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水俣病問題についてのご意見
水俣病訴訟に関する報道を見て、原告側の「被害者切り捨て」の主張に、とても悲しく思った。子どもたちから高齢者にまで、水俣病について、国の対応はどうだったかなど、しっかりと伝えるべきだと思う。もっと新聞や全国ニュースで考える機会を与えるべきだと思う。(県内 20代)
県からの回答
水俣病問題につきましては、水俣病公式確認から半世紀を経てもなお、県として、被害を受け苦しみ続けておられる方々の救済、補償を進めていかなければならない状況であり、関係する皆様に大変申し訳なく思っております。また、お亡くなりになられた方々にはお詫びの言葉もありません。
水俣病から人類が学ぶべき教訓には、命の大切さや人間の尊厳をはじめ、環境問題や地域社会の再生など、たくさんあります。とりわけ本県は、水俣病を経験したからこそ得られた様々な教訓を、人類への警鐘として、この地球上で水俣病のような悲惨な公害が再び繰り返されることがないよう、国内のみならず世界へ、また後世へ伝えていく大きな責任があります。
このため、水俣病に関する情報・教訓を広く正確に発信し、水俣病に対する理解を促進するとともに、水俣病の教訓をもとにした環境学習や環境を守ることの大切さを伝える施策を進めております。
特に、子どもたち世代に確かな情報や教訓を身近に感じて理解してもらえるよう、熊本県内全ての小学5年生が水俣市にある水俣病資料館を訪れ、水俣病を後世に語り継ぐ語り部の方々のお話しを聴講する学習の機会を設けるとともに、小中学校の教職員を対象にした研修を実施しております。
そのような中、現在、世界140カ国、約1000名の方々が参加する「水銀に関する水俣条約外交会議」が本県において開催されています。ご意見にもありましたように、水銀による環境破壊や重大な健康被害を引き起こした「公害の原点」といわれる水俣病の様々な情報や教訓が、子どもたちから高齢者まで、また、国内外に広く発信できるよう努めて参ります。
今後も、これらをはじめ、水俣病問題の解決に必要な施策について、引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えております。
(平成25年10月回答 水俣病保健課)