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令和2年(2020年)3月23日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見
日時:令和2年3月23日(月曜日) 11時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事臨時記者会見の会見録を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
質疑応答
- 一夜明けての感想について
幹事社
まず、知事選から一夜明けて現在のお気持ち、心境をお願いします。
蒲島知事
はい。今は県民に対する感謝でいっぱいであります。
この選挙結果で、私に対して(幸山政史候補に)ダブルスコアという形で高い支持をいただいたことへの感謝、それから2番目に、様々な世論調査などの中で、3期12年の蒲島県政に対する支持が大体90%近くあったということ、それから震災対応についても92%の高い支持をいただいたこと、これらに対して心から感謝を申し上げたいと思っています。
この感謝の気持ちを持って、県民第一、そして熊本県のために尽くしたいと思っています。
一夜明けましたけれども、私は熊本県民に対する敬意と愛情を持って、傲慢になることなく、そして多選のいろんな問題がこの選挙戦で言われましたけれども、それを一つ一つ自分のこととして考えながら、これから4年間の県政を立派に進めたいと思っています。
質疑応答
- 投票率について
幹事社
投票率が6ポイント近く下がって、蒲島知事自身の得票数も7万票近いぐらい下がりましたけれども、投票率と得票数への分析、受け止めというのをお願いします。
蒲島知事
私は、投票率が高いか低いかというのは絶対的な基準はないと思うんですけれども、この45(.03)%という数字は、期待値よりも高かったのかなと思います。
期待値は一時、これは最低の投票率になるんじゃないかなという議論がありました。それはなぜかというと、新型コロナウイルスが発生しましたので、それがとても大きなマイナスの効果を呼んだんじゃないかなと思っています。
それからもう一つは、選挙運動が、少なくとも私の場合は告示後ずっとゼロだったと。これは本人にとってはとてもストレスがあり、不安になります。ただ、私の場合は新型コロナウイルスへの対応ということで、公務を100%優先いたしましたので、その分自分の気持ちを有権者に伝えることがなかなかできなかった。私という候補者を伝えることができなかった。そういう情報不足、これはマイナスの面があったのかなと思います。
そういう意味では、下がる要因はとても大きかったのかなと思いましたけれども、その問題があったにも関わらず、45%の方が投票に行ってくださったことに、とても感謝しております。
質疑応答
- 得票率について
幹事社
得票率についてはどうでしょう。
蒲島知事
得票率を比較しますと、前回が67.88%、今回が66.87%ですので、1%得票率が減っています。これは誤差の範囲とも言えますし、この原因がどこかにあるのかなということを考えてみると、たぶんプラスとマイナスの二つの点があるのではないかなと思います。
プラスの方は、争点が非常に明快だったので、震災対応をどういうふうに行うか、私は「創造的復興」というものを震災対応のあり方として立証して参りましたし、幸山さんからはそれは間違っているという否定がありました。そういう意味では、非常にわかりやすかったのかなと思います。とりわけ空港アクセス鉄道、このわかりやすさは、私は投票率が下がらないというか、得票率があまり変わらなかった一つの原因で、賛否両論が非常に明快だったのかなと思います。
もう一つ、私にとってマイナスの要因は、私の理論の中で「バッファープレイヤー」、牽制的有権者という議論があります。これは、自民党一党優位体制のときにあった議論ですけれども、あまりにも自民党が強くなると、当然自民党体制を支持しているけれども、自民党が強くなりすぎることを敬遠する、そういう有権者が日本にはたくさんいらっしゃる。自民党体制を望んでいるけれども、強い自民党体制を望んでいるわけじゃないと。
同じようなことがたぶん今回熊本でも起こったのではないかと私は思います。(投開票日の)一週間前に、私の方がとても優位だと、あるいは2位との差が非常に広がっていると(いう報道があり)、それを知った県民の有権者の方々は、多選のこともあるし、あまり現職に大きな力を与えなくて、もっと牽制票を与えたほうがいいんじゃないかと。牽制票は二つのレベルで入ってきます。一つは対立する候補に行くことと、それからもう一つは棄権すること。これが少しあったのではないかなと。(前回の得票率との差が)1%ぐらいだから、それほど大きくなかったにしても。
私はこれまでの3回の選挙では、私の優位が伝えられたときに、最後の遊説のときに皆さんにお願いするのは、「新聞報道、マスコミの報道では私が優位となっているけれども、皆さんバッファープレイヤーにはならないでください」という話をずっとしてきました。「バッファープレイヤーというのは牽制的有権者ですけれども、私は決して傲慢にならないので、ぜひ私にたくさんの票をください」という形で言って参りました。
今回もそういう意味では、得票率の面からみると、マスコミの報道で優位が伝えられましたので、「多選の問題もあるし、ここでは牽制的な投票をしておこうか」と思う人が、たぶん世論調査の結果よりも出たんじゃないかなと思います。
これは明日の新聞を見ないとわかりませんけれども、皆さんはわかっているかもしれませんが、最初報道されたときよりも無党派層が私から離れていると。その方々がバッファープレイヤー的な行動をとるというふうにこれまでの研究でわかっていますので、牽制によって政治の伯仲状態を望む人たちが、今回はまた同じような形で登場されたのかなと思います。そういう予想ですけれども、まだデータがないのでわかりません。
バッファープレイヤーの登場、これによって前の得票率よりも少し1%ぐらい減ったという可能性もあるなと思っています。
質疑応答
- 多選について
幹事社
選挙戦の中で、多選について、今は弊害が起きていなくてもこれから先が心配だという有権者の声もありました。4期目はどのような姿勢で臨まれるのか改めてお願いします。
蒲島知事
先ほど言いましたように、バッファープレイヤーの最も根本の理由は、多選というよりも、自分達の希望であるとか意識であるとか、経済学的には「選好」といいますけれども、選好から遠ざかっていくんじゃないか。それが多選によるものかもしれないし、それが一番皆さんの恐れだと思います。それと、傲慢になったり、自分達の望む知事ではなくなったり、それを皆さん多選によって心配されます。
ただ、多選がすべて悪いというわけじゃありません。多選によって、より統治能力が発達し、そして人脈、それから政府との関係がまた深いものになるかもしれない。そういう両面があると思いますよね。
私がやりたいのは、そのプラスの面をどんどん大きくして、マイナスの面をゼロにする。そういうことを考えたいと、そういう知事になりたいと思っています。
また、私については、私自身は全くその傲慢になるとか、それから有権者の選好から離れるとかそういうことは一切ないようにこれから知事職をやっていきたいと思います。そういう意味では、心配はないと自分では思っています。
それはどうしてかというと、先ほど申しましたように、私の3期の県政は県民からの深い支援、支持によって支えられています。だからそれを裏切ることはできないんですよね。県民の方々への愛情、敬意をもって応える。そのために私が存在している。
そういう意味では、これから県政という歴史の評価、または4選という歴史の評価を受けていくわけですけれども、そのことを常に考えながら、これから県政を担っていきたいと思っています。県民に恥ずかしくないような、そういう知事になりたい。
そして県のため、高い支持をいただいた県民のために、最大限の努力をすると。さっき言った多選のことに関して、そのような恐れに対して、私自身がそれをしないように努力すること。毎日毎日、それを考えるということであります。
私の(執務室の)ドアの前に常に、ソクラテスの言葉が貼ってありますけれども、それを12年間、毎日見て参りました。そこには、君主、これは知事と置き換えていいと思いますけれども、「君主というものは、自分のためではなくて、自分を選んでくれた者の幸せのためにあるのだ」という言葉です。
それをずっとこれまで続けてきましたし、これからも続けていくことが、多選の批判に応える道ではないかなと思います。
質疑応答
- インバウンド依存について
Q
今回、コロナウイルスの対応でご苦労されたと思うんですけれども、今後の4年のことで改めて伺います。
知事の公約の中には、阿蘇くまもと空港とか八代港とか、観光面について書かれていますけれども、見方によってはですけど、インバウンドに依存しているような施策が多いのかなと思っております。今回の新型コロナウイルスで、相当リスクが伴うということがわかりましたけれども、今後の4年間というのはそれに向けてどう対応するのか、またそのインバウンド依存を脱却するようなことを考えておられるのであれば、それもお聞かせください。
蒲島知事
私の大空港構想を読んでいただくとわかると思いますけれども、今の乗客数を2051年までに倍にするというのが大きな目標ですよね。その中でインバウンド、外国からのお客さんを10倍にすると。
ただ、それを10倍といっても、全体の乗客数の2倍という中では、それほど大きな位置を占めているわけではありません。やはり大事なことは、インバウンドよりも、全体のお客さんの増加、これが第一に掲げられています。
ではインバウンドを無視するのかというと、そうじゃありません。これも大事な大事なお客さんです。これからさらに大事になっていくでしょう。それプラス国内のお客さんもやはり大事にするという、そういうふうなコンセッションにおける目標になっています。
インバウンドのお客さんだけではなくて、国内のお客さんをよりたくさん得るためには、ただ空港だけ作ればいいのかというと、私はそうではないと思います。空港アクセスの問題が出てきましたけれども、より便利に、大量に、正確に、そしてCO2をあまり出さないような空港アクセス鉄道を作る、そのアクセス鉄道の10キロの沿線に日本(熊本)版のシリコンバレー構想。これは別に、インバウンドのためにというよりも、熊本を爆発的に発展させるために大事なことだと思います。
だから、インバウンドだけを考えているわけじゃなくて、大空港構想を総合的に活かし、それが熊本の50年後、100年後の発展に必ずや私は貢献すると思います。
「インバウンドが今ちょっと弱いから止めようか」という、そういう判断をたぶんコンセッションでもしないだろうし、私も(止めるという判断を)しません。いつか必ずや必要になってきます。その時に急いで作ろうと思っても、それはたぶん状況が許さないでしょう。
今、この流れの中で、インバウンドも国内のお客さんもそれから経済的発展も一緒にやろうと。そして熊本県民の負担が最小になるように。インバウンドのお客さんを呼ぶための国内線と国際線の一体的な整備、これはコンセッションのほうでやるので、県民の負担は生じません。
そして大事なことは、アクセス鉄道はやっぱり県がやらないといけない。そうすると、アクセス鉄道の部分の県民の負担が最小化するためにはどうしないといけないかということを必死で考えてきました。(事業費の)3分の1はJRさんにお願いし、そして少なくとも3分の1を、これから知事に就任した直後から、国にお願いしていきたいと思っていますし、あとの3分の1もこれを県で、例えば空港ビルの株を売りましたので、その株の売却益をそこに投じるとかですね。なるべく最小のコストで、そして最大の結果を得られるようにやりたいなと思っています。
お金がたくさんあればいつでもできるんです。でも、熊本県はお金はそんなにありませんから、負担が最小な形で最大の効果が発揮できるような、そういう創造的復興をやりたい。
それでさっきおっしゃったように、インバウンド依存じゃないかと、それは全く違います。必ずインバウンドにも対応しなければいけない空港になるし、そういう空港がきっと繁栄するでしょう。それを無視した空港、港というのは、私は将来的にはお客さんが離れていくというふうに思います。
質疑応答
- 空港アクセス鉄道について・1
記者
県民の負担が最小になるように、(空港アクセス鉄道の事業費負担を)3分の1という形がとれないかというところでいきますと、そもそもの母数、分母というんですか、380億円、これを有権者の方に取材していますと、本当に380億円でできるのだろうかというような話もあるんですが、その見込み、見通しというのは今どう見ていらっしゃるんでしょうか。
蒲島知事
もうすぐ発表できると思いますけれども、実は、私もまだ見ていないんです。何百ページもあるような報告書が、(今月)19日の午後に届いていると聞いています。それで今、担当者がそれを精査しているところで、その精査後に、まずそれを県議会に説明します。
これだけ争点化しましたので、議会の方も、県民の方も、メディアの方も、ものすごく関心が高いと思うんですね。だから、この関心が高い中で、皆で議論して、どのアクセスが一番いいのか、ここから始めていいと思うんですよね。
空港アクセス鉄道がいいのか、あるいは幸山さんが言った高速バスがいいのか、同じ条件で皆が調べて、議論して、やっぱりこれがいいなと思った時に、皆がそれに賛成してくださるんじゃないかなと思います。
今、380億円、これが先行して皆さんの頭の中にありますけれども、ただ380億円と言ってしまうと全額県が払うようなイメージになってしまう。だから私はそうじゃなくて、県民の負担の最小化をどこまでできるか、最小化すれば最小化するほど県にとっては有利だし、それから早く黒字化もしていくでしょう。それをこれから私は最大限の努力で、国への支援を求めていきたいと思っています。
それも皆さんも、100%透明性の中で見えてきますので、それを多くの県民が比べ、そして「やっぱりこの案がいいな」と、あるいは「もうしないほうがいいな」という案もあるかもしれませんよね。そういう色んなチョイスを皆さんに見てもらって、そして皆さんで選ぶというのが、私はとてもこのアクセス鉄道についてはいいことかなと思っています。
だから、透明性のもとで。もうそんなに時間はありませんので、議会の方も早く見たいとおっしゃっていると思いますので。でも、内容の精査はしないとですね。ちゃんと委託した通りの回答になっているかどうか、そういうのを含めて100%公開しますので、皆さんもぜひ関心を持っていただきたいなと思います。
担当者はいますかね。タイムスケジュールというのは大体どんな感じのスケジュールですか。
事務方
まず調査報告書ですが、先ほど知事から申し上げたとおり、3月19日の夕方(に届いています)。これを我々として最終的に内容をチェックするという行為がありますが、今まさに知事も申しましたけれども、数百ページという、かなり専門的な内容を今、逐一チェックしている状況でございます。
年度内の調査ということですので、それを我々がチェックした後にこれで最後の完成版ということで受け止めることになりますが、知事も申し上げましたとおり、今回かなり争点となったということで、我々も当然、県民の皆様、議会の皆様、そしてマスコミの皆様がこの調査結果に注目されているということを強く認識しておりますので、その内容の精査をして、当然我々自身もその中身をしっかり理解したうえで、県民の方、議会、それからマスコミの皆様にしっかり説明できるような状況になってから、速やかにご報告をしたいというふうに思っているというところでございます。以上です。
蒲島知事
はい。その内容と費用が、今争点になっているんじゃないかなと思います。
質疑応答
- 選挙戦を振り返って・1
Q
選挙についてなんですけれども、知事からもダブルスコアというお話もありましたけれども、自分で勝因のほうを具体的なかたちで教えていただきたいんですが、例えば政党は自民党とか公明党が支援して、連合熊本が推薦していると思うんですけれども、その辺をお願いします。
蒲島知事
はい。投票行動、特に現職の場合は、たぶん3つの大きな要因があると思います。
一つは、業績評価。私の場合は3期12年ありますので、この3期12年の業績評価ができると。その業績評価での一つの具体的な例として、読売新聞さんだったと思いますけれども、蒲島県政の3期12年の評価はどうかということで、大体90%の方が「評価する」と「どちらかといえば評価する」ということでありますので、とても高い数字だったな私も驚いています。それは大きな要因の一つだと思います。
2番目の要因は、この4期目というのは、またそれと独立していますから、4期目について誰がやれるかと。いわゆる知事の適格性ですよね。これは全ての様々な要因が入って来ると思いますけれども、知事の適格性はどっちがいいのかと。そういう意味ではわかりやすい。(候補が)2人しかいませんから、2人のどっちが適格性があるかというのを比べられたと、このように思います。
熊本には、伝統的に3期までしかできないという(多選を嫌う)文化がありましたけれども、その文化を超えて、それが私は比べられたんじゃないかなと思います。そのような要因を有権者がよく吟味されて、今回の結果になったというふうに思います。
質疑応答
- 農業について
Q
今回、農業県熊本の中でも、あまり農政というのは争点がなかったと思うんですが、その中でも、特にこれまでの農政でどのあたりが評価されていたのかという点と、今後4年間長期的に特に力を入れたいということを教えてください。
蒲島知事
農業は刻々と変わっています。私は3期目になる前から、1期目の時から、農業については「PQ-C」という形で、つまりリターンを最大化するような農業をしようと。「稼げる農業」という言い方をしていますけど、まず熊本の農産物の値段を上げる。これはブランド化することですけれども、Pを上げると。それからもう一つは、生産量を上げる。だから値段と生産量が両方上がれば当然収入が増えますけれども、でもそれだけじゃなくて、コストを最小化すると。コストが今までの農政には入っていなかったような気がします。生産額というだけで、プライスと生産量、それだけで計られたような農政だったと思いますので、私自身はコストをとても考えた農政を行ってきました。そのコストの一つが、農地集積ですよね。農地集積に関していえば、熊本の農地集積はものすごく進んでいるんじゃないかなと思います。
その3つをとにかく最適化するという形でこれまで進めてきて、たぶんそれについては、農家の方々もとても理解されたのかなと思います。
ただ、これから大きな問題になるのは、今回の新型コロナウイルスによる売り上げの減少ですよね。これは、農業の中でも和牛がとても大きな影響を受けていると。花もとても影響を受けていますので、これに関しては、県も最大限に努力して、花も、それから牛肉も、これを売れるような形でやると。ただ、一番最終的にやらなきゃいけないのは、この新型コロナウイルスの終息ですから、これをやらなきゃいけない。
だから、この終息に向けて最大限努力するとともに、今、農産物の被害を受けていらっしゃる方々に様々な手を打つということで、今第一弾、第二弾と支援策を出していますので、それもこれから使っていただけるのではないかなと思っています。
私が知事になったときは、農家の方はもう本当に悲鳴を上げておられました。それから比べると、農業はとてもよかったんじゃないかという、一種の業績評価はあったんじゃないかと思いますけれども、それがこれまで続いてきたのかなと。ただ、今回の危機で、さらなる困難になっていますので、これに対応していきたいと思っています。
質疑応答
- 選挙戦を振り返って・2
Q
投票しなかった人だったり、幸山さんを選んだ有権者に対してということでお伺いしたいんですけれども、幸山さんが空港アクセス鉄道の話だったり、益城町のまちづくり事業だったり、説明や協議が足りないという主張をされていて、それを支持した有権者もいるかと思います。そこを踏まえて、これまでの説明の仕方だったりで、反省点とか改善点とか、有権者への寄り添い方で考えるところがあれば教えてください。
蒲島知事
この選挙で、当然、私に対する一定の批判もありますし、それから投票しなかった方もたくさんおられます。そこから学んだことは、この空港アクセス鉄道をさらに皆さんと一緒に議論しようと。そして議会でも議論しようと。それからマスコミの方々も一緒に議論しようと。
県民の方も一緒に議論することによって、我々はこれがいいと思ったけれども、そうじゃなくて他のチョイスもあるんじゃないかと、それを出してもらおうと。
私も、幸山さんには、ぜひ概算でいいから幸山さんの案も出してくださいと言って参りました。残念ながら、それが最後まできちんとしたものは出てきませんでしたけど、我々も、今は調査結果が出てきて、そして今精査しています。今年度中には精査は終わるというふうに私は思っていますけど、少なくとも全速力でこれを早く仕上げて、議会に出したいと。
議会の方々も、当然これに対して反対の方もいらっしゃいますから、厳しい目で見られるでしょう。
その中で、全体の構想が出てこない、県民の費用負担がどれだけになるかというのが明快に出せていないと。概算では全体で380億円あって、それを県とJRさんと、そしてできれば国のほうと3分の1ずつ出し合って、負担が最小化すればいいなと思っていますけれども、それも全体像がまだ見えていません。そういう意味では、この選挙でこれが争点になり、空港アクセス鉄道を皆さんが自分の問題と考えるようになったと。
もちろん、賛成の方もいらっしゃいますからね。だから、どっちがいいかということで、これから判断していけばいいんじゃないかなと思います。これを強行するという気は全然ありません。
質疑応答
- 空港アクセス鉄道について・2
Q
今日の話をお伺いしていますと、(空港アクセス鉄道を)強行するつもりは全くお有りでないというお話ですが、アクセス鉄道が今、ベスト、ベターな選択肢というお考えは今もお変わりないのか。
蒲島知事
これは、例えば高速バスを利用した幸山さんの案ですけれども、既に10年前ですかね、県のほうで一度案として出されています。その案は1,000億円(以上)かかると、これは熊本駅からグランメッセ辺りまでだと思いますけれども、それはとてもじゃないけど高すぎるんじゃないかということで、案から外されているんですよね。案から外されて3案だったですかね、その中で残ったのが今回の鉄道の案です。
これは別に我々が作ったというよりも、これまでも何回も何回も出てきたんですね。経済界の人からもこれでいってほしいという要望がありました。それで、議会でもこれについては随分議論していただきました。
しかし、今回の選挙で改めて争点化しましたので、やっぱりもう一度色んな案を見てもらって、どれが一番いいかということを議論してもらうことは私は当然やるべきだと、選挙というのはそういう役割を果たしたと思います。
今のところ、県庁の案はこれ(鉄道)が一番いいと思っています。それで、県民の方々も参加され、マスコミの方々も参加され、そして議会の方も参加されてこれから議論が展開されると。
そういう議論の展開の中で、今回、総合的な調査結果が今、県の手元にあります。3月19日の夕方に来たということでありますけれども、実は私も見ていないんです。ただ、数百ページあるということで、それを実際にお金を払う前に、ちゃんとやっているかどうかというのは精査しないといけませんので、今、精査をしているところですから。近く皆さんも見ることになると思いますので、一緒に議論していきたいなと思います。そういうことです。
じゃあ、どうもありがとうございました。また4年間、よろしくお願いします。
幹事社
ありがとうございました。
(以上)