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【令和5年4月17日】第14回熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議後の記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0171081 更新日:2023年4月17日更新

【令和5年4月17日】第14回熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議後 記者会見

 

馬場座長、蒲島知事、大西市長コメント全文

馬場座長コメント全文

 本日の第14回専門家会議では、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ変更に伴う医療提供体制の移行」などについて議論を行いました。専門家会議としての見解を御報告いたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の状況についてです。
 昨年冬の第8波は、第7波と同様の大きな感染拡大となり、県内で20万人程度の感染者が確認されました。
 実質最大確保病床使用率は70%程度まで達し、さらに第8波においては医療機関においてクラスターが多発したことから、医療従事者の欠勤等の影響で、数値以上に医療現場のひっ迫は深刻でした。
 また、高齢者等施設においても多数のクラスターが発生したこともあり、第8波の致死率は、第7波よりも高くなりました。ただしこれは冬季の影響もあると考えられ、熊本県だけでなく、全国的に同様の傾向です。
 このように、かなり厳しい状況となりましたが、2価ワクチンの接種促進を含め、集団免疫が一定以上に高まったことから、第8波は行動制限をすることなく収束に至りました。
 これは、新たな日常を取り戻す観点からは大きな成果だったと考えます。
 現在、感染者数は少なくなっていますが、沖縄県や北海道、東京都など、継続した感染増加が見られている都道府県も散見されます。また、次の感染拡大はXbb.1.5系統による可能性が高いと考えられており、熊本県においても当該系統の割合が増加していることを踏まえると、今後、感染は拡大に向かうことが予想されます。
 第7波、第8波の課題を踏まえると、より多くの医療機関が関与する体制で対応していくことが重要であると考えられます。
 こうした状況で、国は5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを「5類感染症」へと変更します。
 これまで、コロナの対応は、行政の強い関与のもとで特定の医療機関で行ってきましたが、変更後は、季節性インフルエンザのように、幅広い医療機関で、通常の地域医療の一環として対応していくこととなります。
 特に、入院が必要と診断された方の入院先を決める「入院調整」については、これまで保健所などの行政機関で担う体制でした。そのため、これを医療機関の中でどのように進めていくかは大きな課題であり、今回の会議の最大の論点でした。
 委員からは、様々な意見がありました。混乱を避ける観点からも、早く季節性インフルエンザのような対応に移行すべきという意見もありましたが、その一方、これまでコロナを診たことがない医療機関が徐々に対応できるよう、配慮を求める声もありました。
 その結果、次の3点を柱として進めることで合意を得ました。
(1) 基本的な方針として、入院者の調整は医療機関で行うこと
(2) ただし、調整が困難な事例は行政による支援を行うこと
(3) 入院者を受け入れる医療機関数を増加させること
 これらの実現のために、県内の全医療機関に対し、蒲島知事、大西市長、県医師会福田会長、そして私の4者連名で通知を行い、対応医療機関の増加を図るとともに、各圏域のコロナの入院医療や入院調整を地域医療で受け止めるオールクマモト体制の構築を10月1日を目指し進めていきます。
 また、各圏域においてこうした取組みが問題なく機能することが確認されるまでは、一定数のコロナ専用病床を残し、保健所・行政による支援を継続する体制とすることで合意しました。
 これまで、多くの医療機関がコロナ対応を経験していますので、私としては、多くの圏域で迅速に医療機関のみでの体制構築が可能ではないかと考えています。
 次に、外来診療についてですが、対応できる医療機関の更なる拡大を進め、10月1日以降は広く一般的な医療機関で対応できる体制を目指すとともに、当面の間は、発熱時の受診電話相談や、療養時に急変した際の電話相談体制は継続するとの説明を受けました。
 コロナは、今後も永遠に人類と共存していくと考えられます。したがって、十分な外来対応のためには、季節性インフルエンザと同等以上の医療機関数が必要と考えられますので、対応医療機関数を増加させる県の方針は妥当です。また、高齢者施設については、重症化リスクを踏まえ、当面の間、行政の関与を含めた対応を維持されるとのことでした。
 第7波、第8波とも、高齢者の感染者数は若者に比べると少なく、高齢者の世代としての集団免疫は徐々に低下していることが危惧されます。そのため、次の波では高齢者の感染者が増加する可能性はあり、当面の間、手厚い対応を取ることは妥当です。一方、その対応をずっと継続させるわけにもいかないため、各施設と医療機関の連携を強化することが重要です。
 外来・高齢者施設対応については、各医療機関でしっかりと対応していただくよう、4者連名通知にも含めています。
 さらに、今年度のワクチン接種については、国の方針どおり全県民に1回、高齢者等は2回の接種を行う計画とのことでした。ワクチンは、発症・重症化防止のほか、後遺症予防にも有効であるとのエビデンスも集積しています。ぜひ接種していただくようお願いします。
 現在、コロナは身近な疾病になっており、実は私は今年コロナに感染しました。蒲島知事、大西市長も感染されたと聞いておりますし、ここにお集まりの皆様の中にも感染を経験した方は多くおられるのではないでしょうか。最新の国内の調査では、熊本県では45.9%の方が感染による抗体を保有していたとのことです。
 感染拡大が先行した各国では、この抗体保有率は100%に近い数字になっていると考えられます。したがって、現在の日本は過渡期にあると言え、今般の5類感染症への変更により、我々はこの疾病がさらに日常となった世界を生きていくこととなります。
 このことに不安を感じている方もおられると思います。重症化された方や、後遺症に苦しんでいる方もおられる中で、一医療者として、決して侮るわけではないのですが、コロナは少なくとも当初の原因不明で致死率の高い危険な病原体ではありません。人類の叡智により、感染防止対策を見出し、緊急事態宣言などで時間を稼ぐ中で、標準治療を確立し、有効なワクチンや薬剤を開発し、今に至っています。
 あとは、どこかのタイミングでこの疾病を受け止めるしかありません。
 まず、我々医療界は、今回合意した5類変更後の体制を実現するために、これまで以上に努力が必要です。私としては、全ての医療機関に何らかの参画を行ってほしいと考えています。
 次に、皆様の受け止めについて、社会はコロナの感染による健康への影響が大きく異なる方々から構成されているため、受け止めのためには、社会の全ての人が、それぞれの多様な考えや感じ方を認めることが必要です。
 5類変更には多くの意見があると思いますが、大切なことは、社会をより良くすることです。そのためには、我々全員が、コロナ禍で学んだ感染防止対策を、他人を思いやる視点で緩やかに継続し、社会全体でコロナを受け止めていくことが重要と考えます。
 100年に1度と言われるパンデミックとなった感染症を、ここまでの状況に改善できたことについて、全ての関係者及び県民・事業者の皆様の多大なる御尽力に、専門家会議座長として、心より感謝を申し上げます。
 ただし、現時点では変異株による新たな問題が生じる可能性がありますので、本会議は当面の間は残し、有事には迅速に対応したいと考えています。
 専門家会議の報告は以上です。​

蒲島知事コメント全文

 ただ今、馬場座長から、5類変更後の医療提供体制の移行に関する専門家会議の見解について、述べていただきました。
 これを受け、本県では、9月末までの移行期間において、幅広い医療機関での入院受入れ拡大を図りながら、医療機関による入院調整へ完全に移行できるよう進めて参ります。
 また、幅広い医療機関で外来診療に対応できるよう、取組みを進めて参ります。
 ただし、移行期間において、医療機関による入院調整が困難な場合には、保健所等で支援を行うなど、県としてもサポートして参りたいと考えています。
 また、受診相談や体調急変時の健康相談に対応する窓口を継続することにより、県民の不安解消や外来・救急への影響を緩和し、5類変更による混乱を最小化したいと思います。
 さらに、高齢者施設等については、集中検査、医療支援チームや業務継続支援チームの派遣などの支援を継続し、重症化リスクの高い高齢者を守りながら、今後に向けて、協力医療機関との連携強化を図ることとします。
 委員の方々からは、
◆5月8日には5類感染症になるため、季節性インフルエンザと同様の診療体制にすぐに移行していただきたい。
◆一方で、新型コロナは、高齢者等が重症化しやすいことや、インフルエンザと比べ、発生して3年と期間が短いことから、行政として万全を期すために移行期間を設けたいという意向も理解できる。
◆また、県民の新型コロナへの対応も様々になっている中、5類変更後も、感染対策などについて、県民への周知や必要に応じた呼びかけを行っていただきたい。
と御意見をいただきました。
 本県としましても、引き続き、関係者の皆様や熊本市と連携し、幅広い医療機関の参画を促すとともに、体制の円滑な移行を図りながら、10月以降は、行政の関与を前提としない、地域全体で対応できる体制を目指して参りたいと思います。
 また先程、馬場座長から御説明されたとおり、県、熊本市、県医師会、県・市合同専門家会議の四者連名で、県内全ての医療機関の皆様に対して、新型コロナの対応への御協力をお願いする通知を発出します。
 入院・外来ともに、5類変更後は幅広い医療機関に対応いただくことが重要です。
 そのため、これまで新型コロナの対応をされてきた医療機関はもちろん、それ以外の医療機関の皆様におかれましても、5類変更後は、新型コロナの入院医療や外来医療に対応いただきますよう、御協力をよろしくお願いします。

大西市長コメント全文

 ただ今、馬場座長と蒲島知事より、本日の専門家会議の見解や県全体の取組について、御説明がありました。
 本市においても、国や県の方針を踏まえ、入院医療・調整体制、高齢者施設等における対応、ワクチン接種における体制整備に取り組んでまいりました。
 入院医療・調整体制については、原則、医療機関の病診・病病連携による入院調整の体制に移行となることから、これまで確保病床を有しない医療機関等の受入の促進・拡大に向けて、県市等の連携による説明会開催・訪問等を通じた医療機関等への働きかけを実施いたします。
 また、移行期間における医療機関間の入院調整困難事例に対応するため、受入医療機関の促進・拡大の進捗を見極めつつ、一定の期間、中等症2・重症など必要な確保病床の重点化を図り、行政による確保病床への入院に向けた支援を実施するほか、救急要請者については、消防局・救急隊による調整へと移行いたします。
 高齢者施設等における対応としては、平時からの感染対策や集中的検査、感染者発生時のスクリーニング検査や医療・業務支援チームの派遣など、引き続き支援を実施してまいります。
 また、施設における療養体制の確保や医療機関との連携強化を推進するとともに、希望する施設に対してはパルスオキシメーターを無償で譲渡し、施設内での健康観察を支援いたします。
 最後に、ワクチン接種については、5月8日から開始する65歳以上の高齢者、基礎疾患のある方及び医療従事者等を対象とした「令和5年春開始接種」に向けて接種体制を構築いたします。
 医療機関の医師や看護師をはじめ医療従事者の皆様には、これまでのご尽力に対し、この場をお借りしまして、深く感謝を申し上げます。
 5月8日以降、感染症法上の位置づけが変更されたとしても、新型コロナウイルスの感染力等は変わらず、今後も感染拡大を繰り返すことが想定されます。
 今回、委員の皆様からいただきました御意見を踏まえ、県や医療機関等と連携を深めながら、医療提供体制の整備やワクチン接種の推進に取り組み、次の感染拡大が起きた場合でも、市民の皆様に安心して療養いただける体制整備に努めてまいります。
 今後は、これまで以上に多くの医療機関の皆様の御協力が必要となります。医療機関の皆様におかれましては、四者連名で発出させていただきます通知のお願いについて、何卒ご理解・ご協力よろしくお願いいたします。
 また、市民の皆様におかれましても、これまでの感染防止対策(手指消毒や換気、体調不良時の登校・出勤自粛など)について、流行状況や場面に応じ、自主的に実践していただくなど、今後も、本市の医療提供体制を維持・確保するためのご理解・ご協力をよろしくお願いします。
 私からは以上です。

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