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光化学スモッグに関するご意見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006350 更新日:2020年8月1日更新

 私は、金峰山に登り、県下を見渡す事がとても好きです。美しい緑の山々、海や河川は熊本の誇りです。
 しかし、ここ数年、西風の強い日に金峰山に登り、見渡すと毎回残念に思います。景色がかすんで山々が見えません。また、風のある日は目に痛みさえ感じます。
 中国大陸からの排出物が原因なのは確かではないのか。県政とは県民の健康や幸福を守ることではないのか。
 阿蘇の伏流水も汚染されているとのこと。国と連動して中国へ注意、また、技術協力で公害対策急務。
(県内、40代)

県からの回答

 ご意見の、景色がかすむ現象は、霞、煙霧や黄砂といった自然現象によるものの他に、高濃度の光化学オキシダント(光化学スモッグ)によるものが考えられます。
光化学スモッグ発生時に、屋外にいると、目やのどに刺激等の症状が出ることがあります。
近年、西日本一帯では、春先に光化学スモッグの発生が増える傾向にあり、平成18年6月に本県観測史上初の光化学スモッグ注意報を熊本市に発令し、平成19年は、天草市・菊池市・苓北町に4日間、平成21年は宇城・上益城、天草、菊池・阿蘇に2日間、注意報を発令しました。
このような状況から県では、光化学オキシダントの測定体制を強化し、観測データを県ホームページで公開するほか、濃度が上昇した場合には直ちに注意報を発令する体制を整えるなど、県民の健康被害の未然防止に努めています。
近年の光化学スモッグについては、本県だけでなく長崎県や佐賀県といった近隣県でも同時に発生していることから、ご指摘のように、大陸からの汚染物質の移流も考えられております。そこで、本県としては、国レベルでの対応が必要と考え、平成19年5月開催の九州地方知事会において、光化学スモッグの原因究明及び対策について、国へ緊急要望を行うことを他県に先駆けて提案し、九州地方知事会として、原因の究明と国際的な対応も視野に入れた対策を国に要望しました。
国の対策としては、この要望を受けて、平成19年7月に「光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会」を設置し、光化学オキシダント濃度の上昇の要因を検討された結果、九州地方の高濃度現象は大陸からの移流による影響が一定程度認められているとの見解が示されました。また、第9回日中韓環境大臣会合(平成19年12月開催)において、東アジア地域共通の課題として大気汚染に関する協力強化も確認されております。
 大陸からの移流への対策については、国レベルでの対応が必要となりますが、現状では、対策がとられるまでには至っておりません。県としては、県内で出来る取組みを更に進めるとともに、引き続き九州地方知事会を通じて、国際的な協力を得ての原因の早期究明とその対策の実現に向けた要望を行っていくこととしています。
(平成21年7月回答)環境保全課

回答後の状況

 平成21年11月9日、福岡市において、九州関係各県及び政令市の代表者や中国・韓国の環境行政責任者等による、国際環境協力シンポジウムが開催され、越境大気汚染に関する最新の研究成果や取り組み事例の紹介、及び意見交換が行われました。最後に、九州関係各県及び政令市の総意として、国に対し国境を越えた環境保全対策を推進するためのルールづくりなどを求める共同宣言が採択されています。