本文
平成20年10月14日 知事定例記者会見
日時: 平成20年10月14日(火曜日) 午前10時から
場所: 知事応接室
コメント
発表項目
コメント
発表項目
- 県有施設に対するネーミングライツについて
- 「くまもと半導体展示ホール」オープニングセレモニー及び「第9回全九州半導体技術フォーラム」の開催について
- 韓国ソウルにおける熊本観光トッププロモーションについて
- 柿「太秋」の知事トップセールスについて
質疑応答
- 県有施設に対するネーミングライツ関連
- 韓国ソウルにおける熊本観光トッププロモーション関連
- 【就任後半年間を振り返って(1)】(一部、川辺川、水俣病関連)
- 五木村への職員派遣関連
- 路木ダム関連
- 水俣病問題関連
- 【就任後半年間を振り返って(2)】(一部、川辺川関連)
- 川辺川関連
県職員の逮捕について
蒲島知事
おはようございます。
(幹事社)
定刻になりましたので、知事の方から発表項目をお願いします。
蒲島知事
それでは、今日はたくさんの発表項目がありますので。まず、この度、本県の熊本土木事務所職員が逮捕されたことについてでありますが、法令に従い職務を遂行すべき県職員が詐欺罪で逮捕され、県民の皆様の信頼を裏切ることになり、心からお詫び申し上げます。
現在、警察、検察において捜査が行われているところですが、今後、直接本人に会って事実が確認でき次第、速やかに厳正に対処したいと考えております。
二度とこのようなことがないように、職員のコンプライアンス向上の更なる徹底を図ってまいりたいと思っております。
まず、この事について、発表項目というよりもお詫びですけれども、ご意見・・・、よろしいでしょうか。
Q
具体的には、コンプライアンス向上にどういうふうに徹底を図りたいとお考えでしょうか。
蒲島知事
これから、この犯罪の状況をよく検討して、どのようなことが防止可能かということを含めながら検討していきたいと思っています。
Q
現時点では、なぜこのような犯罪が起こったと、知事自身はお考えでしょうか。
蒲島知事
これは、組織的な犯罪というよりも個人的な犯罪だと私は考えております。
ただ、その個人的な犯罪を許容した制度的なところに問題がないかどうかということを踏まえながら、今後よく検討してまいりたいと思っています。
また、私自身もこのニュースを聞いて、これから、より検討しなきゃいけないと思っています。
Q
知事、具体的には何か指示を職員の方に出されたりしたんでしょうか。
蒲島知事
これについて、防止策を検討するようにという指示を出しました。
Q
今、知事がおっしゃった、組織的ではなく、個人的。それは、もうきちんとした調査結果なりに・・・、その職員からあれというのは…。
蒲島知事
いや、それは、私の、まだ数少ない情報ですので。まだ、本人とも直接会っておりませんので、それを検討したうえでということになります。
Q
知事は、直接会われるということですか。
蒲島知事
いや、私が会うというよりも、県の方で直接本人に会うということになります。
Q
コンプライアンスもですけれども、今回の場合、いわゆる業務上と言いますか、仕事の流れの中でですね、収入印紙のやり取りということが犯罪になっていますけれども。そういった点で業務上チェックできなかったのか、そういった点について、現段階で知事の方から確認をなさったり、あるいは調査を県としてもきちんとやるべきだというふうなお話を…。
蒲島知事
それが制度的に阻止できるかどうかということを含めて検討中です。
Q
さきほどの組織的なというところで、まだ、調査はこれからというようなことなんですけれども、例えば、組織的な関与といいますか、それが裏金に流用されていたとか、そういうような、少なくとも組織的な関与がないというような事実のご確認はもう既にされていらっしゃるんでしょうか。
蒲島知事
それは一切ないと確信しています。
Q
調査としてはまだ。
蒲島知事
まだ、調査としては・・・。つい最近これが明らかになっただけで、私も週末にそれをお聞きしただけなので、確定したことは…。
Q
厳しい言い方をしますと、少なくとも分かっている段階で、昨年5月からということは、1回もう決算などを経ているわけですね。そういう状況で素通りしてきているということは、相当システム的にですね、もともと性悪説に立っているシステムではないでしょうが、見過ごされてきたというのは、非常に重いというふうに思うんですね。
そういうことを踏まえて、ちょっと、対応としてまだ調査・・・。確かに逮捕は昨日、一昨日、2日前の話ですけれども、ちょっとどうなのかなと思うんですが…。
蒲島知事
早急に庁内で対応する予定です。
Q
知事自身のご印象としてチェック体制が甘いんじゃないかという印象を持っていらっしゃるんですか。
蒲島知事
私自身も、この経験というか、こういうことはあってはいけないと思ってますし、このことを聞いて大変驚いた次第です。
そしてこのことが、再び起こらないようにやってほしいということを皆さんに指示しているところです。
Q
今回の件では、伝票に使うその目的、それから自分の印鑑さえ押せば上司のチェックもなく、またそのコピーを取ることもなく、収入印紙が手元にくるというような管理体制になってたわけですけれども、これを強化すると、また仕事量が増えたりという問題もあるんでしょうが。非常に難しいところではありますけれども、それを聞いて管理体制というのは、やはり甘かったというふうに思うとか、それともどうなのかという部分をお聞かせください。
蒲島知事
皆さん今おっしゃったように、防止策を強化すればするほど、事務量がとても増えるという、そういうジレンマにありますけれども、その中で一番最善の方法、そしてチェック体制も整うような方向、そういう形でできたらなと思っています。
Q
そうするとやはり管理体制は少し甘い状況にあるのではないかという認識ですか。
蒲島知事
そこまでの認識に至るまでの情報がまだ入っておりませんので。
(広報課)
この件につきましては、さきほど申し上げましたように、また11時から土木の方で会見をさせていただきます。よろしくお願いします。
振り込め詐欺撲滅に向けて(PDFファイル:1.2MB)
蒲島知事
それでは、第2番目の発表項目ですけれども、「振り込め詐欺撲滅宣言」について。全国で振り込め詐欺の被害が急増しております。
県内においても、本年9月末現在で201件、被害金額は2億円を突破し、既に昨年の被害総額を大きく上回っております。
このような異常事態を一刻も早く解消するために、次のような「振り込め詐欺撲滅宣言」を行うものです。
ただいまから読ませていただきます。
振り込め詐欺撲滅宣言。
熊本県では、「安全・安心なくまもとづくり」をめざし、様々な取組みを推進していますが、県内における「振り込め詐欺」の被害は、本年9月末で被害額が2億円を突破し、昨年の被害総額を大きく上回る危機的な状況にあります。
子どもや孫、又は役所などを名乗って信用させる「振り込め詐欺」の手口は、日々巧妙になっており、そうした犯罪の存在自体をよく知っていても被害を避けきれないケースがほとんどです。
私たちは、家族を思う気持ちや不安につけ込み、貴重な財産を奪い取るこのような卑劣な犯罪を断じて許すことはできません。
そこで、私から「振り込め詐欺」に遭わないために、県民の皆様に「家族で被害に遭わないための心構えを話し合う」「電話で『振り込み』『ATM』と聞いたら、すぐに家族や警察に連絡する」ことをお願いいたします。
熊本県は、善良な多くの県民が危険にさらされているこの異常事態を一刻も早く解消し、県民の皆様が安心して暮らせるよう警察との強い連携のもと、「振り込め詐欺」の撲滅に全力で取組むことをここに宣言します。
平成20年10月14日。熊本県知事蒲島郁夫。
なお、明日15日は、年金受給日。振り込め詐欺被害をゼロにすることを目標に、県内の各金融機関等のATMコーナーで警察官が振り込め詐欺被害防止キャンペーンとして警戒活動を行います。
また、明日行われます「くまもと犯罪の起きにくいまちづくり県民大会」で広く関係者に呼びかけるなど、警察と連携し「振り込め詐欺」撲滅に全力で取組む所存です。
これが2番目の項目です。
(県警察本部)
私の方から、お手元に「振り込め詐欺」の現状という資料をお配りしていると思いますので、それに基づきまして若干説明をさせていただきます。
県内におきます、9月末現在の「振り込め詐欺」の被害の状況でございますが、件数的には若干減少しておりますが、ただいま知事からございましたとおり、被害額は既に2億円を突破しておりまして、これは昨年同期と比べて8000万円の増と。
既に昨年1年間の被害総額1億5000万円も大幅に上回っている状況でございます。
特にその中でも、このグラフにございますとおり、4つの形態がありますけれども、その中でも子どもや孫になりすましてトラブルにあったなどと言って金を騙し取る「オレオレ詐欺」、これが昨年7件が、今年は既に64件ということで急増しております。
被害額でも1億1000万円ということで、全体の過半数をこの「オレオレ詐欺」が占めておりまして、また被害者につきましては、すべてが50歳代以上の方で、また8割が女性でございます。
一番右下のグラフに『財産犯被害額に占める振り込め詐欺の被害額の割合』というのを掲げておりますけれども、いわゆる金銭を対象にした財産犯被害の中でも31%が振り込め詐欺が占めております。
これは全窃盗犯が29%でございますので、それよりも振り込め詐欺の方が多いという、まさに全く落ち度のない県民の方の財産が脅かされているという状況でございます。
こうした危機的な状況を踏まえまして、ただいま知事の方からの撲滅宣言というのがなされたわけでございますが、県警といたしましても、今後更に知事部局をはじめ、関係機関と連携を深めまして、検挙活動は勿論でありますが、高齢者等への意識啓発、あるいは金融機関と連携した対策など強力に推進していく予定でございます。
以上でございます。
蒲島知事
ありがとうございました。
五木村への職員派遣について(PDFファイル:48KB)
それでは第3番目は五木村への県職員の派遣について。
ダム計画によって大きな影響を受けてきた五木村の村づくりを支援するために、県は9月16日に「五木村振興推進対策本部」を設置したところです。
今回、五木村に「五木村再建対策本部」が設立され、職員の派遣要請もあったことから、県としても、五木村の村づくりを一層積極的に支援することが必要であると考え、10月16日付けで職員1名を派遣することにしました。
派遣される県職員は、五木村の方々と密に連携しながら、五木村の地域振興や村づくりに携わることになります。
併せて、五木村再建対策本部の事務局次長にも就任する予定です。
荒瀬ダムについて
4番目は荒瀬ダム関係です。
荒瀬ダムについては、10月1日に立ち上げた庁内プロジェクトチームで現在、撤去、存続等を判断するための諸課題の整理を進めております。
プロジェクトチームにおける検討状況などについては、この記者会見の終了後、プロジェクトチームから皆さんにお知らせする予定です。時間と場所については、後ほど担当からお知らせいたします。
県有施設に対するネーミングライツについて(PDFファイル:190KB)
次の話題は、ネーミングライツについてです。
「ネーミングライツ」、ちょっと分かりにくいですけれども、命名権というふうに訳されると思います。
県では、先日公表した「財政再建戦略・中間報告」において、新たな歳入の確保と施設のサービスの維持・向上を図ることを目的として、県立劇場、KKウィング等にネーミングライツ、いわゆる命名権の導入を進めることを明らかにしました。
今般、ネーミングライツの導入に関する県の基本的な考え方などを基本方針として取りまとめましたので、公表します。
併せて、この基本方針を踏まえ、ネーミングライツの導入について、まず県民・企業の皆様からご意見をいただくため、アンケート調査を実施するとともに、県庁のホームページを通じて広くご意見を募集する予定です。
今後このアンケート調査結果等を踏まえ、11月から12月にかけて、ネーミングライツパートナー、いわゆる命名権者の募集を行う予定です。
詳細については、会見後、担当課にお尋ねください。
くまもと半導体展示ホール」オープニングセレモニー及び「第9回全九州半導体技術フォーラム」の開催について(PDFファイル:339KB)
6番目は「くまもと半導体展示ホール」オープニングセレモニー及び「第9回全九州半導体技術フォーラム」の開催についてです。
本県の半導体産業がスタートして40周年を迎えることを記念して、来月11月13日から14日にかけて2つのイベントを開催します。
まず11月13日に、熊本テクノ産業財団に「くまもと半導体展示ホール」をオープンする予定です。
そのオープニングセレモニーを13日午前中に、関係者をお招きして執り行います。
展示ホールでは、40年の歴史を振り返るパネルや、県内の半導体企業にご協力をいただき、半導体関連製品などを展示する予定です。
続いて13日の午後から14日には、「全九州半導体技術フォーラム」を開催します。
フォーラムでは半導体産業新聞特別編集委員の泉谷渉(いずみやわたる)氏による基調講演のほか、九州の半導体関連企業の代表者によるパネルディスカッションが予定されています。
これらのイベントが本県経済を牽引する半導体産業がますます発展していくきっかけとなることを期待しております。
ぜひ、多くの皆さまに「くまもと半導体展示ホール」をご見学いただくとともにフォーラムにご参加いただきたいと思っています。
韓国ソウルにおける熊本観光トッププロモーションについて(PDFファイル:115KB)
7番目は、韓国ソウルでの観光プロモーションについてです。
11月3日から4日の日程で、観光プロモーションを行うためにソウルを訪問します。
本県への韓国からの宿泊者が、昨年、全国で4位を記録するなど、多くの韓国人観光客に熊本を楽しんでいただいております。
しかし、最近のウォン安や歴史問題などでかげりが出てきておりますので、私自らが熊本の魅力を韓国の旅行社や航空会社、マスコミの人に説明する「熊本観光プロモーション」を県内観光関係者の方々と力を合わせて行い、今後も、より多くのお客さまを本県に迎え入れたいと思っています。
とりわけ、国宝青井阿蘇神社、万田坑や三角西港といった近代化産業遺産、熊本城本丸御殿、永青文庫、韓国とゆかりの深い鞠智城、キリシタン文化等の「歴史回廊くまもと」を強くアピールしたいと思っています。
また、韓国の方々にとても人気のある温泉やゴルフのほか、2年後の新幹線開業や来春のSL復活等の話題についても積極的にPRしていきたいと思っています。
柿「太秋」の知事トップセールスについて(PDFファイル:99KB)
最後は、甘い話題です。
これは、柿のイメージを一新する食感と甘さを持つ「太秋」についてです。
私自身「稼げる農業」を目指して、なるべく多くの機会を捉えて本県の優れた農林水産物を「くまもとの宝」としてPRしているところです。
前回、熊本みかんを紹介しました。
今回は、今までの柿のイメージを一新するような食感と甘さを兼ね備えた「太秋」をこの場を借りてご紹介します。
皆さまのお手元に「太秋」を用意しましたので、お召し上がりながらお聞きください。
これからあんまり書くこともないのでどうぞ、食べてください。
ちょっと食べて欲しいんですけれども。お味はいかがだったでしょうか。
美味しいでしょう。ぜひ皆さんからもこの「太秋」を県内外へご紹介お願いいたします。
この「太秋」の特徴等については、お配りいたしました報道資料をご覧いただきたいと思います。
日本一の「太秋」産地として、今後とも更なる品質の向上に向け、生産技術を磨きながらブランド力の強化に力を入れていきたいと思っています。以上が発表項目です。
県有施設に対するネーミングライツ関連
Q
すいません。そうしたら、ネーミングライツのことなんですが、まだこれからだとは思うんですけれども、命名権料を全体でどれぐらい見込んでいらっしゃるのかがあれば教えていただきたい。
蒲島知事
まだそこまではいっておりません。まずは県民の皆さまからご意見をお伺いして、そして、アンケート、インターネットなどを通して、その後で、11月から12月にかけて命名権者を募集する予定です。
(幹事社)
発表項目について、各社質問があったらどうぞ。
韓国ソウルにおける熊本観光トッププロモーション関連
Q
韓国へのPRなんですけれども、行きも帰りもですね、福岡空港発着なんですけれども、これはやはり熊本空港を使った方がPRになるのではないかと思います。
蒲島知事
その事については、私も担当者に言ったところです。
私の日程が大変詰まっていることもあって、残念ながら福岡から行かなきゃいけないし、福岡に帰らなきゃいけない。便数が少ないということが致命的だと思いますけれども、今後はやはり便数を増やすことによって、知事自ら行くようなPRの時には、ぜひ熊本から出発できたらいいなと、痛切に感じているところです。
(幹事社)
他には発表項目についてありませんか。
それでは発表項目以外の質問を。
就任後半年間を振り返って(1)(一部、川辺川、水俣病関連)
(幹事社)
すいません。この前もお聞きしたんですが、就任からちょうど半年間ということになりまして、この間の感想と、実際、政治学者と政治の現場でどういうふうな違いがあったのか、思いどおりできたこと、できないことがあったのかというようなことを聞かせてください。
蒲島知事
はい、ご質問は政治学者としての理論と実際の違いをお聞きだと思いますけれども、確かに政治学できれいに割り切れるような理論どおりには政治というのはいかないなと。選挙のことを含めてそうですけれども。そういう意味で日々学び、そして、苦しんでいるところです。
そして、一番指導者としての役割が大きいのは、決断の難しさ。それを政治学的にいうと「決断」と言ってしまいますけれども、それから「決断」は重要だと言いますけれども、決断することによって、それと相容れない方々がたくさんいらっしゃいます。
それによって悲しまれる方もたくさんいらっしゃいます。
その時に、その方々の事を思いやる心が重要だなと、それを、最近、とりわけ強く思っております。
それから、人の重要性と言いますか、理論では、例えば、選挙の時はそうですけれども、有権者一人一人として扱いますけれども、実はそうではなくて、様々な思いがそこにはあって、それが大きな流れをつくったり、それから重要なポイントで、意味を持つようなことが出てくると。そういうものが、政治学者の時は分からなかったことが、最近とてもよく分かるようになりました。
それから、私は、政治学者として、「メディアと政治」という研究をしておりました。
皆さんとこのようにお会いしながら私が「メディアと政治」で書いたことと、皆さんとの出会いをどのように考えるかと思うと、やっぱりとても緊張関係があって、それはデモクラシーにとっては素晴らしいことだなと思っています。
記者会見を、そういう意味で、私はとても楽しみにしておりましたし、それから、ただ、日々、最初の時の記者会見と比べると、顔がこわばってきているような気がしますけれども、緊張関係がそれだけ高まったのかなというのが私の感想です。
Q
知事、この半年でですね、ちょっと分けて伺いますと、最重要課題と捉えてこられた3つの課題、それについてこの半年間、川辺はありましたけれども、どう、今進んできていると手応えを感じていらっしゃるのか、あるいはなかなか難しいと感じていらっしゃるのか。
それと半年間、知事職で県庁の中に入られてですね、選挙の段階でマニフェストで示された県政の方向と、実際、現実を目にして、ここを取り組んでいかなければならないと、改めて認識なさっている点、そういったところを。
蒲島知事
まず第1点の、川辺川ダムに関してですけれども、この事に関してはマニフェストでお約束したとおりにですね、有識者会議、それから様々な方の意見を聞き、9月の議会で決断をすることができました。
そういう意味で、これから、今ボールは国交省の方に渡っていると思いますけれども、今、国土交通省からの様々なご意見なり、それから、私自身も国土交通大臣と会うことを希望しておりますので、早急にそれが実現することを希望しております。
それから2番目のマニフェストとの関連です。
マニフェストを書いた段階では、どちらかと言えば、県の行政については、あまり詳しくない、その段階で有権者にどのようなものがアピールできるのかという観点からマニフェストは作られています。
そういう意味で、県の行政の中で動いていたもの、あるいは県議会の中で動いていたものと、マニフェストで考えるのには、当然、現実と理想の乖離があります。
それで、実際に知事になって分かりましたけれども、その乖離というのはかなり大きいというふうに思います。
だから、私は、県の行政、あるいは職員の方々には、その乖離を理解しながら、いかにそれを近づけていくかという部のマニフェストというのを作ってくださいと。そして部のマニフェストを作ることによって、どこまでそのマニフェストに迫れるのか。だから100%全てがマニフェストのとおりになるとは、私は、今考えていません。
次第にその理想に向かって近づいていくと。
ただ、自らできることに関しては、マニフェストに基づいてやっています。
例えば、私自身の給料の100万カットは、私自身が決断すればできることです。
それから川辺川ダムの有識者会議とか、あるいはその決断についても私自身がイニシアチブを取れる分野です。
ただ、すべてがそういうマニフェストとの関連があるわけではありません。
そういう意味で、ご質問のマニフェストの関連というのは、やっぱり素人だったなと思うこともあるんです。行政の。だからそれに向かって、できないことははっきり何ができないかということを明解にしたいとは思っています。
それから、できることであれば、理想に向かって進んで、どこまでできたかというのも明らかにすることが重要と思っていますし、それに向かって進むことが重要だと思っています。
それから、マニフェストになかったからといって重要でないかというと、そうでもありません。とても重要な問題がマニフェストの時には思いもかけないことがあります。
とりわけ財政再建などは、マニフェストを書いた時と、その時想像したものと比べると、より深刻だなと、私は、今考えているところです。
だから、人間というのは、全知全能の神ではありませんから、それも非常に選挙期間という限られた時間で忙しい時間に、今後の4年間、あるいは10年間、20年間の県政を全て見通してマニフェストでリストすることは私は不可能だと思うし、それを求めてはいけないと思っています。
しかし、少なくともその時の思いは、熊本県の幸福量を最大化するという思いで書いたものですから、その理想はやっぱり追求しなきゃいけないというふうに考えております。
Q
知事、今、お尋ねした点でですね、ちょっと整理させていただくと、最重要課題の財政再建、それと、水俣病問題についての現在のお考え方を伺いたいというのと、それと、今おっしゃった、職員との乖離というかですね、現実と、イメージしたことの乖離とおっしゃったようなところで、具体的なところ…、マニフェストになかったけれども、今、重要だと感じていらっしゃる具体的な政策として、今何か捉えていらっしゃるものがあれば教えていただきたい。
蒲島知事
さきほど、3つの課題の中の重要なものとして、水俣病ということを言いましたけれども、水俣病については、できるかぎり早期救済に向かって全力を尽くしているところです。
ただ、どこまでいっているかという、それについてはこの段階で私自身もお示しすることはできません。
というのは、相手があることなので、相手がいない時は自分自身で全速力で進むことができるわけですけれども、交渉相手がいる時はなかなかそうはいかないというのがマニフェストとの乖離です。
それから、職員との乖離ということはありません。職員の方々は、本当に私のマニフェストを当選直後から読まれていて、それに向かって全力で頑張ろうとされている。それに深い敬意を表します。
多分、私のマニフェストがなかったら、職員の方々も私が何を考えているんだろうと。それを推測するだけでも半年ぐらいかかったんじゃないかなと思います。
私自身の方は、かえって、あの時の状況が全知全能の状況で書いたわけじゃないから、あまり、それを100%正しいと思って職務を遂行しない方がいいと、むしろ私の方がストップをかけるぐらいで。職員の方々は、本当に一生懸命にマニフェストについて取り組んでいらっしゃると思っております。
だから、乖離というのは、むしろ、それを、何と言うかな・・・、私自身の正確さに自信がなかったということがあって、お互いに部のマニフェストと、私のマニフェストを突き合わせながらどこまでいこうかというのが正直な感想です。
だから、皆さんはマニフェストどおりにやるのが約束だと思われるかもしれませんけれども、私自身は、むしろ自分自身が全知全能でなかったことを知っていますから、あの時点においてはですね、だから、やっぱりある程度の調整は必要なのかなと思っています。
Q
知事、もう1点。マニフェストにはなかったけれども、この半年間のお仕事の中で見えてきた重要な政策というか・・・。
蒲島知事
それは、荒瀬ダムの問題だと思います。
それに関して、やっぱり財政難の観点からゼロベースで考えていきますと、その他にも多くの問題が、やっぱり昔決まったことが粛々と進んでいる、それが行政だと思いますけれども、そこに財政再建の観点から時々考えさせられる問題もあります。
Q
すいません。関連してお尋ねします。
マニフェストが全知全能ではないということを、今おっしゃいましたけれども、選挙戦で言えば蒲島知事に投票された方、県民との約束の1つ、その指標でもあるわけですよね。
そのマニフェストが全知全能じゃないにしても、どのように進捗しているのか、あるいは、これはできた、これはできていない。これは取り組む、そういった検証をどの段階でする、あるいは検証をそもそもするのかしないのか。その辺はいかがでしょうか。
蒲島知事
検証は進めています。
それで、さきほどのことも含めて、マニフェストで言ったことをどこまで進めることができたか。それから、マニフェストで言ったことが進んでいないとすればどういう理由なのか。そういうことをですね、丁寧に説明する責任があると思いますね。
だから、さきほど言ったように、全知全能という意味は、これは私自身が初めて選挙を戦ってみて理解できたことで、多分皆さんも直観的にはご理解できると思いますけれども。だから、自分が皆さんに約束したことができない時に、なにゆえにできないのか、その説明責任をしっかり果たすことが大事だと思います。
ただ、今言ったように、マニフェストに沿ってこの県庁の全力をあげて進んでいるということは確かだし、どこまで進んでいるかについては、また進捗状況が明らかになることと思います。
Q
県民向けのマニフェストの検証の場というか、そういったものを設けるというお考えというのはありますか。
蒲島知事
現在検討中です。それについては、その場を設けます。
Q
それは、例えば1年とかというような目処でという・・・。
蒲島知事
さしあたって半年後に、近くできたらと思いますけれども。
ただ、最終的には4年間のマニフェストになりますね。
私のマニフェストを見られたかと思いますけれども、その4年間に何をやるかということを約束していますので。
ただ、その途中段階で、ちょっと時期は、ずれるかもしれませんけれども、途中段階で検証したいと思っています。
Q
今、おっしゃった、半年後というのは、今から半年後、就任から1年後というのが1つの目処ということですか。
蒲島知事
何月何日と言ってしまうと、とても後なんですけれども、なるべく近いうちに。
Q
就任半年後ということですか。
蒲島知事
すみません。そこについては、ちょっとこの段階では。
Q
よく他県とか、他の首長さんあたりでは、例えば1年とか目処に、第三者の目で見て、どういうふうな形でそれを、今おっしゃった、やれたこととかやれてないことあたりを、他人に検証してもらって、評価をしてもらう、そしてご自身も出られて説明されるというような、そういう会も持たれているところもあるようですけれども、知事のイメージしていらっしゃるものはそういうものではなくて、自己採点じゃないけど、自分でそこら辺をして、自分で説明をされるというそんなイメージでよろしいんですか。
蒲島知事
そうです。はい。
それでただ、第三者機関が評価するのは、私としても阻止するものでは全然ありませんので。
五木村への職員派遣関連
Q
すいません。五木村への県職員の派遣についてなんですけれども、これについて、狙いみたいなものを知事の方からお願いしたいんですけれども。目的・・・。
蒲島知事
狙いと言いますと、これについては、五木村の方から要請があったと。そして、県と五木村の振興計画については十分な協調関係が必要だと判断しましたので、そういう観点から、派遣したということになります。
Q
これは、行かれる方というのは、もうずっと常駐して、五木村に住んで、やるということで・・・。
蒲島知事
すいません。しばらく、人事課の方で。
(人事課)
人事課でございます。
この職員については、五木村の方からも辞令が出ておりますし、五木村で仕事をするということでございます。
住むのもそちらの方向で、今検討をしているということでございます。
Q
ちなみに何部から行かれるんですか、
(人事課)
それは16日が辞令発表になりますので、それまではよろしくお願いしたいと思います。
Q
今は選定作業を進めているという感じなんですか。
(人事課)
内部的には決まっておるところでございます。
Q
推進本部に所属する中から行かれる。そういうのではなくて、どこか専任の方が行かれるんですか。
(人事課)
推進本部ということではなくて…。
Q
県が立ち上げた推進本部ですけれども、五木村振興の。
(人事課)
いや、そうではありませんで、全庁的に相応しい人を選任したということでございます。
Q
期間はどのくらいですか。
(人事課)
現在のところは、年度途中ですので、2年半ぐらいになるかとは思います。
Q
知事にお伺いしたいんですけれども、職員の方にどういったことを期待するかというのをお伺いしたいんですけれども。
蒲島知事
五木村の為に一生懸命になって、事務局次長という非常に重要なポストですので、振興計画を図ってほしいと、邁進してほしいと思っています。
Q
頭地大橋とかですね、農地の整備なんですけれども、それは県の主導でやるのか、それともやっぱり国交省との協力のうえでやるという、どちらのお考えですか。
蒲島知事
今後、国交省のお考えを聞いたうえでということになると思いますけれども。
これは国交省の事業ですので、ちょっと私の方からどのような形になるのかは・・・。私の方で主導ということはありません。
路木ダム関連
Q
知事、すいません。ちょっと話が変わるんですけれども、先だって知事がトップセールスで東京に行かれていた間にですね、天草の県営の路木ダムですね。この事業の継続かどうかを審議する公共事業再評価監視委員会に土木部の方が出した資料の中で、過去の水害の写真が別の場所だったということがありまして、資料の誤りということだったんですけれども、これは県も認められています。
公の機関に対する、公が出す資料としての正確性に対してですね、疑義が挟まれるような結果になってしまうと思うんですけれども、この件については報告受けられていると思いますが、どのように知事としては受け止められていますでしょうか。
蒲島知事
これは、パワーポイントで再評価監視委員会において示したのが間違っていたということだったということですけれども。担当者が路木川の写真だと思い込んで使用したというふうに聞いています。 しかし、それが違っていたということで、私も、混乱を招いて申し訳ないと思っています。 やはり、情報は正しく、公開される情報というのは正確じゃなきゃいけません。ただ、随分とこの時間が経っているために、職員の方も、ずっと継続的にそれが残っていて使用してしまったということですので、作為的ではなかったと思っています。
Q
それと改めてなんですが、こういった資料の正確性の問題というのが出てしまったわけですけれども、事業を進める県としては、路木ダムもいろんな賛否の声が、今ありますけれども、改めてダムの必要性という点について知事はどのように認識なさってますか。
蒲島知事
再評価監視委員会の結論に沿って粛々とやっていきたいと思っています。
水俣病問題関連
Q
すいません。水俣病と絡む話なんですが、角度の違う話でですね。今、国際的に水銀汚染に対しての対策が動き始めているという話なんですけれども。先週末からナイロビの方で国連環境計画、UNEPなんですが、それのグループの会合がありまして、水銀の大気への排出とか、需給の削減というようなところで、認識が一致したというようなところがありまして、それで2点お伺いしたいんですが、その動きについて、水俣病を経験された熊本県としてどのような所感をお持ちかというところとですね、今、その規制の方向について2通りに分かれてまして、その条約を作って拘束力を持ってやろうというようなところと、自主的にやろうというようなところが分かれていて、日本は、条約化をしてそこを推進していきたいと、リーダーシップをもっていきたいというようなふうな考えなんですけれども。県としてはどういう方向に進むのが望ましいかという2点のところで所感をお伺いしたいと思うんですが。
蒲島知事
水俣病を経験した、世界でもそういう意味では、水俣病ということと、水俣というのは、とても有名な事件でもあるし、県でもあります。
この水俣病を経験した我々としては、国際的な水銀会議の枠組みができて、諸外国を含めた水銀汚染の防止に役立つものであるとすればですね、情報や、それから積極的にこれに関わっていきたいと思っています。
この経験したものを正確に公開して、どのような問題があったのか、どのような様々な防止策があったのか、そういうものを含めてですね、県としても積極的にこの問題には関わっていきたいと思います。
私も条約でやるかどうかということに関してはですね、国の方針がそうであるということですけれども、なるべく、この問題が世界中に再発できないような形で取り組んでもらいたいと思っていますし、熊本県がそれに関わることができれば、それから、水俣市も関わることができればですね、やはり世界に貢献できるんじゃないかと思っています。
Q
ご認識としてはいかがなんでしょう。
結構なことという言い方はちょっとあれなんですけれども、非常に望ましい方向に進んでいるというようなお考えでよろしいんですか。
蒲島知事
結局、今まで、できなかったということそのものが、ややちょっと遅いのかなと思います。
就任後半年間を振り返って(2)(一部、川辺川関連)
(幹事社)
すいません、時間がなくなりましたので。
Q
1点だけいいですか。話が戻るんですが、就任半年のご感想のところでですね、決断の難しさというのをおっしゃられてたんですけれども、相容れない方々のことを思いやるところが重要だとおっしゃっていたんですが、半年間の中で決断の難しさを感じたものをいくつか教えてもらえますか。難しかった決断・・・。
蒲島知事
すべてが難しいと思いますけれども、特に、川辺川ダム問題に関しては、とても、42年間の歴史がありますので、悩み苦しんだという意味では決断が難しかったと思います。
結局、自分自身だけで決断、例えば、選挙に出馬するかどうかという決断だと自分自身の決断で済むんですけれども。そうではなくて、多くの決断に様々な方の利害関係が絡んでいます。
そして、喜びも悲しみもどっちもありますから、それは大変決断するとしても難しいと考えています。
すいません。では、これで。
川辺川関連
Q
まだ五木村に行かれる日程とかっていうのは、まだ固まっていないということでよろしいですか。 知事ご自身が村民の方に説明なさる機会というのは、まだ決まっていないということ・・・。
蒲島知事
今、調整中ですので。私は、なるべく早く行きたいと思っています。
よろしいですか、はい。
事務方と五木村で調整中です。