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令和6年(2024年)1月25日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:令和6年(2024年)1月25日(木曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
- 友好提携40周年記念中国出張(広西訪問)の結果について
- くまもと産業復興エキスポについて
- 『ONE PIECE』× 清和文楽定期公演開始について
- くまモン★ヒロシが電車ジャック!~都市圏で「くまもと移住」をPR~
- 県内高校卒業生向け公式LINE「くまラバ!」の情報発信スタート!
- 熊本県とバンダイナムコスタジオ制作「Survival Quiz CITY」のコラボが決定!!について
質疑応答
- 友好提携40周年記念中国出張(広西訪問)の結果について
- チッソ金融支援について
- TSMC進出に伴う近時の状況について・その1
- TSMC進出に伴う近時の状況について・その2
- 熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その1
- 有機フッ素化合物にかかる調査について
- 令和6年能登半島地震について・その1
- 国民保護について
- 食料の安全保障について
- くまもと産業復興エキスポについて・その1
- 熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その2
- 令和6年能登半島地震について・その2
- くまもと産業復興エキスポについて・その2
- 台湾総統選の結果について
コメント
友好提携40周年記念中国出張(広西訪問)の結果について
蒲島知事
最初のコメントです。
先週15日からの4日間、中国の広西壮族自治区と上海を訪問し、関係者との会談や大学での講演などを行いました。
広西では、自治区幹部と会談し、40年以上にわたり築いてきた絆を再確認いたしました。
また、上海の復旦大学と広西の広西大学で、「逆境の中にこそ夢がある」をテーマに講演を行いました。いずれの大学でも、学生や教員は講演に真剣に耳を傾けてくださいました。
そして、くまモンポート八代を共に作り上げたロイヤルカリビアン社の幹部と会談し、昨年の初寄港に対する感謝をお伝えするとともに、更なる寄港数の拡大を働きかけて参りました。
引き続き青少年交流など様々な分野で、交流を深めて参ります。
発表項目
くまもと産業復興エキスポについて
蒲島知事
次に、「くまもと産業復興エキスポ」についてです。
熊本地震や令和2年7月豪雨からの創造的復興が着実に進む中、世界的な半導体企業の進出に伴う経済波及効果により、熊本は100年に一度のビッグチャンスを迎えています。
このような熊本の姿を、国内外に広く発信するため、2月28日、29日にグランメッセ熊本において、「くまもと産業復興エキスポ」を開催いたします。
イベントのテーマは「絆」です。企業の技術・製品の展示や、創造的復興や半導体に関するセミナー、講演などを実施します。私も講師として参加します。
約270の企業・団体が出展予定です。本県の友好交流都市である高雄市の企業など、台湾からも多くの企業・団体に出展いただきます。
来場者数は、2日間で1万人を見込んでいます。また、県内の高校生約2千人にも参加してもらい、半導体関連産業の人材育成も目指します。
来場には、事前の登録が必要です。エキスポ公式ホームページから入場申込をお願いします。
併せて、セミナー・講演についても、参加申込を受け付けています。
県内産業や企業への理解を深める絶好の機会です。ビジネス拡大を検討されている企業、将来の県内産業を担う学生の方など、熊本の今が集結する「くまもと産業復興エキスポ」に、ぜひ御来場ください。
発表項目
『ONE PIECE』× 清和文楽定期公演開始について
蒲島知事
次に、「ONE PIECE熊本復興プロジェクト」の一環として、清和文楽とコラボレーションした、新たな舞台公演が決定しました。
一昨年11月に熊本県立劇場で上演した特別公演では、多くの皆様から「大変感動した」などの嬉しい言葉をたくさんいただきました。
これから、その特別講演の際の映像をご覧いただきます。
今ご覧いただいた特別公演をリメイクし、3月30日から清和文楽館で定期公演を開始します。
定期公演では、新しい演出も取り入れ、「ONE PIECE」の世界観を味わっていただける作品となっています。
この公演が実現できたのも、多くの関係者の皆様のご尽力と、尾田先生、集英社の皆様のご支援によるものです。改めて深く感謝申し上げます。
この公演を通して、県重要文化財である清和文楽の新たな魅力を引き出し、後継者の育成につなげていきたいと考えています。
そして多くの方々に元気と希望を届け、新たなファンの獲得と県内全域への交流人口の拡大を図り、熊本地震からの創造的復興を進めて参ります。
発表項目
くまモン★ヒロシが電車ジャック!~都市圏で「くまもと移住」をPR~
蒲島知事
次の発表です。
県では、「くまもと移住」の魅力をPRするため、都市圏の電車や駅をジャックする大規模なプロモーションを展開します。
まず、「電車ジャック」と称して、2月2日から、JR山手線をはじめ、東京・大阪・福岡の中心部を走る路線を、熊本の魅力を紹介する広告で埋め尽くした電車が走行します。
さらに東京都内をはじめ、大阪駅、博多駅など42カ所の主要駅でも、合計1,000面以上のデジタルサイネージ等に「くまもと移住」のPR広告を表示します。
また、このプロモーションの「スペシャルサポーター」として、本県出身のタレント・ヒロシさんに就任していただきます。
「電車ジャック」の開始に合わせて、2月2日、東京都内の会場で、ヒロシさんをお招きし、メディアの方を対象としたPR式典を開催します。
私は、公務の都合上、オンラインでの出席となりますが、代わりにくまモンを派遣し、くまモンからヒロシさんに「スペシャルサポーター」の任命証を手渡します。
当日は、ヒロシさんとくまモンから、「くまもと移住」の魅力をしっかりPRしてもらいます。メディアの皆様は、ぜひ取材をお願いします。
これまでにないインパクトのあるプロモーションを展開することで、3都市圏にお住まいの皆様に、移住先としての熊本を強く印象付ける機会にしたいと思います。
発表項目
県内高校卒業生向け公式LINE「くまラバ!」の情報発信スタート!
蒲島知事
次の発表です。
県では、県内の高校を卒業し、進学や就職のため県外に転出した若者などをターゲットに、県内の就職情報や観光情報等を発信する公式LINEを開設します。
若い世代の皆様が、高校卒業後も引き続き熊本とのつながりを持ち、将来的にはUターンを考えていただくことを目指した取組みです。
公式LINEの名称は「くまラバ!」です。これは、地元の熊本を好きな人「熊本Lovers」を略したものです。
この「くまラバ!」は、正にターゲットとなる、県内出身の大学生・社会人によるプロジェクトチームのご意見をいただきながら作りあげました。
「くまラバ!」には、『ユーザー目線』に立った2つの特徴があります。
1つ目は、プロフィールで登録された興味・関心に合わせ、「ユーザーが欲しい情報」をプッシュ型で配信できることです。
2つ目は、気になる就職情報や観光情報等を、このLINEから直接検索できることです。
「くまラバ!」では、2月1日から、情報発信をスタートしますが、現時点ですでに、1,000名を超える方に登録いただいております。
一人でも多くの方に熊本の情報をお届けしたいと思っています。この春、高校を卒業する方や既に卒業された方、その保護者の皆様など、ぜひ登録をお願いします。
発表項目
熊本県とバンダイナムコスタジオ制作「Survival Quiz CITY」のコラボが決定!!について
蒲島知事
それでは最後の発表です。
「バンダイナムコスタジオ」が制作するゲーム「Survival Quiz CITYおまつり編」の中で、熊本の魅力を発信することが決定しました。
「Survival Quiz CITY」と自治体とのコラボは、本県が全国初となります。
「Survival Quiz CITY」は、クイズとアクションを組み合わせたオンラインゲームで、無料でプレイできます。
コラボは、3月1日からスタートいたします。
くまモンや県内観光地に関する100問以上の「熊本県クイズ」が出題されるほか、県の特産物・工芸品をモチーフにした20種類以上のコラボアイテムが使用できるようになります。
また、「ラブくまプロジェクト」の公式キャラクター「熊馬(ゆうま)くん」も登場します。こちらも楽しみにしてください。
3月2日、3月3日に東京で開催される「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」には、「Survival Quiz CITY」がブース出展し、本コラボについても紹介します。
イベント2日目には、くまモンも登場し、コラボのPRを行う予定です。
このコラボを通して、一人でも多くの方が「熊本のファン」になっていただけることを目指します。
私からは以上です。
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質疑応答
友好提携40周年記念中国出張(広西訪問)の結果について
(幹事社)
冒頭、中国訪問の話があったんですけれども、その中でロイヤルカリビアン社を訪問して、更なる寄港数の拡大を働き掛けたとありましたが、会社側から何か具体的な話というのはありましたか。
蒲島知事
中国で、とても成果があったと思うのは、広西も、それから上海の復旦大学も、とても日本に興味があり、そして講演をした後で印象的だったのは、知事がかわってくまモンは大丈夫かという質問があったことです。
それからロイヤルカリビアンは、責任者とお会いして、一緒に作り上げたくまモンポート八代をこれからもどんどん利用していこうというお話がありました。
そして、広西壮族自治区との交流は、もう40年以上続いていますけれども、コロナ禍でストップしていた青少年交流や経済交流員の受入れ、友好交流団体の相互訪問などを再開させたいという申し出もありましたので、これからまさに次のステージを目指して、広西と、それから復旦大学のある上海との交流もできていくんじゃないかなと思います。
(幹事社)
ロイヤルカリビアンとは、どんどん利用していこうという話なんですが、具体的に寄港数をこれぐらいに増やしたいとかそういった話はあったんでしょうか。
蒲島知事
そこまで具体的にはありませんけれども、ロイヤルカリビアンもくまモンポート八代に投資していますので、投資の回収を早くするという気持ちはとても強かったように思います。そのためには熊本にたくさん来ると。
ロイヤルカリビアンから見ると、くまモンポート八代は、まずくまモンが迎えてくれるというとても素晴らしいコンセプトなので、人を集めやすいということ。
もう一つは、他の日本のクルーズ船の寄港する港というのは、貨物船の所なんですね。貨物船の間に停まるので、やはりくまモンが迎えるのとはちょっと違う。そういう殺風景な所ではないので、そういうのもとても気に入られているんじゃないですか。
ただ何よりも日本で初めてロイヤルカリビアンが、投資を決定して一緒にやったという大きな意味がありますので、これからどんどん寄港してくるんじゃないかなと私は思いました。
質疑応答
チッソ金融支援について
(幹事社)
質問変わるんですが、水俣病問題を巡ってなんですけれども、先日、原因企業のチッソが新しい業績改善計画というのを示されました。
ただ内容としては、経常利益の水準が以前、2000年に閣議了解した、政府が求めた支援策からすると相当下回るような水準でした。継続的な患者補償であったりとか、莫大な公的債務の返済などへの懸念の声も聞かれますが、知事としての受け止めを聞かせてください。
蒲島知事
企業というのは、常にそういうリスクがあります。これまでの方向性で、何かの経済的な様々な障害に基づく景気の失速といいますか、そういうのもあると思いますけれども、ただ患者補償とかこれまでチッソが進めてきたことに関してはしっかりやるという、そういう気持ちを新年に挨拶に来られた時に伝えられていました。我々もそれを国と一緒に支えていくと。何よりも患者補償、それから水俣病の対策をしっかりと守っていくことが、一番大きな我々の目標ではないかと思いますので、一緒にやっていきたいと思います。
(幹事社)
知事はこの計画について達成はできる、あるいは今後も継続的に患者補償、公的債務の返済は可能だとお考えでしょうか。
蒲島知事
可能になるかどうかというよりも、国と県とチッソと一緒になって可能にすることが大事ですよね。だから可能にするためには、どういうことが必要かということをしっかりと連携しながら考えることが一番大事だと思っています。
(幹事社)
県も県債の返済猶予をさらに延長するなど、追加の支援策もとられると思いますが、もし計画通りに進まなければ、厳格な経営責任を求めるということもしていますけれども、具体的にどういったことを想定しているのか、お考えをお聞かせください。
蒲島知事
今のところ、これを現経営陣と一緒に好転させることが大事ですから、景気もこれからプラスの方に進むということを念じながら、そういう方向に熊本の経済をもっていく、日本の経済をもっていかないといけないと思っています。あまり悲観的というよりも、どうしたらうまくいくかということを常に考えながらやっていくのが政治であり、経済であり、企業経営でなかろうかと思います。楽観性だけではないけれども、あまりにも挫折だけでは、将来企業経営もうまくいかないと思いますので、夢をもっていけるようなそういう企業経営を皆で支えていく、そういうふうにしたいと思います。
(幹事社)
現時点で厳格な経営責任の中身については、まだお考えではないですか。
蒲島知事
まだこの段階ではありません。ただ厳しいということは、チッソ自身が一番理解しているんじゃないかと思います。
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質疑応答
TSMC進出に伴う近時の状況について・その1
(幹事社)
話題変わりまして、TSMCの関連でお伺いします。
先日、TSMCが開所式が2月24日だと発表しました。2021年の表明以降、急ピッチで建設が進んで、いよいよ開所というふうになるわけなんですけれども、これに対する知事の受け止め、期待感をお願いします。
蒲島知事
開所式が決定したというのは一つの大きなイベントというか、大きな出来事じゃないかなと思います。
TSMCというのは日程、スケジュールにはとても厳しい会社であります。そういう意味では、開所式が決まったということは、確実にその方向に向かって、そして生産が開始されるということでありますので、私は一つの、熊本にとっての100年に一度のビッグチャンスの第一歩を踏み出すというふうに思います。
その時に次の方向性も示唆されるかどうか分かりませんけれども、これから第二番目の投資も含めて、前に前に動くことを期待しています。
ただまずは、開所式が発表されたことが、熊本県にとっても、九州全体にとっても、日本全体にとっても、経済安全保障にとっては素晴らしいことだと思っていますので、私としては明るく受け止めております。
(幹事社)
今仰った次の方向性を示すかどうかということなんですけれども、まさに以前より言われていますように、第二工場に対する期待感、非常に高まっています。
正式発表は出るかどうか、その辺については知事どういうふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
いずれ正式発表になると思いますけれども、今のところ何も聞いていませんので、第二番目の工場が来るかどうかというのは、しばらくTSMCの動きを注視するということしかできません。
(幹事社)
もう一点、一応確認なんですけれども、開所式の式典は、知事は出席されますでしょうか。
蒲島知事
もちろん私は出るつもりですけれども、どうですかね。正確にはどうなっていますか。
【担当課】
ご案内いただきましたので、知事出席の方向で調整しているところでございます。
蒲島知事
はい、出席します。
質疑応答
TSMC進出に伴う近時の状況について・その2
Q
関連でなんですけれども、JASMは入社式の時も完全非公開であったんですが、開所式は報道陣への公開はどうなのか、知事に聞くのは違うのかもしれませんが。
蒲島知事
その辺について、開所式については少なくとも私が招待されているということで私が行くことになっていますので、かなり公式ではないかと思いますけれども、どうですか。
【担当課】
我々の方でもまだ詳しくはどういう形で開催されるかという情報はいただいておりませんので、そこら辺は、正式に会社の方から発表されるのではないかと思っております。県の方での 行事ではありませんので、こちらの方からコメントはなかなか難しいかなと思います。
(幹事社)
今までのTSMC関連のイベントを見ていると非公開のものが多いので。ただ今回は多額の税金も投入されているところもありますので、できれば公開を、というところも県の方からも求めていただくというと難しいかもしれないですけれども、とは思っております。
蒲島知事
私が行くことは公開されている?まだか。
【担当課】
知事にご案内がきましたというところまではお話しできますけれども、会社でどうされるかというのはなかなか。今から色々情報収集しながら、というところでございます。
蒲島知事
非公開の一つの理由というのは、やはり今から工場がどう動くかという時に、かなりの秘密事項もあるんじゃないかなと思うんです。どういう機械があるかとか、そういうことが多分これまでの非公開の大きな理由じゃなかったかと思います。
(幹事社)
先程、第二工場の話もありましたけれども、第三工場というところまで噂レベルなのかもしれませんが、出てきているところではあります。
第一工場に関しては地下水については、使用する水以上の涵養というところで約束がとれているかと思うんですが、これが第三工場というところまでなってくると熊本の地下水というものは、守られると知事は認識されているんでしょうか。
蒲島知事
それを踏まえながら、ベストバランス、いわゆる産業と地下水、あるいは環境問題、そのベストバランスを常に我々は追及していかないといけないと思っています。同じような思いで、TSMCも方向性を決めるんじゃないかと思っています。
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質疑応答
熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その1
(幹事社)
話が変わりまして、旅行助成問題についてなんですけれども、今、第三者委員会に任せているというところで、ただ調査が終わる日程、スケジュールというところも、今まだ見えてきていないところです。
3月には知事選もありまして、県庁内部のあり方というところも問われることから争点の一つにもなるような話になってくるかと思います。3月の知事選の前までには決着がつかないと、なかなか不公平感も出てくるのかなというような気もするんですが、知事としての考えをお聞かせください。
蒲島知事
これはもともと最初から第三者委員会に任せるべきだという大きな意見がありましたよね。私は最初、何も分かっていない時ですよね、熊本県もどういうふうになっているか究明をすべきだというふうな考えを示したところ、皆さん方も含めて、通報者の方も含めて、県庁は手を出すなと、第三者委員会に任せろというので、そういうふうな形で、一切第三者委員会の方々の考えに基づいてやるということを決めました。
それに沿っていっていますので、私自身これを守っていかなきゃいけないと。スケジューリングを踏まえてですね。そう思って、また県が何か言えとか、それから県がもっとやれとか、そういう議論にはもう、私はいかないと思います。私自身が第1日目と2日目でもう第三者委員会にお任せしようと。県はいわゆるお手伝いをしようというところまででやっていますので。その第三者委員会の方でスケジューリング、結論、そういうのを全部決めていただきたいと思っています。
Q
いつまでに結論をというのを要望することはないということですか。
蒲島知事
それも含めて第三者委員会の考えに基づきます。
Q
知事としての考えを第三者委員会に伝えることはないということですか。
蒲島知事
ありません。既に第三者委員会にお願いして、やってくださいということを、最初から言っていますので、それを変えることはありません。
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質疑応答
有機フッ素化合物にかかる調査について
Q
水の話なんですけれども、PFOS・PFOAの調査を今年も実施されるということで、改めて何地点で実施されるんでしょうか。
蒲島知事
これは担当者から正確にお願いします。
【担当課】
環境保全課です。
県としましては、まだ予定ではございますが、今年度の調査に加えて来年度、河川で13地点、地下水で60地点を予定しているところでございます。
Q
知事は去年、初めて実施した県の調査で、基準値を上回ったところは無かったというところなんですけれども、来年度またこのように増やして実施をされる意図、理由というのはどういうところにあるんでしょうか。
蒲島知事
やはり今、TSMCがこちらに来て、操業を開始されるということですから、その以前からずっと調査しておかないと変化が分かりませんよね。だからそういう意味では、継続性はとても大事なんです、研究には。
だから早く開業前からやって、開業によって変化が起きたら、またそれにどう対応するか分かりますよね。開業した後だけの調査で何か出てきても、何の影響か分かりませんよね。そういう意味では、今担当者から言ったように、このような研究をすべき対象をどうするかという意味での継続性と、量も含めてやっていると思います。
【担当課】
環境保全課からちょっと補足させていただきます。
今、知事が申しましたところについては、環境モニタリングという形での取組みでございまして、このPFOS・PFOAにつきましては水質汚濁防止法に基づく調査ということで、来年度地点を増やしますのは、一応今年度と来年度で県下全域の現時点の情報、状況をつかむためというところで調査を行うということです。
知事が申しました環境モニタリングにつきましては、規制対象外の物質も含めたところでのビフォーアフターの客観的・科学的な把握ができるように行うものでございます。
Q
最後に、今後もこういった調査というのは毎年度やられていく予定。
蒲島知事
私はそうすべきだと思っています。というのは、皆さんの関心が非常に高いですよね。だからどういうふうな影響があったか、なかったか、それをやはり公開すべきと思いますので、ぜひモニタリングも含めてよろしくお願いします。
質疑応答
令和6年能登半島地震について・その1
Q
1月1日に発生した能登半島地震についてお尋ねします。来週で1か月が経過して、熊本県もこれまでに支援を続けてきましたけれども、派遣された職員からの被害状況の報告を受けたと思います。熊本地震との経験を重ねながら聞かれたと思いますが、この1か月、能登半島地震の状況を知事として、熊本県としてどのように見ておられるのかと、また、今後の支援について熊本県の経験からどういうことが懸念されるかとか、そういった今後の支援についてもお尋ねします。
蒲島知事
熊本県は熊本地震で全国、全世界から多くの支援を受けました。今度の石川県における震災も、とても我事のように対応したいなと思っています。
いくつかの対応の方法がありますけれども、ちょうど私が九州地方知事会の会長をやっているものですから、この熊本が九州地方知事会の事務局となっています。
4日から石川県に情報連絡員2名を派遣して情報収集等、連絡調整を行っています。
また、県独自の支援としては、国や被災自治体からの要請に基づいて、「災害時・健康危機管理支援チーム」、DHEATといいますけれども、これを派遣していること。それから仮設住宅も、熊本県は非常に斬新なやり方でこれまで震災対応をやって参りましたので、この仮設住宅の建設、これについての支援も派遣しています。それから災害廃棄物も熊本での経験、それからこれまでの被災地での経験、これをよく持っていますので、今、職員を派遣して対応をしています。
それから1月23日からは総務省の要請によって、石川県輪島市への支援として、県職員12名、市町村職員14名の26名を派遣しており、これまで派遣した県職員は延べ80名となっています。
さらに県庁本館や各広域本部、地域振興局に義援金箱を設置するとともに、被災された方への住宅支援として、県営住宅を20戸提供いたします。
引き続き被災地の状況に寄り添いながら速やかに対応できるよう、市町村と連携しながら全力で支援していく、これがこれまでいただいた全国、全世界からの支援にお応えする、とても重要なことだと思っていますので、今のところはそういうのが具体的な対応です。
質疑応答
国民保護について
Q
いくつかあるんですけれども、まずは最近も南西諸島の有事を想定した県レベルの訓練とか、色々様々な動きがあるんですが、南西諸島のそういう部隊とかを指揮する機能というのは大体九州に、熊本だったら8師団とか西部方面総監とか、海自の方も色々ありますよね。あと原発などの施設もあると。一部の報道では東京都などでもミサイル攻撃を想定した地下シェルターも検討に入ったということなんですけれども、知事は九州知事会の会長でもあるんですが、何かそういう対応とかお考えとかございましたら教えてください。
蒲島知事
九州地方知事会の事務局を務めており、私が会長ですから、1月4日から活動を開始して、本県の職員を派遣して、全国知事会とそれから中部圏知事会、関西広域連合など、関係機関と連携しながら、情報収集を行って、その収集した情報を随時、九州・山口各県と共有することがとても大事だと。
それが一つと、現在の、職員の派遣や物資の支援については必要に応じて、国が全国知事会を通じて各ブロックの知事会に要請があっています。だから、国からの要請を九州知事会の事務局の熊本県が受けて、それを各九州地方知事会に対して支援をお願いしていくということはとても重要ではないかと思っています。
そういう意味で今、総務省から輪島市へ支援として26名の職員派遣要請があっておりますが、今回はそれを(九州各県に)割振らないで、幹事県である本県で対応したいと。その26名を。
それで、例えばできなかった段ボールベッドの配送については、全国知事会の要請を佐賀県の方にお願いした。
連携がとても重要ではないかと思うので、その連携の九州の担い手として熊本が今機能しているんじゃないかと思います。
【担当課】
ご質問いただきましたのは、シェルターの件ですね。
Q
シェルターも含めて、例えば南西諸島の有事に絡んで九州の有事という可能性もあるわけです。その辺りの知事のお考えですね。知事会長ですし実際に備えないといけないのか、もうそれとも無視していいのかと色々お考えがあるかと思いますので、その辺りはどうお考えでしょうか。
蒲島知事
今、我々はそういうことに関しては、やっぱり県民の理解できるような形で、国からお示ししていただきたいということを、国に対しては申し上げているところです。
質疑応答
食料の安全保障について
Q
これはとりあえずまた次回聞きますので。
別途ですけれど、26日から通常国会が始まりますけれど、知事がいつも食料の安全保障と言うのであえて聞くんですが、食料・農業・農村基本法の改正案とか、先程の有事にもちょっと絡んだやつなんですけれども、食料の生産拡大とか食品の確保、絡んでの対策法案の提出もありますが知事としてどのようにお考えでしょうか。
蒲島知事
私は農産物、あるいは食料の安全保障というのはこれからますます重要になってくると思います。災害時においてもそうですよね。有事においてもそうだけど、これまであまり言われてこなかったんですが、熊本県だけはもう4年くらい前から5つの安全保障という形で、その中で食料の安全保障を一生懸命やろうと。
これは熊本県だけではなくてこの前の九州知事会でも、九州全体の目標としてシリコンアイランド九州の実現と食料の安全保障、フードアイランドを九州で確立しようということで、二つ成立したんですよね。これを九州全体でシェアすることがとても大事だと思っています。
東京なんかの自給率をみてみると、ほぼゼロに近いですもんね。だから何かあった時にあれだけの人口をどうやって支えるかということを、常に考えながら食料の政策をやっぱりやっていかなきゃいけないし、次第にそういうことが国でもわかってきたんじゃないかなと思います。
だからそれを県としてもきちんと、人もそれから機械ももう少し足りないところがあるんじゃないか。熊本県で今までやってきたのは農地集積ですけれども、農地集積によってかなり効率的にできると思いますけれども、こういうものを含めて、これから国会でも話題になっていくんじゃないかと思うし、それをリードするような熊本県の農林水産部の積極性があるんじゃないかと思います。
農林水産部はどうですかね。
【担当課】
はい。知事が申した通りでございますけれども、知事が3(~4)年前から申し上げているとおり、食料の安全保障という観点で、稼げる農業と担い手の育成、それと環境を守る農業というその三つの視点でこれまでも取り組んできたところでございますが、それを踏まえて国の食料安全保障に貢献していきたいというふうに思っています。以上でございます。
質疑応答
くまもと産業復興エキスポについて・その1
Q
今日発表されました産業復興エキスポなんですけれども、全て見たわけではないんですが、2日目の半導体関連企業立地セミナーというのがありまして、こちら、ソニーやJASMが講師になっている回ですけれども、こちら完全に取材不可ということになっています。
これまでもJASMが出てくるイベントはこういうことが多いんですけれども、今回は県が主催ということと、ソニーやJASMという熊本県の半導体の核となるような企業が出るところがやはりPRポイントになるんではないかとの考えもありますので、この辺何らかの形で取材できるということをご検討いただけないかというお尋ねです。
蒲島知事
仰るようにエキスポではTSMCの子会社のJASMも出展するということは決まっていますけれども、取材に関してはどうですかね。
【担当課】
セミナーの主催をしております企業立地課でございます。
半導体のセミナーにつきましては、県外の企業を、熊本にぜひ来てくださいというような誘致活動の一環として行うものという趣旨から、取材は不可ということでさせていただいております。
JASMさんが講師としてお話をされるからという理由ではございませんので、ご理解いただければと思います。
Q
こちらに参加できる数は限りがありますし、県外の企業に広く誘致を呼び掛けるのでしたら、そこもPRしていただいた方がいいのかなというふうには思うんですけれども、いかがでしょうか。
【担当課】
それぞれの会社の機密情報といいますか、色々なお話もされる可能性もありますので、なかなか広く公開するということは考えてございません。
蒲島知事
記者会見でそういう意見があったということだけは伝えておいたら。
【担当課】
はい。わかりました。
質疑応答
熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その2
Q
再発見の旅の関係で、事務局が来られているかわからないですけれども、先程の知事のお考えはよく分かっているつもりなんですけれども、事務局として何か第三者委員会の方から現在の進捗状況とか見通しについて報告があって、それで公表できる部分があればお聞きしたいんですけれども。
蒲島知事
はい。お願いします。少なくとも私の方には全くきておりませんので。
【担当課】
事務局人事課でございます。進捗状況含めて調査結果の取りまとめ時期も含めまして、現時点でまだ未定というふうに伺っておるところです。
質疑応答
令和6年能登半島地震について・その2
Q
知事にお考えがあればお聞かせいただきたいんですけれども、能登半島地震のことなんですけれども、熊本地震と大きく異なる点もあったのではないかというふうに思っています。
能登半島の場合だと幹線道路の寸断で食糧輸送とか安否の確認が、いわゆる被災者の生存率が落ち込む72時間以内に届かないということが多かったと思うんですけれども、もしまた県内でそういった地域、熊本地震は熊本市から近かったと思うんですけれども、どういう対策が必要だと知事はお考えでしょうか。
蒲島知事
私自身は、熊本地震を経験して、自分なりの様々に得た知識や考えもありますが、現在、やっぱり苦しんでらっしゃる、そういう震災地の方々と、こういうところが違う、こういうことをした方がいいというのは、ちょっとあまりにも環境が違うので、気候もそうですね。道路状況も違いますよね。それから自衛隊の基地も違いますよね。そういうこともあるので、今はまだしっかりと、お願いされたこと、全国からのそういうものに応えていくことが私は一番、知事として行うべきことじゃないかなと思っています。
やはり今は被災地の方々のことを最も思って、熊本県としては、特に震災を受けた方々、そういう方々に寄り添っていくことが大事だなと思っています。
そういうことで、今、この震災に対しての取材を私が依頼を受けても、今現在は受けていません。
本当に評論家的にそういうことを言うんじゃなくて、その経験を知っている知事として最大限のことをやると。
そして、九州地方知事会としての役割も、やはりみんなと一緒にやらないと。
多分これが落ち着いてきて、そして今度は比較研究という形で出てくると思いますけれども、 その時はきちんと自分の考えも言えると思いますが、今、苦しんでらっしゃる方々を本当に思いながら、最大限望まれることをやっていくというのが熊本県の役割じゃないかなと思っています。
Q
同趣旨の質問になってしまうかもしれないですけれども、一度、聞くだけ聞いてもいいでしょうか。
その点でいうと、今回の地震では、被災した自治体の多くが、高齢化率が50%前後ということで、自治体の職員も少なくて、地域内の共助というのがなかなか難しい状況にあったと思うんですけれども、熊本県内もそういった自治体、多くあると思うんですが、同趣旨の質問なんですが、もし県内で起きた時に、現時点で知事はどういう対策が必要だというお考えをお聞かせください。
蒲島知事
そういう災害が起きた時に様々な問題が起こります。
だから、私の場合は自衛隊との関係、西部方面総監も師団長との関係も、常に携帯の番号を交換して、何か起きた時にすぐ携帯で遠慮なくお願いできるという体制が熊本地震の時にとれていたから良かったなと思っていますので、その後、知事会なんかでも私が言っているのは、少なくとも自衛隊のトップの人の携帯だけは交換した方がいいですよという、その時に遠慮しないでお願いしたいことはした方が私はいいんじゃないかというふうにこれまでやって参りました。
そういうこれまでの経験を将来的には共同研究、比較研究として皆で検討することが日本全体の災害対応について重要ではないかなと、さらに思っていっている次第です。
質疑応答
くまもと産業復興エキスポについて・その2
Q
発表項目の産業復興エキスポについて伺いたいんですけれども、TSMCの進出を契機に色々な企業の進出が増えてはいると思うんですが、台湾のTSMCにいわゆる近い企業というものの進出が意外と進んでいないというふうにも伺っています。
今回、エキスポの出展を見ると、台湾企業も、いわゆる半導体関連の企業も多いと思うんですけれども、さらなるシリコンアイランド強化として、こういった台湾企業の進出を促進するためにも、このエキスポって意味があるのかなと思っております。
知事としてはどうお考えでしょうか。
蒲島知事
エキスポも、こういう形でまず熊本の地を知ってほしいという一環ですよね。
ただ、第一号の工場進出だけで、台湾からどういう企業が進出してくるのか、どういうところをシェアするのかというのがまだ明快ではないのかもしれません。
二番目の工場辺りになるとかなりレベルが高いです。ナノ(生産する半導体)のレベルも最先端の方にいくので、そうなると、やはり台湾の企業と一緒にやらないとできないものが出てくると思うんです。
その時には一緒に来るとか、そういうことがまだ第一号の工場のレベルでそこまでいっていないのかなと、素人考えですけれども。もう一歩先の最先端のところに、二号、三号になった時に、やはり、一緒に来ないとできないと。テクノロジーも含めて。まだ皆が、そのレベルを第一工場で見ていらっしゃるという。台湾の企業も。
もう一つは、ものすごく台湾の企業の方から土地のリクエストがあるんですけれども、そこまで踏み込んで、国も県も進めていかないといけないと思います。
私が岸田首相にリクエストした時に、岸田首相が仰ったのは、これから10年間のインフラ整備、それにきちんと国は応えるということと、それから土地の利用についても応えていきたいというふうに仰っていますので、その辺を踏まえながら、今度は実際に熊本に工場を持っていきたいと思う関連企業の方々が出て来られるので、それに対応するのが次の課題かなと、このように思っています。
Q
もう一点だけ、台湾の企業も来ますし、日本の、熊本県以外の関連企業も多いと思うんですけれども、やはり今回のエキスポでそういった台湾の関係性といいますか、色んな産業での関係性の強化というのも狙いとしてはあるのでしょうか。
蒲島知事
もう既に台湾の企業との付き合いはとてもあります。熊本県もリクエストもありますし。驚いたのは台湾の企業の中で半導体とは関係ないけれども、地球儀を作っている台湾の企業が熊本に進出したいので土地が欲しいと仰っていました。それから住宅も作りたいので土地が欲しいと。何で熊本ですかと言ったら、熊本がとても今は世界的に有名になっていて、そこで作った地球儀だったら最先端の地球儀として売れていくというふうなことを仰っていましたので、半導体だけではなくて、そういう最先端の、いわゆる場所としての熊本の有名度が上がっているなというふうに思いましたので、そういうところの効果もこれから出て来るんじゃないかとこのように思います。
そういう副次効果もあるのも、私自身も今回は感じているところです。ただ、一番最終的に大きいのは、このハイレベルの半導体の二番目の工場、三番目の工場を作り始めた時にものすごい大きな効果があり、そしてサイエンスパークなども必要になってくることも考えなきゃいけないのかなと思って、県政を運営しているところです。
【担当課】
一点だけ、産業復興エキスポを所管しております商工政策課でございます。
先程のご質問でございますが、企業立地という形でいきますと、確かに仰ったようなところになっているかもしれません。
今回お手元のパンフレットをお示ししておりますが、台湾から30社を超える企業・団体の方が出展をいただきます。その中で一部、台湾電子設備協会というところは、半導体関連企業だけのラインナップで20社を超える企業で今回出展をいただけるというところで、あと今やり取りをさせていただいている中では県内の企業さんあたりと繋がりをもちたいということで色んな取り組みをお考えになっていたりもしますので、今回かなりそういったところのビジネスチャンスの可能性も考えて、東京辺りで開かれている同種のイベントと同じ数、あるいはそれ以上の数で今回出展をいただいているという状況でございます。
質疑応答
台湾総統選の結果について
Q
今台湾の話ありましたが、先日台湾の総統選も行われました。次期総統の方に熊本地震の際に台南市長として知事もお会いされている頼さんが決まりましたけれども、今回の総統選の受け止めと今後の日台関係ですとか、台湾と熊本の関係に期待求めるところなどあれば伺ってもよろしいでしょうか。
蒲島知事
実際、頼清徳さんは、私もとても親しくしている台湾の政治家でありますし、それから年賀状も交換しておりますし、私が海外出張の時に当選されましたので、今ちょっと遅れたけれども、お祝いのメッセージを送りたいというので用意しているところです。
Q
今後の日台関係ですとか、熊本と台湾の関係どういったこと期待するとかありますか。
蒲島知事
もう既に日台関係を特に台湾と熊本の関係はTSMC半導体でとても全面的に共同歩調をとってやっていますので、これからも一緒にやっていきたいなと思っています。
(幹事社)
よろしいでしょうか。ではありがとうございました。
蒲島知事
はい。じゃこれで終わります。