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令和5年(2023年)8月2日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:令和5年(2023年)8月2日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
質疑応答
- 百間排水口について・その1
- 百間排水口について・その2
- Jasm セミコンテクノパーク周辺バスについて・その1
- Jasm セミコンテクノパーク周辺バスについて・その2
- 知事選への対応について・その1
- 知事選への対応について・その2
- 百間排水口について・その3
- 湧心館高校(通信制)PC1人・1台について
- 7月2日からの大雨について
- 令和4年度県産農林水産物等の輸出実績について・その1
- 令和4年度県産農林水産物等の輸出実績について・その2
- 百間排水口について・その4
- 百間排水口について・その5
- 東陵高校のいじめ調査委員会調査報告書 要望について・その1
- 東陵高校のいじめ調査委員会調査報告書 要望について・その2
- 東陵高校のいじめ調査委員会調査報告書 要望について・その3
- 知事選への対応について・その3
- 知事選への対応について・その4
- 知事選への対応について・その5
コメント
新型コロナウイルス感染症関係について
蒲島知事
最初のコメントです。
新型コロナウイルス感染症は、5月8日から5類感染症になりましたが、本県の感染者数は増加傾向が続いています。
現在、全数調査ではなく、県内で新型コロナウイルス感染症の診療を行っている80の「定点医療機関」において、毎週の感染者数を調査しています。
先週1週間の一定点当たりの感染者数は速報値で24.66人で、第8波のピーク時の半数程度です。これを以前の全数調査に単純に置き換えると、1日当たり約2,100人の感染者数に相当し、感染が拡大しているといえます。
また、これから夏休みやお盆で人と会う機会も増えてきますので、私から県民の皆様に二点お願いがあります。
一点目のお願いです。夏休みやお盆の帰省などで、高齢の方と会う場合や、大人数で集まる場合は、特に感染予防を心がけていただきますようお願いします。
定期的な換気やこまめな手洗い・手指の消毒は基本的な感染対策として、引き続き有効です。
医療機関を受診するときや高齢者施設などを訪問するとき、混雑した電車やバスに乗車するときはマスクを着用するなど、お一人お一人が気をつけていただきますようお願いします。
二点目は、救急車の適正な利用のお願いです。
病状が軽く、緊急を要さない場合は、平日の診療時間内に医療機関を受診いただくようお願いします。
夜間などに救急車を呼ぶかどうか迷う場合は、夜間安心医療電話相談#7400、また、子ども医療電話相談#8000にご相談ください。
また、自宅療養中に体調が悪化した場合は、受診した医療機関か健康相談専用ダイヤルにご相談ください。
県民お一人お一人が、重症化リスクが高い方など、周りの方に対する思いやりの気持ちをもって、感染対策を行っていただきますようお願いします。
発表項目
令和4年度県産農林水産物等の輸出実績について
蒲島知事
次の発表です。
令和4年度の県産農林水産物等の輸出実績を発表します。
令和4年度の輸出額は、多くの国や地域での経済活動の回復を背景に、初めて100億円を突破し、過去最高となる105億4,000万円となりました。
これは生産者をはじめ、輸出に携わるすべての皆様の日々のご尽力と、県産農林水産物の品質の高さが評価された結果です。関係するすべての方々に、心より敬意を表します。
県では、令和5年度までに、農林水産物の輸出額110億円という目標を掲げています。
この目標達成に向け、今年度はバイヤーの招へい、現地の展示会出展による商談機会の創出、海外でのプロモーションなど、積極的に販路拡大にチャレンジします。
今後も関係機関と連携して、本県の誇る農林水産業や食品産業の発展のため、これまで以上に県産農林水産物等の輸出拡大に取組んで参ります。
コメント
「阿蘇」の世界文化遺産登録推進に向けた機運醸成について
蒲島知事
次の発表です。
県と阿蘇郡市の7市町村では、「阿蘇」の世界文化遺産登録に向け、一日も早い暫定一覧表入りの実現を目指しています。
自然と人々との共生により育まれてきた草原をはじめ、壮大で美しい景観の維持・保全や、機運の醸成などに全力で取組んでいるところです。
今月20日には、東京都内で「阿蘇世界文化遺産登録推進東京シンポジウム」を開催します。
「阿蘇」の魅力や価値、そして「阿蘇がなぜ世界文化遺産にふさわしいのか」を県内外に広く発信します。当日は、オンラインでも同時配信しますので、県民の皆様も是非、ご視聴ください。
また、東京のシンポジウムに先立ち、今月8日、県政記者の皆様を対象に、阿蘇の世界文化遺産としての価値を現地で理解していただくため、「阿蘇現地視察ツアー」を実施いたします。
多くの記者の方に、人々の営みによってつくられた、阿蘇の美しい景観を体感していただき、県民の皆様にはもちろん、全国に向けて発信していただければ幸いです。
今後も、このような取組みを通じて、「阿蘇」の世界文化遺産登録に向けた機運を高めて参ります。報道機関の皆様もぜひ、ご協力をよろしくお願いします。
コメント
百間排水口について
蒲島知事
最後のコメントです。
百間排水口の件について、私の方からご報告があります。
21日の県・(水俣)市共同の説明会後も、実務レベルでこれまで団体と協議を続けてきました。
そして昨日、現場保存の今後の進め方については、県・市でしっかりと検討し、団体含め市民の皆様に、説明を尽くしていくことで、樋門の扉の取り外しについて、御了解をいただくことができました。
取り外した樋門の扉は修繕も視野に、県で保管する予定です。
なお、取り外しの時期については水俣市との調整になりますが、今後の台風等のリスクも考慮して、できる限り早期に実施できればと考えています。
私からは以上です。
質疑応答
百間排水口について・その1
(幹事社)
知事のコメントにありました、最後の百間排水口について伺います。今回、21日の説明会の際にも、百間排水口、老朽化の危険性、その一方でレプリカでの現場保存には納得いかないという声もありました。
ただ、この一連の経緯が改めて百間排水口に光を当てるということになったということで、ある意味、関係の人たちにとっては改めていい機会になったという声もありました。
改めて今回の一連の経緯について、蒲島知事の受け止めをお願いします。
蒲島知事
先ほども述べましたように、21日の県・市共同の説明会後も実務レベルでこれまで団体と協議を続けて参りました。昨日、現場保存の今後の進め方については、県・市で連携のうえ団体及び一般市民の方も含めて説明を尽くしていくことで、樋門の取り外しについてはご了解いただいたところです。
取り外した樋門の扉については、修繕も視野に県で保管するという予定でありますけれども、先ほど申しましたように、取り外しの時期については、水俣市と調整になりますが、台風のリスクなどを考慮してできる限り早く実施できればと思っています。
丁寧に県と市とそれから団体の方々とそして市民の方々と協議を尽くしてきたということが、この解決に向かったのかなと思っています。
皆さんのご意見もたくさん聞きましたし、現場保存という英断をいただいた高岡市長にも改めて感謝申し上げたいと思います。
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質疑応答
百間排水口について・その2
(幹事社)
重ねてなんですけれども、住民の関係の団体の方からは文化的な遺産、遺構としても何か形に残すことはできないかという要望がありました。
これから県は、保管の方法等具体的に検討するということですけれども、このあたりの意向というのはどのように汲み取るご予定でしょうか。
蒲島知事
文化財登録というのが実現可能かどうかということですね。これから検討していかなければいけません。
例えば、文化財登録にはどんな課題があるのか。どんなやり方なら可能なのか。そういう可能性を県の方で探っていくことが大事だと思います。県としてはそのための調整を進めているところであります。
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質疑応答
Jasm セミコンテクノパーク周辺バスについて・その1
(幹事社)
発表項目にはないんですけれども、セミコンテクノパーク周辺の通勤バスの増便、Jasm経由ルートの新設、バスの運行が今日から始まりました。
まずは、これについては一定の渋滞緩和の期待もあると思うんですけれども、このことについての受け止めをお願いします。
蒲島知事
これから、バスの増便、それによる渋滞の削減(効果)がどのくらいあるかというのはしっかりと見ていかないといけないし、それでも足りないときはもう少し増便も必要かなと。
東京エレクトロンは相当な数の時間差出勤をしていただくということもありますので、いい方向に向かっているんじゃないかなと思います。
これは短期的な対策ですので、長期的にはこれから道路対策、時間はかかりますけれども、そういうものにもっていかないといけないというふうに思います。
ただ、いい方向に今向かっていると私は思っています。
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質疑応答
Jasm セミコンテクノパーク周辺バスについて・その2
(幹事社)
利用率を高めなければならないという課題がこれから出てくると思うんですけれども。
蒲島知事
私が聞いているところでは、十分利用率が高くなっていると。それで採算も十分、バス会社はとれているということでありますので、そういう方向であればもっと増便も可能でありましょうし、そういう経済的にペイするということはとても大きいんじゃないかなと思います。乗車率は上がっているというふうに聞いています。
具体的な数字について、担当者はいますか。
【担当課】
セミコンのバスもそうですけれども、今ソフト対策をかなり進められていまして、先ほど知事からもありましたけれども、東京エレクトロンも時差出勤を始められているということで、具体的な数字はまだあがってきていないんですけれども、かなり渋滞緩和に対する効果が出ているというお話を聞いております。以上です。
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質疑応答
知事選への対応について・その1
Q
幹事社からもう一問お願いします。知事選への対応についてお尋ねします。残りの任期も7か月あまりとなりました。現時点での知事の考え方、あるいは知事の考え方がある程度固まってきたのか、その点をお聞かせください。
蒲島知事
この段階で知事選はノーコメントとしたいと思います。いずれにしてもまだやるべきことはたくさんありますので、それが自然にできるような形でやりたいと思っていますので、知事選については今のところノーコメントとさせていただきます。
質疑応答
知事選への対応について・その2
Q
ノーコメントの中、恐縮なんですけれども、知事が検討するにあたりまして、どういう観点を大事に考えたいのかということ、あとはいろんな方から支援を受けていると思うんですけれども、どういった所とご相談していきたいかということございますでしょうか。
蒲島知事
支援していただく人もたくさんおられますけれども、その方々に対してもノーコメントというふうにお答えしています。
一番知事としてあるべき姿というのは、今とても良い流れが熊本には来ていますので、この良き流れを止めずにより大きく、そういう熊本になってほしいというふうに思っていますので、それを実現するのが知事の役割じゃないかなと思います。
(幹事社)
わかりました。ありがとうございます。それでは各社からお願いいたします。
質疑応答
百間排水口について・その3
Q
百間排水口について追加でお尋ねいたしますが、説明会では県と市がレプリカを現場保存するという意向を説明されましたが、知事のさっきのご発言にあった「樋門の扉は修繕を視野に」というのは、これは別の場所で修繕したものを置く、ただ現場ではレプリカで保存するよという意味なのか、修繕した今ある樋門を現場保存することも視野にという意味なのか、ちょっとそのあたりもう一度説明お願いします。
蒲島知事
はい。実はこの情報は今朝入ったものでありますので、実際に協議した担当者からお願いします。
【担当課】
はい。それではご説明させていただきます。
レプリカというのは、当初、こちらの方から提案させていただいて、その後、扉については、活用ということで団体からご意見をいただいたと思います。どんな方法で保存するかについては、特にこちらの方では固めているわけではなく、団体の意向を踏まえながら、現場に取り外したものを修繕して戻すのかとか、レプリカを置くのかなど、その辺りは柔軟に検討していきたいというふうに考えております。
質疑応答
湧心館高校(通信制) PC1人・1台について
Q
今日発表項目にはないんですが、教育現場に配備されている一人一台の学習用端末について質問いたします。
熊本県内の高校でも一人一台の専用端末を使った教育活動が広がっていますが、県立学校で唯一、湧心館高校の通信制課程に専用端末が配備されていないことを先日、報道しました。文部科学省は専用端末の整備をほぼ終えた小中学校だけではなく、高校についても誰一人取り残さないデジタル社会の実現のため、通信制を含め端末の整備は重要と指摘しています。湧心館高校の通信制課程のみ専用端末が配備されていないことへの受け止めと、今後の対応についてお聞かせください。
蒲島知事
一般的に蒲島県政では誰一人取り残さないというのが基本的な県政の方針です。ただ、今のケースに限って一校だけということについて、私も初めて知りましたので、ちょっと担当者の方でお願いします。
(広報グループ)
本日、担当課が参っておりませんので、改めて御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
蒲島知事
直接、情報を出してください。それでいいですか。
Q
はい。
質疑応答
7月2日からの大雨について
Q
まず、6月末からの水害の件なんですけれども、県内もかなり大きな被害が出ていて、激甚災害の指定を求める動きが色々なところから出ていると思うんですけれども、北部九州の方は、何かそういう話が国からも具体的に出ているんですけれども、熊本は今、動きとして何かあるんでしょうか。
蒲島知事
熊本は他の地域と比べると、幸いにして今回被害が少なかったというふうに感じています。ただ、この激甚指定については今、県庁内でも様々な動きがあると思いますので、すみませんけれども、担当者から今の現状をお知らせください。
【担当課】
今、激甚の指定のことにつきましては、内閣府の方から先月の27日付で指定の見込みというふうなことで出ております。
ただ、幅広く期間を取ってやっていくというふうなことでございますので、今後はまたその動きについて注視して参りたいというふうに思っております。
また、国の方にも激甚指定のことについては要望をしているところでございます。以上でございます。
Q
今の回答に対する知事のご感想を。
蒲島知事
これは国との交渉とか様々な要因があると思いますけれども、そういうやはり農家の人の被害、それから災害による被害がきちっとあれば、担当者もそれを真剣に受け止めて、農家の人のために頑張って欲しいなと思います。
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質疑応答
令和4年度県産農林水産物等の輸出実績について・その1
Q
もう一点あるのですが、輸出の件で、毎回、国別の農畜産物(の輸出で)は香港が1位だったのが、今回台湾が1位と。何か、Tsmc絡みとかいろいろあるんですけれども、知事として何かこれについてのご感想というのはございますか。
蒲島知事
やはり台湾と熊本の関係がとても深くなったことはプラスになっていると思います。台湾、特に今回は、牛肉の拡大が牽引しています。農畜産物の最大の輸出先が台湾ということでありました。だから熊本の牛肉が台湾で注目を浴びているということではないでしょうか。
それから、台湾の残留農薬基準が熊本と異なるために、さらに輸出を拡大するためには、生産段階から対策を進める必要があるんじゃないかと思っています。引き続き、台湾の基準に対応した産地を育成する取組みを進めることで、牛肉以外でも他の農畜産物についても、まだ拡大の余地があるじゃないかと。とりわけ今、台湾との関係がとても良くなり、更にこれから拡大するというふうに思っていますので、そういう観点から、やはり台湾の求めるもの、例えばイチゴなど、台湾の残留農薬基準に沿った生産を行うことが必要じゃないかと思っています。まだ伸びしろはあるということです。
質疑応答
令和4年度県産農林水産物等の輸出実績について・その2
Q
もう一点ちょっと関連してなんですけれども、福島第一原発の排水問題で、香港での検疫が厳しくなって、水産物だけではなくて農畜産物も厳しくなっているという情報もあるんですが、短期的な影響はないと思うんですけれども、ちょっと今の時期は多分、香港への輸出は少ないですので。ただ、長引けば影響は出ると思うんですけれども、そのあたりの知事のお考えを聞かせてください。
蒲島知事
水産物は中国・香港での輸入検査体制が強化されたと報道されていますし、県内の一部事業者では、中国・香港向けの輸出が7月中旬から停止しているという報告もあります。農産物も、香港で日本産の野菜などへの通関検査が実質的に強化されるという報道もあります。引き続き国の動向を注視していくとともに、情報収集を行って、その影響がないように頑張っていきたいなと思います。
質疑応答
百間排水口について・その4
Q
百間排水口について繰返しになってしまうんですけれども、二点お伺いしたい点があります。一点目が、今回保存を求めていた方の中には、胎児性患者の方もいらっしゃったと思います。水俣病の原点として残してほしいというお話でしたが、こうした患者の方について改めて思うこと、知事のお考えを教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
まず、撤去に反対する意見があって、その後こういう問題が争点化したということが言われていますけれども、それに対して県と市は共同歩調を取って、そして、団体の方々の希望に沿った形で今回このような解決に至ったんだというふうに思います。たくさんの団体がありますので、100%皆さんが同意したかどうかというのは私にはわかりませんけれども、担当者はどうですか、感覚は。
【担当課】
かなり団体の方にこまめに意見をお聞きしたりしましたので、その辺りの調整というのは良好に進んだかなという印象を持っております。今後、保存に向けた意見もいろいろ持っていらっしゃるように伺っておりますので、その辺りの意見も丁寧に聴きながら進めていきたいというふうに思っております。
質疑応答
百間排水口について・その5
Q
もう一点お伺いしたいんですけれども、水俣市は当初、議会でちゃんと説明せず撤去しようとしていたという部分もあると思います。あまり市民の方に説明せず撤去しようとした当初の市の対応についてはどう思われますでしょうか。
蒲島知事
市の対応について私からコメントするというのはありませんけれども、ただ、我々は県の希望として直後に述べたのは、団体の方々の思いにより沿って やるべきだということと、もう一つは、水俣病というのはものすごく熊本県にとっては大きな出来事でありますし、マイナスの影響も与えたものでありますので、これを残してこの経験をみんなが大切に記憶すべきだという意味で、今回我々が市に要望したことでもありますので、市長もそれを受け入れてくださったということです。最初は乖離があったかもしれないけれども、それが争点化していくことによって団体の皆様とも協議し、市とも協議し、そして県の考え方、それも率直に述べて、こういう良い形で、とりわけ当初の団体の方々のご希望に沿える形、要望に近い形でできたのかなというふうに思います。
全く何もしないという選択肢はなかった訳ですから、やはり、参加した方々が要望を述べて、それに対して我々は丁寧に対応して良い方向に向かっていったというのが、政治学的にいう民主主義のあり方かなと思います。
質疑応答
東稜高校のいじめ調査委員会調査報告書 要望について・その1
Q
ちょっと先行して報道してるところもあると思うんですけれども、東稜高校のいじめの報告書のことについてお伺いします。以前、県教委の方は、概要版は公表しても全文は公表しないという御判断をされていて、それに対して被害を受けた元生徒さんは、再発防止策を広く共有するためにも是非、全文を公表してほしいというふうに要望していたわけですが、知事はこの対応についてどうお考えかということと、今後同様の事案があった場合にどういうふうに対応するのがよいとお考えかというのを教えていただきたいです。
蒲島知事
この東稜高校の生徒側からいただいた要望書に対して、本日、県教育委員会が文書で元生徒及び保護者に回答したという報告を受けています。回答内容については県教育委員会からお答えするのが正しいと思います。ただ、今の知事の所感ということでありますので、県教育委員会には最大限、元生徒に寄り添った対応をしていただきたいと考えています。今回の回答を受けて、元生徒と保護者の心のご負担が少しでも軽くなることを願っています。
【担当課】
今、知事から申し上げましたとおり、本日、教育委員会事務局から元生徒、保護者には、要望書に対する回答を文書で回答しました。要望いただいていた調査報告書をホームページにおいて全文公表してほしいという要望書の内容に対しまして、我々からは調査結果を個人の特定につながる可能性がある箇所を一部マスキングしたものをホームページで公表するという回答をさせていただいたところでございます。以上です。
蒲島知事
ホームページではいつ公表しますか。
【担当課】
今、回答したところですので、速やかにホームページにアップロードする手続きをとって公表したいと考えております。
質疑応答
東稜高校のいじめ調査委員会調査報告書 要望について・その2
Q
一応知事にお伺いしたいんですけれども、そもそも要望があったのに一度は不開示だという判断をして、このタイミングで態度を改めたことについては、知事はどのように受け止めてらっしゃるのでしょうか。
蒲島知事
私自身は情報公開をすべきだということと、情報は必ず保存しておくべきだという、そういう形で県政をやっていました。ただ、教育委員会についてはまたそれぞれのお考えがあると思いますけれども、今回は最大限、元生徒の方に寄り添った対応を教育委員会がしていただいたんじゃないかなと思いますので、できることできないことはもちろんありますけれども、できることについては一番苦しんだ人、それから苦しんでいる人に寄り添った形で、これからも対応をしなければいけないだろうと思っております。これが一つのモデルケースになるかもしれません。
質疑応答
東稜高校のいじめ調査委員会調査報告書 要望について・その3
Q
そうすると今後も知事としては同様の事案があった場合には、もちろん当事者の協議の上ですけれども、公表が前提であるというお考えだということでよろしいでしょうか。
蒲島知事
ケースバイケースなので、公表が前提ということはちょっと言えませんけれども、ケースバイケースでそこで考慮して、一番良い形をみんなで見つけるということが大事じゃないですかね。
質疑応答
知事選への対応について・その3
Q
最初、幹事社さんから質問があったんですが、知事の進退についての質問のなかで、知事は「やるべきことがたくさんある」とおっしゃったんですが、具体的にはどういったことをお考えですか。
「やるべきことがたくさんあるからノーコメント」とおっしゃっていたんですけれども、そのやるべきこととは具体的にどういうことを指しているんでしょうか。
蒲島知事
まず第一には、今、進んでいる県南の創造的復興、緑の流域治水です。
その前の7年前の地震については、かなり創造的復興が進んでいますので、これについては終わってはいませんけれども、多分順調にいくんじゃないかと。
県南の創造的復興についてはまだやるべきことも残っていて、緑の流域治水については国も県も同じ方向で動いていますけれども、それがやはり本当に環境にやさしいかどうかを丁寧に国に説明していただきたいと思っていますので、これがうまくいくことがとても大事。
そしてその上に、創造的復興を超えたところで、Tsmcの、またそれに伴う様々な半導体産業の集積、これが多分熊本の将来、九州の将来を大きく変えるんじゃないかなと思っています。
そういうところをきちんと軌道に乗せていくことが、蒲島県政の一番大事なところですので、そういうことを考えながら、いずれにしても進退についてはノーコメントということで。ただ、何が大事かといえばその2つ3つが大事だなと思っています。
それともう一つ、知事会に行って今回分かりましたけれども、こどもまんなか社会を全国の知事さんが本当に真剣に、今、考えていらっしゃいます。
やはり少子化の問題と将来の日本がこれによってどのように衰退していくかと。地域もそうですけれども。
だから私もこの前、庁議で職員に言いましたけれども、こどもまんなか社会は本当に考えなければいけないというふうに問題提起しました。
これも将来の大きな問題ではないかなと思います。
質疑応答
知事選への対応について・その4
Q
進退についてノーコメントということなんですけれども、一方で、熊本県の歴史の中では4期目を務めている知事は県政史上初めてということなんですけれども、前回の選挙のとき、一般的に4期目から多選ということもいわれるなかで、前回は政策であったりとか、県民の期待に応えられるか、知事としての適格性ということで判断すべきだということもおっしゃっていました。
また、自分としては傲慢にならないように気を付けているということもあったんですが、4期目ここまで続けられてきて、実際、今の多選についてのお考え、弊害等があるかどうか、そのあたりはどうお考えですか。
蒲島知事
例えば3選の時から私は迷ってきました。「権不十年」という細川政権で、潮谷政権も2期8年で終わって、私自身も、多くの東京の友人たちが、もう帰って来いと言っていましたのでグラグラっとしたんですけれども、あの時はやってよかったなと。というのは、これほどのトリプルパンチが熊本を襲うとは想像もしていませんでした。
だからあの時期はくまモンも頑張っていて、2期だったら良い形に終えられたかなというふうに思ったけれども、ただ、私の友人の一人が、何かあったときに後悔するかもしれませんよ、と言ったんです。
だから、その何かというのはわからなかったけれども、結局、熊本地震ですよね。
熊本地震があって、ちょうど私が辞める日が前震。そして次に就任する日が本震。その時に東京に帰ったらものすごく後悔しただろうなと思います。
だから、何かあったときということもやはり責任ですから、考えなきゃいけないので、そういう意味では、私自身についていえば、3期目やってよかったし、4期目もちょうどコロナ禍で、私も選挙運動全然やれないで、1か月間全くしないでやったんですけれども、それで4期目はもう躊躇なく、このコロナ禍において地震の問題も片付けなければいけないと思って、それから継続しました。そしたら7月豪雨災害でまた大変な事態になりましたけれども、そのときも私やってよかったなと思ったので、状況によっては3選、4選もよい方向に向かうのかなというふうに感じました。
ただそれを選ぶことも直感だと思うんですね。直感的に3期、4期やったのが私自身としては一定の、やってよかったなと思いました。もう一つ感じたのは、なんかだんだん忙しくなるんですよね。1期目、2期目よりも3期目、4期目がものすごく忙しくなって、もう76歳になったからそのうち倒れるんじゃないかと思うけど、元気なんです。だから意外と人間の体って強くできているなというのを経験しました。あんまり質問と関係ないかもしれないですけれども、私の感想だけを述べさせていただきました。
質疑応答
知事選への対応について・その5
Q
そうしますと、4期と5期で考え方の違いというのはありますか。
蒲島知事
体が持つかどうかでしょうね。まだ問題は残っているので、是非それを良い形で次の人がやってくれるか、あるいはやってくれないか、そういうことをいずれ答えなきゃいけないと思いますけれども、今この段階では、進退はノーコメントとさせていただきます。進退が分かった瞬間に、上手くいっているのが上手くいかなくなる可能性もありますし。進退を表すのも政治としては難しいなと。すみません。いいですか。
(幹事社)
よろしいでしょうか。ではこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。