本文
令和5年(2023年)4月19日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:令和5年(2023年)4月19日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
質疑応答
- 「くまもと防災宣言」について
- 統一地方選挙について・その1
- 水俣病問題について
- 統一地方選挙について・その2
- 蒲島県政5期目について
- 起業化支援センター投資先の法人名非公表について
- 旅行助成事業(くまもと再発見の旅)における補助対象外商品の販売等について・その1
- 陸上自衛隊ヘリの事故について
- 旅行助成事業(くまもと再発見の旅)における補助対象外商品の販売等について・その2
- 旅行助成事業(くまもと再発見の旅)における補助対象外商品の販売等について・その3
- (株)デンソー社員の本県への派遣について
- くまモンポート八代に、初めて国際クルーズ船が寄港することについて
- 熊本地震災害公営住宅入居者の実態把握について
- 首都圏での県産あさりの販売再開について
- ChatGPTについて
発表項目
「くまもと防災宣言」について
蒲島知事
最初の発表です。
今月で、熊本地震の発生から7年を迎えました。また、令和2年7月豪雨の発生から2年9か月が経過いたしました。
この2つの大災害をはじめ、本県はこれまで、幾度となく大規模な災害を経験してきました。この記憶を風化させることなく、経験や教訓を次世代へ継承し、災害から命を守ることにつなげていくことは私たちの使命です。
このため、災害から命を守る上での県民の取るべき行動指針として、このたび、「くまもと防災宣言」を策定いたしました。
この防災宣言は、県全体の防災力向上に向け、平時における備えや災害時の対応などを、シンプルに分かりやすく表現したものです。県民誰もが、日常生活の中で取り組めるものとしました。
ここで「くまもと防災宣言」の内容をご紹介します。
【担当課】
危機管理防災課でございます。
まず、「くまもと防災宣言」につきましては、前文と本文の2部構成となっております。
まず前文です。私たちは近年の世界的な異常気象の中、平成24年熊本広域大水害や平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨と、何度も大きな災害にあってきました。
そのたびに、混乱と戸惑いを経験しながらも、みんなで手を取り合い、苦難に立ち向かっていきました。
この経験や教訓を次の世代に引き継ぎ、自然を守り、自然を正しく畏(おそ)れ、ひとりひとりが取るべき行動を学び、忘れないようにするとともに、地域の中でつながり、防災の取組みを続けていくことが重要です。
そこで、ここに「くまもと防災宣言」を定めます。
続きまして、本文です。
一つ、ひとりひとりが災害から自分の命を守るため、早めの避難を心がけます。
一つ、もしもの時に備えるため、家族や地域で話し合います。
一つ、困っている人を支えるため、地域で声を掛け合います。
一つ、誰一人取り残さない社会を実現するため、県民総ぐるみで防災活動に取り組みます。
キーワードは「命と自然を守る」です。
蒲島知事
来月オープンする新防災センターでの発信をはじめ、小・中学校の防災教育に活用していただくなど、県民の皆様に広く周知して参ります。
発表項目
「くまもとグリーン農業」の新たなマークについて
蒲島知事
次の発表です。
本県では、全国に先駆けて、平成17年から、環境に配慮した農業を目指す「くまもとグリーン農業」の普及に取り組んでいます。
そして、平成23年からは、化学農薬や化学肥料の削減度合いに応じ、6種類の表示マークを農産物に貼付する取組みを進めています。
そのような中、国においては、「みどりの食料システム法」が昨年制定され、CO2削減など、環境負荷の低減に取り組む農業者を、都道府県が認定する制度が創設されました。
本県では、この新たな認定制度の受付けを、本日から開始します。
なお、現在使用している「くまもとグリーン農業」の表示マークについては、今回、新たに作成した「マーク」に統一いたします。マークを統一することで、消費者の方に、環境に配慮して作った農産物を、より分かりやすく発信して参ります。
県民の皆さまには、このマークが貼ってある農産物を、ぜひ購入していただき、熊本が取り組む「地球にやさしい農業」を、応援していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
発表項目
(株)デンソー社員の本県への派遣について
蒲島知事
最後の発表です。
この度、株式会社デンソーの社員の方を本県職員として派遣いただき、5月1日から勤務していただくこととなりました。
これは、昨年10月に、県とデンソーとの間で交わした「食」・「農」分野に関する包括連携協定に基づく取組みのひとつです。人材派遣型の企業版ふるさと納税を活用して派遣していただきます。
デンソーの持つ「カイゼン」の手法を取り入れることで、県内農林水産業の生産、流通、加工の現場における更なる作業の効率化と経営の改善が期待できると考えています。
今回、派遣いただく方には、生産現場などでの現地指導のほか、県立農業大学校での講義など、幅広く活躍いただき、本県の「食」と「農」分野の発展に貢献していただきたいと思います。
私からは以上です。
質疑応答
「くまもと防災宣言」について
(幹事社)
「くまもと防災宣言」についてお尋ねします。知事が宣言に込めた思いと、この宣言が県民にとってどのようなものになってほしいのかというところをお聞かせください。
蒲島知事
先程も申しましたように、熊本県は、熊本地震、それから令和2年7月豪雨災害など、多くの大災害を経験してきました。当時の記憶を風化させないで、この我々の経験、それから教訓を、次の世代へ継承していくことが大きな役割だと思っています。
今、これは非常にシンプルな形で、宣言を作っておりますけれども、皆様が常に頭の中に入れて、災害から命を守るための県民の拠り所になることをお願いしたいなと思っています。
↑ ページトップへ
質疑応答
統一地方選挙について・その1
(幹事社)
発表項目から外れるんですけれども、本日、県議選と熊本市議選が終わりました。
新たな政党の当選もあれば、女性の躍進など、様々な形の選挙結果になったと思いますが、知事として、まず県議選、市議選がどのようものであったか受け止めをお聞かせください。
蒲島知事
今回、大きな意味での、例えば政党の政権交代とかそういうふうなものは起こりませんでしたけれども、やはりしっかり見ていくと色々変化があったなと思います。
先程、仰ったように女性の方がとても増えられたなと。これは熊本でもとても顕著で、特に熊本では、県会議員の方がお一人だったので、私はそういう意味では、多くの県民の意識も変化したし、それが県議会を変えていくのかなというふうに考えています。
これが良いほうにどんどん変わっていくことは、県政にとっても、大事なことですので、今回の変化を、知事としては敏感に受け止めて、この変化に対応していきたいなというふうに思います。
↑ ページトップへ
質疑応答
水俣病問題について
(幹事社)
最後に、5月1日に、今年も水俣病慰霊祭が開かれます。
今なお、認定を求めている患者の方も多くいらっしゃるなかで、知事としてこの日をどのような思いで迎えられるのでしょうか。
蒲島知事
私が知事になった一つの大きな、やりたかったことは、水俣病のことです。
随分長く患者の方も被害者の方も、そして水俣市、熊本県が、これに向き合って参りましたので、なるべくこれに解決策を見つけたいなと思って、最初に取り組んだのが特措法の成立であります。
特措法は、国会の最後の日に委員会なしで成立しましたので、それによって多くの方々が、様々な形で救済されたんじゃないかなと思っています。
特措法にもあるように、やはりなるべくすべての方を救済したいという精神があの中には流れています。
そういう意味では、私も特措法プラス水俣病の(認定)申請をされておられます方々に、スピード感をもって対応していかなきゃいけないなと思ってやっております。
(幹事社)
幹事社からは以上です。各社さん、お願いします。
質疑応答
統一地方選挙について・その2
Q
今、幹事社からの質問でも県議選、熊本市議選の話があったんですが、女性が今回県議会の躍進をしました。まだ総数としては、まだそれでも少ないと思いますが、知事、先程「県民の意識が変化した」と仰ったのですが、それは多様性を求めるということなのか、もう少し具体的にどう変化したか。
蒲島知事
女性の政治参加を求める、そういう流れがより大きくなったんじゃないかなと思います。それが反映した形で、選挙結果にも現れているのかなと私も思いました。
それは大事なことで、熊本県も今、入庁者をみますと、あまり男性・女性変わらないくらいいますので、それがいずれ例えば課長職とか、部長職とか、そういうところに反映していくのではないかなと思っています。
そういう意味では、今回の議会における女性進出は、時間はかかるかもしれませんけれども、大きな意味で県政を変えていくんじゃないかと、このように思います。
Q
それと政党についてなんですけれども、自民党は一強体制というのを維持したんですが、それでも現職が3人落選したりとか、あと水俣・上天草であったりとか、かなり票差を詰められるということもありました。
一方で、野党側に目を向けると、立憲民主党は勢力を伸ばせませんでしたが、維新の会であったりとか、参政党とか、新たな議席を獲得するという動きもありました。有権者はどういったものを求めたのか、どういったところでどういった思いで行動したのか、どういうふうに分析されているでしょうか。
蒲島知事
有権者の投票行動というのは、今のこの政権が議会における多数と、それから少数と、その部分で政党ベースに投票する方、そういう意味では政党ベースで投票する方がもう少し、やはり野党の多様性を求めたのかもしれないなというふうに思います。
それから個人としての所謂政治家のクオリティといいますか、政治家の資質が問われる場合もありますし、そういう意味で、これを検証するためには世論調査が必要ですけれども、そういう形で多様性が示されたということは、当然議会も変わっていくだろうし、県政も変わっていくというふうに思いますので、それに敏感に知事としては対応しなきゃいけないと、このように思います。
↑ ページトップへ
質疑応答
蒲島県政5期目について
Q
少し話は変わりますけれども、知事ご自身のことをお伺いしますが、残る任期まで一年を切りました。
熊本県政では今4期目ですが、県政では初めての長期政権となって、もし仮に5期目となると更にそれを更新していくということになると思います。少し早いといわれるかもしれませんが、今のところ5期目について、どういうふうにお考えなのか、あるいはその進退を考えるうえで判断基準等があれば併せてお聞かせください。
蒲島知事
私は5期目のことを全く考えていなくて、今やるべきこと、とりわけ創造的復興がかなり進んだうえでTSMC、それから半導体の集積が進んでおりますので、これを熊本県の50年後、100年後のビッグチャンスだと考えています。
だからこれをきちんと、1年間のうちに良き流れを大きくしていきたいなと思っていて、私の将来のことはまだ全然考えていません。
質疑応答
起業化支援センター投資先の法人名非公表について
Q
本日の本紙でご紹介したんですが、熊本県起業化支援センターの公金支出のことでお尋ねしたいと思います。
熊日の開示請求に対して、34法人黒塗りで開示をされています。この34法人、県議会の報告資料にすべて載っていて、法人登記、決算報告を見ればすべて経営状況を確認できるはずです。
こうした黒塗りの対応というのは、普段できるだけ情報公開を進めるのが蒲島県政だという発言もあっているのですが、それと逆行するのではないかと思うのですが、知事いかがでしょう。
蒲島知事
業績が悪化している事業者名を明らかにした場合、取引停止など更なる経営悪化につながる恐れがあります。
会社の資産価値の更なる下落を招く恐れがありますので、法人名については情報公開条例に基づき、公にすることによって、この法人等又は個人の権利、競争上の地位のほか正当な利益を害するおそれがあるというふうに判断して、不開示としました。
不開示になって、私も自分で見ましたけれども、黒塗りになったからといっても、その個々の企業が不利益を受ける可能性があるし、更なる取引停止とか経営の悪化ということも考えられますけれども、全体的にこれが成功しているかどうかというのは、業績とか数字が出ていますので、数字を見ればこの起業化支援センターの投資というのは成功しているんだなと私は思いました。
そういう意味で、私としては情報公開が一番大事だと思っていますけれども、その会社が不利益を被るという、とりわけ考えられるのは、取引停止とかそれから銀行が貸さないとかそういうことが起こりますので、これは条例に基づいて不開示といたしました。
Q
今、不開示とされた理由であげられた熊本県の情報公開条例の条文だと思うんですが、最高裁の判決では条文をあげるだけでは不十分で、具体的にどういう不利益があるのか、事実関係を具体的に説明しなければならないという判例が出ているのですが、それと齟齬を来していると思うのですがその辺いかがですか。
蒲島知事
事実関係が出たあとで多くの取り付け騒ぎとか、あるいは取引停止とか経営の悪化ということになった後で、あれは失敗でしたというのも、私は政治をやっている方としては、恐れがある場合は、条例もあるし条例に基づくべきじゃないかなと私は思いますけれども、ただ最高裁の判決でそういうふうな判決が出てくるとその段階で考えるということになりますけれども。
Q
正直に言えば、投資がすべて成功するということはなかなか難しいわけで、当然企業の経営が悪化するケースが出てくると思います。それ自体は構わないと思うのですが、法人名をすべて明らかにして、どういうケースでうまくいってどういうケースでうまくいかなかったかということは、全面開示して説明されたほうがむしろいいのではないか。
例えば、どういう分野で成長産業を推し進めていきたいかというのは事実上の債権者である県民と共有して考えていくという姿勢も必要だと思うんですけれども、改めて法人名を全面開示したうえで、投資状況を詳しく説明するというお考えはないんでしょうか。
蒲島知事
私自身は毎回言っているように公開できる情報は公開すべきだという考え方であります。自分自身のスタンスもそうですし、例えば、まずデータはすべて、資料、公文書は全部、とっておく。捨てないでとっているのは私のスタンスです。
いずれどこかで検証が行われたときに、時期が遅くてもいいですから、それはとっておくべきだと、今全庁に言っています。捨てるなと。それが大きな公文書の役割なので。
それからなるべく記者会見もたくさんできるように月に2回はほぼやっていますけれども、こういう形で皆さんと議論することが一つの情報公開だと思っています。
それから私に会いたければ、どんな時でも私が拒否することはありませんので、皆さんも朝いらっしゃいますけれども、今まで拒否したことはないと思いますので、そういう意味では、スタンスとしては情報公開なんですね。
ただ、今回のケースにおいては、先程言ったように公にすることによって、当該法人または当該個人の権利が、正当な利益を害される恐れがあるという、そういう観点から情報公開の条例に基づいてやりましたので、これが最高裁で何度も否定されるということになれば、スタンスが変わると思いますけれども。最高裁の判断との関係を担当課の方から。
【担当課】
県政情報文書課でございます。今、ここに最高裁の判例は持っておりませんが、判例というのはそれぞれ色々な事例があって判断されておりますので、今回の事例がその判例にぴったり合うかというようなことも含めて、色々な類似の判例を含めた判断でございます。具体的なことについては、個々の内容についての判断がございますので、内容については産業支援課、そして解釈については県政情報文書課の方にお尋ねいただければと存じます。
基本的な方針としては、知事が申し上げたとおり情報公開条例でもそうですけれども、可能な限り情報公開を行うのが蒲島県政の基本方針ということで、常々知事に言われておりますので、その方針に沿って、その一方で、守るべき権利、利益等がございますので、それについては情報公開条例に沿って対応していくということでございます。
Q
最後なんですが、この件に関して熊日から全面開示を求めて審査請求を出しています。審査請求を受けて知事として全面開示をすぐ決めることもできますし、情報公開の審議会に諮ることもできます。
今回のケースでは審議会に諮るというお考えなんでしょうか。
蒲島知事
今日の我々の判断は今も示したように、起業化支援センターというのは起業家が成功するように、できれば全起業が成功してほしいんですけれども、その一部の方がこれを公開することによって更なる業績の悪化が恐れられているので、今回は公開をしなくて、黒塗りにしたということですので、その結論は今のところまだ変えるつもりはありません。
【担当課】
産業支援課から補足をさせていただきます。
今回の審査請求書を提出済みということは当課で承っておりまして、今後、当該審査請求の適正等を確認させていただきまして、熊本県情報公開個人情報保護審査会に諮問していく予定となっておりますので、また個々の問い合わせにつきましては産業支援課にお問い合わせくだされば大丈夫です。よろしくお願いします。
質疑応答
旅行助成事業(くまもと再発見の旅)における補助対象外商品の販売等について・その1
Q
情報公開条例に関連する質問なんですけれども、昨日、県の観光部局が会見を開いたTKUの社名非公表要求の疑いにつきまして、熊日新聞は2月9日に一切の資料ということで情報公開請求をしています。その開示が先日ありまして、会見で示された打ち合わせメモと称される文書については存在も不存在も明らかにされなかったです。一部開示とか不開示とか不存在等はなかったです。
一方、昨日の会見ではこの文書について情報公開条例をあげて不開示、所謂黒塗りにするとの説明がありました。
さらに会見では、この文書は県が1月25日に開かれたTKUとJTBの協議を、翌日26日に報告させたものという説明がありました。
つまり1月26日の時点でこの打ち合わせメモと称される文書は、少なくとも担当課にはあったと思うんですが、なぜ私たちの情報開示請求に開示、不開示、不存在等の説明がされることなく、あたかも、そもそもなかったかのように扱われたんでしょうか。先程もありましたが、情報公開制度がはたして本当にこの熊本で適切に運用されているのか、知事の考えをお聞かせください。
【担当課】
観光振興課でございます。昨日も説明しましたけれども、当該メモにつきましてはJTB熊本支店がTKUヒューマンやTKUの確認もとらず、JTBの視点で担当者に渡されたものでございます。
県内部でもメモの内容は共有しましたけれども、あくまでも参考としてまとめたメモとして受け取っておりましたので、担当者の参考資料として保管しておりました。ですから行政文書ではないというところで担当者が保管していました。
ただし昨日はメモを公表するにあたっては県情報公開条例の趣旨に従って提出したという整理をしております。 以上でございます。
Q
私どもの認識では、たとえその県の職員の方の手書きのメモでも開示の対象となるという認識なんですけど、行政文書ではないという判断をしたのはどのような根拠があるんでしょうか。
【担当課】
先程も申しましたけれども、あくまでも参考として渡されたもので、内容の真偽等も確認されておりません。また今後組織においても業務上必要なものとして利用を考えていなかったということで、そのような判断をしております。以上です。
Q
昨日の説明では県が協議の内容を報告してくれということで、翌26日に出させた書類であると説明があったんですけど、これは通常行政文書、あるいは公用文書にあたるのではないでしょうか。
【担当課】
あくまでも担当者のメモという形で担当が預かっていたという整理をしています。
Q
担当者のメモも情報公開の対象となるという認識なんですが、そこについてはどうでしょうか。
【担当課】
県政情報文書課でございます。担当者のメモも開示の対象にはなりますが、それが組織的に共用されたかどうかが行政文書の境目になりますので、今の観光振興課長の話ですと、最初に開示請求があった時点ではまだ担当者個人が持っていた文書だったということで行政文書として特定されていなかった、ということと認識しております。
Q
私の認識では担当者、かなり多くの人たちに共有されていたということが取材で分かっているんですけれども、それでも公用文書、行政文書にあたらないということでいいんですかね。それともそこは担当者が個人的に報告させて個人的に持っていたということなんでしょうか。
【担当課】
メモについては、組織として共有は一部図っていたところがございます。
ただ先程も申しましたけれども、今後、組織としてこのメモそのものの内容の真偽が確認されていないというところで、あくまでも参考メモとして受け取ったという認識のもと、今後、業務として必要ないものとして、利用の可能性はないという整理のもとに判断をしていたところでございます。
Q
しかし、その公金を使って業務をしていて、公金を使ってJTB側にそういう報告をさせたと、その一連の流れで作らせた文書が公用に用いないとか、行政文書ではないという判断はちょっと理解できないというか。
少なくともその当時、開示請求に不開示だったり黒塗りで出すべきだったのではないかなというふうに思うんですが、そこはどうでしょう。
蒲島知事
私は、これまでの経緯を含めて、改めて事実確認と内容の確認を行うために、庁内のみならず事務局を務めるJTBや当時の担当者など、関係者からのヒアリングを行って、関係する文書や資料について確認を行ったために時間がかかったというふうに聞いていますけれど、それでよろしいですかね。
Q
最後に質問があるんですけれど、この件に関して資料の破棄だったり、メモの削除等の行為は行われていないんでしょうか。
【担当課】
行政文書につきましては、しっかりと管理をしております。以上です。
Q
いや、そこの行政文書の判断はちょっと疑義があるので、どれを行政文書にしているかどうかというのは恣意的な運用がされていたら、そこは私たちは検証ができないので、この件に関する資料について破棄や削除等はされていないんでしょうか。
【担当課】
今まで行政文書として扱っていたものについては、きちんと管理しております。それ以外のものについては各個人が管理をしております。
今はその点しかお答えはできません。
Q
知事にお伺いしたいんですけれども。
行政文書かどうか、行政文書にするかどうかというのは、担当課が恣意的に決められる状況だと思うんですよ。県が持っているものを、例えば不都合なものを、これは個人的なメモだから、個人的につくった資料だからというのは、その場の判断でできて、しかも情報公開をした審議が、その恣意的な行政文書の選別にアプローチできない。検証できないという実態があると思うんですけれども、公費で運営されている庁舎内にある資料というのは、一般的にすべて行政の公用文書だと思うんですが、そこはどうでしょうか。
蒲島知事
私のスタンスは、行政文書か個人のメモかというのは、それはどこかで個人が決めると思いますけれども、私は、行政文書はずっと残すと。捨てないと。
これまでの役所の文化というのは、とにかく文書は捨てるという文化があったと思いますけれども、私の代になってこの15年は少なくとも捨てるなと。
そしてそれは永遠に残しとこうというふうに、それがやはり将来の県政をしっかりと検証できるし、それから実際に県政を担っている人にとっても、それはちゃんとやらなきゃいけないなと、日々やらなきゃいけないなというスタンスになると思いますので、私自身はずっと残すと。積極的に残すという、そういう方向に、県は、県庁にもそれを皆さんにお願いしているところであります。
だからそういうスタンスのなかで、これは行政文書か個人のメモかというところのその判断はこれは知事ができるものじゃないですけれども、知事としてお願いするのはなるべく残しとこうと。なるべく残して、将来の批判、評価に耐える県政をやろうと、私はそういうスタンスでやっています。
↑ ページトップへ
質疑応答
陸上自衛隊ヘリの事故について
Q
自衛隊のヘリ事故の件でお伺いしたいんですけれども、今、隊員の方が捜索続けられていまして、第8師団ということで北熊本駐屯地の関係者の方等も含まれていらっしゃるんですけれども、県としての受け止め、あるいは今後何かサポートできることがあるのかどうかなど教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
第8師団長は今回の事故が起こる前に、直前に私と面会されて、そして改めて熊本県と第8師団の顔の見える関係を築いていきましょうと、そういうふうな話し合いをしたあとの、この事故なので、安否をとても心配しています。
またご家族もとても心配されているだろうし、それから自衛隊そのものにとっても、ものすごく大きなショックだというふうに思いますので、なるべく早く安否が分かってほしいなと思っています。
場所がある程度特定されたので、事故の最初の段階よりも方法はあるのかなという気がしますので、早急に皆さんの安否を確認してほしいなと思っています。
そして県でできることがあれば、私どもも何でもやりたいと思います。
質疑応答
旅行助成事業(くまもと再発見の旅)における補助対象外商品の販売等について・その2
Q
ちょっとまた話戻りますけれども、旅行の助成の関係で昨日の会見の件。知事も今朝の熊日新聞さん読まれていると思うんですけれども、黒塗りにされた部分も明らかにされた文書が掲載されております。
私はこれについて、ある程度真実性をもったものかなというふうな印象をもったんですけれども、知事としてはいかがだったでしょうか。
蒲島知事
私も担当の方からお聞きしましたけれども、事実確認をしっかりした上で、そしてやはり最初は色んな方々の利益、利害とか、それから思いもあるので、全部公表しない、みんな黒塗りするというようなことも多分あったんだろうけれども、やはりできる限り公表しようということで、あの形で公表したんじゃないかなと私は思います。
だから、色んな人からの思いがあると。ただ、このメモはJTBが一方的に記録したもので、発言者の確認や同意を得ておらず、正確性が担保されていないというふうに我々は判断していました。
それからJTBからも発言者の意図を正確に反映できていない部分については、不開示にしてもらいたいとの意見もあったと聞いています。
これを踏まえて、公表によりTKUヒューマンなどの法人の競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあると判断したものについては不開示としました。
だからその分、見られたと思いますけれども、(黒塗りの部分は)かなり少ないんじゃないかなと私は思います。そういう意味では、担当者も一生懸命に情報公開をするという方向で努力されたというふうに思います。
ただ、一番心配だったのは、本当に発言者がこう言ったのかという確認とか、同意とか、そういう正確性が担保されていないというのは、やはり一つの担当者の思いがあったんじゃないかなと思いますし、もしそうであれば、法人の正当な利益を害するおそれもあるなというふうに思います。
ただ、今日の黒塗りの文書、これに関しては、県庁としては最大限公開したいという気持ちと、正確性の担保ができていないから本当に(公開して)いいかどうかという悩みはあったんじゃないかと私は思います。
Q
正確性が担保できていないということなんですけれども、もし、この熊日が掲載されている内容が不正確なものだとすると、かなり、ある面、ストーリーをつくらないと出てこないような発言になっていると思います。
発言がないものを記載したのであれば虚偽になりますし、あるいはそれを受け取り方が違うというのもちょっと無理があるのかなというふうに思います。
それと昨日、県の担当者の説明ではA社B社というような形で公表されるんですか、みたいなやりとりがあったというふうに説明がありましたけれども、そのような記載は一切ありません。県の説明にもちょっと不十分な点があると思います。
こうした点について知事として担当部局任せではなくて、しっかりと調査するようなお考えはないでしょうか。
蒲島知事
昨日の担当者の記者会見が分からないので、今の点について、よろしくお願いします。
【担当課】
観光振興課でございますけれども、昨日もちょっと申し上げましたが、この会議には県の職員が入ってお聞きしている訳ではございませんので、当然、今回TKUヒューマンさんはじめ、関係者の皆様方に誠意をもってヒアリング等を行わせていただきました。
その中で所謂やっぱり人の立場、立場によって、言ったことと聞いた感覚がやはり皆さん違うということがよく分かったという事実はあります。
それと、先日JTBの方からもご説明があったように、この会議を何かデータで録音して、それを起こして、何かペーパーに清書しているのではなくて、小さなメモのなかに、例えばA社B社とかというキーワードだけを残していて、それを後で記憶を辿りながら説明がしやすいように自分が感じたことを、主観を入れて書いているというところもありますので、どう見ても少し、内容自体に正確性が担保されていない。そこはJTB様も、TKUヒューマン様もご理解というか、皆さんそこは納得をされているというところでございますので、その文書について何かどうこうというのは我々もなかなか言えないかなと。
ただ、一つ言えるのは、最終的に先月30日に会社名、それから助成額についてもしっかりとご公表をさせていただいております。
これはまさしくどこからか何か申し入れがあったという事実がないということの裏付けになると私たちは思っております。
Q
最後に一点です。
今回の対応を誤れば、知事が長年積み上げてこられた情報公開の姿勢に疑問符が付きかねない事態だと思います。改めて知事として今後この問題に対してどのように対処していきたいかという考えをお聞かせください。
蒲島知事
この問題に関してはしっかりと知事も含めて早い段階から、初動がとても大事だと思うので、一緒に、このような問題のときには知事も含めた形でこれから対応していく、そういう方向にもっていかなきゃいけないかなと思っています。
ただ、悩みがあったことも確かです、県庁の担当者も。そういう不確実なものを、不確定なものを公表にするということの影響といいますか、これも大きいんじゃないかなと思うので。ただ、先程担当者が申しましたように、早い段階で会社名も、それから額もでしたか、あの公表。何日の段階ですか。
【担当課】
3月30日です。
蒲島知事
3月30日の段階で公表されたということは、私はとても大きいんじゃないかなと思っています。この文書の内容を見ると、それが問われているという文書ですから。
質疑応答
旅行助成事業(くまもと再発見の旅)における補助対象外商品の販売等について・その3
Q
今の問題に関連して知事の見解を聞きたいんですけれども、TKUが県やJTBに社名非公表を要望・要求したこと一切ないというお考えでしょうか。
蒲島知事
何を。
Q
TKUが県やJTBに社名を公表しないでくれ、という要望・要求が一切なかったというお考えでしょうか。
蒲島知事
私はそう聞いていますけれども。
Q
知事としてもそういう認識。
蒲島知事
はい。
質疑応答
(株)デンソー社員の本県への派遣について
Q
ちょっとテーマ変わりますけれども二つお伺いします。
一つがデンソー社員が熊本県に派遣されてくるというところで、先程のデンソーであったりトヨタ関連の食や農の分野にというお話がございましたが、知事としての狙い、こういうことを期待しているということがあったら教えてください。
蒲島知事
デンソーさんは、どうやってこういう関係になったかというと、あさりの偽装問題のときに私が社長に直々にお願いして、デンソーのQRコードを使ってやりたいので手伝ってほしいということで、デンソーさんと一緒にやって、それがこういう形で、デンソーさんではフードバリューチェーンの一翼を担いたいという観点から、農業分野に参入するということも、今正式に決めておられます。
そういう意味ではデンソーさんが参加することであさり偽装問題も解決できたという一つの大きな成果がありますので、それを発展させていくことも産地の特定とかそういうことに役に立つのかなと。
それから今回いらっしゃる方は熊本出身の方で、それで管理職として生産現場の統括もされた方なので、デンソーさんのいつも言ってらっしゃる「カイゼン」、生産の「カイゼン」に意識をもった優秀な方ですから、そういう農業問題での「カイゼン」、そういうことに活躍いただきたいなと思っています。
これは、人材派遣型のふるさと納税で来られる方なので、給料もデンソーさんのほうでもっていただくということでありますので、そういう意味ではとても熊本のために貢献いただけるんじゃないかなと思っています。
Q
あと今お話にあったこのデンソーから来る方について、事務方に伺ったほうが早いかもしれませんけれども、一人なのか男性、女性なのか、さっき少しお話ありましたけれどもこの自動車部品会社でどういう仕事をこれまでされたのかとか、あと報道資料にあります、今回が企業版ふるさと納税を使った二回目の取り組みとありますけれども、一回目はどういう取り組みが過去あったのか、そのあたりを教えていただけますか。
蒲島知事
一回目の取り組みは九州電力の職員の方がこっちにいらっしゃいました。その他の経歴とかそういうのはわかりませんのでよろしくお願いします。
【担当課】
流通アグリビジネス課でございます。まず職員の人数、性別でございますけれども、一人の方を私どもの流通アグリビジネス課の方にきていただくということにしております。職につきましては、課長補佐級の専門員というふうな形でお招きするということで考えておるところでございます。以上でございます。
質疑応答
くまモンポート八代に、初めて国際クルーズ船が寄港することについて
Q
あともう一点だけ、今日の発表項目にないことですが、明後日21日金曜日にくまモンポートに初めて外国船籍クイーン・エリザベスがやってきます。
コロナ対応に追われていた局面も抜け出して、これからはインバウンドとか観光ビジネス、攻めのときがついにきたという感じだと思うんですけれども、初めて外国から来るということを受けて知事としての考えをお聞かせください。
蒲島知事
くまモンポート八代は、クルーズ船のためにつくった港であります。
それでクルーズ船が来て、多くのくまモンが迎えてくれる。それを見たクルーズ船が更にここに寄りたいなというふうに思っていただける、またその乗客の方々もとても喜んでくださる、そういうふうな歓迎をしたいなと思っていますので、県を挙げてみなさんにもお願いしたいんですけれども、歓迎してほしいなと思います。
その歓迎の気持ちが次につながると私はそう思いますし、それから一つ、クルーズ船が入るのが大体、貨物船が入るところなんですよね。そうするとどうしても殺風景なんですよね。でもくまモンポート八代はまさにクルーズ船のお客様を迎えるために作ったものですので、それを皆さんが好きになっていただきたいなと思っています。
質疑応答
熊本地震災害公営住宅入居者の実態把握について
Q
熊本地震に関連したお尋ねなんですけれども、地震で整備された復興住宅の入居者の実態把握について、先日、復興本部会議で知事は市町村と協議して対応を検討するとおっしゃられていましたけれども、その後何か具体的に進展などありましたでしょうか。
蒲島知事
最初に何について対応すると言われた。
Q
熊本地震で整備された復興住宅の入居者の実態把握についてです。
蒲島知事
今これは検討中です。まだ私の方にはそれが来ていませんけれども、検討してほしいということを言いましたので、必ず来るはずです。
Q
今、市町村のほうに投げかけている段階ということなのでしょうか。
蒲島知事
担当者いますか。今の段階を。
【担当課】
(広報グループ)担当が来ておりませんので、後ほど担当課のほうから、説明させていただきます。
蒲島知事
そちらに連絡させてもらいます。
質疑応答
首都圏での県産あさりの販売再開について
Q
今週金曜日、とうとう県産あさりが首都圏での販売が再開されるということで、知事もトップセールスで東京に行かれると思うんですけれども、再開されるということの受け止めと喜び、あとはこれまでの取り組みに対しての評価みたいなところを伺えればと思います。
蒲島知事
この偽装あさり問題について、とてもある意味、行政的には唐突だったかもしれません。
というのは、出荷停止という、すごいラディカルな方法で偽装あさりの出荷をストップさせたと。そのおかげで早く、熊本県(産)の偽装あさりはマーケットから一掃されました。
そのあと、QRコードを使ったあさり対策をやって、最初は熊本、関西圏とか、限られたところで販売しておりましたけれども、この販売がとても皆さんから好評で、まず一つは、値段も上がって、それで、それに対応して漁業者の方々もあさりの生産量も増えてきた。
そういうのをみて、東京のほうからも扱ってみようかというお話があって、今回、私が東京に行って、トップセールスをしてくるんですけれども、そういうことも良い方向にいってくれたなと。偽装あさりを一掃し、そして、それとともに県産あさりをみんな一生懸命に育てようとした。
そのことによって、純県産あさりが高く売れるようになった。それをずっと続けていきたいなと思っておりますので、今回東京で最初のトップセールスになりますので、そのことも含めながら、しっかりとトップセールスを、多分日帰りだったかな。日帰りで行くんじゃなかったかな。あまり長くは滞在できないけれども、日帰りでトップセールスをして参りますので、それが熊本あさりの認知につながればいいなと、こんなふうに思っています。
質疑応答
ChatGPTについて
Q
今回の発表と関連のないことで恐縮なんですけれども、今、政府でも活用が検討されている対話型人工知能「ChatGPT」についてお尋ねします。
文書の作成や計算など非常にスムーズになるといわれている一方で、情報漏洩だとかプライバシーの侵害だとか、指摘されているんですけれども、県庁としてこのChatGPTを取り入れていく予定があるのか、また検討されているのか、していないのならば知事としてどういったところが懸念される点なのか教えてください。
蒲島知事
私も使ったことがないので、どういう問題があるかとかそういうことを踏まえて、担当者で、県庁でもどうするかというのを検討していきたいなと思っています。今の段階では決定はしていません。
(幹事社)
他になければ、それではこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。