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令和8年6月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0269657 更新日:2026年6月5日更新

1. 最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)中東情勢の緊迫化に伴う県内産業への影響について

 まず、中東情勢の緊迫化に伴う県内産業への影響についてです。
 本県においても、航路事業者が燃料の仕入れ難に伴い運航ダイヤを変更するなど、既に一部で具体的な影響が見られています。また、各種産業における資材調達の不安定化や価格高騰への懸念の声も伺っており、今後、事態の長期化に伴い更に影響が拡大することを危惧しています。
 このような中で、県では、先週金曜日に「中東情勢に伴う原油関連物資高騰等対策本部」を立ち上げ、私から、国の補正予算等を踏まえた対策の検討を急ぐよう指示したところです。そして、まずは当面の対応として、昨日、商工業や農林畜水産業における経営環境の更なる悪化に備え、事業者の資金繰りを支援する新たな取組みを開始することを発表しました。
 また、国においても、電気・ガス代の補助やガソリン価格抑制等に係る補正予算について国会で審議されています。
 引き続き、国の動向を注視しながら、交通事業や商工業、農林畜水産業などを営む事業者の皆様へのヒアリング等を通じて、その状況を的確に把握し、県民生活や事業活動への影響を最小化すべく、適時適切に対応して参ります。

(2)県内産業の更なる振興について

 次に、県内産業の更なる振興についてです。
 半導体関連産業においては、くまもとサイエンスパークの実現に向けて、4月27日に、県と連携して事業を推進するパートナーとして、三井不動産株式会社と基本協定を締結しました。
 現在、同社において、サイエンスパークの中核拠点となる「イノベーション創発エリア」の整備が進められています。今後、同社と共同で「イノベーション創発エリア」を運営する「パークマネジメント法人」の設立を予定しており、今定例会に関連する予算を提案しています。
 また、先月8日には、ソニーとTSMCが戦略的提携に向けた基本合意書を締結し、合志市を拠点に次世代イメージセンサーの開発・生産ラインを構築することが検討されています。
 引き続き、地元市町とも連携しながら、くまもとサイエンスパークの一日も早い実現に向けて、スピード感をもって取り組んで参ります。
 また、県民の皆様の強い関心事であるセミコンテクノパーク周辺の渋滞解消に向けては、中九州横断道路の「大津西インターチェンジ~下硯川インターチェンジ」間について、4月10日に、「有料道路事業」を導入することが、国において決定されました。
 これにより、更に整備が加速し、周辺地域の渋滞解消はもとより、半導体関連産業の進出効果を早期に県内各地に波及させることが期待されます。
 引き続き、国や沿線自治体と連携しながら、中九州横断道路の早期整備に向け、しっかりと取り組んで参ります。
 一方で、半導体関連産業以外の分野においても、農林畜水産業や観光業をはじめ、本県には、更なる成長の可能性を有している産業が、県内各地に様々な分野で存在しています。そのため、国が進めている地域未来戦略を踏まえた本県の取組みとして、半導体関連産業に加え、「食のみやこ熊本県」の創造とライフサイエンス産業、観光交流関連産業を柱とした熊本県版「地域産業成長プラン」の策定を現在進めています。
 今後、このプランに沿った取組みを着実に進め、県内各地の様々な産業の更なる発展に向け全力で取り組んで参ります。

(3)球磨川流域の創造的復興と「緑の流域治水」の推進について

 次に、球磨川流域の創造的復興と「緑の流域治水」の推進についてです。
 命と清流をともに守る「新たな流水型ダム」については、国において、本体工事の着手に向けた必要な予算が確保され、4月8日に発注見通しが公表されました。
 昨日開催した球磨川流域治水協議会においては、流域での治水対策の推進等について、国・流域市町村と協議・確認を行ったところです。
 県としても、出水期までに、河川の堆積土砂の撤去や、関係機関と連携した実践的な訓練などの住民の皆様の速やかな避難行動につながる取組みを進めて参りました。
 また、国の権限代行で復旧が進められている深水橋について、上部工の架設工事に着手され、被災した10橋全てで架設工事に着手されるに至りました。
 さらに、球磨村中園地区で整備が進められていた「みんなの家」が完成し、流域で整備が予定されていた9棟全てが完成しました。
 引き続き、住民の皆様に目に見える形で、復旧・復興を実感いただけるよう、球磨川流域の創造的復興と「緑の流域治水」を着実に推進するとともに、五木村、相良村の振興に全力で取り組んで参ります。

​(4)高校教育改革の取組みについて

 次に、高校教育改革の取組みについてです。
 本年2月、国において「高校教育改革に関する基本方針」が公表されるのに併せ、パイロットケースとなる先導的拠点を創設するための「産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」の公募が行われたところです。
 本県においては、この事業に取り組む拠点校として、菊池農業高校、天草工業高校、人吉高校、熊本高校の4校を選定し、先月15日に国に申請するとともに、今定例会に関連する予算を提案しています。
 今回は、国の事業の制度設計上、4校が申請の上限でしたが、今後、この4つの拠点校における取組みを着実に進めることはもとより、今年度中に県内全校を対象とした高校教育改革に係る実行計画を策定することとしており、全ての県立高校の魅力ある学校づくりを推進して参ります。
 熊本の未来を担う子どもたちに、時代に応じた質の高い学びや地域の特色を生かした学びを提供できるよう、引き続き高校教育改革に全力で取り組んで参ります。

(5)熊本地震10年及び水俣病公式確認70年の取組みについて

 次に、熊本地震10年及び水俣病公式確認70年の取組みについてです。
 熊本地震から10年を迎えるに当たり、4月16日に、県と県内全市町村の共催で、熊本地震10年犠牲者合同追悼式を執り行いました。
 復旧・復興に全力で取り組んできたこの10年を振り返る中で、改めて、国内外から寄せられた温かな御支援や復興の歩みを力強く支えてくださった全ての皆様への感謝の念を深くするとともに、この未曾有の大震災の記憶と教訓を未来へと継承していかなければならないという思いを新たにしたところです。
 また、今年は水俣病公式確認から70年の節目の年にも当たります。
 先月1日には、水俣病犠牲者慰霊式が執り行われ、併せて、国と県の共催による関係団体・経済界との懇談を、昨年度と同様、2日間にわたって実施しました。
 県としては、引き続き、患者・被害者の方々をはじめ関係者の皆様の御意見や御要望を丁寧に伺いながら、国や地元自治体と連携し、必要な支援や取組みにつなげるとともに、公式確認70年を契機とする啓発事業に取り組み、水俣病の正しい理解の促進や教訓の継承、地域の振興等に、より一層努めて参ります。​

2. 議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、「熊本県高等学校等教育改革促進基金」を活用した高校教育改革を先導する拠点校の整備や、防災・減災、国土強靱化等のためのインフラ整備に係る国庫補助事業などを計上しています。
 この結果、183億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、9,536億円となります。

 このほか今定例会には、条例案件や財産の取得、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。

 また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。