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英語授業づくりプロジェクト「第1回管内等研修」【天草】(中学校)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0180520 更新日:2023年7月27日更新

英語授業づくりプロジェクト

「第1回管内等研修」【天草】(中学校)

〇天草教育事務所 第1回管内等研修【中学校】
 期日:令和5年7月7日(金曜日)
 会場:天草市立本渡東中学校

★当日の研修の様子★
 天草管内の中学校の英語担当の先生方28人が参加されました。本管内の研修テーマは、「英語を通したコミュニケーションにおいて、適切に活用できる技能を身に付け、読んだり、聞いたりしたことについて、自分の考えや気持ちなどを整理し、理論的に伝え合うことができる生徒の育成」です。研修1はプロジェクトリーダーによる研究授業、研修2は授業研究会及び協議という研修内容でした。


研究授業 第2学年 単元名「Unit 3 Plans for the Summer」

 研修1では、本研修のプロジェクトリーダーである、天草市立本渡東中学校 津田指導教諭による研究授業が行われました。「読むこと」の領域に焦点をあてた単元構想とし、単元のゴールは、「オーストラリアにいるALTに、自分の夏休みの予定を伝えるためのメールを書こう」です。

 まず、挨拶のあと、「What are you going to do?」を用いたSmall Talkとチャンツで既習表現の確認がありました。Small Talkの中での中間指導では、生徒が答えた文の主語をIから生徒の名前に替えて、3人称を用いた文に言い替える指導もありました。Today’s Goalは、「メールを読んでTinaはどんなことを伝えるか予想しよう」でした。教科書本文(TinaとKotaのメールのやり取り)の内容から、Kotaのメールを読み、自分がTinaの立場でKotaに返事を書くつもりで読むという流れで進んでいきました。

 展開では、教科書本文の内容について、聞くポイントを事前に示した上で、本文を聞き取る活動から入りました。「Read(1)」の活動で、自分がTinaになったつもりで予想される自分の考えを書く活動を行いました。その後、単語の意味内容を全体で確認し、「Read(2)」の活動で、メールの内容を再度読み取り、再度Tinaになったつもりで改めて書く活動を行いました。その際のキーワードとして、ここでは「予定」を表す表現と「希望」を表す表現に注目するように指示があり、生徒は教科書本文の該当箇所にアンダーラインを引き、グループや全体で確認をしました。どこに注目させるかを教師が示すことで、生徒は読み取り方を学んでいきます。また、生徒自身がどれだけ内容を読み取って、どれだけ内容に沿って書くことができたかが視覚的に分かるよう、「Read(1)」と「Read(2)」でそれぞれに書くことができるようにワークシートの構成も工夫されていました。

 終末では、Kotaのメールから必要な情報を読み取り、その内容を踏まえた上で、Tinaになったつもりで返信を書くことで、どんな内容を含めて書く必要があるのかを全体で確認されました。そこに書き手が伝えたいことが何なのかの目的をもって読むという活動のねらいが生まれます。
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 研修2では、本研修のプロジェクトリーダーである、天草市立倉岳中学校 岡崎教諭の司会のもと、授業研究会が行われました。まず、管内の研修テーマから、本研究授業では管内の英語教育の課題に迫るため、特に「読むこと」(「聞くこと」もおさえながら)に特化して授業が展開されたこと、また研究授業を踏まえて、各学校で「読むこと」の力を付けるべく授業実践に取り組んでいただくことが確認されました。

 授業研究会では、授業者の自評と質疑応答が行われました。津田指導教諭は、教科書本文(TinaとKotaのメールのやり取り)の内容から、登場人物の行動に着目して、読むことから書くことにつなげており、読むことに特化した授業をする際に、どの段階で音読を入れるのか、どこで単語の意味を確認するのか、どの程度内容を理解させるのかなど、生徒が思考・判断しながら、目的に応じてどう読み取っていくのか、試行錯誤しながら取り組んだと話されました。特に、ワークシートについては、全学調や県学調の問題分析を行い、生徒の思考力・判断力・表現力等につながるようなものにできないかと考えながら作成されていることでした。参加された先生方からは、単元全体の構想やワークシートの工夫、また授業冒頭のSmall Talkや日頃の生徒の達成状況の見取り、ALTとの授業づくりなどについて、活発に質問がなされていました。
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 次に、天草教育事務所指導主事から「英語教育における管内の現状」について説明があり、本管内の課題である「読むこと」及び「聞くこと」の授業実践のポイントが示されました。管内の課題を踏まえた授業実践に取り組む必要があることが伝えられ、日頃生徒に「読むこと」や「聞くこと」の力を付けるために、どのような手立てをされているのかについて、協議及び情報交換が行われました。
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 班別協議では、参加された先生方が日頃の授業における「読むこと」や「聞くこと」の力を付けるための取組について協議を行いました。協議の中では、〇「読むこと」に特化した教材を帯活動で活用、〇学習者用デジタル教科書の活用、〇本文の内容理解におけるQ&Aをグループごとに生徒が作成、〇教科書本文の読ませ方の工夫(題材によって様々な工夫あり)、〇授業では読み取り方を学習し、定期テストやパフォーマンスで改めてチャレンジさせるなどの意見がありました。
 大切なことは、思考を伴って読んだり聞いたりしているかです。書き手が伝えたいことは何か、話し手が伝えたいことは何か、目的をもって読んだり聞いたりさせて、日頃の授業を通して生徒に力を付けていくことの確認がなされました。
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 「読むこと」については、本県にとっても課題となっている領域であり、本研修においても授業づくりの新たな視点を見いだすことができた研修となりました。津田指導教諭の研究授業を受けて、本研修での学びをもとに、今後各学校において「読むこと」「聞くこと」に迫った授業が展開されていきます。天草管内の先生方の一人一人の授業づくりへの熱で、天草管内の英語教育の充実につながっていくことでしょう。

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