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令和5年(2023年)12月22日 知事年末記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0193771 更新日:2023年12月22日更新

 

知事年末記者会見

日時:令和5年(2023年)12月22日(金曜日) 10時00分から 
場所:知事応接室

会見録
 知事年末記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

説明資料(スライド資料) (PDFファイル:3.32MB)

発表項目・コメント

質疑応答

コメント

​感染症対策について​

蒲島知事写真

蒲島知事
 最初のコメントです。
 はじめに、インフルエンザと新型コロナの感染対策についてです。
 季節性インフルエンザは11月末から警報レベルを超えて増加しています。新型コロナウイルス感染症の報告数も、11月末から増加に転じています。
 一方で、感染時の症状を緩和させる咳止めや小児用の抗インフルエンザ薬など、医薬品の不足が続いております。国において、医薬品の増産要請が行われていますが、安定的に供給されるまでには時間を要する見込みです。
 このような中、年末年始を迎え、帰省や旅行などで人の動きが活発化することで、感染が更に拡大するおそれがあります。
 そこで、私から県民の皆様に、改めて基本的な感染対策の徹底についてお願いします。
 「定期的な換気」「場面に応じたマスクの使用」「こまめな手洗い」など、感染対策の実践をお願いします。
 また、普段と異なる症状がある場合は、外出を控えていただくとともに、混雑した場所への外出や高齢者などに会う際は特にご注意ください。
 ご自身や周りの大切な方を守るため、皆様お一人お一人が、より一層、「感染しない」「感染させない」ことを意識して行動してください。​

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コメント

​令和2年7月豪雨災害仮設住宅入居世帯の住まい再建に目処​

蒲島知事写真蒲島知事
 次のコメントです。
 令和2年7月豪雨災害から3年半になろうとしています。
 この間、県では、被災された方々の「住まいの再建」を最重要課題に位置付け全力で取り組んで参りました。
 仮設住宅入居世帯については、今年11月末時点で、ピーク時の1,814世帯の約8割にあたる1,423世帯が再建を果たされました。残る2割の391世帯の中には、住まいの再建の方向性が決まらない世帯がありました。そこで関係市町村と連携し、世帯の状況に応じたきめ細かな支援を継続して参りました。
 この度、自宅再建や災害公営住宅への入居など、全ての世帯の再建の目処を立てることが出来ました。被災者の皆様と関係者のご協力に、心より感謝申し上げます。
 県としては、引き続き寄り添った支援を行って参ります。​

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発表項目

​​『こども本の森 熊本』に寄贈いただいた本の活用について

蒲島知事写真

蒲島知事
 次の発表です。
 世界的建築家である安藤忠雄さんに寄贈いただく「こども本の森 熊本」については、現在、来年春の開館に向け、準備を進めています。「こども本の森 熊本」では、様々なジャンルの約1万冊の本が子ども達との出会いを待っています。
 そのような中、今年の夏、「あなたの本をこども図書館に!」として、県民の皆様に本の寄贈のお願いをしました。すると、想定を大幅に上回る約2万4千冊の本を御提供いただきました。県民の皆様の御協力に心から感謝を申し上げます。
 寄贈いただいた本については、「こども本の森」で最大限活用させていただきます。ただ、どうしてもスペースの都合により、「こども本の森」に配架できない本も生じる見込みです。
 このため、そのような本については、県内の特別支援学校や夜間中学校などで、子どもたちのために大切に使わせていただきたいと考えています。
 皆様からの温かい御支援に重ねて感謝申し上げます。本との出会いを通して、子どもたちの生きる力を育む取組みに、今後も御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。​

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発表項目

​友好提携40周年記念 中国訪問について​​

蒲島知事写真蒲島知事
 次の発表です。
 熊本県と中国・広西壮族自治区は、昨年、友好提携40周年を迎えました。
 相互の更なる交流を促進するため、1月に私を団長とする訪問団で、広西壮族自治区と上海を訪問します。日程は、1月15日から18日までの4日間です。
 今回の訪問では、広西壮族自治区の幹部とお会いし、熊本地震や豪雨災害に対する支援の御礼を直接お伝えします。また、今後の交流の在り方について意見を交わす予定です。
 今回の訪問をきっかけに、本県と広西壮族自治区の変わらぬ友情を確かめるとともに、青少年交流や観光、文化などの様々な分野で、交流の絆を更に深めたいと思います。
 また、上海では、復旦大学での講演や、ロイヤルカリビアン社幹部との会談を予定しています。私が先頭に立って熊本をしっかりとPRして参ります。
 なお、中国でも人気のくまモンも同行します。中国の皆様に、熊本の魅力を発信してくれることを期待しています。​

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発表項目

​県政10大ニュースについて​​

蒲島知事写真蒲島知事
 最後の発表です。
 本日は、この一年を振り返って、「県政10大ニュース」を発表します。
 まず、「TSMC工場稼働を見据えた取組みに全力」です。「くまもと半導体産業推進ビジョン」や「新大空港構想」を策定、八代地域での工業団地整備の検討も行っています。
 また、半導体産業の集積に向けたインフラ整備について、岸田総理から、複数年にわたる安定的な支援を約束いただきました。引き続き、TSMC進出の波及効果が県内全域に広がるよう取り組んで参ります。
 次に、「新型コロナ感染症対策」です。県民の皆様の御協力のもと、感染拡大防止と社会経済活動のベストバランスに取り組んで参りました。現在、県では、来年4月から通常の医療提供体制へ移行するため、各医療機関における受け入れ環境の整備を進めています。
 次に、「九州の防災拠点機能の強化」です。防災センターや震災ミュージアム「KIOKU」がオープンしました。10月には、南海トラフ地震を想定した総合防災訓練を実施しました。今後も「九州を支える広域防災拠点構想」の推進に取り組んで参ります。
 次に、「県産農林水産物の安定供給・販路拡大」です。令和4年度の熊本県産農林水産物の輸出額が過去最高の105億円を記録しました。4月には「熊本モデル」により、県産あさりの首都圏出荷が再開されました。引き続き、食料供給県として、食料の安全保障に貢献して参ります。
 次に、「地下水保全の推進、ゼロカーボンへの取組み」であります。5月にはJASMや菊陽町などと地下水涵養に係る包括協定を締結しました。
 また、11月には、県と益城町等が共同提案した阿蘇くまもと空港周辺地域での取組みが、環境省の「脱炭素先行地域」に選定されました。引き続き、県民の宝である豊かな自然環境を守る取組みを推進して参ります。
 次に、「豪雨災害からの復旧・復興の加速化」です。最重要課題の「住まいの再建」や「緑の流域治水」の取組みは着実に進んでいます。五木村、相良村の振興についても、県庁一丸となって取り組んで参ります。
 次に、「震災復興の『総仕上げ』着々と見える形に」です。阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルビルの開業や南阿蘇鉄道の全線運転再開など、創造的復興の歩みが着実に進んでいます。
 次に、「『こどもまんなか熊本』の実現へ」です。私とくまモンは「こどもまんなか応援サポーター」に就任しました。また、安藤忠雄氏に寄贈いただく「こども本の森 熊本」は、6月に建設工事が始まり、来年春の開館に向けて、着実に準備を進めています。
 次に、「熱狂!熊本で3つの国際スポーツ大会開催」です。ラグビー、サイクルロードレース、バドミントンの3つの国際大会が開催され、復興が進む熊本の姿を広く発信することができました。熊本の未来を担う子供たちの夢に繋がる大会であったと思います。
 次に、「『通潤橋』国宝に指定」です。山都町の「通潤橋」は熊本地震などで被災しましたが、見事に復活を遂げました。そして、土木構造物として全国初の「国宝」に指定され、私も大変うれしく思っています。
 さらに、プラス2項目です。一つ目は「広域道路ネットワーク整備の加速化」です。天草幹線道路、九州中央自動車道、有明海沿岸道路、中九州横断道路など、県内各地で広域道路ネットワークの整備が加速化しています。
 最後に、「くまモン今年も大活躍!」です。くまモン利用商品の売上高が累計で約1兆3千億円となりました。たくさんの人を笑顔にするため、「M-1グランプリ」にも挑戦しました。来年も、全国の皆様にサプライズとハッピーを届けてくれることを期待しています。
 以上が今年の県政10大ニュースです。
 私の任期は残り4か月を切りました。県政の最大の目標である「県民総幸福量の最大化」に向け、引き続き全力で取り組んで参ります。

 私からは以上です。

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質疑応答

​県政10大ニュースについて​​

(幹事社)
 今、県政10大ニュースのことなんですけれども、この中で最も印象的な出来事は何になりますでしょうか。理由とともに教えてください。

蒲島知事
 10大ニュースの中で、一番私が印象的と思っているのはTSMC進出に対する対応です。今年も様々な出来事がありましたけれども、多分、TSMCに関わる対応、出来事が一番県民の中にも印象深いんじゃないかなと思います。
 課題も出てきました。交通渋滞対策や地下水保全の取組み、それから台湾から来られる方々の受け入れ環境の整備など、様々な課題に対して取り組んで参りました。これも県庁全体としては、十分10大ニュースではないかと思います。
 それからもう一つ印象に残っているのが、岸田総理が複数年にわたる財政支援を約束いただいたことです。日本は単年度予算の国ですから、政府が複数年の約束をするというのはなかなか珍しいんですけれども、それをやってくださったことも、とても印象深いなと思います。それが一番、私にとっては印象深いニュースです。​

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質疑応答

​令和2年7月豪雨災害仮設住宅入居世帯の住まい再建に目処・その1​​

(幹事社)
 あと豪雨の住まいの再建についてなんですけれども、3年半での全部の再建というのは、知事はどう捉えていらっしゃるでしょうか。

蒲島知事写真蒲島知事
 今日発表しましたけれども、この段階で8割以上の人が、住居をきちんと確保されたということと、あと2割の方が目途がついたということは大きいですよね。住宅の目途がついたということで、これを一番、私は今日発表してよかったなと思っています。
 目途がついたということは、正確にはどういうことかというと、これまで再建資金の確保や、様々な事情によって住まいの再建の方向性が明確に決まっていない世帯があったんです。そのような世帯に対して伴走型で支援を続けてきたことで、この度、仮設住宅に入居されている全世帯で再建方法の目途が立てられたということです。
 再建方法としては、自宅再建のほか災害公営住宅、木造仮設住宅を活用した市町村の住宅へ入居を予定されております。この方々が再建の目途が立ったということで今日発表させていただいた次第です。​

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質疑応答

​JR豊肥線の新駅設置について ​

​​​​(幹事社)
 先日、JR豊肥線の新駅設置が発表されました。新たな整備が進むことは歓迎すべきことだと思いますが、駅の設置は20年以上にわたって要望されてきたということを伺っております。TSMCを受けてということだと思うんですが、その辺知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

蒲島知事
 TSMCだけじゃなくて今の熊本の発展の状況を好意的にJRさんが評価してくださったのかなと思います。そういう意味ではとても良いニュースで私も喜んでいます。

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質疑応答

​TSMC進出に伴う近時の状況について・その1​​

(幹事社)
 あと関連して、TSMCの工場稼働まで約一年を切ると思うんですが、来年末ということですが、今後年明け以降の決まっている流れといいますか、工場稼働について開所式など一部報道もありますけれども、その辺、もし把握していればお願いします。

蒲島知事
 来年の開業に向けて準備をしているということは知っていますけれども、具体的にどういうふうなスケジュールでやっているかというのは、担当者で分かりますか。

【担当課】
 企業立地課でございます。今知事が申しましたとおり、来年度に向けて、来年末に稼働を開始したいというところは決まっておりますけれども、開所式等々の動きにつきましては、まだ正式にはこちらの方にはきていないところでございます。

(幹事社)
 稼働は来年末、2024年末というのは変わりないということでよろしいですか。

【担当課】
 稼働につきましては、今現在、装置搬入等も始まっているというふうに伺っておりますので、今後立ち上げの部分というのは非常に複雑で、困難を極める可能性もあるというふうには伺っておりますが、予定自体は2024年末に出荷を開始したいという話は変わっておりません。

蒲島知事
 TSMCさんとずっと付き合ってきましたけれども、非常にスケジュールを大事にされるところで、まず最初に、鹿島(建設)の社長が私のところにいらっしゃって、「いや知事大変です。1兆円の投資をすると大体10年ぐらいかかります。でもTSMCからは2年半でやってくれと言われて。」と。鹿島さんは24時間体制で、多分2年半続けられて、納期に間に合うと思いますけれども、そういうきついタイムスケジュールをもっていらっしゃるTSMCさんが、来年末の開業ということを言っておられますので、多分間違いないと私は信じています。

(幹事社)
 ありがとうございます。各社さんお願いします。

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質疑応答

​この1年をふりかえって​


 10大ニュースではなかったんですけれども、先日知事の不出馬表明というのもありました。改めて知事にとってこの一年はどのような一年だったでしょうか。

蒲島知事写真蒲島知事
 とても忙しい一年で、一つは地震からの創造的復興の総仕上げの年。そして10大ニュースに言ったような様々なことが完成したり、それから立ち上がったりしています。
 そして最後に、これはとても良き流れだと私は判断して、もし次世代に私がバトンタッチするのであれば、今の時期が最適でなかろうかということで、私自身は次の選挙には出ないということを12月6日に申し上げました。
 これから候補者が出て、そして選挙が行われ、次のリーダーにバトンタッチされるという、そういうプロセスがこれから大体4か月弱続くんじゃないかなと思います。
 そういう意味で、私にとっても16年間のこの4期の中で最も印象深い、そして大事な4年であったと思います。
 またその最終盤でありますけれども、課題がまだありますので、それを4か月弱でやり遂げて去っていかないといけないかなと思いました。そういう意味では、住まいの目途が立ったことはとてもうれしく思っています。

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質疑応答

​令和2年7月豪雨災害仮設住宅入居世帯の住まい再建に目処・その2


 今仰られた住まいの再建の目途なんですけど、知事も任期中に目途をつけたいと仰られて、3年半。年度末とかではなくて、このタイミングでできたこと、どういった背景があって前倒しでできたのかを。

蒲島知事
 私が任期中に少なくとも住まいの再建の目処は立てたいという発表を随分前にしました。それを受けて職員が本当に頑張ってくれたと思いますし、それから関係者の方々も頑張っていただいたと。そして住まいをなくした方々も、伴走型の支援に合わせて一生懸命考えていただいたことは大きいんじゃないかなと思います。
 大事なことは、誰一人取り残すことがなくて、まだ、目処がついたけれども工事が行われているとかあるいは公共事業が行われているとか、様々なことがあると思いますので、そういう問題にも寄り添って県庁がしっかりと対応していくというふうに思います。

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質疑応答

​八代地域への県営工業団地の整備について​​​


 それと10大ニュースにもあった八代での県営の工業団地の整備についてなんですけれども、昨日八代市の中村市長が市で検討していた工業団地の整備は取りやめて、県の計画に一本化するということを発表されました。共存の道もあったのかなとも思うんですが、一本化したのは、やはりそれだけの需要というのは見込むのは難しいという判断だったのか、その辺知事の考えをお聞かせください。

蒲島知事
 はい。TSMCの進出効果を県南地域に波及させるというのが元々のこの八代における工業団地の整備だったんですけれども、そのためには県が主体性をもって、企業誘致の受け皿となる工業団地を整備することが必要だと思いました。
 企業進出の機会を逃がさないためにも早期の分譲開始が極めて大事であります。先行して適地調査を進められていた八代市から全面的に協力をいただけることは大変ありがたいと思っています。引き続き早期の分譲開始に繋がるよう検討を進めて参ります。
 そういう意味では八代市からのそういうふうな全面的な協力のお申し出は大変ありがたいというのが答えです。


 確認ですが、要は、県と市が連携をすることで分譲開始の時期を前倒しというか、早めに進められると、そういう判断で一本化したということですか。

蒲島知事
 そういう判断で、多分八代市長は決断されたと思いますので、それについてはありがたく受け止めたいというのが、県の気持ちです。

【担当課】
 企業立地課でございます。
 ただいまのに補足させていただきますと、新聞報道にもございましたとおり、八代市は、今知事も申しましたが、適地調査で先行されております。早期分譲が必要だと思っていますので、お申し出は大変にありがたいところでございます。
 八代市の方々とも今適地調査の状況あたりも詳細に聞き取りを行っておりまして、今後八代地域での早期の工業団地の整備に向けて、あらゆる手段を使いつつ進めていきたいというふうに考えております。

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質疑応答

​令和2年7月豪雨災害仮設住宅入居世帯の住まい再建に目処・その3​​


 住まいの再建について伺いたいんですけれども、今回、皆さんの住まいの再建の目処が立ったということなんですけれども、実際にその全ての人が住居に入るといいますかゴールというか、そこは知事は何かいつまでにしてほしいなというのはありますでしょうか。

蒲島知事写真蒲島知事
 例えば人吉の土地区画整理事業などの被災者はまだ再建の目処は立ってないんじゃないかという、そういう思いの方がいらっしゃるかもしれませんけれども、公共事業の影響がある世帯については、再建時期は公共事業の完了後になりますので、自宅再建される予定でそういう方々は再建の目処は立っていると。
 ただ、時間がいつになるかということもありますので、引き続きそういう方にも寄り添って、実際に家が建つまでしっかりと県庁も寄り添って支援を行っていきたいと思っています。

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質疑応答

​令和2年7月豪雨災害仮設住宅入居世帯の住まい再建に目処・その4


 住まいの再建の関係なんですが、3年半経過する中で徐々に仮設住宅の入居者の方も減ってきていると思うんですが、やはりネックとなっていたところというのはどういったところにあるんでしょうか。

蒲島知事
 一番私どもが最初ネックだなと思ったのは、治水対策がちゃんとしないと住宅の再建はなかなかできないと。例えばどこを嵩上げするとか、そういう計画がしっかりしていないと住宅再建が遅れるんじゃないかと思いました。
 そこで、2008年に川辺川ダムの白紙撤回をして、7月豪雨災害を経て、4か月後に緑の流域治水という次の方向で、川だけを考えるのではなくて、道路も、それから鉄道も駅も、そして村も、そういう全部これは河川の一部だという考え方で今、緑の流域治水が総合的な方向でやられていますよね。これを意外と早く立ち上げることができたと。
 緑の流域治水の元々はグリーン・ニューディールでした。グリーン・ニューディールを英語ではちょっと分からないからということで、緑の流域治水と言っているんですけれども、グリーンを中心とするニューディール政策というのは、やはりそういう復興をいかにするかということがその中にありますので、そういう意味では河川だけではなくて、復興も住宅も含めて、住まいもそれから生業も、そういうふうな観点で総合的にやれたというのが大きかったかなというふうに思います。
 それからもう一つはやはり地震の経験ですかね。地震で同じ創造的復興を目指しましたけれども、その時の経験が今回の7月豪雨災害には活きていたかなと思います。例えば一週間後にはもう木造の仮設住宅の建設に着手しました。そして、その仮設住宅を市町村に譲渡することで、市町村がそれを市町村住宅として、仮設住宅に入られる方々が、自分たちはもうこっちの方がいいと。価格も安いしね。同じ家だから。そういう形でそっちの方の住宅を望まれたところもあるんじゃないかと思います。


 そうしますと支援の形としては、熊本地震の経験を活かした伴走型支援が活きたということでよろしいでしょうか。

蒲島知事
 はい、間違いないと思います。だからこの経験をやはり発信していかなきゃいけない。この経験を日本中が知ることによって、これからの災害対応もとても良くなっていくんじゃないかなと思います。
 そういう意味で、「KIOKU」や防災センターの整備なんかも、これまで助けていただいた全国の皆様、九州全体の皆様に貢献できたらいいなと思っています。

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質疑応答

​​令和2年7月豪雨災害仮設住宅入居世帯の住まい再建に目処・その5


 引き続き住宅再建のことでお伺いしたいんですけれども、今回全ての世帯で目処が立ったということなんですけれども、改めて今後さらなる創造的復興に向けた取組みをどういうふうに進めていくべきかということについて知事のお考えをお願いします。

蒲島知事写真蒲島知事
 創造的復興というのは、地震の方は大体見えてきましたよね。阿蘇くまもと空港はとても良いターミナルができたし、それから熊本駅も安藤忠雄さんに頼んで素晴らしい駅になったと。
 それからクルーズ船の拠点もくまモンポート八代という形で、ただの港ではなくて、前よりも良い形で使われている。その他に高速なんかもそうですよね。今日、皆さんに10大ニュースの中で申しましたけれども、私が知事になる時のマニフェストには「すべての道は熊本に通じる」というのを出していたんです。でも実際は、中九州横断道路も1センチもなかった。それから九州中央自動車道もなかった。そして有明海沿岸道路もなかった。それが創造的復興という形で、災害対応という形でこれを復興していくことができたということが熊本の発展にとても良かったなと思っていますし、それがなかったらTSMCも来なかったかもしれない。
 私はこの流れを良き流れということで、創造的復興から、そしてこれから地方創生に入って、TSMCなどのいわゆる半導体の発展と新生シリコンアイランド九州、こういう流れの中で九州全体的に伸びていくことが、私のこれまでやってきた創造的復興のアイデアなんです。
 この良き流れをより強く大きくしてほしいという気持ちを込めて、次の選挙には出なくて、私の後継者がそれを大きくしていくと、強くしていくと、そういう気持ちで身を引くことにしたんです。だから、身を引くことも一つの創造的復興を発展させる、強くする、大きくするという気持ちがあって、12月の6日に次の選挙に出ないということを発表しました。ただ、もうちょっと(課題が)残っているんです、まだ。だからその詰めをあと4か月弱でやっていきたいなと思っています。

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質疑応答

​友好提携40周年記念 中国訪問について​​


 もう一点、話題変わりまして冒頭発表にあった中国訪問の関連なんですけれども、日中間でいいますと、政府レベルだと引き続き日本産水産物の輸入禁止措置、そういった大きな懸案というのもあるんですけれども、こうした中で今回中国訪問して、今回40周年ということで、色々支援に関する御礼というのもされるということなんですが、今後こうした中でどういうふうに発展させていきたいというふうに考えでしょうか。

蒲島知事
 日中関係はこの40年をみても、とても良い時もあったしそうでもない時もありました。
 ただ、熊本と広西壮族自治区に関してはずっと友好関係が続いてきた。この中央と地方の違いも、多分両国関係を大きく良好なものにしていくのではないかと思うので、どんなに中央政府の仲が悪くても私どもは広西壮族自治区と40年間とても良い関係できたし、そういう積み重ねが将来の両国の良好な関係につながっていくというのが私の考えです。
 だから、先程水産物の話がありましたけれども、地方政府同士の交流という観点から私が広西壮族自治区に行って、そこの書記さんとか、トップの方に何か意見を申し上げるという場面はないんじゃないかと思います。

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質疑応答

​政治資金パーティーについて​


 今回の発表の話題とは関係ないんですけれども、今自民党の派閥で政治資金パーティーの開いた収入の一部を収支報告書に記載せず、裏金化していた疑惑が取りざたされていると思うんですけれども、知事は政治学者でもいらっしゃるので、是非どういうお考えがあるのかというのをお伺いしたいなと思っています。

蒲島知事
 私は政治家になった時、お金の件はとても重要で、しっかり透明性を持たなきゃいけないと考えていました。それから大事なことは、あの時は熊本県はものすごく財政難でした。借金が1兆700億ぐらいありました。貯金が53億しかなかった。普通の会社だったらすぐ潰れるところなんですけれども、その時に皆で財政再建をしようと。県庁の皆さんにお願いして、それから県民の方々にもお願いして、まず県民の方々への補助金を30%カットしてもらった。それから県庁の職員には3%、5%、7%とランクに応じて給料カットしてもらった。私も給料の124万を100万カットしましたから、24万残ると思ったんですけれども、税金のことを忘れていたので、結局14万しか残らなかった。
 そういう形で皆が財政再建という形でお金の大切さが分かっていましたから、財政をする人、例えば県庁組織が、きちっとお金は間違えないように正しく申告し、正しく記録を残すと。
 もう一つ言いたかったのは、私が知事になった直後に、それまでの不適正経理が発見されました。その時に私が職員に言ったのは、この不適正経理の、以前のものは申告したら一切罪に問わない。その代わり、今日から、私が知事になって発見したところからですけれど、この時から不適正経理が県庁であったら、私は即座に辞めますと。
 そういうお金に対する厳しさと責任を持って政治家になったので、ちょっと今の国の政治資金の混乱がとても理解できないところがあります。それぞれの人が、結局公僕ですから、そういう自分の立場を考えながらお金を扱わなきゃいけないなと私は思っています。​

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質疑応答

​国民保護について​


 今日の発表項目にはないんですけれども、台湾有事に備えた避難計画についてお伺いしたいです。10月に当時の松野官房長官もいらして、要望があったと思うんですけれども、避難計画の策定が急がれています。
 一方で、こういった計画を策定することは逆に危機感をあおってしまう、住民の不安をあおってしまうのではないかという指摘もあります。知事のお考えを改めてお願いできますでしょうか。

蒲島知事
 国の防衛というのも、やはり国の大きな仕事でありますから、これを常に考えておくということと、それから実際に危機に備えること、これは政治の大きな存在意義だというふうに思います。
 ただ、国からの様々な要望なり、それから情報なりが今来ておりますけれども、やはり県民からすると、きちんと理解できないと、なかなかその政策に対しての合意はできない。そういう意味では、しっかりと理由を説明していただくことが大事なのかなと。説明責任ですよね。そういうふうに思います。

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質疑応答

​TSMC進出に伴う近時の状況について・その2​


 先週、地方創生の自見担当大臣の方から、TSMC関連、整備費で60億円、4道県に対して交付するということが決まりました。それの受け止めを伺ってもよろしいでしょうか。

蒲島知事写真蒲島知事
 はい。これは大きな意味では、岸田総理が我々の要望に対して応えてくださった第一弾だというふうに思います。熊本県が多分一番先に項目として取り上げられたと思いますので、その政府の優しさに対してしっかりと感謝と、それから正しい対応をしていかなきゃいけないというふうに思います。
 自見大臣も熊本にいらっしゃったときに、しっかりと、このTSMCだけではなくて半導体関連の、将来的にいうとシリコンアイランド九州ですけれども、これには対応していきますと約束されました。幸いにして、自見大臣は私の筑波大学の時の教え子だったので、特に優しい対応だったのかなと心から喜んでいます。​

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質疑応答

​JR肥薩線の復旧について​


 また内容は少し変わりまして、肥薩線なんですけれども、国・県・JRとの三者協議、検討会議が行われまして、県の方から10年後の2033年の復旧を目指すという検討案を出されました。JR九州の社長の方も、次の検討会議のタイミングにはJR九州のある程度の回答をしたいというような話が出ています。
 県の案でいくと、最終合意は来年度末ということで知事の任期の中までには、合意までにはいかないかもしれないんですけれども、その辺りの知事のお考えといいますか、次の後継の方にも考えを引き継いでほしいのかどうなのかというところも伺ってよろしいでしょうか。

蒲島知事
 私はこれまで私の任期中に復旧の道筋をつけるという県民の皆様との約束をしましたから、その約束を果たせるよう、まだ時間がありますので先頭に立って協議を進めていきたいなと思っています。
 今月13日の検討会議で決まった復興の方針は、国からも、とても高い評価をいただいています。だからJR九州の方も、「重くありがたく受け止める」とのコメントがありました。市町村と県が今一体となってやっていますので、少なくとも国と県と市町村が同じ方向を向いているということを、ぜひJR九州もこれまでコメントされたように重く受け止めてほしいなと思います。

(幹事社)
 ありがとうございます。

蒲島知事
 よろしいですか。それでは皆さん、よいお年をお迎えください。

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