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水俣病の病名に関するご意見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006357 更新日:2020年8月1日更新

 新聞やニュース色々なところで水俣病の名前をよく見ますが、今も出身地に対する偏見差別は続いています。病名の変更は出来ないのでしょうか?
(不明 40代)

県からの回答

 水俣の出身というだけで今も偏見や差別が続いているため、病名の変更が出来ないかという貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
 このことにつきましては、県としても非常に残念に思っています。
 水俣病は、メチル水銀中毒症であります。しかしながら、病名については、水俣で公式に確認された昭和31年頃、「水俣奇病」という名称が使用され、その後「水俣病」という形で、医学の分野を始め様々な分野で使われ広く定着してきております。
 昭和48年頃、水俣市当局、商工会議所、観光協会などが中心となって、病名変更の署名運動も行われ、環境庁(当時)への陳情も行われましたが、実現には至りませんでした。当時地元の議論の中では、水俣病問題を風化させず正面から向き合い、「水俣病」という名称の使用を避ける必要はないとの声もあったと聞いております。
 水俣病公式確認後、50年以上が経過しましたが、今もなお、水俣病発生地域に対する偏見や差別の問題があると認識しております。このため、県としては、国や地元とともに、水俣病の正しい情報や教訓を県内外に伝える事業等に取り組んで参りましたが、一層の取組みが必要と認識しています。
 また、水俣市においては、水俣病を経験した水俣市民だからこそできる「環境モデル都市づくり」に取り組んでおられ、その結果、平成20年度、平成21年度と2年連続で「環境首都コンテスト」総合第1位を獲得されました。これらの取組みにより、水俣の名前は、「公害都市」から「環境のまち」としても徐々に定着しつつあると考えます。
 ご提案は少しでも偏見差別をなくしたいとの思いからと拝察いたします。
 県としましても、そうしたお気持ちを受け止めさせていただき、水俣病の正確な知識と情報を関係団体とも連携して、さらにしっかりと伝えて参ります。また、併せて、水俣市と連携して環境を基軸としたまちづくりも進めて、水俣に生まれ育ち、住んでおられる方々が誇りをもっていただけるような取組みを進めて参ります。
 今後とも、県政へのご理解、ご協力をいただきますよう心からお願い申し上げます。
(平成22年7月回答)水俣病保健課