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令和5年(2023年)11月28日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:令和5年(2023年)11月28日(火曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
- 県内家きん飼養施設への消毒命令について
- 川辺川の流水型ダムの環境アセスメントについて
- 「こども図書館」の名称及び名誉館長等について
- 「こどもまんなか熊本」の実現に向けた県民アンケート結果について
- Dx実証イベントの開催について
- 『さかなクン』タイアップ水俣・芦北の魅力体験イベントの開催について
- 海外向け「くまモンクイズ」について
質疑応答
- 「こども図書館」の名称及び名誉館長等について ・その1
- 知事の去就について・その1
- 熊本市の私立高におけるいじめ重大事態について・その1
- 熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その1
- Tsmc進出に伴う近時の状況について
- JR肥薩線の復旧について・その1
- 川辺川の流水型ダムの環境アセスメントについて・その1
- JR肥薩線の復旧について・その2
- 県内家きん飼養施設への消毒命令について・その1
- 川辺川の流水型ダムの環境アセスメントについて・その2
- 熊本市の私立高におけるいじめ重大事態について・その2
- JR肥薩線の復旧について・その3
- 県内家きん飼養施設への消毒命令について・その2
- 知事の去就について・その2
- 「緑の流域治水」について
- 熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その2
- 知事の去就について・その3
- 知事の去就について・その4
コメント
県内家きん飼養施設への消毒命令について
蒲島知事
最初のコメントです。
11月25日に佐賀県の養鶏農場で、今シーズンの国内1例目の高病原性鳥インフルエンザが発生しました。
また、27日には、茨城県で2例目が確認されています。
これからの季節、本県においても厳重な警戒が必要です。
そこで、本日、県内198箇所の養鶏農場に対して、家畜伝染病予防法に基づく消毒命令を発出しました。
各養鶏農場におかれましては、消毒を徹底してください。
鳥インフルエンザに対しては、まず
第一に、ウイルスを農場に入れないこと。
第二に、万が一ウイルスが入ったら、迅速、的確に初動を行うこと。
第三に、初動において空振りを恐れないこと、この3つがとても重要であります。
今回の消毒命令は、1番目のウイルスを農場に入れないための対策です。消毒を徹底していただくため、養鶏農家の皆様に消石灰を配付します。これも活用し、ウイルスの侵入防止に万全を期してください。
また、市町村や関係団体の皆様も、万一に備え、万全の準備を進めていただくようお願いします。
なお、佐賀県からの要請を受け、本県で備蓄している密閉容器1,050箱を、11月26日に提供しました。引き続き、九州各県とも連携・協力しながら、しっかりと取り組んで参ります。
コメント
川辺川の流水型ダムの環境アセスメントについて
蒲島知事
次のコメントです。
本日、川辺川の流水型ダムに関する「環境影響評価の準備レポート」が公表されました。
準備レポートの作成に当たっては、これまで国を挙げて、丁寧かつスピード感を持って、検討を進めていただいています。
内容については、12月4日に開催される「第8回球磨川流域治水協議会」において、国から説明されると聞いております。私もしっかりと確認したいと思います。
今後、住民の皆様や流域市町村長、県の環境影響評価審査会等の意見を踏まえて、知事意見を取りまとめて参ります。
発表項目
「こども図書館」の名称及び名誉館長等について
蒲島知事
次の発表です。
世界的建築家である安藤忠雄さんに寄贈いただく「こども図書館」については、現在、来年春の開館に向け、準備を着実に進めております。
この「こども図書館」について、3つお知らせがあります。
1つ目は名称についてです。大阪市、神戸市、岩手県遠野市の先行3館にならい、正式名称の案を「こども本の森 熊本」とし、12月定例県議会に提案します。
2つ目は、ロゴマークについてです。ご覧の、本の形をした3匹の蝶をあしらったロゴマークとすることにしました。
蝶は、生命や成長の象徴とも言われています。子どもたちが「こども本の森」で様々な本と出会い、成長し、羽ばたいてほしいとの願いを込めています。
3つ目は、名誉館長についてです。
本県出身の俳優・宮崎美子さんに、名誉館長へ就任いただきます。宮崎さんは、ご存知のとおり俳優など、幅広い分野で活躍されています。熊本地震以降は、様々な復興イベントにもご協力いただき、県民の心に寄り添っていただいています。名誉館長への就任を打診しましたところ、熊本の子どもたちの成長の一助になるのであればということで、快諾いただきました。
宮崎さんの知名度や発信力をお借りし、「こども本の森 熊本」を、新たな熊本の宝として、県民に末永く愛されるようにしたいと考えています。
来る12月5日に、委嘱式及び就任記者会見を行います。
発表項目
「こどもまんなか熊本」の実現に向けた県民アンケート結果について
蒲島知事
次の発表です。
本県の令和4年の出生数は、1万1,875人で、20年前から約30パーセント減少しました。少子化は喫緊の課題です。この状況を打破し、「こどもまんなか熊本」の実現のため、更なる施策を講じていく必要があります。
そこでまず、県民の結婚・子育てに関する意識、若者が熊本に定着するために必要なものなどを把握するため、県民アンケートを実施しました。約1万2千人もの多くの方々に回答をいただきました。アンケートの結果を一部ご紹介します。
子育て支援で必要なものとしては、「働きながら子育てができる環境であること」という回答が最も多く、続いて「こどもを産み育てていくために必要な資金」、「保育・子育てサービスの充実」という回答でした。
また、若者が熊本に定着するために充実させるべきものとして、「企業の魅力の向上」という回答が多く、働く環境への関心が高いことがわかりました。
さらに、来年の1月から3月にかけては、子どもたちや保護者の皆さんから直接意見を伺う機会を設けたいと考えています。
このように、県民の皆様のご意見やニーズを踏まえるとともに、国の「こども大綱」なども注視しながら、来年度の「熊本県こども計画」策定をはじめ、全庁一丸となって実効性のある少子化対策を進めて参ります。
なお、ご紹介しましたアンケート結果の詳細は、本会見後に県ホームページに公開しますので、ぜひご覧ください。
発表項目
Dx実証イベントの開催について
蒲島知事
次はDx実証イベントの開催についてです。
県ではDxを活用した優良事例を創出するため、公募型の実証事業を行っています。今回は、令和2年7月豪雨で被災した、人吉・球磨地域の創造的復興につながる、2つのイベントについてお知らせします。
1つ目は「デジタル手形で巡るスタンプラリー」です。人吉・球磨地域には、豊かな自然や歴史的な観光スポットが数多くあります。三日月札と呼ぶICタグとスマートフォンを使うことで、観光地の詳しい情報や逸話などを見ることができます。
ここで動画をご覧ください。このように、スマートフォンにICタグをかざすことで、観光地の情報が表示されます。
また、同時に観光客の周遊履歴を記録し、分析することで、人吉・球磨地域の魅力的な観光地作りやリピート率の向上につなげます。イベントにご参加いただいた方には、抽選で特産品等のプレゼントも用意しています。多くの皆様の参加をお待ちしております。
2つ目は、「メタバース空間を活用した球磨焼酎の魅力発信イベント」です。球磨焼酎に馴染みのない遠方の方々にも、メタバース空間で、球磨焼酎の蔵元や球磨焼酎案内人によるトークセッションの様子などを、体験いただくことで、球磨焼酎の魅力や美味しい飲み方をお伝えします。
また、事前にSNS等で情報を拡散させることで、ウェブ関心層と呼ばれる若い世代にも、球磨焼酎の新たなファンになってもらえることを目指しています。
なお、現地会場で球磨焼酎の試飲も用意しておりますので、県内の球磨焼酎ファンの皆様にもぜひ御参加いただきたいと思います。
発表項目
『さかなクン』タイアップ水俣・芦北の魅力体験イベントの開催について
蒲島知事
次の発表です。
昨年「みなまた・あしきたギョギョギョ大使」に就任していただいた『さかなクン』とタイアップし、来年の3月2日・3日に、水俣・芦北地域の豊かな海の魅力を体験できるイベントを開催します。
イベントでは、目玉企画として、ショートフィルム「ハコフグとみなまたの海」を全国に先駆けて上映します。
『さかなクン』が書き下ろした絵本「ハコフグのねがい」を原作にしたストーリーで、「みなまたの海」を目指す冒険が描かれています。
制作は、映画「Always三丁目の夕日」をはじめ、多くの有名な作品を手掛け、2009年には「つみきのいえ」でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した株式会社ロボットが担当します。
ほかにも、磯の観察会や不知火海に生息する生き物の写真・パネル展示、地元飲食店によるマルシェなどを予定しており、当日は、『さかなクン』にもイベントに参加していただきます。
マルシェに参加いただける飲食店の募集やイベントの詳細は、後日県のホームページなどでお知らせいたします。
多くの皆様のご来場をお待ちしています。
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発表項目
海外向け「くまモンクイズ」について
蒲島知事
次の発表です。
くまモン、入っておいで。
Tsmc進出により、国内外から注目が集まっている本県において、「くまモン検定」を、海外の方にも楽しんでいただけるよう多言語化した「くまモンクイズ」を、新たに12月1日からスタートします。
クイズの問題は、英語と、中国語の繁体語、簡体語の3つの言語で用意しており、くまモン検定と同様に、スマートフォンやパソコンから参加できます。気軽にチャレンジできるよう、設問数は10問としました。
出題のイメージはこちらです。これは英語版ですが、熊本城の写真がどれかを選んでもらう問題です。答えには解説もつけることで、熊本の魅力を発信いたします。
また、受験していただいた皆様には、特典として、スマートフォン用くまモンオリジナル壁紙をプレゼントします。このクイズを通じて、改めて海外の方々にくまモンのことを知っていただき、本県への誘客につなげたいと考えています。
最後に、くまモンからも一言。
【くまモン隊】
「くまモンクイズ」で、海外のみんなにボクのことを、もっともっと知ってほしかモン!
蒲島知事
私からは以上です。
質疑応答
「こども図書館」の名称及び名誉館長等について ・その1
(幹事社)
まず、今日発表いただいた内容から一つご質問させていただきます。宮崎美子さん、(こども)図書館の名誉館長についてですけれども、具体的に宮崎さんの仕事の内容というか、そういったところあればお教え願いたいです。
蒲島知事
はい。宮崎さんはご存知のように熊本地震や豪雨災害の際、朗読や被災地訪問など、様々な(復興イベントで)ご協力をいただきました。その宮崎さんの知名度や発信力をお借りしながら、「こども本の森 熊本」を新たな熊本の宝として県民の皆様に末永く愛されるようにしたいと考えて、名誉館長への就任をお願いしました。
活動内容としては、イベント、式典などにご出席いただく予定で、「こども本の森 熊本」のPRはもとより、図書館の効果的な活動に向けてもご助言をいただきたいなと思っています。皆さんもご存知のように、宮崎さんはその方面でもとてもたくさんの知識を持っていらっしゃいます。
任期は就任から3年というふうに予定していますけれども、再任も想定しています。そういう形で宮崎さんには名誉館長として活躍していただきたいなと思っています。
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質疑応答
知事の去就について・その1
(幹事社)
先日の知事会見にて、知事から、12月の定例議会で議員から質問があった場合に去就についてお答えする、というお話ありましたけれども、12月議会は1日から始まって、開会から知事の表明する場というのはあるかなと思うんですけれども、なぜその場ではなく議員からの説明に答えるという形をとられるのでしょうか。
蒲島知事
そういう形でお答えしたいと毎回言っておりましたので。質問があればお答えするという形でやりたいなと思っています。
(幹事社)
これは何かしら意味はあるのでしょうか。いわゆる開会の時に所信表明されるかと思うんですが、そこで話されるというところと、議員からの質問に答えるというか、これどう違うのでしょうか。
蒲島知事
私にとっては同じことです。
(幹事社)
ということは最初に表明をされるということもあるんですか。同じということは。
蒲島知事
いや、私は約束を守りますので、議員から質問があれば、それに対してお答えする形で私の意思表示をしたいというふうに思っています。
(幹事社)
なんかそこに、すみません、うがった見方かもしれませんけれども、議員をちょっと慮ったとか、そういうのはあるんですか。
蒲島知事
そういうことはありません。そういう形で議員の方のご意見も聞きながら、そして、それに対してお答えするという形。議員の方々に対してお答えするというのは、県民の方々にも答えるということです。そういう形で今回はやらせていただきたいなと思っています。
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質疑応答
熊本市の私立高におけるいじめ重大事態について・その1
(幹事社)
あと、一部報道で、市内の私立高校で、重大事態の認定がされておりますけれども、当初学校側は認定をしておらず、県から複数回促したというところで出ておりますけれども、ここら辺の事実関係と、あと知事の受け止めについてお聞かせください。
蒲島知事
県ではこれまで学校に対して、被害生徒のケアを十分に行うこと。当事案をいじめ重大事態であると認識して学校の組織的対応及び第三者委員会による調査・対応を行うこと。第三者調査委員会では、調査内容について被害者側を含めた関係者への説明、理解を得た上で、調査を進めることを助言して参りました。そして学校からは、重大事態発生の正式な手続きを進めたいとの意向が示されたと聞いております。
被害に遭った生徒さんが安心して登校できるよう、引き続き学校の対応状況を確認するとともに、適時必要な助言を行って参りたいと思います。
これは私の考えなんですけれども、実際これを担当しているのは教育委員会で、教育委員会は来ていますか。
【担当課】
教育委員会じゃなくて、私学振興課で。
蒲島知事
はい。じゃ、そういうことだそうです。
それがこれまで重大事案に認定しなかったということについての、私の県知事としての思いを述べた次第です。
【担当課】
私学振興課でございます。
これまでの経緯としましては、昨年の6月だったと思いますけれども、事案が発生。
発生後、当課の方に口頭を含め、数回報告はあっております。
その内容としましては、いじめ事案発生後の学校の事実確認、加害生徒への指導と処分、加害生徒から被害生徒への謝罪、専門家によるカウンセリング等の被害生徒への支援、あと学校の対応等についての報告というものでございました。その後(今年度に入ってからは、)学校側と3回程、 対面で協議をしてきたところでございます。
その中で県としては先程知事からご説明しましたけれども、被害生徒のケアを十分に行うこと、この事案をいじめ重大事態であると認識して、学校の組織的対応及び第三者委員会による調査・対応を行うこと、3つ目として第三者調査委員会では、調査内容について被害者側も含めた関係者へ説明、理解を得た上で進めることを助言して参りました。
また、今年の9月6日には、法人理事長宛てに同内容の文書を発出してきたところでございます。
県としましては、欠席日数だけではなく、様々な状況から、学校が重大事態と認識すべきものというふうに考えまして、今申し上げたような助言を行ってきたところでございます。以上です。
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質疑応答
熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その1
(幹事社)
もう一問。旅行割、助成事業についてなんですけれども、第三者委員会の、この間も、先日の記者会見でもありましたけれども、現時点でどういった形で調査が行われているのか、また、議会もそろそろ始まりますけれども、いつぐらいまで、まとまるものなのかというところについてお教えいただきたい。
蒲島知事
どういうふうに審議が始まり、どういうふうに審議が行われているかというのは、私自身がずっと言っておりますけれども、第三者委員会に関与すべきではないと思っていますし、その状況については全く、私自身も把握していません。どのような形で、いつ頃というのまでも含めて、それは第三者委員会で決められるものだと思います。
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質疑応答
Tsmc進出に伴う近時の状況について
(幹事社)
また別件で、先日Tsmcの第3工場の進出も熊本で、という報道がありましたが、それについての知事の受け止めをお願いします。
蒲島知事
はい。メディアで報道されました。正式には私は何も聞いていません。ただ、そうなればうれしいなという気持ちはあります。
(幹事社)
まだ、そういう何か打診とかを受けているわけでもないという。
蒲島知事
まだありません。
(幹事社)
今後、その第3工場となれば、また何か県としてのやり方も変わってくるんでしょうか。
蒲島知事
それが、どういうものであるかも全く把握できていませんし、正式でも何もありませんので、その段階で県も国も動き始めるんじゃないかなと思います。
質疑応答
JR肥薩線の復旧について・その1
(幹事社)
また、別件で、先日、肥薩線の再生協議会が行われました。県としては最大限の支援ということの表明と、あと市町村長の合意というものもありましたが、検討会議も年内には予定されていると伺っています。復旧に向けたボールというのは、今後はJR側に移っていくということになるんでしょうか。
蒲島知事
やはり多くの自治体の方々が違った方向もありましたし、その中で県はどういうふうな役割を果たすかということで、これまで一生懸命やって参りました。県と自治体の方々が同じ方向といいますか、その合意点が次第に見え始めたのかなと思いますし、国もしっかりと支援するという方向性は決めていると思います。これからは全体的に、国、県、それから地方自治体とJRさんが話し合う方向になっていくのかと思います。
(幹事社)
追加で、知事の任期4期目中には、というような言及もこれまでにはあったと思うんですけれども、年度内にそうした復旧に向けての何らかの意思なり確認というかは。
蒲島知事
知事の任期中ということで、皆頑張って、知事部局、それから自治体の方々、国の方も頑張っていただいているのかなと思います。任期はまだ4月までありますので、5か月近くありますから、この期間中にしっかりと頑張りたいなと思います。
質疑応答
川辺川の流水型ダムの環境アセスメントについて・その1
Q
知事の冒頭の発言でもあったんですけれども、流水型ダムの準備レポートの公表をされました。中身色々話題ではあるんですけれども、整備への影響があったり、それに対する保全対策等も示されているんですが、それに対して本当に環境が守られるのかといった懸念の声というのも住民の方からは上がってはいるんですけれども、知事として現状で、どのように受け止めてらっしゃるのか。
蒲島知事
(川辺川ダム)砂防事務所の齋藤所長とお会いしたり、お話を聞いたりして、また国土交通省の方とも話をしたりしますけれども、もともと私は法令に基づく環境影響評価というお願いをしたときに、皆さんは、そんな法令に基づくということはできないだろうと思ったというふうな感想を述べられたことがありました。
でも、齋藤所長にお聞きしたら、私がお願いした「極限まで環境に優しい」、極限をどう見るかということはやはりとても重く受け止めていらっしゃると。そういう感覚で今一生懸命やっていますということで。この前、あそこに模型のダムが出来ていましたけれども、あれを見せてもらったときに、これまで想像もできなかったような流水型ダム、それを構想していらっしゃるなと。それはただ法令を守ると、法令に沿ってというようなことではなくて、極限まで環境に優しいのは何かということを一生懸命やってらっしゃる。国もこれを一生懸命応援していらっしゃる。その気持ちを聞いて、大変感謝申し上げた次第であります。
国の検討委員会の委員長からも、よく取りまとめられていると評価されており、国において真摯に検討いただいたものと受け止めています。
そういう意味では、今回の流域治水協議会において、私はしっかりと内容を確認しておきたいと思いますし、環境アセスメントの手続きにかかわる知事意見を述べる機会は今回が最後となります。今後も住民の皆様、それから流域市町村長、県の環境影響評価審査会等の意見を踏まえて、知事意見を取りまとめて参りたいと思っています。
私は、国も県も、それから担当者も同じ方向に向かっているという感じがしました。私は最初に、環境に極限まで優しくしてほしいというお願いをしましたので、その極限の意味を国もしっかりと受け止め、ただ法律上とか法令上とかそういうことではなくて、実際にシミュレーションをやったりして、皆さんもぜひ現場にある、この流水型ダムのモデル【模型】といいますかね。かなり大掛かりなモデル【模型】なんですけれども、その施設説明会も多分あると思いますので、県民の皆様、それから流域市町村の皆様もそれを見て、ぜひよく考えていただきたいなと思っています。
また、準備レポートが公表されたということでありますので、これまで国をあげて環境への影響を極限まで抑えた構造を追求されてきましたので、そうなっているかどうかというのを皆で検証することが大事じゃないですかね。
Q
今後、市町村長の意見などもあると思うんですけれども、今まだ、ダムの賛否について明言をしていない五木村からも今の内容では、知事としてはどうですか。理解を得られるというふうに思われますか。
蒲島知事
まだ五木村の方々は、まず村の発展の状況、それから安全の両方を、村の振興と流水型ダムの村への環境影響が明らかになった段階で、かつ村民の理解が得られたときに流水型ダムに対する最終判断を行いたいということであります。だから今後、五木村において、準備レポートの内容や国からの説明を踏まえて判断されるのだと思っています。
県としては引き続き、国とともにダムが五木村に与える環境影響等について丁寧に説明を尽くすとともに、それと無関係に村の振興を約束しましたので、しっかりと進めて参りたいと思います。
質疑応答
JR肥薩線の復旧について・その2
Q
先程、肥薩線の話もあったんですけれども、地元の方の支援体制が固まって、いよいよJRの、一方ではJRというのはずっと慎重な姿勢というのは崩していないと思いますけれども、そう簡単に復旧というのを引き出すことはできないのかなということも思いますが、どのように今後この交渉にあたっていく、この地元の体制が固まった段階で今後どのようにあたっていこうと思われますか。
蒲島知事
我々の行政側、それから流域市町村の皆様は、一生懸命にここまでのコンセンサスをとってきました。それを理解していただければ大変うれしいなと思います。
ただ同時にJRさんも株式会社ですから、将来にわたっての運営を考えられて、それをしなければ株主から批判を受けて、またマーケットから批判を受けるということになりますので、そういうことを我々は理解しながら一緒にやっていかなきゃならないなと思っています。
Q
先程の質問と重複になりますけれども、この4期目の任期中に目途を付けるということについて一定の、なんらかの目途を付けるということについては、知事はできるというふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
これを今、目指しています。まだあと4か月から5か月ありますので、これだけじゃなくて多くの問題も、目途をつけなきゃいけないという状況も残っていますから。それを毎回言っているようにそういう方向でやりたいなと思っています。
質疑応答
県内家きん飼養施設への消毒命令について・その1
Q
鳥インフルエンザについて、お尋ねします。
県内の養鶏場では一昨年に発生してしまいましたが、先程もお触れになった3日前の佐賀での発生を受けて、知事の今の危機感というものを改めてというのと、消毒命令を出すにあたっての県内で発生させてはならないといった決意や思いといった辺りをひと言をお願いします。
蒲島知事
先程も述べましたように、まず農場にウイルスを入らないようにすることが一番大事ですよね。そのために消毒命令を、多分他所はまだ出していないと思いますけれども、出して、そしてこの消石灰を鶏舎の周囲にしっかりと散布して、入らないようにする。
入らないようにというのは、ウイルスに対する警戒心、対応でもありますけど、やっぱり人々もあれを見て自分たちも他所の鶏舎に入っちゃいけないという、そういう警戒感を持つこと。実際に消石灰を撒く段階で、養鶏農家の方々も注意しなきゃいけない、頑張らなきゃいけないという、そういう気持ちになることがとても私は大事だと思っております。それが一番、第一に重要なことで、第二、第三というのは先程述べましたけれども、とにかく対応にあたっては、このくらいならいいだろうとかそういうことじゃなくて徹底的にやることが大事ですよね。対応力がとても問われるというふうに思います。
先ほど3つのステップ、ここに書いてあるとおり、今までもこのステップでしっかりやってきた時は良かったような気がします。農場に入れるなと。
それから、万一入ったときに的確に初動を行う。それは、熊本県はウイルスが本当に鳥インフルエンザかどうかという検証を国に求める前に、それは必ず鳥インフルエンザという前提の下に人員を集めて、それで結果が出たときはすぐ、熊本県だけでできないときは自衛隊にもお願いして一緒にやる。大事なことは、空振りを恐れるとダメなんです。こんなことしたら、空振ったらどうしようかと。まだ鳥インフルエンザじゃなかった時に、人を集めて、そこで待機するわけです、半日くらい。空振りを恐れると、こんなことしていいのかとなるけれども、それを恐れないでやることがとても大事だと。それが的確な初動に結び付くという。そういう観点から常に鳥インフルエンザには対応しています。今までそれがとても効果的だったというふうに思いますけれども、また違ったウイルスかもしれないので、そういうことを踏まえながら弾力性のある対応もしなきゃいけないなと思っています。
質疑応答
川辺川の流水型ダムの環境アセスメントについて・その2
Q
何点かお伺いしたいんですけれども、まず一点目が川辺川ダムの流水型ダムのことなんですけれども。
蒲島知事
何点かあるんだったら一点ずつよろしいですか。
Q
分かりました。一点目は、今後知事が直接五木村に入ってご説明をされる機会というのがあるのか、するお考えがあるのかということをお伺いしたいです。
蒲島知事
私が説明するというよりも五木村の方々とお話しすることはあると思います。皆さんの率直なご意見を聴く機会はあると思いますけれども。説明は国がきちんとやると思いますし、それが一番正しい方法だと思います。
五木村についてはそうです。
質疑応答
熊本市の私立高におけるいじめ重大事態について・その2
Q
二点目は、先ほどの私立高校のいじめの問題なんですけれども、県が再三重大事態と認定するように助言をしたにもかかわらず、学校がしなかったということについて知事のお考えをお聞かせください。
蒲島知事
初期ではそうであったと思いますけれども、学校からは重大事態発生の正式な手続きを進めたいという意向が示されたと聞いております。今の段階はそれでよろしいですか。向こうは県の意向に沿って動き始めるということですか。
【担当課】
先週末に重大事態と認識して調査を進めるということで、連絡をいただいております。
蒲島知事
そういうことで、県の意向を学校も汲んでその方向に進んでいるというふうに私は聞いております。
質疑応答
JR肥薩線の復旧について・その3
Q
もう一点、肥薩線のことなんですけれども、今回復旧費に関しても維持費に関しても、県は大きな負担を負うとご決断をされたと思うんですけれども、流域ではない市町村も県内にはあると思うんですが、その負担について知事のお考えと、他の自治体の理解を得られるというお考えかどうか教えてください。
蒲島知事
県が大きな負担をしたということは、これは県民の負担でもあるんですね。県民の多くが、この肥薩線はやはり復旧すべきだというふうに考えていただくこともとても大事ですので、私はそういうふうな方向で今考えておりますけれども、県民の痛みということを常に考えながら、私も今までずっと判断をしています。これをきっと流域住民の方々も分かっていただいたと思うのが今の状況じゃないでしょうか。
県も、そういう方向でいくということを国にお願いして、国の支援もしっかりやってもらいたいと思っています。
最終的には、JRさんが株式会社としての役割もありますので、それを踏まえながら良い形で結論が出ればいいなと、このように思っています。
質疑応答
県内家きん飼養施設への消毒命令について・その2
Q
鳥インフルエンザの件について確認したいんですけれども、石灰の配布はこれからという理解でよかったのかというのと、いつまでに消毒の措置というのを終わらせてほしいと知事としてお考えですか。
蒲島知事
これについては、農林水産部からお願いします。
【担当課】
畜産課でございます。本日告示ということで、消毒命令については12月の1日から2月の29日までという期間を決めて消毒命令を発出します。
石灰の配布については、1日以降に順次農家の方に届くように配送するというような作業があります。ただ農家の方については、日頃から石灰の散布とか特に今の期間については、十分それぞれの農家で石灰を既にまいていらっしゃると思いますので、引き続き4月30日までの特別防疫対策期間の間は必ず消毒をしてもらうと。今回の命令期間の2月29日までもしっかりやっていただくというようなことで考えております。以上です。
質疑応答
知事の去就について・その2
Q
先程、質問で出ていたのと重複で恐縮なんですが、県知事選挙の関連でお伺いします。
先日、投票日が来年の3月24日ということで決まりました。加えて先程質問にも出ましたように、12月議会というのも間近に迫っている中で、一応改めての確認なんですけれども、先日の会見で知事、方向性、自身の去就については熟慮されておられるというお話でしたけれども、その後方向性などが見えられているのか改めてお願いします。
蒲島知事
熟慮を重ねれば重ねるほど様々なご意見をいただいておりますので、まだ熟慮しているところです。
質疑応答
「緑の流域治水」について
Q
ダムにも関連するんですが、「緑の流域治水」を提唱されて3年余りが経ちますけれども、この間取材もさせていただいているんですが、中学校や高校での「緑の流域治水」の出前授業が今年度から始まっていると思うんですけれども、「緑の流域治水」というのが定着しているのかというと、なかなか難しい理念であるのかなと思うんですが、現時点で「緑の流域治水」というものがどのような形で県内に広まっているというふうに知事はお考えで、もし足らないとすればどういったことをもっとしないといけないと感じていらっしゃるでしょうか。
蒲島知事
「緑の流域治水」については、私は東大で先端科学技術研究センターというところのボードメンバーをやっていまして、そこでボード会議の時に言われたのは、治水の専門家の先生から、「これぜひ成功させてほしい」と。それはなぜかというと、これによって世界中の治水が変わってくるんじゃないかと。
結局これまでは治水といえば川ですよね。川の水をどうコントロールするかと。そうじゃなくて今、日本の流域治水は、これは川もそれから道路も鉄道も駅もそれからそこの村の文化も全部川だと。そういうふうな形で総合的に川を治めようというそういう大きな構想なんですね。
そういう意味では、世界的にはとても期待されていて、それについて国も必死で今やっています。
先ほど齋藤所長の話をしましたけれども、見にいらっしゃったら分かると思いますが、現地に大きな模型が作られて、それに沿って、例えば水がこれだけ出た時に、流水型ダムですればここまで来ますと、水がね。
でもそれは、今までと比べると、とても水害が少ない形。それから水害になってもすぐに引くというそういうシステムをとられていますので、そういうのをもっと皆さんに知っていただくと。
多分、これからその努力をされるんじゃないかなと思います。国の方もね。そういう意味では、これからぜひ流域の方々も一緒になって、それを見ていただいて、これだったら安心だと思った時に初めて、流水型ダムというのが、今の流域治水の、例えば遊水地とかそういうことに関しては、かなり進んでいますよね。河川の掘削とかできることを一生懸命やっている。ただやはり一番最後に流水型ダムがあって初めて全体が本当にできるというものですから、それに対する賛否がこれから問われるんじゃないかなと思っています。国も県も一生懸命にこれについてやっていきたいし。
それから村の振興というのが、もう一つの大きな五木村、相良村の願いでもありますので、それは 全くダムとは無関係にどんどんやっています。やっていることはわかっていただいていると思っていますけれども。それとやはり、これを極限まで安全だと、極限まで考えられた治水の対策だというふうに理解していただくよう、これから我々も努力していかなきゃいけないなと。今それが始まったという、それが私の認識で、子どもたちにも分かってほしいしね。これは日本の治水対策としてはとても大きなプロジェクトだというふうに思います。
質疑応答
熊本県旅行助成事業「くまもと再発見の旅」調査委員会について・その2
Q
先程も出ました旅行助成事業の第三者委員会の関係でお伺いしたいんですけれども、報道で公益通報者の方が求める形で、第三者委員会が公益通報者の方に聞き取りを行ったということが報道されています。
先日は知事も第三者委員会については関与をしていないし、特に意見を申し上げることはないというふうにお話されていますが、一方でやはり第三者委員会と謳っている以上、当事者の方が求めるまで、お話を聴取しないというのはスタンスとしてどうなのかという疑問をもっておりまして、事務局を担う県の知事のお立場として、この第三者委員会のあり方というか姿勢について思うところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
蒲島知事
はい、皆さんもこれまでの経過を理解してほしいです。最初に、この問題が明らかになった時に、私に対して、多分水俣あたりに出張中だったと思いますけれども、こういう問題が起きました、どうしますかと聞かれました。その時、私はまだ何も内容が分かっていないから内部で調査させて、それに対応しますと言ったんです。そしたらすぐレスポンスがありました。メディアかあるいは代理人の方だと思いますけれども、県庁は口を出すなと、第三者委員会でやってくださいという、そういう皆さんの意見もあったと思います。
私がその時に、第三者委員会に任せると言った時に、何もしないんですかという話が出て、いや、そうじゃなくて、第三者委員会を決めたり、あるいはこれまで持っている資料を第三者委員会に出さないと理解できない部分があるんです。
私は何回も有識者会議を行っていますけれども、有識者会議の方々の意見は最大限尊重するけれども、エキスパートの意見はやはりあるからそれを提供する。
そしたらそんなことはするなという話でしたよね。
そしたらそうであれば、一切、第三者委員会に任せますということで第三者委員会を決めて。今になってなんですか。第三者委員会に何も言わないのはおかしいって、それはおかしいんじゃないの。
私は一貫して、皆さんのご意見を聞きながら、第三者委員会に全てを任せるということで言って参りましたし、そのスタンスはずっととるつもりです。
Q
わかりました。なので、そうしましたら第三者委員会、どういった議論があるのか詳細には把握はできておりませんし、明らかになっていませんが、議論の内容について、当事者にお話をこれまで、第三者委員会チームに伺わなかった、そういう姿勢について知事から何か申し上げることは特にはないということ。
蒲島知事
全くありません。
私はそれも含めて第三者委員会の方が決めていただいて、それを、多分報告いただくと思いますので、それについて公表したいというふうに思います。
質疑応答
知事の去就について・その3
Q
最後にもう一問。
知事選の去就についてなんですけれども、12月の議会で質問があれば答えるというふうにお話がありましたが、ここでは出馬の有無についてイエスかノーかというような形で答えるのか、それとももうちょっと漠然とした方向性についてお答えになるのか、今、お考えをお聞かせください。
蒲島知事
質問次第だと思います。
Q
質問次第ということについてもうちょっと詳しくお聞かせください。
どういったものですか。
蒲島知事
その質問に対しては、県民を代表する議会の質問ですから、しっかりとお答えしなければいけないなと思っております。
Q
その関係で、去就について改めて判断のポイントというのはどこにあるかというふうに、今、お考えでしょうか。
蒲島知事
それは前から言っているように、この熊本の、私は良い方向に向かっていると思いますので、この良き流れを強く大きくするためにはどうしたらいいかということ、それから県民の幸福量の最大化、ずっと知事になってから県民の幸福量の最大化を考えてきましたので、自分のことよりも県民のことについて、どういう判断が一番良いかというのは、私の最終的な判断のポイントです。
【担当課】
(広報グループ)ありがとうございました。そろそろ時間も参りますので、最後に。
蒲島知事
最後にさっきから手を挙げているのでどうぞ。
質疑応答
知事の去就について・その4
Q
知事選について重ねて恐縮なんですけれども、立候補者が今、弊社が把握している限り誰もいないと思う、誰も手を挙げていない状況だと思うんですね。前回は早い段階で他の候補者も出ていたと思います。様々な立候補者がいないとなかなか必要な議論も活性化しないのではないかと思いますが、この立候補者がいないという状況についてはどのようにお考えでしょうか。
蒲島知事
それは私に問われても、何とも言い難いです。立候補したい人がいれば手を挙げることが一番大事で、立候補者がいないから誰も手を挙げないということが、正当化できないと私は思います。出たい人がいればどんどん手を挙げる、それが今までの選挙だったし、私のときの選挙、最初の選挙の時もそうだったと思います。
だから私もまだそういう意味では迷っていると。私が手を挙げるまで誰も出ないからおかしいというのがおかしいと思います。
Q
政治学者としては、どのようにお考えですか。
蒲島知事
政治学者としても同じでしょう。それは立候補するかどうかは様々なことを考えて、立候補したいと思った時に手を挙げて、私も最初手を挙げた時に多くの人が反対されて、何で立候補するんだということだったけれども、私は熊本県で生まれ、熊本県で育って、そして熊本県民のために働きたいとあの時に思ったから、反対が多くても手を挙げたということであります。
そこで、やはり色んなことを政治学者として考えるけれども、手を挙げる決断というのは、とても大きかったなと思います。
Q
前回は9月議会で表明されていると思うんですね、4期目の出馬の時は。今回12月にずれ込んだ理由というのは何かあるんですか。
蒲島知事
前から言っているように、今とても熊本県って重要な時期なんですよね。
というのは、Tsmc、それから創造的復興、それからこれからどうするかといった時に、私が 何か決めた瞬間に、一番大事な時期に多くの動きがぴたりと止まってしまうような気がするんですね。
だからそれはよくないんじゃないかと。どんどん進めることは進めなきゃいけない、そういう意味ではあそこで、私の決断で熊本県全体がストップするというのは一番避けたかったことです。
Q
知事の中で既に決断って決まっているんですか。
蒲島知事
まだ考えています。
(幹事社)
知事、ありがとうございました。