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平成26年 4月 2日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成26年4月2日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
動画
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会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
コメント
質疑応答
- 水俣病問題について
- 道州制について
- 路木ダムについて
- 台湾での知事のトップセールスについて・1
- 川辺川ダム問題について・1
- 台湾での知事のトップセールスについて・2
- 硝酸性窒素の低減対策について
- 川辺川ダム問題について・2
(幹事社)
おはようございます。それでは定例会見を始めさせていただきます。
知事の方から発表をお願いいたします。
コメント
新年度を迎えて
蒲島知事
はい。本日はコメントが1つあります。
新たな年度のスタートに当たり、県政運営に対する私の決意を述べさせていただきます。
今年度は、知事として2期目の折り返しの年です。「新4カ年戦略」の「活力を創る」「アジアとつながる」「安心を実現する」「百年の礎を築く」の4つの目標に向けてスパートをかける大変重要な年でもあります。
このため、今年度の当初予算を「幸せ実感加速化予算」と名付け、様々な取組みを進めています。
また、戦略の「加速化」に加えて、成果の「見える化」「核心を突く」という3つの視点で取組みを進めたいと考えています。
この視点に立って、今年度重点的に進める取組みをいくつかご紹介したいと思います。
「活力を創る」取組みとしては、フードバレーアグリビジネスセンターの整備などにより「フードバレー構想」をさらに推進します。
また、稼げる農業を実現するため、地域の担い手への農地集積を加速化します。
さらに県経済の成長軌道を確かなものとするため、中小企業のチャレンジ支援や企業誘致に積極的に取り組んで参ります。
「アジアとつながる」として、引き続き、成長著しいアジアの活力を積極的に取り込んで参ります。
特に、国際交流促進覚書を締結している台湾高雄市との連携を強化します。
昨年9月と本年3月のチャイナエアラインへのトップセールスにより、定期便開設に向けて大きな前進がみられており、是非、これを早期に実現させたいと思います。
また、県産農林水産物の輸出促進やイスラム圏をターゲットにした新たなマーケット開拓にも取り組みます。
「安心を実現する」では、「九州を支える広域防災拠点構想」に基づき、阿蘇くまもと空港をはじめとする、広域防災拠点の機能強化を図ります。
また、4年連続で人口比日本一の認知症サポーターが、地域で活発に活動できる体制づくりなど「長寿を楽しむ社会」を目指します。
最後に「百年の礎を築く」です。州都を目指し、引き続き、「すべての道はくまもとに通じる」という視点で、幹線道路ネットワークの整備を促進します。
また、「加藤・細川」をはじめとする、優れた歴史や文化を守り、阿蘇の大草原を継承していく取組みを進めます。
さらに、昨年本県において採択された「水銀に関する水俣条約」を踏まえ、水銀フリー社会の実現に向けた先導的な役割を果たして参ります。
加えて、熊本の宝である地下水を守り抜くために、硝酸性窒素の低減対策にも全力で取り組みます。
このほか2020年の東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致についても全庁的に、また市町村とのしっかりした連携のもと取り組んで参ります。
あわせて、熊本広域大水害からの復旧・復興も着実に進めて参ります。
蒲島県政の唯一かつ最大の目的は、「県民の幸福量の最大化」であります。
そのため、管理・規制・指導といった従来型の行政から、県民の幸福量の最大化を価値判断とした行政のパラダイムシフトを図っています。
私は日頃から職員に対して、「皿を割ることを恐れるな」と言っています。
失敗を恐れず挑戦する中から、必ずや「第2のくまモン」といえる優れた政策を生み出していきたいと思います。
以上が、私の新年度に当たっての決意であります。
質疑応答
水俣病問題について
(幹事社)
はい、ありがとうございました。
発表内容の質問の前に幹事社の方から、水俣病の先日の裁判の結果を受けまして、知事がどのように捉えられたかを教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
はい。県の主張が認められなかった部分はありますので、現在、判決の内容について引き続き、精査しているところであります。
現在のところ、この判決文が538ページという膨大な判決文でありますので、それを今、丁寧に精査しているところであります。現在のところの私のコメントとしては、そういうことです。
(幹事社)
各社さん、何かございますか。お願いします。
Q
知事すみません。とはいえ、判決文の要旨はお読みになったんじゃないかなと思うんですが、もうちょっとその受け止めというか、率直に。
蒲島知事
判決文の要旨ももちろん読みましたし、判決文も今、読んでいます。ただ、先程申しましたように、538ページという膨大な判決文でありますので、それを一つ一つ丁寧に、県の主張との関連、過去の裁判の判決文との関連などを踏まえながら、精査しているというのが現状であります。
Q
被告に今回、国やチッソも一緒に入っているという状況だと思いますが、そのあたりの協議の状況はいかがでしょうか。
蒲島知事
基本的には、(県に関するところは、)これは県が判断するものであります。ただ、判決内容について国と意見交換することはあると思います。
Q
すみません。要旨だけ読まれている中で、ですね。
蒲島知事
いや、判決文も読んでいる段階です。
Q
読んでいる途中ですけれども、3人の方が、水俣病とみられるというような判決文が出ています。それを読まれて聞かれた時に、どういうふうな印象を受けられたのか、それを教えていただけますか。
蒲島知事
これはまだ、裁判の全体が、これからどんどん進んでいく過程でもあると思いますので、個々のケースについてどのように私が今の段階で思っているかということを、この段階で言うことは少し無理ではないかと思っています
何らかの決断があった時には、私は今までも丁寧に私の考えを述べているつもりでありますが、今の段階ではまだ精査中ということであるとお答えするしかないと思います。
Q
3人の方の認定については、まだ方針は決められていない。
蒲島知事
判決文の全体が大事です。しっかりとこれを精査することが今、我々に与えられた課題ではないかと思っています。
Q
関連ですが、水俣病の関係で先日、環境省から通知が出たことを受けて、今後は臨水審を開くという流れになっていると思うんですが、臨水審での審査を受けてもいいという認定申請者が1人出られたというふうに聞いているんですけれども、知事はそれについてどのように受け止めておられますか。
蒲島知事
国での審査を希望された方がいるということは事実であります。
ただ、それ以上のことは個人情報に関わることですので、名前とか年齢とか、そういうことに関してはお答えすることはできません。ただ、報道にあったように、国での審査を希望された方がいることは事実であります。
Q
重ねてですが、これまでそういう人が出てこないんじゃないかという懸念があるから、その懸念がないように払拭して、臨水審の方に県として説明というか、同意を得るようなことをしていきたいというふうにおっしゃっていましたけれども、1人、実際そういう希望者が出てきたということは、今後についての影響というのは何かあるのでしょうか。
蒲島知事
臨水審に審査をお願いしたことは、新たな通知のもとで、そういう(通知で示されている)ガイドラインが実際にfunctionable〔※機能する〕かということを国で示して欲しいということで、臨水審に求めて参ったわけであります。
そういう意味では、臨水審に申請された方がおられるということは、その第一歩ではないかと思っています。
Q
まだ、今のところお一人なんですか。
蒲島知事
それ以外のことはお答えできません。ただ、(1人)いらっしゃるということは事実だということのみです。
Q
知事すみません。その臨水審の関係で、何例か事例が必要であるというようなふしのことをおっしゃっていたと思うんですが、ということは、今後も引き続き、移送のための同意を得るということは熊本県として続けて行かれるということですか。
蒲島知事
臨水審の制度について、丁寧に説明させていただき、今回は国による早い審査を希望された方がいらっしゃるということです。
これからも、この臨水審の制度について丁寧に説明して、その可能性が更に広がることを県としては願っているところです。
ただ、前回も言いましたが、臨水審の審査とともに、不服審査会の方にも13ケースありますので、その両方がいわば私の言う実証というんでしょうか、その実証を国の方で積み重ねて、それを県が最終的に通知に沿ってできるかどうか。
一番大事なことは、最高裁の判断に沿っているかどうかということです。そういうことを踏まえて県としても、審査会の開催ということの判断材料になるのではないかと思っています。。
質疑応答
道州制について
Q
違う話でよろしいでしょうか。先程、知事が今後の抱負の中で九州の州都を目指すという話をされましたけれども、先日、熊本県町村会の総会において、州都の前提となる道州制の導入について、基本法の国会提出と及び道州制の導入には断固反対するという決議をされておりますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
蒲島知事
私はそれぞれの立場から賛否あってしかるべきだと思いますし、それぞれの立場から自分の意見を出し合って議論し合うということは、この道州制の議論ではとても大事だと思っています。
ただ、私は最初、知事になった時から、道州制が将来、あるであろうというその可能性を常に持ちながら、その時は熊本がすぐにでも手を挙げて州都になるべきだという考え方で参りました。
州都を目指すからといって、何か熊本県にとって、あるいは熊本市にとってもそうですが、マイナスの要素があるかと考えますと、そうではなくて、都市のレベルアップあるいは県のレベルアップにとってこれは重要なことだと思います。
一つのケースを挙げますと、「すべての道は熊本に通じる」というのが将来、州都を目指す場合の大きな要因になると思います。
それは別に州都にならなくても、すべての道が熊本に通じることになれば、例えば大分と熊本、それから佐賀と熊本、そして宮崎と熊本が通じれば、当然、九州の中における熊本の中核性が高まりますから、そういう中核性が高まることによって、熊本の発展にはなると。
それ〔※「すべての道は熊本に通じる」取組み〕が全く州都と無関係にやるかどうかということではなくて、それをやることによって州都にも結びつくし、それから熊本の発展にも結びつくと、そのように私は考えています。
だから、道州制が決まるまで何もしないでいるということは、私の取る立場ではありません。そういう可能性があるということを踏まえながら、それに向かって熊本の中核性を高めているということが百年の礎(を築くことへ)の私の考え方であります。
Q
熊本市及び熊本中心部についてはそうかも知れませんが、町村会の主張は、いわゆる小規模町村ほど道州制に導入によって地域間格差が拡大して疲弊する、というのが主な主張ですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
蒲島知事
市町村の中には、道州制に移行することによって市町村自体で存続できないような状況になるのではないかという恐れがあることは確かであります。
ただ、道州制のあり方において、私の考える道州制というのは、効率化のための道州制ではないんです。
これは県民あるいは州民の幸福量を最大化するための手段に過ぎないわけです。だからそう考えると、必ずしも市町村合併したり、あるいは効率化のために地方分権をしたり、道州制を進めたりするものではなくて、あくまで州民、あるいは県民の幸せのために、道州制の方がいいのではないかという議論が大事なんです。
そういう意味では、市町村長の方々の懸念も十分議論をさせていただき、そして、それに検討を加えて、県が残ることはないかもしれませんが、こういうような市町村を包括するような大きな固まり、それが残ってもいいと思うんです。それはそっちの方が住民の幸せに結びつくのであれば。
そういう意味で、県を全てなくす、県の機能を全てなくすというのは一つの道州制のあり方かもしれませんが、市町村の方々の懸念をどんどん検討し、ご意見を入れていき、そして、本当に州民の方々の幸せな道州制のあり方となった時に、それはそれで納得できる方法も可能ではないかと私は思っています。
いずれにしても、私自身の考え方は、九州全体で一つの固まりとしてスウェーデンやデンマーク、オランダのような形で世界に打って出る。それからアジアとつながる、活力を創る、それから安心を実現する、将来の礎を創るという意味では、今の都道府県制度よりも道州制、特に九州府という考え方であった方がその4つの目標により近づけるのではないかと考えています。そういう方向にいつ行くかは分かりません。
これは政治によって変わるかもしれませんが、その可能性が常にある限り、道州制の議論が沸騰し、そして道州制が実現した暁には、熊本は州都としての資格が十分あると思いますので、手を挙げる用意をしておくべきだということです。
だから、そういう手を挙げる用意をしないのか、するのかということであれば、私はする方が正しいと。そのために熊本県、あるいは熊本市の中核性を今、高めているところであります。
賛否両論あるのは確かなんですが、私自身の考え方はずっと変わっていません。
質疑応答
路木ダムについて
Q
知事よろしいですか。昨日、路木ダムからの水道水の供給事業が始まったんですけれども、まず、それについての知事のコメントをお願いします。
蒲島知事
路木ダムに関しては、天草の方々、特に南の方の牛深、河浦、そういう方々からの水に対する強い欲求がありました。そして、今まで山から水を引いて、汚れた水を使っていたけれども、これでようやく水道の水が使えたという(地元の方の)コメントがどの新聞か忘れましが、載っておりました。そういう多くの方々に水道施設を作って、水を享受していただく、そういうシステムができたことにとても私自身は喜びを持っています。
それで、今、皆さんもご存知のように違法とされた治水については、既に控訴を決断しておりますので、裁判の過程でこれから県の主張を続けていきたいと思っています
Q
その県の主張なんですけれども、この前の会見の時も、個別、具体的などの部分についてその治水の必要性というのは改めて主張するかという点については、まだ検討中というか。
蒲島知事
いずれにしても時間が限られている中で、控訴理由書というのを作ります。控訴理由書は今、作成中でありますので、理由書ができた段階で皆さんに明らかになると。ただ、控訴理由書を作成している段階であります。
ただ、控訴するということはもう既に、皆さんもご存知のように決めておりますので、もう少し待っていただけると明らかになると思います。
ただ、水の件については、もう4月1日から給水するということをもう決断しておりましたので、それに沿って水道水の給水は行われていると。昨日からですね。
(事務局)
はい。
質疑応答
台湾での知事のトップセールスについて・1
Q
知事すみません。発表の中にありましたアジアとつながる、の部分なんですが、台湾高雄との関係の中で、先日、トップセールスを中華航空にされました。それの成果とそれから1週間経ちまして、中華航空から何かしら踏み込んだ回答があったのかどうか教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
昨年9月にチャイナエアラインの孫会長とお会いして、熊本からの需要が6000人、それからチャーターの搭乗率が良ければ定期便を検討できるというような宿題をいただきました。
そして、実際にチャーター便を飛ばしてみたところ、ほとんど満席であったと。それから熊本からのチャーター便もやはり満席であったということで、前回、チャイナエアラインの林社長とお会いした時に、今後、チャーター便から定期便へつながるようお互いに協力して取り組もうというコメントがあったのを一緒にご同行されたので分かると思いますが、この半年間で大きく前進したということであります。
ただ、残された課題があるということも明らかになりました。それはチャイナエアラインの機材繰りがなかなか難しいと。だからこの機材繰り、つまり熊本に飛ばすための機材が、もし解決できれば、まずはプログラムチャーター便というんですか、それを定期便と同じように飛ばし、その後、定期便につながるというところでありますので、今、その課題の整理について鋭意、関係当局がやっているところです。
Q
機材繰りは中華航空としては、機材繰りがつけば優先順位の1番に熊本県があるというふうに理解をされていますか。
蒲島知事
優先順位が1番にあるかどうかというところまでは、多分おっしゃってなかったと思いますが、機材繰りさえ上手くいけば定期便に移行できるという明快なお答えがあったと、私は聞いております。
質疑応答
川辺川ダム問題について・1
Q
知事すみません。
「ダムよら」の親会を開きたい、開きたいとおっしゃっていて、随分、開かれていませんけれども、どうですかね。
蒲島知事
今、その親会議〔※「ダムによらない治水を検討する場」本会議〕については鋭意調整中であります。
私どもとしては、とにかく早く開催したいと思っています。ただ、結果的にまだ準備が整っておりませんので、残念ながら年度内の開催には至りませんでしたが、なるべく早く開催にこぎ着けて、皆様に日にちをお知らせできることを願っています。
Q
市町村の方からも要望があったと思うんですが、開けないネックとなっているのは何なんでしょうか。
蒲島知事
市町村の方は早く開いて欲しいという要望がありました。県もそうです。今、国との調整(中)です。
それからもう一つは、関係課の路木ダム判決の対応も出てきましたので、この路木ダム判決への対応に時間が割かれたことも一つの要因だと思っています。
質疑応答
台湾での知事のトップセールスについて・2
Q
知事すみません。先程の高雄のチャーター便の話もう1回なんですが、去年に続いて、前回行かれまして、機材繰りさえというところで、本当に明快だと思うんですが、確かな前進というか、手応えというのは。
蒲島知事
まず、最初行った時、昨年9月頃、覚えていらっしゃるかもしれませんが、ゼロ回答だったんです。定期便を飛ばして欲しいといったところ、そういう気持ちはないというような、あの時、(チャイナエアラインの)孫会長からのコメントだったんですが、それをどうしたら飛ばしてくれるかという条件を聞いたところ、6000人熊本から来てくれれば、それが一つの条件で、それからチャーター便を飛ばすので、そのチャーター便にたくさん台湾から乗っていけば。(つまり)搭乗率ですよね、これが良ければ、その可能性があるとおっしゃいました。
それでようやく熊本にも夢が出てきたというか、その課題に向けて取り組んだところ、ものすごく搭乗率も高いと。それから高雄からもたくさんの人が来て、熊本の経済的な効果もものすごく大きいんです。
熊本からもまた、チャーター便を飛ばしたところ、我々が乗れないぐらい満席になって。だから、そういうことを踏まえながら、我々のやるべきことはやったということを(チャイナエアラインの)林社長にちゃんと主張しました。林社長も、機材繰りが上手くいけばそれだけの問題だと、課題は整理されているので。そういう意味では、課題が明確になって、その課題への対応を鋭意熊本県庁の担当課でやっているところです。
(定期便化まで)とても近いと私は感じましたし、それから皆さんもそう思われたのではないかと思います。
Q
知事申し訳ありません。関連なんですけれども、今のお話ですと、需要面の6000人という最初の条件は一応、チャイナエアラインの会長なり社長なり、幹部は一応クリアしているという判断で、問題はあと機材繰りだということ。
蒲島知事
はい、そういうことです。
Q
そういうことでよろしいですか。
蒲島知事
ちょっと担当課が来ていると思いますので。
(交通政策課)
交通政策課です。
需要面につきましては、今、知事が申し上げましたように、窓口であるチャイナエアラインの福岡支店長を通じましてご説明をし、その話が本社の方まで上がっておりまして、需要面については、既に確認をいただいているところであります。
Q
その状況もある程度クリアしていると、あとは機材繰りだというふうに。
蒲島知事
そういうことです。
質疑応答
硝酸性窒素の低減対策について
Q
知事もう一点だけすみません。
さっき重要な取組みの中で挙げられましたけれども、硝酸性窒素の低減対策、これは目的をもう一回と、具体的な取組みとどういうことかを教えてください。
蒲島知事
熊本の地下水は熊本の宝であります。私もそう認識しておりますし、熊本県民もそう認識していると思っています。
地下水というのは、永年にわたって汚染されてしまったら、そのまま使えなくなります。
だから、今、大きな問題は水が減らないようにすること、湛水。もう一つは水が汚れないようにすること。特に硝酸性窒素です。これが増えているというか、減っていないというか。増えている所もあると、地域によってですね。そういうことが分析の結果、だいぶ分かってきましたので、硝酸性窒素を減らすことが大きな目標となっているわけであります。
これは全庁あげてやっていかないといけないような、それくらい大きな仕事だと思っていますので、硝酸性窒素の低減化に改めて全力をあげて取り組むというのが今日、コメントのメインの一つではないかと思っています。
Q
まずは、調査からということですか。
蒲島知事
調べることも相当、進んでいますので、私は調べるだけではなくて、もう手を打つ、そういうステージに来ているのではないかというような思いを込めて、硝酸性窒素の低減化に全力で取り組むということを年度始めのコメントとさせていただきました。
これは大事なことで、アナウンスメント効果といって、この硝酸性窒素の低減化に取り組むということは、もう全庁的に認識されるはずでありますから、これに向かって何らかの行動が起こされるものだと思っています。
質疑応答
川辺川ダム問題について・2
Q
知事すみません。先程のにちょっと戻りますけれども。
蒲島知事
はい。
Q
ダムによらない治水を考える親会議についてですが、県と市町村と国で開かれない理由に関連するんですけれども、だいぶ方向性といいますか、あり方について温度差というか、考え方の違いがあるのではないかと思っておりますが、次回、仮に親会議なるものを開催する時に、何を議論して、将来どういう方向に進めていきたいと考えていらっしゃるのか、改めて伺いたいんですが。
蒲島知事
元々の会議のテーマから分かりますように、ダムによらない治水を極限まで進めるということがこの会議の発足時の状況だったわけです。
そのきっかけとなったのが、私の2008年9月11日に行った川辺川ダムの白紙撤回、それからこのような形で今、検討する場につながっているわけです。
だから、議論はその目的について、どのようなことを我々はやらなくてはいけないかと。議論は相当行いましたが、例えば流域市町村の方々の懸念もあります。
そこでいくつか検討する場で(懸念も)出てきたので、県として取り組んでいくことも確認しました。
例えば、球磨村の渡地区の県管理河川の対策に万全を期すとともに、市房ダムの有効活用を着実に進めるとか、あるいは流域市町村が実施する防災減災ソフト対策に対し、財政支援を行う方向で検討するとか、あるいは流域市町村の要請に応じて住民説明会の開催を検討するとか、そういう県としてできることは、どんどん取り組んでいくつもりであります。
そういう意味では、ダムによらない治水をどのように行うかという親会議での議論、一回で終わるかどうか分かりませんが、それを決める場所。そして、もし問題が指摘されたら、それをどういう形で更に検討していくかという議論にはなると思います。一番大事なことは、このダムによらない治水を検討し、それに一定の結論なり方向性を決めるのが次の会議ではないかと思っています。
Q
知事、今の関連でいいですか。今おっしゃった防災減災のソフト対策を、以前、表明されましたけれども、これは新年度予算では、まだ予算計上されていないと思うんですけれども、これは河川整備計画なり何なりができた時点で予算計上するお考えなんですか。
蒲島知事
予算については担当の方からお願いします。
(川辺川ダム総合対策課)
川辺川ダム総合対策課です。予算については、確かにまだ計上しておりませんが、知事が申しましたように、「ダムよら」の今後の進め方、どのような方向でいくかというのを、見極めた時点で、必要に応じて補正予算に含めて対応させてもらいたいというように考えております。
蒲島知事
私自身の気持ちとしては、なるべく早く着手して、安全性を高めていくと。それを一歩一歩早く着手したいなと(思っています)。
白川の洪水も皆さん経験されました。我々も経験しましたが、あれ〔※白川の洪水対策〕も目標はものすごく高いんです。しかし、当面できることをどんどんやっていったから、この前の北部九州大豪雨〔※熊本広域大水害〕に(熊本市中下流部では)白川が耐えたのではないかと私は思っています。
フルセットで全て決まらないと何もできないというのではなく、できるだけダムによらない治水対策を一歩一歩でも進めていくと。それでもやはり10年、20年かかるんです。
だから、そういう意味では、早く着手したいという気持ちが私もありますし、たぶん流域市町村の方も同じような気持ちであろうと思います。
だから、どういうことをやるかということは、既にすぐにやる対策と、それからこれからやる対策というダムによらない治水対策がありますが、それに加えて県としてできることは、先程、言ったようなものを示しているところです。
(幹事社)
時間が来ておりますけれども、後ありませんでしょうか。
よろしいですか。ありがとうございました。
蒲島知事
はい、どうもありがとうございました。
(以上)