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令和3年(2021年)12月24日 知事年末記者会見
知事定例記者会見
日時:令和3年(2021年)12月24日(金曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目
コメント
質疑応答
- 新型コロナウイルス感染症対策に係る1年の振り返りについて
- オミクロン株について・その1
- TSMCの工場進出について
- 今年1年の振り返りについて(今年を漢字1字で表すなら)
- 半導体産業の集積強化に係る部会の設置について
- 新型コロナウイルス感染症対策における年末年始の県をまたぐ移動等について
- オミクロン株について・その2
- 建設工事受注動態統計調査のデータ書き換えについて
- 盛土の点検について
- 牛乳の消費喚起について
- 山口県副知事の公職選挙法違反の疑いについて
- 脱炭素の推進について
- 国予算案の閣議決定について
- 鳥インフルエンザ防疫措置動員に係る投書について
発表項目
県政10大ニュースについて
蒲島知事
本日は、この1年を振り返って「県政10大ニュース」を発表します。時間に限りがありますので、簡単に項目をご紹介します。詳細については、皆様のお手元の報道資料をご覧ください。
まず最初に、「新型コロナウイルス感染症対策に全力」です。
過去最大の感染拡大となった「第5波」など、今年も新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいました。県では「初動は迅速に、解除は慎重に」という考えのもと、先手先手の対策を講じて参りました。感染拡大防止と、地域経済や県民生活の回復とのベストバランスに向けて、引き続き、全力で対応して参ります。
次に、「令和2年7月豪雨から1年」、「「緑の流域治水」を推進」の2つです。
令和2年7月豪雨からまもなく1年半を迎えます。くま川鉄道の部分運行や、流失した橋梁の仮橋設置など、インフラ面の復旧が進みました。「緑の流域治水」の実現に向けては、3月に策定した「流域治水プロジェクト」に沿って、要望の多かった河川の堆積土砂撤去や、田んぼダムの実証実験などの様々な取り組みを進めております。また、今月「河川整備基本方針」が変更され、緑の流域治水の理念が盛りこまれました。二度とこのような被害を起こしてはならないという強い決意のもと、今後も球磨川流域の創造的復興に向けて取り組んで参ります。
次に、「阿蘇への主要アクセスルートがすべて復旧」、「復興のシンボル『熊本城』の天守閣が復旧」の2つです。
新阿蘇大橋が開通し、熊本地震から5年という異例のスピードで、熊本の宝である阿蘇への主要なアクセスルートがすべて復旧しました。
同じく、熊本の宝である熊本城は、天守閣の復旧が完了しました。着実に復旧の歩みを進める熊本城の姿は、まさに、熊本地震から力強く復興する熊本のシンボルとなっています。
次に、「漫画『ONEPIECE』麦わらの一味の像が続々完成!~マンガ・アニメコンテンツで地域の活性化へ~」です。
麦わらの一味の像にナミ像とロビン像が加わり、これで8体の像が完成しました。また、「夏目友人帳」や「クレヨンしんちゃん」とのコラボなど、今後の観光コンテンツの柱の一つとして、マンガ・アニメの活用を推進しています。「マンガ県くまもと」の実現に向け、更に取り組みを進めて参ります。
次に、「持続可能な社会に向けた取り組みが進む」です。
今年策定した「新しいくまもと創造に向けた基本方針」では、SDGsの理念である「誰一人取り残さないくまもとづくり」をすべての取り組みの基本に掲げました。「熊本県SDGs登録制度」を創設し、SDGsに積極的に取り組む事業者を後押ししています。また、「第六次熊本県環境基本計画」を策定し、環境立県くまもとの実現に向け、取り組みを進めています。
次に、「東京2020オリンピック・パラリンピックで県勢選手が躍動!」です。
過去最多となる25名の本県ゆかりの選手たちが、オリンピック・パラリンピックに出場しました。コロナ禍という逆境のなかで、代表の座を勝ち取り、奮闘する選手の姿は、すべての県民に元気と感動を与えてくれました。
次に、「台湾半導体メーカーTSMCが熊本への新工場建設を決定」です。
TSMCの新工場建設は、熊本が日本の「経済の安全保障」に貢献する、大きな契機となるものです。このビッグプロジェクトが、県経済の活性化はもとより、シリコンアイランド九州の復活、更に日本経済の発展につながるよう、県としても全庁を挙げて取り組んで参ります。
次に、「鳥インフルエンザ発生72時間以内に防疫措置完了」です。
県内では5年ぶりの鳥インフルエンザの発生となりましたが、厳しい条件のもと、「24時間以内の殺処分完了」と「72時間以内の防疫措置完了」を達成しました。ご協力いただいた関係者の皆様に、改めてお礼を申し上げます。
最後に、プラス1項目として「くまモン今年も大活躍」です。
人吉・球磨地域の応援プロジェクトや、オリンピック・パラリンピックでの「藍色」くまモンなど、くまモンは今年も大活躍しました。また、インドへも進出するなど、活躍の場をますます広げています。
以上が今年の県政10大ニュースです。
熊本地震、新型コロナウイルス、豪雨災害という3つの困難に立ち向かうなかで、今年は、オリンピック・パラリンピックの県勢選手の活躍や、TSMCの新工場建設など、明るいニュースも飛び込んできました。
「逆境の中にこそ夢がある」という、私のモットーのとおり、困難を乗り越えた先の夢の実現に向けて、引き続き、全力で取り組んで参ります。
発表項目
半導体産業の集積強化に係る部会の設置について
蒲島知事
次に、TSMCの新工場建設関連についてです。
県では、国家的プロジェクトでもある、新工場建設を円滑に進め、その効果を県全体に広げるために、11月18日に「半導体産業集積強化推進本部」を設置し、全庁的な推進・支援体制を整えました。
また、推進本部には、TSMCの進出に伴って予想される課題や熊本の可能性を広げる取り組みについて、具体的な検討を行うため、プロジェクトチームを設置しました。
この度、プロジェクトチームでの検討を踏まえ、部局横断的に取り組むべき課題に、迅速かつ的確に対応するため、本日付けで5つの部会を設置しました。
これにより、人材の育成・確保や渋滞対策などの課題解決に向けた取り組みを、これまで以上にスピード感を持って進めて参ります。
なお、部会での議論は、年明けに開始いたします。
TSMCの工場建設が、熊本地震等の困難を乗り越えて、50年後、100年後の熊本の発展につながるよう、全庁を挙げて、しっかりと対応して参ります。
コメント
新型コロナウイルス感染症対策について
蒲島知事
最後に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
現在の県内の感染状況については、新規感染者が11月15日以降確認されておらず、昨日までで39日連続で感染者ゼロとなっています。
ただし、海外では、オミクロン株の感染が急速に拡大しています。このオミクロン株については、デルタ株よりも感染力が高い可能性があるとの報告があります。
国内でも、オミクロン株の感染者が日に日に増えており、大阪府、京都府では海外渡航歴がない人への感染も確認されるなど、今後の感染の拡がりが懸念されています。
これから人の移動が多くなる年末年始を迎えますが、再び感染を拡大させないために、基本的な感染防止対策がとても重要です。
ワクチンを接種した方も含め、普段の生活はもちろん、特に帰省や会食をされる際は、マスク着用、こまめな換気と手洗い、ソーシャルディスタンスの確保、そして手と指の消毒といった基本的な感染防止対策を徹底していただくようお願いします。
また、年末年始も県内各地の診療・検査機関が診察や検査を行いますので、わずかでも発熱などの症状がある場合は外出せず、すぐにかかりつけ医師などに電話し、受診するようにしてください。
県民の皆様におかれましては、このまま感染が落ち着いたかたちで新しい年を迎えられるよう、改めて、お一人お一人が「感染しない」、「感染させない」と意識し、行動していただくようお願い申し上げます。
質疑応答
新型コロナウイルス感染症対策に係る1年の振り返りについて
(幹事社)
お話にもありましたけれども、この1年の熊本県の新型コロナウイルス対策について、知事から改めて振り返りをお願いします。
蒲島知事
今コメントしましたように、第5波の大きな波に私どもは対応して、予想よりも早く収束したのではないかなと思います。
我々の(対応の)方向として、「初動は迅速に、そして解除するときには慎重に」ということをモットーにしました。そしてなるべく初期の段階で営業時間の短縮をお願いしました。その対策とそれから国と一緒にやった対策、これがとてもよくて、それで(国のまん延防止等重点措置解除後の)最後の2週間、もう解除してもいいんじゃないかという状況がありましたけれども、解除をせずに2週間しっかりと見守りました。それがその後の感染者ゼロに結びついているんじゃないかなと思います。
ただ、さっきも言いましたように、油断大敵でありますから、第6波が来るということを仮定しながら、その後の展開を用意してきました。
国のほうも、県のほうがこれだけ(感染状況が)落ち着いたので、感染防止と経済のベストバランス、今そちらの方向にいっていると思います。
ただ、第6波が来るということを仮定しながら、医療提供体制を第5波よりも強くしました。病床を802床【※実際は806床】、そして医療提供体制のなかでもホテルとかそういうものを1,000室用意しています。そのほかに、ワクチンも今のところ(県民の)大体9割くらいは2回目を打っているんじゃないかなと思います。
しかし、オミクロン株が出てきたので、3回目のワクチンを今始めています。
医療従事者の方々、それから高齢者の方々については、これまでの8か月という期間を少し縮めて7か月、6か月という形で今進めています。この第5波の収束がこのまま正月まで続けば、とてもいいお正月を迎えることができるんじゃないかなと思います。
ただ、今国内でもこのオミクロン株が流行し始めていますので、必ず来るという前提のもとで、第6波に備えていかなければいけないなと、このように思っています。
質疑応答
オミクロン株について・その1】
(幹事社)
オミクロン株についてなんですけれども、県としてはどのように対応されるか教えてください。オミクロン株の感染拡大が懸念されると思うんですけれども、県としてどのように対応されますか。
蒲島知事
まず、陽性者が出たときには、変異株のスクリーニングを必ず行います。そして、オミクロン株の確定に必要なゲノム解析も県独自で今可能になっています。
そして、陽性者は即入院、濃厚接触者はホテルへ滞在してもらいます。そこでPCR(検査)、健康観察を行って、他に感染しないようにしっかりと見守っていきたいなと思っています。そういう意味では、オミクロン株の検査体制をしっかりしておかないといけないなと思っていますので、今のような形で陽性者は即入院、そして濃厚接触者についてはホテルのほうに行ってもらうと。(宿泊療養施設を)1,000室用意していますので、そちらのほうを使っていきたいと思っています。
質疑応答
TSMCの工場進出について
(幹事社)
最後にTSMCについてなんですけれども、人材の確保について年内にTSMCから聞き取りを行いたいというお話があったかと思うのですけれども、その辺りの進捗はいかがでしょうか。
蒲島知事
TSMCそのものというよりも、ソニーさんが一緒に合弁をやられますので、ソニーさんと密接な連絡を取り合ってということ(になります)。それから近く新しい合弁会社のほうも立ち上がると思いますので、そっちの方との協議、話し合いがこれから始まるというふうに思います。
(幹事社)
ありがとうございます。
質疑応答
今年1年の振り返りについて(今年を漢字1字で表すなら)】
(幹事社)
1年間の振り返りについてですけれども、日本漢字能力検定協会が、今年の漢字一字「金」という字で表しましたが、知事にとって今年1年振り返ってもし漢字1字で表現するなら、どういった言葉になるでしょうか。
蒲島知事
今年の一字は、皆さんご存じのように「緑」というのを出しました。それは緑の流域治水を進めること。これが新年のときの考え方だったのですけれども、やはり一番大きな問題はコロナ禍にありながら、そして、熊本地震からの創造的復興を進めながら、緑の流域治水、これを着々とやっていく(ということでした)。早く球磨川流域の安心安全とそれから命を守りつつ、同時に、清流も守っていきたいというふうに思っていますので、今年一年は「緑」で間違っていなかったなと私は思います。
質疑応答
半導体産業の集積強化に係る部会の設置について
(幹事社)
もう一点、TSMCについてなんですが、五つの部会を本日付けで設置するということなのですが、ここで部会を作って、意見の取りまとめというか、大体スケジュールとしてはいつぐらいを目途にしている予定でしょうか。
蒲島知事
部会についてはですね、このあと担当のほうから説明させていただきます。先ほど言いましたように、新年が明けてから話し合いを始めるということです。部会について担当者からお願いします。
【担当課】
企業立地課です。部会のとりまとめに関しては、まだこれからということで、まずはそれぞれの課題について担当課が集まって、情報を共有し、それを見ながら、それぞれがいろんなスケジュールで進んでいくと思います。最終的なとりまとめをどうするかということも(その中で)考えていきたいと思っています。これからでございます。
(幹事社)
ありがとうございます。
質疑応答
新型コロナウイルス感染症対策における年末年始の県をまたぐ移動等について
Q
新型コロナの知事のコメントを拝見して、大抵のことはわかったのですが、一応確認なんですけれども、昨年の年末年始に関しては、帰省とか県境をまたぐ移動は自粛してほしいとおっしゃいました。忘年会とか新年会についても自粛の方向でお願いしますとされましたが、それは今回はされないということでよろしいでしょうか。
蒲島知事
今の状況、これからどうなるか分かりませんけれども、今日の記者会見までは、40日近くの感染者なしということで、帰省を控えていただく呼びかけはしません。ただやはり私が今コメントで述べたように、オミクロン株が世界中に広がっています。日本にも広がり始めているということを考えますと、やはり手を洗う、マスクをする、ソーシャルディスタンスをとる、そして換気をする。これをやることが私はとても今重要だと思っています。外出するときは必ずそういうふうな形で、自分も感染しない、他にも感染させないということを常に思いながらやっていかないといけません。油断するとすぐウイルスのほうが追っかけてくるような気がします。
Q
忘年会と新年会もそういった対策をきちんとしたうえで、ということですか。
蒲島知事
先ほど言いましたように、熊本でも今認証店が8,000店以上ありますので、なるべくそれを利用していただくと。そうすれば感染の確率が低くなるでしょう。そういう意味では、認証店を利用していただき、忘年会・新年会も注意しながらやっていただければ、経済の回復のほうと感染防止対策のベストバランスができるんじゃないかなと思います。
【担当課】
すみません、商工政策課でございます。
ただ今、知事のほうから認証店が8,000というふうなお話がございましたが、12月15日現在で認証店は6,294店舗でございますので、補足をさせていただきます。
蒲島知事
全体(の店舗数)が8,000でしたかね。
【担当課】
そうです。
県内全体が8,000店舗ぐらいございます。
蒲島知事
はい。訂正いたします。
質疑応答
オミクロン株について・その2
Q
知事の先ほどのご発言のなかでオミクロン株の陽性者は当然すぐ入院で、濃厚接触者もホテルにということでした。岸田首相は2週間ホテルで療養してくださいという目標を出されました。それは2週間ということでいいんでしょうか。
蒲島知事
国の方向と同じだと思います。
質疑応答
建設工事受注動態統計調査のデータ書き換えについて
Q
国交省が国の基幹統計、建設工事の受注に関する(データの)書き換えをされていまして、もちろん県のほうは言われたとおりに従ったと思うんですけれども、これについての受け止めをお願いします。
蒲島知事
これは私が聞いている限り、国のほうからそういう要請があったということであります。具体的な要請の内容について、すみません担当者は来ていますかね。
【担当課】
はい。監理課でございます。
国のほうからは新聞報道のとおり、提出のない月の分についてはまとめて報告するようにというような指示が来ておりましたので、私どもとしてもそのとおりさせていただいているということでございます。
蒲島知事
よろしいですか。
Q
いや分かるんですが、結局協力した建設業者は自分たちが出した受注高と違う形で国が基幹統計にしたわけで、協力した側にとってはちょっと信頼に悖る形になっているわけで、国への非難があるのか、県として何かそれはいけなかったと思われるのか、その辺を聞いているんです。
蒲島知事
最終的に、国がどのような処理をしたかというのは、県としては承知していません。
これは国交省の内部での処理方針の問題で、県はそれについてコメントする立場ではありません。そういうこともあって、昨年度から事業者が提出された調査票をそのまま国に提出しています。
今後国において過去の調査等については何らか依頼があれば協力したいと思いますけれども、担当者が言ったのに付け加えると、今はもう既にそのまま出しているということです。
Q
はい、ありがとうございます。
質疑応答
盛土の点検について
Q
発表の案件とはちょっと外れるんですが、静岡県の土石流の災害が発生したことを受けて、国から盛土の点検をするようにと要請がきてたと思うんですが、各紙の報道で熊本県内の点検の結果というのが非公表というふうになっていたんですが、状況についてちょっと教えていただきたいです。
蒲島知事
本県では全国知事会をとおして、国に対して全国一律の基準で法規制を要望して参りました。今月20日に開催された国の有識者会議で盛土規制の法整備については提言されたという報告を受けています。この提言を受けて示される国の方針に基づいて、県民の安全安心の確保に向けて、庁内のプロジェクトチームにおいて県としての対応をしっかりと検討して参ります。
県内の272の盛土を点検した結果、国への個別報告が必要な案件が3か所ありました。3か所いずれも現行法に基づく県の指導に従って、是正中であるとの報告を受けています。
詳細は担当課からお答えしますけれども、担当課来ていますかね。
【担当課】
砂防課でございます。
点検の結果ですけれども、272か所盛土を点検した結果、国への個別報告が必要な案件が3か所ということでございます。
個別報告の内容としましては、必要な災害防止措置が確認できなかった盛土が2か所、それから産業廃棄物の投棄等が確認された盛土が1か所、計3か所でございます。
なお、先ほど知事がおっしゃられたように、すべて現行法に基づく県の是正指導に従い、事業者等が対応中ということです。
それから点検箇所の公表についてですけれども、対象が民地であるということが1点、それから個別報告した3か所も含めて、今回点検した272か所には、直ちに土砂災害が発生する緊急度の高いものは認められなかったということで、公表する予定はございません。
なお、県民の安心安全の確保に向けて、点検箇所の存在する市町村と今回の点検結果を共有するとともに、緊急時の警戒避難体制を構築するなどの連携を強化して参りたいと思っております。以上です。
Q
3か所あったということなんですけれども、これ自治体名ぐらいは公表できないんでしょうか。
蒲島知事
この公表についても、担当のほうからお願いします。
【担当課】
質問につきましては、各所管課に確認のうえ、後ほど回答したいと思います。
Q
すみません、もう一点だけ。
直ちにその土砂災害が起きる可能性がないという判断をされているんですが、災害というのは想定を超えて起きるものだと思うんですけれども、どういうふうにそう判断されたか教えてもらってよろしいですか。
蒲島知事
それも担当者のほうでお願いします。
【担当課】
はい。
外からの目視点検になりますので、盛土の先端とかそういうところで、盛土が崩れるような、そういう兆候が見られなかったということで判断しております。
Q
ありがとうございます。
質疑応答
牛乳の消費喚起について
Q
熊本は全国3位の酪農県なんですが、生乳が余って大量に廃棄される恐れが出てきて全国的に問題になっていて、岸田総理自ら牛乳を飲んだりとか、そういう感じで消費喚起をやっているんですが、知事としての受け止めと、何かもし(県として)関与することがあれば教えてください。
蒲島知事
はい。私もとてもそれを心配しています。牛乳の廃棄ですよね。
これは今ニュースになっていて、いくつかの大きな事業所が牛乳をみんなに飲んでほしいということで、値下げをして売っています。大分このニュースで牛乳を買う人が増えるんじゃないかということで、とにかく廃棄しないで飲んでほしい(と思っています)。実は私も今日牛乳を大きなコップ1杯飲んできました。そして私の妻に牛乳を買ってくるようにと言いました。
県内の皆さんにもお願いしたいんですけれども、やはり皆さんでこういうときには応援して、一人1杯でもいいから牛乳を飲みましょう。私もちょうど牛乳を飲んで、おいしいなと思って、そして牛乳を飲んだら今日は何か元気が出ましたので、記者会見もうまくやれています。
ぜひ(記者の)皆さんもちょっと書いてくれますか。皆さん一緒に飲みましょうと。そして、全国的な動きが出ることによって、日本の酪農が助かる。そして日本の酪農者、実は私は農業研修生だったんですけれども、一番農業研修生で激しい労働があったのが酪農なんですよね。休みが全然なくて、毎日毎日朝早くから。だから酪農は本当に大変だというのは私も知っています。だからそういう人たちが報われるように、そしてせっかく搾乳した牛乳が廃棄されないように、みんなで呼びかけましょう。いい質問ありがとうございました。
質疑応答
山口県副知事の公職選挙法違反の疑いについて
Q
山口県の副知事が先日公職選挙法違反で書類送検されましたが、知事としてどうお考えですか。またこの事件を受けて、こういったことが起こらないように県庁職員に指示をしたことがあったら教えてください。
蒲島知事
私は知事になる前からどの候補も応援するためのマイクは取りませんと(言ってきました)。ただお世話になった方々が出馬されるときに、メッセージを依頼されたとき、かつ、ずっとチーム熊本として一緒にやり続けてきましたので、そのときどきにお礼はいたしますけれども、私自身が選挙運動したことはありません。
例えば、一番苦しかったのは、私の1回目の選挙のときから4回目までずっと必死で応援していただいたある首長さんがいました。本当は(選挙運動に)行きたいなと思っても、それはやってはいけないということで、やったことはありません。そういう意味で、私自身に関しては、やはり知事が言えば影響力が大きいので、それは公職選挙法上やってはいけないことだと私は思います。
Q
今のご質問の関連なんですが、今回山口県で問題になったのは、副知事ら県の幹部の方が、衆院選の候補者の後援会に入ってくれというような勧誘の動きをされて、それが公務員の地位の利用だということで問題視されています。熊本県ではそういった知事の公平なお考えがあるので、県庁内でそういうことは起こっていないということだと思うんですが、その辺をお伺いしたいです。
蒲島知事
私は起こっていないと思います。やはり知事の考えがとても大きいので。私は捜査当局じゃないのであれですけれども、起こっていないと確信しています。
多分私の応援もしていないんじゃないかな。
質疑応答
脱炭素の推進について
Q
今日の発表項目ではないんですけれども、先日、国の出先機関が脱炭素推進会議というのを九州・沖縄内の出先機関が集まって話し合いをして、自治体とか中小企業の皆さんをサポートするというようなお話し合いが(ありました)。一度私もそれ取材させていただきましたけれども、脱炭素に向けてはDX、デジタル化の活用というか推進というのがやはり非常に大事だと。今日の10大ニュースのなかにはSDGsの登録制度のこともありましたけれども、例えば、県議会でも、未だに大量の紙がこの各部局から出されていて、この紙の問題ってやはり切っては切れない問題だと思うんですけれども、今後すぐにどうこうとかではないかもしれないですけれども、この辺についてはどういうふうに(お考えですか)。
蒲島知事
私はこの創造的復興を超えてどういうふうな県にするかということについて、5つの安全保障という形で今打ち出しています。経済の安全保障、それから感染症の安全保障、災害の安全保障、食料の安全保障。
そして5番目に地球温暖化の安全保障という形で、これは2050年までにカーボンニュートラル、実質カーボンの排出ゼロを宣言していますので、これに向かってさまざまなことが考えられますよね。その目標を掲げて今やっていて、そしてDXのほうもしっかりと私と石原 進 前JR会長、今特別顧問だと思いますけれども、一緒にやっています。共同座長として。その中で5つの安全保障というのは、やはりどこよりも早く熊本県が打ち出したんですよね。それでこの問題が世界的にも最も重要な問題になっています。
そういう世界の流れの中で、これも取り組んでいくべき課題だと思っています。紙だけじゃなくて、もっとさまざまな、私はグリーン農業なんかもそうだと思いますし、森林の活用もこれからそういう観点から見ていかなきゃいけないと思いますの。大きな5つの目標の1つとして取り組むという今の段階です。
質疑応答
国予算案の閣議決定について
Q
本日政府の来年度予算案が閣議決定されまして、川辺川のダムには26億あまり。概算要求とほぼ同水準、計上されました。それも含め、今回把握されている範囲で知事が何かコメントすべき点があれば教えてください。
蒲島知事
10時に発表されるということで、実際にどういう正式な発表か見ないと分かりませんけれども、本県の事情も踏まえて、新型コロナウイルス対策、それから、令和2年7月豪雨災害からの創造的復興、そして、TSMC。そういう意味ではかなり熊本県の関連の予算が網羅されているというふうには聞いています。
具体的に、例えば、半導体の国内生産拠点の確保には6,170億円、予算として確保されていますけれども、このうちの多くが熊本県のTSMCの新規進出に用いられるんじゃないかなと思います。
例えば、具体的に生業再建支援事業とか、これが46億円。それから、あとほかのやつも一緒なんだよね。例えば、新型コロナ包括支援交付金というのは、これはもう全国ですから、熊本がどのくらいというのが、まだ、今の段階では分かりません。
TSMCと、それから令和2年7月豪雨災害の分、それから緑の流域治水の分、これは、かなり熊本かなというふうに分かりますけれども、まだ発表は10時なので、私もレクを受けていませんが、そういう形で、クリアに分かる部分と、そうじゃない部分がありますけれども、今熊本県が直面している問題には、かなり対応していただいているというふうに思います。
質疑応答
鳥インフルエンザ防疫措置動員に係る投書について
Q
ちょっと前の話になるんですけれども、鳥インフルエンザの防疫が完了した後に、県庁内に知事宛と、報道記者宛ということで、防疫作業のシフトを組むにあたって、その週に開催された野球大会が考慮されたのではないかというような指摘があるものがありました。
これについては、担当課のほうも鳥インフルを優先ということを、きっちり明記した上でというふうに説明をしているんですけれども、その職員さん、告発文というか文章を書いた職員さんが何かしら不満を持たれたというのは、事実なのかなと思うんですけれども、知事宛に文章が届いたというようなことで、知事からの職員さんなりに向けたメッセージがあればいただきたいんですけれども。
蒲島知事
私も読んだときに、やはりみんなの一番重要な目的が、鳥インフルエンザを早く収束させたいというときに野球大会の話があって、20名ほどがそれにかかっているので考慮してくれないかというふうなお手紙だったと思います。
それで、その手紙をよく見ると、鳥インフルエンザ対応を優先に職員の動員を行っていただくのは当然ですと書かれていて、それを最優先にしてくれということと、実際にこの名簿のなかにあった20名の方々、これは鳥インフルエンザの対応にみんな参加されているんですよね。そこから抜けたんじゃなくて、その日(=野球大会の日)以外かもしれないけれども、とにかく全員がこの鳥インフルエンザ対応をされたということであります。各県の農業土木職員の親睦を目的とする大会の開催というのは、随分前に決まっていて、急速に鳥インフルエンザが重要になってきたと。それでこの課長は鳥インフルエンザ対策も重要だし、両方とも重要だと考えられたと思いますよね。できるんだったら、その日を避けて担当を次の日にしてくれとか、そういうふうなことをお願いされたんじゃないかなと思います。
それに関しても、この野球チームのメンバーだと思いますけれども、一生懸命に鳥インフルエンザ対策に尽力されて、かつ、農林水産部ですからとても前面に立ってやられたというふうに思います。
そして先ほど言ったように殺処分を24時間以内、それから防疫措置を72時間以内、52時間でしたかね【※実際は54時間8分】。そういう意味で、とても頑張られたと。後で聞いてみたら、最後のほうはとても(24時間以内の殺処分に)間に合いそうになかったので、休み時間も1時間を15分ぐらいで、みんな一生懸命やったとおっしゃっていたので、最初配慮が足りなかったということは思いますけれども、職員がきちんと防疫活動に参加したのであれば、私が何らかの形で、不適切とか、そういうふうなことは言うべきじゃないなと思います。
よろしいですか。
はい。じゃあ皆様、よいお年をお迎えください。