本文
令和8年10月26日(月曜日)10時00分~
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
10月26日知事定例記者会見 説明資料(スライド) (PDFファイル:1.45MB)
発表項目・コメント
・ 台風等への備えについて
・ アジア・アジアパラリンピック大会選手村の移動式宿泊施設の熊本地震被災地での活用について
・ 熊本県アリーナ整備・運営等事業に関する委員会を開催します
・ 「食べるほど、熊本が元気に。」大規模県産品フェア第2弾「くまもとモン×大阪梅田」を開催します
・ 全盲の海洋冒険家・ヨットマン 岩本光弘氏~単独・無寄港での太平洋横断に挑戦~
質疑応答
質疑応答1 熊本県アリーナ整備・運営等事業に関する委員会を開催します1
質疑応答2 アジア・アジアパラリンピック大会選手村の移動式宿泊施設の熊本地震被災地での活用について1
質疑応答3 新野球場移転候補地の選定について
質疑応答4 不正アクセスによる個人情報等の漏えいについて
質疑応答5 「東京食肉市場まつり」で推奨銘柄牛に選定された「くまもと黒毛和牛」について1
質疑応答6 「東京食肉市場まつり」で推奨銘柄牛に選定された「くまもと黒毛和牛」について2
質疑応答7 防災庁設置について1
質疑応答8 防災への取組み、復旧・復興プランの津波対策について1
質疑応答9 アジア・アジアパラリンピック大会選手村の移動式宿泊施設の熊本地震被災地での活用について2
質疑応答10 避難者の生活再建について1
質疑応答11 災害弔慰金等支給審査会の合同開催について
質疑応答12 熊本県アリーナ整備・運営等事業に関する委員会を開催します2
質疑応答13 防災庁設置について2
質疑応答14 復旧・復興プランの津波対策について2
質疑応答15 被災地の地域経済の状況について
質疑応答16 避難者の生活再建について2
質疑応答17 避難者の生活再建について3
質疑応答18 避難者の生活再建について4
質疑応答19 要配慮世帯に対する個別給水について
質疑応答20 八代港におけるコンテナ貨物輸送の再開について
質疑応答21 鳥取県・平井知事の不出馬表明について
質疑応答22 地震発生3か月を迎えて(課題・改善点)
質疑応答23 地震発生3か月を迎えて(被災市町村等に対する人的支援)
質疑応答24 地震発生3か月を迎えて(避難所運営)
質疑応答25 地震発生3か月を迎えて(災害用備蓄)
まず台風への備えについてです。本県に接近していた台風30号は昨夜21時に温帯低気圧に変わりました。しかしながら気象台によると、今後も予想以上に雨雲が発達した場合には、本日の夕方にかけて本県でも警報級の大雨になる可能性があり、土砂災害や河川の増水、激しい突風に注意が必要な状況は続いています。また、新たに台風31号が発生するなど、引き続き台風接近の可能性は継続しています。
県では、災害警戒本部において情報収集等にあたっているところですが、現在のところ県内で人的な被害や家屋被害等は発生しておりません。
私から県民の皆さんに、改めて3点お願いです。
1点目は、台風の接近時にはテレビやラジオ、SNSを通じて気象情報や市町村の避難情報などを十分に確認していただき、状況に応じて早めに避難するなど適切に行動してください。2点目は、地震で地盤が緩んでいる箇所や、増水した河川、用水路、急傾斜地など危険な場所に絶対に近づかないようにしてください。3点目は、引き続き災害への備えをお願いします。マイタイムラインの活用や、避難場所の確認、備蓄品の点検など災害への備えを再確認してください。
ご自身や愛する人を守るためにも、引き続き災害に備えてまいりましょう。
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一部既に報道等されているところではありますが、一昨日(24日)、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会が終了しました。今大会の選手の宿泊拠点の一つとして利用されたコンテナ型の移動式宿泊施設の一部を、熊本地震の被災地に活用させていただくことになりました。
大会組織委員会から活用の打診をいただき、建設工期が短く、被災者の早期の住まい確保につながること、大会のレガシーの承継やSDGs推進などの点を踏まえて、本県被災地での活用を決定いただきました。
具体的な場所や設置戸数は被災市町と最終調整中であり、決まり次第公表させていただきます。
早く造れることにとてもメリットがあると思いますので、11月中頃には着工し、12月中の完成・入居を目指していきます。
これがアジア・アジアパラ競技大会で使われていた移動式宿泊施設の外観や内装です。天然木を内装に使っているそうで、高気密で断熱性も優れて各種整備も整えられ、省エネの仕様になっています。
これらは、移動式木造建築となっているため、さらに再利用が可能であるということで、被災地で有効活用させていただきたいと思っております。アジア・アジアパラ競技大会の皆さんありがとうございます。
熊本県アリーナ整備・運営等事業に関する委員会を開催します。熊本県アリーナ整備・運営等事業は、「熊本県立総合体育館」を、新たにアリーナ施設として官民共創により現地で再整備するものです。
この新アリーナは、スポーツやエンターテインメントを通じて、県民に夢や感動をお届けし、地域に活力をもたらす「まちづくりの拠点」であるのみならず、地震などの災害発生時には県民の命を守り、安心安全を届ける「防災拠点」としての役割を担うなど、本県にとって極めて重要な施設であります。
整備検討にあたっては、今年7月24日に「熊本県アリーナ整備・運営等事業に関する委員会」を設置しました。地震発生を受けて開催を延期していましたが、この度、来月11月6日に第1回検討委員会を開催したいと思っております。
この委員会では、官民共創で実施するアリーナ整備の実施方針などの案について専門的な立場からご意見を伺い、客観的かつ公正・透明な事業者選定を行うことを目的としています。
まず「検討委員会」として実施方針などの案について検討いただき、その後、「選定委員会」に移行し、アリーナ事業を担う民間事業者の選定を行なってまいります。
第1回検討委員会は、11月6日に県防災センターで開催し、実施方針案などについて協議いただくこととしています。
委員の先生方はこの5名の方です。昨年度、施設整備に関する検討会議の座長であった澤田教授はじめ、5人の学識経験者や有識者の方々に就任いただいています。
この5名の委員の皆様には、検討から選定まで一貫して携わっていただき、貴重なご意見をいただきながら、新アリーナ整備に向けた検討を進めてまいります。
「食べるほど、熊本が元気に。」大規模県産品フェア第2弾「くまもとモン×大阪梅田」を開催いたします。
9月14日の定例会見で発表しました「大規模県産品フェア(くまもとモンフェア)」の第2弾として、大阪梅田フェアを11月1日から30日までの1か月間開催します。
第1弾の福岡天神フェアでは、大変多くの方にお越しいただき、好評いただきました。また、被災地の復旧・復興を支援する大きな力にもなりました。
大阪梅田での開催は今年で5回目となります。大阪梅田を中心に、百貨店や商業施設、ホテルなどが一体となって、県産品のPR・販売促進を通じて、令和8年熊本地震からの復興を支援していただきたいと思っています。
フェア期間中、約90店舗の飲食店では飲食店フェアを開催し、真鯛や栗など様々な県産食材を使った料理や県産酒をご提供いただきます。
また、今回の目玉であるホテルフェアは、グランヴィア大阪とリーガロイヤルホテル大阪にご協力いただき、期間中、両ホテル内のレストランなど15店舗で、県産食材を使った特別メニューが展開されます。ワンランク上の素晴らしいメニューを味わっていただきたいと思っています。
また、物産フェアとして県内事業者が出展する物産展を開催するほか、五木村の柑橘くねぶを使ったクラフトビールなど県産食材を使用して開発された新商品や、県内の3つのフード賞レースで受賞した商品を販売します。
その他にも球磨焼酎や日本酒を楽しめる企画、また熊本地震の復興企画として応援メッセージボードの設置など、様々なかたちで熊本にお心を寄せていただこうと思っております。特別メニューの売上の一部は寄付の対象となります。参加施設のご厚意には本当に感謝を申し上げます。
11月1日11時から、JR大阪駅直結・大阪ステーションシティ5階「時空(とき)の広場」でオープニングセレモニーを実施します。
10月の福岡天神に引き続き、11月は大阪梅田で多くの皆様に熊本の食を味わっていただき、「買って応援、食べて応援、飲んで応援」で熊本への応援の輪を広げていただきたい。この1か月間多くの人に大阪梅田にお集まりいただければと思っています。県内メディアの皆様もぜひ取材をよろしくお願いします。
最後に、全盲の海洋冒険家・ヨットマンとして世界で活躍している岩本光弘さんの単独・無寄港での太平洋横断挑戦をご紹介いたします。
岩本光弘さんは天草市牛深町のご出身で、現在はアメリカのサンディエゴで海洋冒険家として活躍されています。
岩本さんは16歳の頃に視力を失われましたが、熊本県立盲学校を卒業後、盲学校の教員などをしている過程でヨットの世界に入られました。令和元年には、全盲のセーラーとして世界初となる、ヨットでの無寄港太平洋横断に成功されるなど、様々な挑戦を続けてこられました。
今度、新たな挑戦として、令和9年の2月頃から、「単独で無寄港での太平洋横断」に挑戦されるご予定で、アメリカを出発されて、岩本さんの故郷である天草市牛深町をゴールに設定した非常に壮大なプロジェクトとなっています。
今回のプロジェクトは、これまでよりさらに難易度の高い、単独での無寄港太平洋横断を目指すもので、ご自身の原点、生まれ故郷である牛深の海を目指す旅となります。
地震からの復興に取り組む熊本の皆さんに夢と勇気を届けたいという岩本さんの熱意もあり、直々に県庁を訪問され、挑戦の概要を報告いただくことになりました。
11月3日の15時にお越しいただきます。
岩本さんの挑戦が、障がいの有無に関わらず誰もが輝ける共生社会の象徴となるよう、県民みんなで応援しましょう。
祝日ではありますが、ぜひ記者の皆様にも取材をお願いします。
幹事社
アリーナ整備・運営等事業に関する委員会ですが、何回くらい開催され、いつ頃までに方針を決めるのか。また、いつ頃までに選定したいのか、県や知事としてここはこうしたいという基本的な方針があればお願いいたします。
木村知事
今回の委員会は、11月の第1回を皮切りに検討委員会を2回程度開催し、そこでは民間公募の開始に向けた基本方針などをご議論いただき、来年度からの民間事業者の公募につなげていきたいと思います。詳細は委員会で決めていただきますが、来年度の然るべき段階で選定まで終えられたらと思っております。検討委員会が2回程度、選定委員会も2回程度で進めていただけると、来年度中に大きな方向を定め民間事業者の公募開始につなげられると思っております。
中身についてもこれから委員の皆様に議論いただきますが、新アリーナ整備は長年の県民からの要望であり希望・願いです。これまでの体育館では、プロスポーツなど様々なスポーツがやりにくく人を多く集められないということで、スポーツを通じて県民に夢や感動を与え、地域に活力をもたらす「まちづくりの拠点」にしていきたいと思っております。もう一つ、今回の熊本地震でもありましたが、体育館(アリーナ)の機能は災害時にも大事になりますので、防災拠点として県民の命を守り、安心安全を届けられる施設にしてほしい。もちろんメインはスポーツや様々な活動のためのアリーナですが、まちづくりにおける防災拠点としての重要性にも配慮していただきたいと思っております。
幹事社
移動式宿泊施設ですが、これは建設型応急住宅ということでよろしいでしょうか。
木村知事
そうです。カウント上はそうなります。みなし仮設住宅ではありません。
幹事社
10月15日の定例会見で、建設型応急住宅について年内に皆さんが入居できるようにしたいと発表されましたが、少し時間が経ち現時点で、その辺の目処などがあればお願いします。
木村知事
被災者の方のお気持ちはまだ揺れています。揺れるというのは、建設型応急住宅に入るのか、みなし仮設住宅が空いたら入りたい、またはそもそも自宅は再建せず補修等で今の自宅に住み続けたいといったこと。
そうしたなかで、先日も、何とか年内に入居を完了したいと申し上げましたけれども、どうしても集落の近くに居続けたいという皆様のご希望があって、農地を改良して建設型応急住宅を造るケースが増えてくると思います。そうした場合、地盤改良等の時間を踏まえると年を越してしまうことは十分にあると思っています。限りなく工期を早めるよう検討していますが、年を越す場合もあります。ただそれも、被災者の方の理解・納得のうえそのように進んでいきます。そうではない、早く新しい仮設住宅に住みたいというお声が多いのも事実ですので、今回こうやって移動式宿泊施設を導入し早く建設することも、アクセルを踏んで併せて進めているところです。
幹事社
スポーツ施設関連で、新野球場の候補地選定については今年秋頃と議会で公にされていました。10月末になってきましたが、現時点で具体的なスケジュールがみえてきたかお願いします。
木村知事
野球場は移転・再整備になりますので、現在の藤崎台野球場からの移転候補地の選定については、今回の地震を踏まえて年内は選定手続きを凍結すると表明しております。今のところ4市町から手が挙がっております。この4市町と11月から年内にかけて、今後どのように進めていくかなどについて意見交換を行い、また場合によっては、4市町だけで本当にいいのか、地震という特別な事象が生じてしまいましたので、時間が経つと手を挙げたい/手を下ろしたいなど色々な状況もあろうかと思います。年明けには様々な作業が再開できるよう、年内関係市町などと意見交換をしていきたいです。ですから、当初議会で表明した秋というのは、凍結を表明したときの予定どおり年明けになると思っております。
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幹事社
サイバー攻撃が世界中で広がっており、行政サービスにも影響が及んでいるところが数多く見られます。熊本県としては、担当部署・担当課ごとに連携している企業も違うかと思いますが、今どのような対策を講じているのか教えていただけますか。
木村知事
一昨日、PHP言語に関する重大な脆弱性が表明されたことで、デジタル改革推進局が中心となり、全庁的に様々な注意喚起を行い、確認を取っております。
現在、修正プログラムの適用などを行っている段階で、県が管理するホームページまたは市町村も含めて、現時点ではPHP言語によるサイバー攻撃の被害報告はありません。
ただ、脆弱性に関するプログラムがセキュリティ適用するにあたって一時的に運用を停止しているものや、メンテナンスを行っているところはあります。また、このPHP言語の前にアルカディアという防災メールを配信している会社の不正アクセスによる情報漏えいが発生しました。これについては、八代市をはじめ県内15市町村でこのシステムを使っており、現在調査を行っています。情報漏えいが発生している可能性があるということですが、何件情報が漏えいしたかはまだ分かっていません。
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幹事社
先週、知事が出席された「東京食肉市場まつり」での「くまもと黒毛和牛」ですが、県がブランド化を推進して5年目ということで、イベントでの反響や、推進5年目の知事の受け止めと、今後どのようにブランド化を進めていくのか教えてください。
木村知事
10月17日・18日に開催された「東京食肉市場まつり」において、今年の推奨銘柄牛に「くまもと黒毛和牛」が選ばれました。東京食肉市場まつりでは初めてのことです。食肉の世界では、このイベントの代表銘柄牛に選ばれることは大変な名誉で、これまで九州では鹿児島牛や宮崎牛が選ばれることが多かったなか熊本県もいつか選ばれたいと思いながらも、なかなか熊本県としての統一ブランドがないことでそうした推奨銘柄牛に選ばれることがなかったところです。そこで、5年前に、これまでそれぞれ各社でブランド化されてきたものをまとめ、「くまもと黒毛和牛」の名称でブランド化しました。そして各社が連携して、首都圏での生体販売なども行っていくなかで、認知度が上がり今回選んでいただくことになりました。
しかも、選定は熊本地震の前に、来年度は「くまもと黒毛和牛で」と選んでいただきました。その後地震の発生があり、イベント当日は朝10時予定だった開場を30分早めなければいけないほど多くの方が来場され、当日は3万人を超える方にお越しいただきました。例年よりもかなり多くの方が来場されたことは、もちろんくまもと黒毛和牛の認知度が広がったと同時に、東京をはじめとする首都圏から熊本の復旧・復興を応援したいという皆さんの熱い思いが重なったと思っています。
ここに至るまで、畜産関係の皆さんは本当に努力いただきました。こうしたきっかけをさらに広げ、全国に熊本の和牛が広がっていくことを願っております。今回はかなりの手応えを感じて帰ってまいりました。
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幹事社
大阪梅田でも食のイベントを行うということですが、ここでも「くまもと黒毛和牛」のブランドを訴えていかれますか。
木村知事
大阪梅田と福岡天神でも同様です。お肉は非常に訴求力が高く、単価も高いなかで非常に多くの売り上げが期待できます。
また、JA経済連や畜連をはじめとする関係者の皆様、非常に熱意を持っておられます。熊本の食肉はこれまで宮崎や鹿児島に比べてブランド化が遅れていましたので、5年かけてここまで来たなという感慨とともに、地震からの復旧・復興「買って応援、食べて応援」の側面からも、ぜひ県外の多くの方々に熊本の和牛の良さを広げていきたいと思っております。
Q
11月2日に防災庁が発足します。以前もお考えを聞いたところですが、その後、地震の発生も対応にあたられました。それを踏まえて改めて防災庁に対する考え方や期待すること、地方の防災局誘致の考えも併せて聞かせてください。
木村知事
11月2日に防災庁が設置されます。防災庁の設置により、これまで内閣府防災部局という一部局だったものが1つの庁となります。基本的な政策など防災に関する様々なことについての司令塔になることが期待されていますし、これは私どもも大変期待しているところです。今回の熊本地震が発災した日、私が高市総理大臣にいの一番にお願いしたのも、国が防災関連の施策に一本で取り組んでいただくこと、そのなかで現地対策本部を作ってほしいということでした。
ですので、防災庁には、今回の熊本地震を踏まえ、次なる大規模災害の発生への備えの役割を期待したいと思います。特に、全国的には発生しうる可能性が高いと言われている南海トラフ地震への対応として熊本は非常に適地であります。南海トラフ発生時の政府の現地対策本部は本県に設置することになっていますので、しっかりと今回の内閣府、いずれ令和10年度頃から防災局という地方機関をつくると伺っておりますので、ぜひこの地方機関が熊本県に来たらいいなということで、来週の政府要望の中ではこの点も要望していきたいと思っております。
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Q
防災についてはマニフェストでも1番最初に記載され、重要性を強調されていますが、熊本地震を踏まえて改めて今後どのように取り組んでいかれるかお考えをお聞きしたい。また、復旧・復興プランの中にも防災の項目があり、津波対策なども記載されていますが必要性をどのように認識していらっしゃるのか教えてください。
木村知事
今、質問いただいた2点は私の中では1つでして、県民の命と暮らしを守ることが県知事としての大きな使命だと思っています。10年前の熊本地震の時から、当時私はまだ役人でしたけれども、担当者として復旧・復興に携わってきました。このなかでしっかりと様々な施策を講じていくことが県としての大きな役割です。防災対策や復旧・復興を一自治体で進めていくのはなかなか厳しい、そこで県として一丸となって国と連携しながら進めていくことが、災害発生時の一番の県としての役割であり、行動すべきことだと思っていますので、マニフェストでもそれを掲げています。
そうしたなかで今回、残念ながら再び大きな地震が発生してしまった。私の中では「正しく恐れて正しく備える」ことが、これからさらに求められると思っております。
いつ何時、地震をはじめ災害が起きないとは限りません。分かりうるものは可能な限り分析して備える、これを10年前の地震からこれまでの間、県庁として取り組んできましたが、もっと前面に出して取り組む事項が今回の復旧・復興プランだと思っております。
その1つが、今後の地震に備えた新たな対策としての日奈久断層帯での津波対策です。これを復旧・復興プランに掲げて、今後しっかりと具体化していく。
来週政府要望を行うなかにも入れていこうと思っていますが、例えば、津波がどの程度起きるかということ自体はっきりしていない。南海トラフの場合はある程度知見があって、天草だと2~3メートル、八代あたりだと1メートルくらいなど正確な数字が出ていますが、日奈久断層帯の大きさ的にどの程度の津波が起きるかはまだまだ分かっていない。国として調査・研究を進めることを8月の支援パッケージに入れていただいたので、今後どう具体化させていくか、地震に伴う津波の予測までは県でできないところですので、国と、様々な学識者の方々と連携していかなければいけない。ただ一方で、どれぐらいの津波が発生するか科学的に情報を集めていくとしても、並行して、津波を想定した総合防災訓練や避難訓練などを市町村と連携して取り組む。来年度なのか再来年になるか分かりませんが、日奈久断層帯での今後の地震に備えた対策、例えば住宅などの耐震化推進などについて、今後の予算編成課程のなかでしっかりと具体化していきたいと思っております。
Q
選手村の移動式宿泊施設について、設置戸数は未定とのことですが、どういう経緯で設置が叶うことになったのか。また、確保している設置戸数は分かりますでしょうか。
木村知事
実際の戸数は未定ですけれども、実は一昨日、大会組織委員会会長でもある愛知県大村知事からは40戸と言われています。概ねその程度の戸数が確保できていると思っていただいていいです。
元々地震発生後に、アジア・アジアパラ競技大会の組織委員会から、移動式宿泊施設を活用してみないかと打診をいただきました。当初は、閉会後だとだいぶ設置時期が遅くなるということ、同時にどれぐらいの設置希望があるか見通せなかったため、見通しが分かるようになったらぜひお願いしますと相談をしていました。
いざ大会の閉会が近づくにつれ、または、熊本県としても、自宅敷地内への建設型応急住宅も含めてコンテナハウス型仮設住宅に対して、被災者の方の抵抗感があまりないことも分かってきましたので、そうであれば被災者の方々が判断に迷われているなかとりあえず確保するにはいいだろうと。先ほど申し上げたように11月中頃から着工しても、2週間から1か月ほどで12月には完成できるスピード感であればちょうどいいだろうと、再度打診をしたところ、喜んでとお引き受けいただいたということです。
コンテナハウス自体とても良いもので、実際、熊本県では令和2年7月豪雨の際に球磨村渡地区などで2団地68戸造りましたし、令和8年7月豪雨でも上天草市で10戸の移動式コンテナハウスを造った経緯があります。結果として非常に評判も良かったことから、今回も同様に、充分機能を果たしていただけるものと思っております。
Q
建設型応急住宅に入られる方、みなし仮設住宅に入られる方がいる一方で、避難所にはまだ片付けが終わってなくて自宅に戻れないといった個別の事情を抱えた方もいらっしゃいます。避難所での長期避難が続いている方への出口支援というところで、もし県が支援に携わっている部分があれば教えてください。
木村知事
ここは極めて大事なポイントで、今現場の市町村が、被災者の方お一人お一人にしっかりと寄り添いながら、次なる安心安全な住まい対策を進めています。
これは市町村がやると言いますが、例えば八代市や氷川町、宇城市などには県の職員も派遣しています。特に派遣職員には、まさにこの応急仮設住宅をはじめ、次なる住まいへの移行にあたってのトータルコーディネート支援が一番求められている役割になりますので、実際は県が直接やるというよりも、人的支援を含めて市町村の対応を支援していますし、応急仮設住宅については県が全体の責任を持ってやると法律の体系上になっていますので、得られた情報を市町村と連携しながら、建設型応急住宅の設置戸数の最終調整を行っているところです。
Q
これまでの定例会見などで、災害関連死の合同審査会が10月に開催される予定だったと思います。実際に開催されたのか、開催されたなら話せる範囲でどのような話が行われたのか教えてください。
木村知事
災害弔慰金等支給審査会の合同開催に向けては、委員の選定は済みましたが、委員の方々のご日程で全員が合う日がなかなかなく、10月開催は難しいという報告を今日もらいました。11月の早い段階で開催できるように鋭意進めてまいります。
Q
アリーナ整備について、基礎的なところで、検討委員会と選定委員会はこの委員の5名の方は同じ方で行うのかというのが1点目です。2点目は全て公開で行われるのかという点。3点目、先ほど少し野球場の話が出ました。野球場に関しては地震発生を受けて年内は移転地選定を凍結すると判断されましたけれども、このアリーナについては地震の影響を受けてスケジュールの変更がないのかお尋ねします。
木村知事
まず1点目の委員については、現段階でこの5名の委員の方々には選定までお願いしたいと思っています。ただそれは大原則で、今後作業・審査をしていくなかでさらに有識者の意見が必要ということであれば柔軟に考えていきたいと思っております。
公開・非公開についても、これは最終的には委員会で決められることと思っていますが、基本方針についてはパブリックコメント等も考えていますので、検討委員会は原則公開でいきたいと思っています。ただ選定委員会は、民間事業者の提案内容など機微に触れる情報も含まれますので、おそらくIGアリーナなどどこのアリーナも同じだと思いますが、選定委員会は非公開にして、ブリーフィングなり委員会前後で個別に対応することになろうかと思っています。応募提案をオープンにすると、提案者たちの権利を害することにもなりますので、委員会で最終的に決めることではありますが、原則論、審査過程は非公開と思っております。
新野球場は年内凍結していますが、アリーナについては現地再整備であり、今後色々な議論があると思いますが、現地で続けていきたいというお声もある。体育館を使いながら整備してほしいというお声もあるので、色々な手続きを早めに進め、時間をかけてでもきちんとしたものを造っていくことになろうかと思っています。来年度中には事業者公募にかかりたいということで、アリーナについてはスピードを変えずに進めていきたい。皆様からの強い期待もありますが、防災拠点としての活用も考えれば、この事業は今回の熊本地震からの創造的復興のシンボルの1つとして進めていく価値があると思っています。工期が伸びることはあるかもしれませんが、スピードはこれまでの議会等で答弁していたとおりで、選定手続きを遅らせることは考えておりません。
Q
防災庁に関連して伺います。防災庁設置を目前にして熊本地震が起きました。色々な対応を経験されたかと思いますが、仮に内閣府防災という1つの組織ではなく、防災庁という大きい組織であればこういった部分がよりスムーズに進んだのではないかと、今後も見据えて今考えられる部分があれば教えていただけますでしょうか。
木村知事
防災庁になることで、災害対応も含めた全体の計画で、どちらかと言うと災害が起きた後よりも災害が起きるまでの対応を強力に推進する意味において、防災庁の設置価値はあるのではないかと思っております。今回の熊本地震もですが、政府の現地対策本部がしっかり設定されていればとても良いと思っていますが、今まで例えば事前防災であるとか南海トラフの色々な訓練などを実施するにしても、内閣府の防災部局ではまず人員が少ない。例えば熊本など現地で訓練を実施するとしても、一緒に参画できる職員は数名しかいなかったりとか。政府として事前の防災をどう考えて、正しく恐れてしっかり対策を取る事前防災、事前のインフラ整備など、今後政府として対応が必要になるときには防災の観点からそれを推進していく。どうしても国交省や農水省だとそれぞれ自らの業を前に進めると方向に進めていってしまう。防災という観点からさらに強力に色々な政策を打っていく。ましてやインフラではないソフト面の対応など、または先ほどの日奈久断層の今後の研究になるとなかなか進まないのも事実です。
ともかく防災庁が発足することで政府を挙げて、事前防災を含めたところでの国の防災の在り方をしっかり推進していただける組織になるということは、熊本県にとって大変心強いですし、今後起きるうる南海トラフや、懸念をしている日奈久断層の今後について一緒になって取り組みたいと思っております。
Q
先ほども言及がありました津波対策についてです。現地の声などを聞いていると、極論を言えば明日にでも津波が起きるかもしれないというところで、防潮堤の建設になればかなり長い時間が必要ですし、それよりも早く逃げる訓練を徹底したほうがいいんじゃないのかという意見もあります。色々な対策があると思いますが、知事としてこれから津波対策の具体化を進めていくなかでどういったことを考えていらっしゃるのか、もう一度伺えますでしょうか。
木村知事
今回の熊本地震の極めて大事な教訓、今回の地震を次に生かすためには、今後の日奈久断層帯での地震に備えた新たな対策の推進を、復旧・復興プランにも掲げていきたいと思っております。
そうしたなかですぐに日奈久断層帯での地震が発生するかというと、発災直後に比べると、次なる大きな地震の発生可能性は逓減している。発災直後は、10年前の熊本地震と同じように2度目の震度7が発生するのではないかという気持ちでいたところ、気象庁が定点観測を行い発表し続けていますが、震度5弱以上が起きる可能性はだんだん減っています。しかし今後どうなるか分からないなかで、まさに今おっしゃったとおり、何か科学的に全て明らかにならないと対策を進められないと待っているだけではいけませんので、津波を想定した総合防災訓練など市町村が行う避難訓練への支援などを関係機関や住民と連携して進めていく。個別具体については今後沿岸市町村と相談していきますが、県としてしっかりと支援していきたい。来年度やれることはやりたいと思っております。
防潮堤という規模でいくのか、どういったかたちでの津波を想定した基盤強化、インフラ強化ができるのかについても進めていきたいと思っています。併せて、国がこれから行うとされている日奈久断層帯における今後の地震の可能性の調査については、県としても参画していきたい。たしか文部科学省で調査していくと思いますが、どういうかたちで参画するかは今後協議になりますが、来週もし文科大臣に会ったらその点を強くお伝えしたい。県としてもしっかり参画し情報を共有させていただき、それに基づいて県としての色々な対応・対策、また市町村と連携した訓練を進めていきたいと思います。
Q
被災地の経済復旧についてお聞きします。先日フジパンの生産再開断念がありました。八代の日本製紙は今のところまだ見通しが立っていない現状だと思います。発災3か月を迎えるにあたって、この県南の経済の現状を知事としてどう見ているか、復旧に向けてどんな対応が必要なのか今考えていることを教えてください。
木村知事
フジパン及びフジデリカの再開断念は大変残念なことだったと思っております。フジパングループにおかれては、あのように日常品を作っている会社で生産を止めるわけにいかないということで、まずもって九州内または全国の他の工場で生産をより強化して続けていく、当面は現地では再建断念するという発表でした。引き続きフジパングループには県内での工場再開に向けた働きかけを継続していきたいと思っております。
ただ、今一番必要なことは、フジパングループで雇用されていた人の雇用継続の課題です。近日中に実は就職説明会を県と労働局と市町村連携で開催することになっておりまして、具体的な数とかは申し上げられませんけれども、求職者の数を超える求人が今のところ出ていると聞いておりますので、しっかりと丁寧にマッチングを進めて、いわゆる失業者の方が増えないように、県として関係機関と連携してフォローしていきたいと思っております。
日本製紙についても、実は本社にもアプローチをしていますし、様々な機関を通じて再開に向けた支援をしていきたい。そして、そのためには所管官庁である経済産業省の担当課と連携して支援していきたいと思っていますが、なにぶんにも関連する企業体、または従業員の規模が数百社の数千人とも言われています。そのなかで工場が仮に再開できるとしてもどういうスケジュールで再開するか。そして、またその間、メインの工場が再開するには複数年、場合によっては1年では済まない可能性があると思っていますので、この点については能登半島地震の時の例えば和倉温泉の大きな宿などの事例を参考に、産雇金いわゆる現職出向で雇用を維持していく国の制度ができて、これを熊本にも日本製紙に限らずですが、長期で再建・再開まで時間がかかりそうな企業を対象に調整に入っています。そういったかたちで事業が再開するまでに、他の企業で雇っていただきながら再開を待つ。
一方で、人手不足のところも県内全般にあります。県南でもすでに一部の企業では日本製紙の関連する企業の方を、日本製紙で働けない分、雇っている企業もあります。何とか地域での雇用を継続していけるように、そしてまた事業が再開するまでの間の雇用を確保できるように、県として労働局や市町と連携して取り組んでいきます。
Q
先週10月20日時点で、まだ1,000人を超える方が避難所に避難していらっしゃる現状があります。この点について知事がどう受け止めていらっしゃるのかという点。また、先ほどのお答えのなかで知事が、県の職員を避難所に派遣して、住まいのコーディネートなどにあたっていらっしゃるというお話もありましたが、何か避難所に留まらざるを得ない課題があるのか教えていただけないでしょうか。
木村知事
今なお1,000人を超える方が避難を余儀なくされていることは、多いとか少ないとかではなくて、そういう方がかなりの数いらっしゃる。10年前に比べれば少ないという議論はあるかもしれませんが、私は重く受け止めております。
避難所にいざるを得ないのは、それぞれの色々な事情を抱えていると思っています。それは、必ずしも自宅が全壊状態だから避難所にいなきゃいけないというのではなく、自宅は大丈夫だが中がぐちゃぐちゃで、自宅を再建したいが避難所にいたほうが夜は安全だ、など様々な事情を抱えて避難所にいらっしゃるのだというのが、私自身が避難所に行かせていただくなかで伺うお声です。「自宅の状態どうですか」とお尋ねすると、「住み続けたいんだけれども、避難所に通いながらでないとなかなか」とおっしゃられる。みなし仮設や仮設住宅に入ることが解決ではない人も相当数いるということです。そうした方々にきめ細かに支援をしていくことが大事で、そのために先ほどの発言をもう少し正確に言うと、氷川町などに派遣している県の職員は、避難所の集約も含めた再編計画全体のコーディネートをするためで、実際に避難所で避難者の方々と応対されているのは市町村の職員であったり、そこからさらに市町村と組んでいる他県からの派遣職員であったり、場合によっては民間企業やNPO・NGOに委託して運営しているところがありますので、実情の細かいところはそうした現場が知っていると思っています。避難者1,000人の半分以上は八代市になりますが、そのあたりはぜひ八代市や氷川町、宇城市にお聞きいただければと思います。
繰り返しになりますが、被災し避難されている方々の事情に即して、ではなぜ避難所に通うのかというと、どうしてもご高齢であったり障がいをもっておられたり、ご自宅で1人またはご家族だけで避難している状況に不安を感じていらっしゃる方々ということなので、自宅の片付けが済んで戻れるとなったときに、そういった方々の不安を除去するためには、今度は行政側ないしは支援者側が出向いていく必要があろうかと思っています。
そのために今後機能が期待されるのが、地域支え合いセンターです。地域支え合いセンター、社会福祉協議会が中心となって、各家々、もちろんそこには建設型応急住宅や自宅敷地内への建設型応急住宅、みなし仮設の方もおられるでしょうけれども、被災者の台帳をしっかり作って、個別訪問をして回していこうとしておりますので、その地域支え合いセンターの活動をしっかり支援していくことが今後自宅で暮らしていくなかで災害関連死が起きないようにするために一番必要なことだと思っております。
Q
被災者の方の住まいを確保するために農地の活用も検討されていて、その場合、供与が年越しになる可能性もあるということですが、知事の基本姿勢としては、応急仮設住宅の入居の条件に合っていて、かつ入居を希望される方に関しては年内に応急仮設住宅の供与を目指されたいという考え方でお変わりはないのか。避難所の閉鎖に関しても、最後の1人まで再建の道筋がつくまでは閉じるべきではないという考え方で今もお変わりないかということをまず確認させてください。
木村知事
はい。年内にというのは変わりません。最後の1人までというのも変わりません。県が避難所をやめてはいけないということを明示するわけではなく、市町村の中で避難者の方々と相談しながらどういうふうに集約、再編、整理していくかということだと思っております。
市町村としても、被災者の方々の心のケアや、先ほど申し上げた地域支え合いセンターで支援していく体制をセットしていくなかで、なるべく市町村と合意のうえでそれぞれの道を選んでいただきたい。
いつかは避難所も無くさなきゃいけないということもあるなかで、なるべく最後の一人まで寄り添っていく、これは変わりません。
また、建設型応急住宅についてもなるべく年内にと、先ほどのコンテナハウスの提供を受けることも、これであればすぐに作れる。ただ被災者の方々の思いは揺らぐ、先週までは仮設住宅に入ると言ってたけどやはり違うみたいなことがあるので、そうしたお声にしっかり寄り添いながらなるべく早く安心して住める住まいを確保するように努力していきたいと思っております。基本年内に何とか整備したいという方針は変わりません。
Q
自宅は全壊・半壊してないんだけど、住んでいたアパートの自室が未だ散乱していて片付けがなかなかできない。体調も悪くて頼れる親戚も周りにいないという年金暮らしの高齢者の方が避難所に結構いらっしゃるんですが、そういった方々が応急仮設住宅に入れるように国と今後個別に協議するだとか応急仮設住宅の入居対象を拡大するようなお考えはありますでしょうか。
木村知事
これは個別の事案によりけりだと思っています。と言いますのも、自宅を取り壊す、解体していくということは、やはりどうしても条件だと思っていますが、10年前の熊本地震でも木造の建設型応急住宅がそのまま災害公営住宅のような市町村有住宅になってそこに住み続けるというパターンの方もおられますので、そうしたことも視野において、ただ自宅は完全に残したまま応急仮設住宅も欲しい、避難所にも住み続けたいということをどこまで認めていくのかというところは法律の原則があると思っています。例えば、災害じゃない場合では町で路頭に迷っている人がおられて、そうしたときにどう対応するのかと考えれば、私も昔担当したことがありますが、その方々はまずどこか行政の施設にしばらくいていただいて、そのあとは市町村営住宅に入っていただくなどの選択をしていくことになろうかと思っています。
片付けが進まないので自宅に帰れないということであれば、例えば自宅の片付けを手伝うようなボランティアを重点的に派遣することもありましょうし、ともかくこれは最後のお一人お一人まで、とてつもなく重い作業ですが市町村はしっかり背負ってやってくれていると今思っています。
Q
先週、県も発表されましたが、国が発表した被災井戸の復旧に関する給水活動について。国の支援が新たに決まり、要配慮世帯世帯への給水活動が行われることになりました。このことに関する感想と、それ以外の方々についての給水も今後課題になってくると思いますがそのあたりのお考えを伺ってもよろしいでしょうか。
木村知事
このことについて、本当に国はよく決断してくださったと思っています。八代市を中心に個人所有の井戸が被災し、水の確保に困っていらっしゃる方々について、個人所有だから支援しないということではなくて、個人所有であっても再建までの間、命の水を補給する。正確に言えば、本来は八代市が担う給水義務を果たすために公的にサポートしていくということで、今回要配慮者世帯に対して国が支援を実現してくれたことはよかったと思っております。
今後、それ以外の方々についてどうするかというのは、先日、八代市とある民間の財団との連携の記者会見がありましたが、その内容を八代市からまだ具体的に伺っていないので、そこを見据えながらではありますけれども、一方で本来、水は水道によって、料金によって、供給されるべきものですので、そこのバランスも見ながら、どういう負担をもらいながら要配慮者または低所得者の方を支援していくかという話や、どういう料金等を取ってやっていくのかということは八代市が検討していくことですので、八代市が今後どういう形で進めていくのか決断を見届けたいし、県としてもそのために一時期、集中的に職員を八代市に派遣して、計画の素案作りをサポートしてきたところです。国からの支援または国の支援があたらないところに対する民間の支援など、色々なパターンが出てきましたので、そろそろ八代市が今後のロードマップをまとめていただけるように、県としても全面的にサポートしていきたいと思っております。
Q
県からも投げ込みありましたが、今日、この気象状況なので細かいところまでまだ分かっていないんですが、八代港にコンテナ船が入港予定です。そういったところで、八代港の再開と経済が回り活動していくことに向けての感想を伺ってもよろしいでしょうか。
木村知事
八代港の再開について、極めて重要な局面にあります。国交省からかなりのご協力をいただき、10月18日から暫定供用が開始され、八代港のコンテナのガントリークレーンなどのが再開。そして予定では今日、震災後初となるコンテナ貨物船が寄港すると私どもも聞いております。
実際、八代の企業は日本製紙以外の多くが港のほうに近接していて、そのあたりの大きな企業にそれぞれ訪問やお電話をしたりして、トップの方、幹部の方と意見交換をしていますが、港の再開に対する期待はかなり強いです。
どうしても原材料を船で持ってきたり、また製品を船で輸出したりというところで八代港の機能回復はとても大きな意味を持ちますので、今後とも国交省と連携して早期の回復プラス機能強化、また、一部液状化している場所、これについては例えば駐車場などが液状化している場合が多く企業活動に直接影響するところは少ないんですが、八代港の機能が戻ること、そしてでき得るならば地震前よりもより強い八代港づくりを、国交省とも技術的な検討を踏まえてしっかりやっていきたいです。県管理の港ですが、復旧事業において国の直轄事業でできることはないかと国にも要望していますので、今日の八代港のコンテナ貨物船の寄港再開を機に、より復旧・復興へのエンジンを加速していきたいと思います。
Q
木村知事とも縁が深い鳥取県の平井知事が6期目の不出馬の表明をされました。木村知事の知事選のときにも応援に駆けつけていらっしゃいましたが、何かお話しいただけることがありましたらよろしくお願いします。
木村知事
鳥取県平井知事、前の全国知事会長ですが、平井知事が鳥取県知事に就任された1期目に私がちょうど鳥取県の課長に赴任していました。あれから20年、本当に感慨深いものがあります。私としては、ずっと平井知事を追いかけて今まで役人を、そして知事をやってきたつもりでいますので。
実は先週、不出馬を表明された翌日に私が東京に出張した際、熊本県の東京事務所と同じフロアに鳥取県の事務所もあるので、伺うと今日同じに平井知事も来られるというのでご本人に会って真意を正しましたが、やはり辞意は変わらずでした。本当に5期20年間よく頑張ってくださったという思いにつきますし、ダジャレも含めてあの人には逆立ちしても追いつかないという思いがありますが、熊本県で私も頑張っております。
ただ、そのとき平井知事にお会いした際に、「この3ヶ月間近く震災の対応はよくやってくれた」と初めて褒められたような気がします。本当に20年間お疲れさまでした。ただまだお若くてまだ65歳ですので、日本の地方行政のために何らかのかたちでどういう場面になるか分かりませんが、今後も活躍していただくことを心より願っております。
Q
熊本地震の対応について、10年前から大きく改善されたところも多くあったかと思います。発災から3ヶ月を迎え、あえて課題・改善点に目を向けていただくと、それが今後の日奈久断層による地震への対応にもつながっていくと思います。今日は避難所の話も頻繁に出ていますし、罹災証明の話とかもあるかと思いますが、あえて課題・改善点を挙げるとすれば、多岐にわたるので大事なところに絞ってお願いします。
木村知事
課題でもあり改善点でもある、両方がまとまっている要点は避難所だと思います。発災直後の避難所の環境整備については、10年前の課題がまだまだ残っている。例えば、各市町村にどう備蓄を配備するか、例えばTKB(トイレ、キッチン、ベッド)をどうするかは、今回もまだまだ充分ではなかった。
ただ、1週間以内には、およそ簡易ベッドを含めて配備し、そうした避難所運営を支えるために全国から応援職員が来たことは10年前からの改善点。避難所の運営に全国から応援職員が入ったことで、10年前だったら日赤などの専門的な職員が対応しなければならなかったことを、今回は機能不全になった病院からの入院患者搬送や調整業務に徹底できたことで、10年前に起きてしまった病院間搬送が遅れたことで病気が重篤化して場合によっては亡くなられた悲しい事案を、現在までの3ヶ月間では発生していないことは、回りまわって避難所運営がある程度他の方たちでしっかり賄えたがゆえに専門的な職員を専門的な分野に割くことができたということです。
今回特に、猛暑酷暑下での避難所運営であり水が出ないという状況における避難所運営。飲み水はたくさん来ているのに生活用水がないとか色々な課題も出てきましたので、今後の防災庁などでの議論に反映していくように、しっかり年度内に総括し課題をまとめていく。これが3ヶ月間の全国からのご支援に対する恩返しと思っております。
Q
被災地の支援活動、避難所運営も含めて、その被災地自体が行うことが基本になると思いますが、被災していてなかなか手が回らないという部分があるかと思います。臨機応変に県の職員を派遣されたり、各県外の市町村からも応援があっているとはいえ、元気な市町村がそれを行うのが一番いいと思うんですが、それには法律の改善も含めてまだまだ課題が残っていると思います。今後国への働きかけも含めてどういったものが必要と思われますか。
木村知事
職員の派遣は、10年前は九州知事会という枠組みだけで右往左往しながらやっていたところを、そのときの反省を踏まえて、当時の高市総務大臣が、総務省と全国知事会がイニシアチブを握ってどんどん被災市町村に人員を送っていくという「対口支援」を整え、今回の地震でも約3ヶ月間で約4万人日の方に来ていただいたことはものすごい成果です。避難所運営や災害認定、罹災証明が進まない、どんどん遅れていく可能性があったところを、この対口支援のおかげでうまくいったと思っています。
法律上の壁について言えば、今回色々チャレンジしていったこと、自宅敷地内仮設住宅にしてもそうですし、個人所有井戸に対する支援もですが、運用に留まらず変えていきたい。
また、基準によっては激甚災害と局激災害が今回の地震では非常に微妙なところにあったものですから、これを今後どうしていくかというのは昭和40年代から続く国のルールを変えてもらわなきゃいけないところもありますので、今回の地震のなかでどういう課題が残ったかをしっかりこの半年、今年度中に整理し国に申し入れをして、今後の制度づくりを防災庁で活きるようにしっかりと検討・分析していきたいと思います。
Q
発災直後の避難所の状況で10年前の課題がまだまだ残っているということでした。たしかに、被災者の方々からこの10年間何をしてきたんだという批判の声も一部出たかと思います。うまくいかなかった理由についてどのように考えていらっしゃいますか。
木村知事
まず、うまくいかなかったと一刀両断されてしまうと、現場の市町村も浮かばれません。先ほど申し上げたようにうまくいった面もあると私は思っています。最初の1~2日は大変だったかもしれませんが、国からのプッシュ型支援もどんどん入れてやっていったと思っております。
おそらく問題は備蓄に対して世間がどれだけ寛容になれるかです。使わないものを持っているわけで、それを議会などが本来了承するのか。市町村で住民全員分のベッド、いつ使うか分からないものをどう用意するかは、国も含めて本当に議論する必要があろうかと思っています。例えば、今回の地震ではトイレカーが本当に必要になりました。自立的に車の中で糞尿の処理ができたトイレカーは今回とても機能しましたが、いざというときに使えるようなトイレカーを導入したいという市町村が議会で否決されているところが県外に複数あります。いつそれは使うんだという。そういうところでどうやって事前防災、事前の準備に対して理解を得ていくか。逆に、今回もっとこうあったらよかったよねというのを3カ月ぐらい過ぎて議論を重ねて備えていく。備えていくことの意義を10年前に強く国に言っていたかというとそうではなかったと私自身は思っています。
ちなみに、災害備蓄について国の支援が入っていくようになるのは能登半島地震を踏まえたここ2年の話です。この2年の中でどう全県で広げていこうかと私ども頑張ったんですけれども、10年前の経験があった自治体は比較的早く手を挙げてきたんですが、残念ながら今回の被災地で経験値が浅いところはあまり手を挙げていなかったりということがあります。
ですので、今回の経験をいかに被災していない市町村にも広げていって、県内全体で防災意識、備蓄などに対する意識を高めていくのか。また今回もう1つあったのが、例えばラストワンマイル問題。物資を避難所の部屋にまで最後どう届けていくのかというときには、これは先ほどの質問にもあった人的な支援という意味においては、行政職員が全部やるのかといえば今回であれば物流会社や引っ越し業者にやっていただいてうまくいったが、当初これは想定してなかった。自衛隊をどう派遣するかなどは一生懸命考えていましたが、例えば、熊本市では実施されている避難所開設訓練や、避難所に物資を運ぶ訓練などは今まで手薄だった。そうしたきめ細かなことが出てくると思いますので、今回の経験を総括してしっかりと次に備えていきたいと思っております。
災害は、2度経験すると3度目のことを考えながら動く重みがあります。もうあれがあったから次はないだろうと、10年前だとなかったかというとそれはゼロじゃなかったと思っています。次に向けてしっかりとこの半年で検証作業をして、次に活かしたいと思います。
Q
たしかに市町村や県職員の方は一生懸命全力を尽くされていたと思います。自治体によって体力がかなり違いますので、そうすると例えば、どこかで備蓄をしてそれを迅速に起きたところに送り込むシステムが今後必要になるとそういうお考えでよろしいですか。
木村知事
はい。まさにこの備蓄については市町村にやってくれと言うだけでは、特に小規模な町村では難しい面があろうかと思っています。もちろんそれをどこまで県が抱え込むかというところもありますが、一方で南海トラフ地震に備えた国の備蓄拠点は、九州に2カ所ありますが九州の中で熊本がその1つに選ばれています。そうした国の備蓄施設とも連動しながら、県がある程度イニシアチブを握って、地域ごとのどこか拠点を市町村と連携して作っていくことになろうと思っていますし、そうした検討をこの復旧・復興プランを実施していくなかで考えていきたいと思っています。