているのかというのは、ある意味、見えにくいところもあろうかと思ってですね。
知事として100 日を過ぎて、何と言うんでしょうか、知事職に対するお考えを、少し変わってきた部分とかですね、改めてその厳しさなり、感じていらっしゃるところがありますか。
蒲島知事
「栄光の100 日」というのは私の発言ではなくて、対談相手の御厨先生のもので、私は100日栄光だったかなと、私自身は、やや不思議に、あの発言が本当にそうだったかなというふうには自分自身考えました。
本当に皆さんから大事に、100日間されたかなと。
ただ、一生懸命に私自身は記者会見でもなるべく情報公開をして、そして、討論の場、県民の方々と議論する場、それから、議会でもそうですけれども、なるべく多くの人が参加して、議論をしながら県政を進めていきたいという気持ちには変わりはないし、なるべくそのような形で進めてきたつもりです。
そういう観点から申しますと、皆さんとこうやって月に2回話し合うことはとても楽しみでもありますので、私は記者会見をとても楽しみにしているという意味では、「栄光の100 日」じゃないですけれども、少なくとも「険悪な100 日」ではなかったなというふうに思っています。よろしいですか。
内柴正人氏への「県民栄誉賞特別賞」授与関連(2)
Q
すみません、ちょっと確認だけさせてください。
県民栄誉賞の特別賞というのは、今までの県民栄誉賞と比べたら何かこうあるんですか、上だとか。
蒲島知事
「特別」が入っています。
Q
知事が、ご自身が内柴選手と面会する形でお渡しになると。
蒲島知事
そうなると思います。
日程がまだ決まっていませんけれども。十分にその価値があると私は思っています。
Q
「栄誉賞」をとられた人が、もう一遍とるに値する。
蒲島知事
そうです。1度「栄誉賞」をとられていますので、同じものを与えるというのはちょっとそぐわないのかなと。何か栄誉を称えるために方法はないだろうかということで、改めて皆で知恵を出し合って考えた結果「特別賞」ということで、差し上げることにしました。
Q
本人の内諾は得たんですか?
蒲島知事
はい。
Q
じゃもう受けるということで。
蒲島知事
はい。
Q
この「特別」という名前以外に何か代わるものはあるんですか。
蒲島知事
いろいろと考えましたけれども、やっぱり「特別賞」が一番いいということになりました。
Q
何か中身的に県民栄誉賞が、贈られるものが何か違うとか、そういうのがございますか。
蒲島知事
それについては、植樹。同じですね、そういう意味では。2度植樹するというのはとても素晴らしいことだと思います。
植樹式にはぜひ参加してください。それではどうも。
(幹事社)
ありがとうございました。