ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > ようこそ知事室 > 知事の発言 > 議会における議案説明要旨 > 令和7年9月熊本県議会定例会における議案説明要旨

本文

令和7年9月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0246041 更新日:2025年9月16日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)8月10日からの大雨による災害への対応について​​

 まず、8月10日からの大雨による災害への対応についてです。
 8月10日から11日にかけて発生した線状降水帯による記録的な大雨により、4名の尊い命が失われ、未だ1名の方が安否不明となっています。
 また、県内各地で9千棟を超える住家被害が生じ、道路や河川などの公共土木施設、排水機場などの農地・農業用施設、公共交通、医療・社会福祉施設、教育施設など社会インフラも損壊し、さらには地域経済の柱である商工業、農林水産業、観光業等の各方面においても甚大な被害が発生しました。
 改めまして、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
 県では、直ちに災害対策本部を設置し、現地への職員派遣などにより被害状況の迅速な把握に努め、道路等の応急復旧による孤立地区の解消、被災市町村に対する避難所運営等への支援、さらにはトマトやイチゴの苗、いぐさなどの農作物の被害への対応などに全力で取り組んで参りました。
 また、私自身、被災した各地域を訪れ、被災された方々の声をつぶさにお聴きする中で、改めて今回の大雨による災害からの一日も早い復旧・復興への決意を強く心に刻んだところです。
 先月28日には、議長をはじめ県議会議員や県選出国会議員の皆様とともに、石破総理や関係府省に緊急要望を実施し、線状降水帯による甚大な被害に対する新たな支援制度の構築や、公共土木施設等の早期復旧、被災した事業者や生産者への復旧支援などについて、国の全面的な支援を要請しました。
 また、要望に先立ち、先月27日には、今回の災害に対応するために直ちに必要となる経費86億円について、補正予算の専決処分を行いました。
 具体的には、まず、災害救助法に基づく避難所の運営や住宅の応急修理、応急仮設住宅の確保に係る経費、さらには被災者の見守り活動等を行う地域支え合いセンターの運営支援に係る予算を計上しました。被災された方々の一日も早い生活再建に向け全力で取り組んで参ります。
 産業面の支援策として、営農再開に向けた種や苗等の生産資材の調達や農業用機械・施設等の復旧支援に係る予算を計上するとともに、被災した中小企業者等の資金繰りを支援する融資制度も創設しました。商工業や農林水産業、観光業等の事業者や生産者の方々の経営再建をしっかりと支援して参ります。
 その他、道路等の公共土木施設や、排水機場等の農業関連施設、県立学校等の教育施設などの応急復旧に係る経費や、本格復旧に向けた調査・設計費なども計上したところであり、社会インフラの迅速な復旧を進めて参ります。
 なお、引き続き、詳細な被害状況の把握を進め、各種施設の本格復旧に向けた経費等を精査し、必要となる予算については、今定例会への追加提案も含めて、迅速かつ適切に対応して参ります。
 本県では、平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨と大規模な災害が相次いで発生しています。
 これらの災害からの復興途上にある中、今般被災された方々の一日も早い生活再建、インフラ等の復旧・復興、また、私が目指す「県民みんなが安心して笑顔になれる熊本」に向けて、県議会、県選出国会議員の皆様とともに、過去の災害対応の経験を生かしながら、持てる力の全てを尽くして参ります。

(2)球磨川流域の創造的復興と「緑の流域治水」の推進について

 次に、球磨川流域の創造的復興と「緑の流域治水」の推進についてです。
 命と清流をともに守る「新たな流水型ダム」について、国の令和8年度当初予算の概算要求に、ダム本体工事の準備に必要な予算が盛り込まれました。予定されている令和9年度の本体工事の着工、さらに令和17年度の完成に向けて、国において着実に取組みを進めていただくよう、引き続き強く働きかけて参ります。
 県としても、住民の皆様方に目に見える形で復旧・復興を実感いただけるよう、球磨川流域の創造的復興と「緑の流域治水」の推進、さらには五木村、相良村の振興に、着実に取り組んで参ります。

​​(3)半導体関連産業の更なる集積について​

 次に、半導体関連産業の更なる集積についてです。
 まず、本年3月に策定した「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」の実現に向けた第一歩として、7月17日から、県と連携して事業を推進する民間事業者の公募を開始しました。サイエンスパークの中核となる産学官連携拠点を早期に具体化できるよう、着実に取組みを進めて参ります。
 また、セミコンテクノパーク周辺の渋滞解消に向けて、県で整備を進めている「大津植木線多車線化」及び「合志インターチェンジアクセス道路」について、9月23日に着工式を開催する運びとなりました。引き続き、国や地元市町と連携し、セミコンテクノパーク周辺の渋滞解消、さらには半導体関連産業の進出効果を県内各地に波及させるための道路ネットワークの整備を着実に進めて参ります。
 これらの取組みを進める中、熊本の宝である地下水や世界に誇る阿蘇の文化的景観を守る新たな仕組みとして、県と公益財団法人阿蘇グリーンストックが連携し、8月1日に「九州の水を育む阿蘇の守り手基金」を設置しました。この基金を通じて、阿蘇地域や流域の市町村とともに、水を育む阿蘇の草原等を未来に引き継ぐ取組みを展開して参ります。

(4)スポーツ施設の整備に係る検討について​

 次に、スポーツ施設整備に関する検討状況についてです。
 昨年7月に設置した「公民連携によるスポーツ施設整備に関する検討会議」での議論を経て、9月1日に開催された第5回検討会議において提言書を取りまとめられ、私に提出いただきました。
 現在、この提言書を踏まえた県としての整備の方向性について精査を進めており、今定例会中には県民の皆様に方向性をお示ししたいと考えています。

2.議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、令和2年7月豪雨で被災した地域における医療提供体制の確保や、半導体関連産業の集積に伴うインフラ整備に係る事業などを計上しています。
 この結果、49億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、8,675億円となります。

 このほか今定例会には、条例案件や、工事関係、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。
 なお、今会期中には、8月10日からの大雨による災害への対応として各種施設の本格復旧に向けた予算や、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。