本文
令和7年7月29日(火曜日)10時00分~
日時:令和7年(2025年)7月17日(木曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
・長射程ミサイルの健軍駐屯地への配備について
・「戦後80年 未来へつなぐ戦争の記憶展」の開催について
・「熊本県障がい者ICTサポートセンターの開設」について
・「お試し発注サポート事業」の開始について
・渋滞解消推進本部の取組みについて
・「復興応援“絆”大使」くまモンの石川県訪問について
・「食のみやこ熊本県」創造推進ビジョンの策定及びくまモンの「食いしん坊大使」就任について
質疑応答
質疑応答1 長射程ミサイルの健軍駐屯地への配備について1
質疑応答2 渋滞解消推進本部の取組みについて(トップ会談)
質疑応答3 渋滞解消推進本部の取組みについて(オフピーク通勤)1
質疑応答4 長射程ミサイルの健軍駐屯地への配備について2
質疑応答5 参院選について1
質疑応答6 参院選について2
質疑応答7 JASM第2工場の稼働時期延伸について1
質疑応答8 参院選について3
質疑応答9 最低賃金について
質疑応答10 「食のみやこ熊本県」創造推進ビジョンの策定及びくまモンの 「食いしん坊大使」就任について
質疑応答11 JASM第2工場の稼働時期延伸について2
質疑応答12 長射程ミサイルの健軍駐屯地への配備について3
質疑応答13 ハンセン病について
質疑応答14 JASM第2工場の稼働時期延伸について3
質疑応答15 渋滞解消推進本部の取組みについて(オフピーク通勤)2
まず、今朝の報道にもありましたが、健軍駐屯地に長射程のミサイルが配備されるという報道につきましてコメント申し上げます。
本日、国に確認を行ったところ、今年度から配備することは決まっているが具体的な配備先については、引き続き検討中であり決まっていないという回答がございました。
国防に関することですので、国の専管事項ではございますが、引き続き県民の不安につながらないように情報収集に努めるとともに、国に対して説明を求めていきたいと思っております。私からは以上でございます。
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まず、「戦後80年 未来へつなぐ戦争の記憶展」について、今年は戦後80年の節目となる年でございます。戦争の悲惨さ、そして平和や命の尊さ、これをしっかりと未来を担う世代に語り継いでいくことは、今を生きる私たちに課せられた使命であると考えております。
そこで、「戦後80年 未来へつなぐ戦争の記憶展」を開催したいと思っております。
期間は8月6日から11日まで。イオンモール熊本2階のイオンホールなどで、県遺族連合会のほか8団体の取組みを紹介するパネルですとか各団体が保有しておられる遺品などを展示させていただきます。また、DVDの上映や語り部の皆さんによる講話なども行いたいと思っております。
私も8日の午前中に現地に赴きたいと思っております。
また、8月15日には市民会館で熊本県戦没者追悼式が今年も行われますけれども、この戦没者追悼式に合わせまして、13日から15日まで、この記憶展でのパネルの一部を市民会館でも展示したいと思っております。
また、このほかにも、戦争の記憶継承に向けた取組みといたしまして、「熊本被爆二世・三世の会」が主催されます「原爆と人間」パネル写真展も、同じ期間に九品寺の熊本県教育会館で開催されます。
若い世代の方々に平和の尊さ、そして戦争の悲惨さ、命の大切さ、これを改めて考える機会にしていただきたいので、多くの方々にお越しいただきたいと思っております。
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続きまして、障がい者関係のお話、二つです。
一つが、「熊本県障がい者ICTサポートセンター」の開設でございます。
ICT機器は日常生活に欠かせないものでありますが、障がいをお持ちの方にとっては、障がいの種類や程度がいろいろございまして、ICTの日常利用に困難さが伴っています。
そこで、障がいのある方々からの日常生活でのICT利用に関する相談の対応、そして、支援者を養成するための熊本県障がい者ICTサポートセンターを開設いたします。
長嶺の県の身体障害者福祉センターの1階に8月1日から開設いたしまして、水曜日、祝日を除く月曜から土曜に開所いたします。
このセンターでは、関係機関と連携して障がいのある方からの電話や来所による相談の対応、また、ICT機器の利用やアプリなどの紹介など、これまであまり対応できなかったところに対応してまいりたいと思っております。
また、ICTの利用に関する支援者を養成する研修会も行います。
他県のセンターとも連携しながら、相談対応や支援者養成研修を充実させていきます。
今この画面に映っておりますのは、センターにおいて紹介する機器の一例です。印刷物を読み取って音声で読み上げる機器ですとか、印刷物を拡大表示する機器など、視覚に障がいのある方でも情報の取得や意思疎通が可能になるなど、アクセシビリティ向上につながります。
8月7日の木曜日10時から報道機関の関係の皆様への内覧会もさせていただきますので、ぜひご取材のほどお願いいたします。
センターの運営を通じて、障がいのある方の社会参画がより一層進むように頑張ってまいりたいと思います。
また、もう一つ障がい関係の話でございますけれども、やはり障がいを持った方々が地域で自立して生活していくためには、その能力や適性を生かして収入を得るということが肝心でございます。収入を得ることで日々の生きがいや将来へ希望を持つことができる就労機会の確保が重要でございます。
そのために、県ではこれまでいろいろな政策をやってきているところではございますけれども、なかなかまだ皆さん縁遠いところがあるかもしれない、障がいのある方々が働いている就労継続支援事業所は、新たな業務受託とか発注元の開拓に課題を感じていますので、就労継続支援事業所の受注機会の拡大を行いたいと考えています。
(民間事業者は、就労継続支援事業所が何をどこまでできるのか)知る機会が少なく、契約に結びついていないという課題がございますので、そうした民間事業者から就労継続支援事業所への業務委託・発注を後押しするために、「お試し発注サポート事業」というものを開始したいと思っております。
具体的な支援としては、若干ではあるんですけれども、補助金を交付したいと思っております。
8月の1日から29日まで募集をいたします。
県内に事務所または事業所を有する法人、個人事業主の皆さんに、5万円を上限として、就労継続支援事業所が行う役務の提供とか、製品・商品の販売に関する取引きで、例えば清掃作業を委託してみたいとか、印刷業務をやってもらいたいとか、また、データ入力をやるとか、いろんな就労継続支援事業所での業務がございます。これをトライアルでぜひ一回発注してみたいという事業者を募集しまして、(就労継続支援事業所で生産活動に従事する方の)工賃の向上とか就労機会の拡大に努めていきたいと考えております。
また、こうした取引きを仲介してくれる共同受注窓口もございますので、ぜひ皆さんご相談いただけたらと思います。
続きまして、渋滞解消推進本部の取組みを今日3点ご説明いたします。
渋滞解消に向けた渋滞解消推進本部の取組みとして、1つ目が熊本県渋滞対策パートナー登録制度につきまして、5月に熊本市長と熊本経済同友会の代表幹事の三者で、記者会見をオンラインを含め、ここでさせていただきましたけれども、昨日時点で、すでに102社から申請をいただいております。
今年度は、ともに渋滞対策に取り組むパートナー200社を目指して8月末まで登録申請を受け付けておりますので、より多くの皆さんにご参加いただきたいと思っております。
これは中間報告でございます。
続いて、官民連携のオフピーク通勤の実施でございます。
これは、時差出勤やテレワークの活用によって、朝の一番の渋滞のピークであります7時半から8時半の通勤ラッシュのピークをずらして、交通量の分散・抑制化をすることを、今年は9月ひと月かけてチャレンジしてみようということでございます。
先ほどの渋滞対策パートナー登録事業者に協力いただきながら、1日平均1万人を目指して頑張っていきたいと思います。
この結果は、データを用いて効果を測定して、取組効果の見える化をしっかりと果たしていきたいと思っております。
3点目は、渋滞解消に向けた熊本市とのトップ会談を行いたいと思います。
先日の渋滞解消推進本部でも、トップ会談をしたい、呼びかけるということになりましたが、日程調整がつきまして、まだちょっと先ではありますけれども、8月26日火曜日10時半から熊本市長とトップ会談を行わせていただきたいと思っております。
渋滞対策の取組みの状況、そして整備の効果、今後の具体的な取組みなどを熊本市長としっかり意見交換して、県市連携による対策の進捗を図っていきたいと思っております。
木村知事
くまモン入っておいで。
くまモンは皆さんご承知のとおり、「復興応援“絆”大使」ということになっておりますけれども、昨年8月にこの写真にあるように、馳知事とお会いした石川県庁や輪島市、珠洲市、七尾市、穴水町の施設を訪問して、被災地の方々との交流を続けて元気づけてまいりました。
また、11月に、これも石川県の七尾市で行われた「ゆるバース2024in能登」、ちくワンが優勝したんですけれども、これにも出場キャラクターの応援にくまモンが現地に行きました。
今年もまた8月に石川県を訪問して被災地を元気づける活動をしていきたいと思います。
具体的な日程は8月9日から11日まで、輪島市などの施設を訪問していきます。これまでは、高齢者の施設とか仮設住宅などが多かったんですけれども、今回はのとじま水族館とか、イカの像が人気ののと九十九湾観光交流センター(イカの駅つくモール)にも行くんですよね。
じゃ、くまモンから意気込みをどうぞ。
くまモン
みんなに元気とハッピーばとどけるモーン!
石川県のみなさん、今年もまっててはいよ~☆
木村知事
ということで、くまモンが今年の夏も石川県を訪問してまいります。どうぞ、報道機関の皆さん、現地のお仲間にお伝えいただければ嬉しいです。
さて、続いての発表、くまモンは同席してくださいね。
木村知事
昨年10月に食のみやこ推進局を設置させていただきました。そして、熊本県の農林畜水産物の高付加価値化・販路拡大を推進するためのビジョン策定に向けた検討を行ってまいりました。
これまでの会議を踏まえまして、本日、「食のみやこ熊本県」創造推進ビジョンを策定いたしましたのでお知らせします。
資料も置いておりますし、会見が終わった後、担当課が来ておりますので細かな質問はまたそちらでしていただければと思っておりますが、「熊本の「食」の基盤構築」、そして「高付加価値化と消費拡大」、「農・食関連産業の集積とイノベーション」という、この3つの方向性をもとに、「食のみやこ熊本県」の創造を進めていきたいと考えております。
また、同時に、こちらのくまモンがおいしい顔しておいしいと言っておりますこのロゴマークについても申請して利用できるようになっておりますので、ぜひ多くの皆さんご活用ください。
併せて、この「食のみやこ熊本県」を推進するために、熊本の食いしん坊の代表として熊本の食の魅力を国内外に発信するために、くまモンを「食いしん坊大使」に任命させていただきたいと思っております。
ではくまモンこちらにどうぞ。前に出てきてください。
辞令、「食いしん坊大使」を命じます。大使として国内外の皆さんに熊本の食の魅力を届けてください。よろしくお願いします。
辞令とともに、くまモンには食いしん坊大使としてのたすきを掛けます。
くまモンに「食いしん坊大使」を任命いたします。頑張ってね。
くまモンには出番がしっかりありまして、食いしん坊大使として、大阪・関西万博の九州7県合同ステージに出てもらいます。また、日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会という世界の美食家が集まる団体のガラディナーに10月ですけど出演させていただきます。
じゃ、くまモンさらに意気込みをもう一丁お願いします。
くまモン
熊本のうまかもんば、皆にたくさん食べてもらえるようにがまだすモーン!
木村知事
がまだしてください。くまモンよろしくお願いいたします。
さらに、くまモンの食いしん坊大使就任を契機として、県民の食への関心度、また理解をいろいろ深めていきたいので、県産食材を活用した「くまモンの食いしん坊弁当」というのを開発したいと考えておりまして、このメニューを一般公募したいと思います。8月中に募集開始しまして、後日県のホームページなどにお知らせしますし、報道機関にも投げ込みをしたいと思います。
来年の2月を目標として食のPRイベントを考えておりますので、そこに目がけて県民の皆さんの参画で食いしん坊弁当をつくっていきたいと思います。
以上でございます。
くまモンありがとう。
幹事社
よろしくお願いいたします。
まず私からは、最初にコメントされた長射程ミサイルの健軍駐屯地への配備についてお伺いしたいと思います。
今日国のほうに確認されて、配備先は決まっていないと、これから情報収集と国の説明を求めるという話だったと思いますが、この長射程ミサイルについては配備の必要性について、例えば他国の標的になるリスクがあるとか、専守防衛へのリスク、専守防衛の理念に反するとか懸念の声もあります。まだ配備先は決まっていないということですけれども、長射程ミサイルを日本に置くことについての是非について知事はどのようにお考えかお願いいたします。
木村知事
国防についてはやはり国の専管事項でございますので、そこはもう国に判断していただくことだと思っております。私自身が賛否を述べる立場ではないと思っております。
ただ、やはり県民が不安を感じる以上、そこに向けてしっかりと説明をしていくというのが国の役割だと思っておりますので、引き続き国に対して説明を求めていきたいと思います。
幹事社
ありがとうございます。
あと熊本には地対艦ミサイル連隊も配備されていて、中国や北朝鮮の軍事拡張を念頭に、熊本が安全保障上の重要な拠点になりつつあるというような状況だと思うんですけれども、これについての知事の受け止めをお願いいたします。
木村知事
熊本はもともと西部方面総監部という陸上自衛隊の西日本のトップがあるわけですから、もともとそういう意味では、防衛のための要衝であるということはこれはもう事実だと思います。ただ、やはりその防衛のための要衝であるということが逆にいえば色々な不安を県民が持つ可能性もありますので、やはり新しい動きがある際にはしっかりと国のほうから地元に対して説明をしていただきたいと思っております。
今回のところは、あくまでも報道の内容は、国のほうではまだ配備先が決まっていないということでございますので、やはり今後新たに配備が決まるとかであればしっかりと説明を求めていきたいと思います。
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幹事社
ありがとうございます。
次の交通渋滞のトップ会談についてお伺いしたいと思います。
8月26日に県庁のほうで熊本市長とのトップ会談をされるということですけれども、具体的にこの会談でどんな話し合いをされたいか、知事のお考えをお願いいたします。
木村知事
先日、県の渋滞解消推進本部では、主に県が道路管理の所管でありますセミコンテクノパーク周辺について、新しい具体的な対策箇所とかの話を詰めました。
ただ、一方で熊本市内については政令指定都市である熊本市が3桁の国道や県道の管理権限を握っていますので、熊本市と一緒になって、どういう取組みがこの熊本市内で今後展開されていくかというところについての具体的な今後の取組みを話し合いたいと思います。
幹事社
ありがとうございます。
交通渋滞についてはTSMCのCEOが以前、熊本の交通問題に対して懸念を示されるような発言もありましたけれども、交通渋滞についてはスピード感とか、より実効性のある、実感を伴うような対策が求められると思います。この会談を機に交通渋滞問題に対してどう知事としてこの問題を前に進めたいか、抱負というか意欲を伺えればと思います。
木村知事
やはりセミコンテクノパーク周辺、いわゆるJASMの立地する周辺だけが解消しても意味がないわけです。やはり県民の皆さんがTSMC、JASM以外も含めて、渋滞に対して長年の不満をお持ちであることは私も承知しておりますので、一番中核である政令市の熊本市と連携して具体的な効果、例えば今熊本市に移管して進めている西環状道路などの進捗具合がどういうふうに今後影響していくか、またその効果を最大化するにはどういうことをしていったら良いかとか、そういうことをしっかり熊本市長と話をして、熊本都市圏全体での渋滞解消につながる具体的な動きをしっかりと県民の皆さんにお示ししていきたいと思います。
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幹事社
私から一点、渋滞対策について聞かせてください。
今日発表にありました官民連携のオフピーク通勤に関してなんですけれども、1日平均1万人規模でのオフピーク通勤を実施するということが目標として定められました。これは渋滞対策パートナーに現在登録されている企業が基本的には全て協力をしてくれるのか、また200社を目指すということでこれから登録をされる企業にもこれには参加されるというのがある程度条件みたいなことになってくるのか、そのあたりをちょっと詳しく教えてください。
木村知事
はい、パートナー制度に登録されている企業等には当然参画を呼びかけるということで、これに協力することが義務ではありませんけれども、一番分かりやすい一緒にやっていこうというのがこのオフピーク運動であります。
ですので、この目標200社、現在102社のエントリーをされている企業さんには、ぜひ参加を呼びかけていきたいと思っております。
ただメインとなるのは、それとともに県や熊本市が率先してしっかりとやっていくということでございます。
幹事社
特に県として官民の企業の方の何社ぐらい参加してほしいという目標、人数的には1万人なんですけれども企業の参加数みたいなので目標はあったりするんですか。
木村知事
そこは明確にはございません。去年の県、熊本市、九州フィナンシャルグループで大体4,000人という感じでしたので、そこにもっと企業が乗っかっていってくれて1万人になればいいなという目標値でございます。
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幹事社
長距離ミサイルの関係で確認二点なんですけど、今日確認を行った先は正確には防衛省になるという理解でいいですか。
木村知事
防衛省本省でいいのかな、それとも熊本の自衛隊かな。
担当部署
九州防衛局を通じて防衛省本省に確認いたしました。
幹事社
その中で国に対して丁寧な説明を求めたいというご発言がありましたけれども、これは国に対して丁寧な説明を要望した、実際国に対してそういうことを言ったという理解でいいですか。
木村知事
今日の段階では事実の確認をしたというところで、新しい動きはないので、新しい動きがあるような時には、やはり求めていきたいと思います。私自身もこれから西部方面総監とかにお会いする機会がありますので、折々伝えてはいこうとは思いますが、今日はまず担当者レベルでの事実の確認でしたので。
幹事社
発表項目外で恐縮なんですけれども、20日投開票の参院選について伺いたいと思っています。
県内の投票率は59%と前回3年前から10ポイント近く上がりました。県民の皆さんが3連休の中日ということを考慮してもかなりの方が投票に行かれた結果だと思っております。県内のこうした参院選の結果について受け止めをお願いします。
木村知事
3年前に比べて投票率が約10ポイント近く上がったというのは大変望ましいことだと私は思っています。どんな結果であれ高い投票率があってこその国民の負託だと思っておりますので、全国的な投票結果は野党が大きく議席を伸ばしましたけれども、与野党問わず当選された皆さんには真摯な議論、そして国民の負託に応えていただくよう求めたいです。
幹事社
野党が議席を伸ばしたという話がありましたけれども、国をめぐっては石破首相が必達目標として定めた自公の過半数の確保とは達成されませんでした。その責任を取って退陣すべきだという声が県内の政治家の自民党の皆さんからある中で本人は続投に意欲を示しているという報道があります。この点について木村知事はどのようにお考えでしょうか。
木村知事
政治家の出処進退、ましてや首相の進退というのは大変重いことでございますので、ともかくこれは石破首相がしっかり考えて判断されるべきことでございますので、私からどうだこうだという立場にはございません。
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Q
今のに少し関連してですけれども、自公が過半数を割ったというところがありまして、政局の枠組みが今不安定になっているかと思います。物価高対策も選挙中は盛んに各党おっしゃられていましたが、今具体的にまだ何か見えてきているわけではありません。
こういった対策も県民にとっては大きな関心事でもあると思うんですけれども、知事として、この政局の早い安定であったりだとか、またどういうような枠組みというところが理想的だと思っていらっしゃるのか、そういったお考えをお伺いしたいです。
木村知事
やはり私もかつて霞が関の役人でありましたから思うのは、特にこの今の時期においては決められない政治だけは避けてほしい。やはり決めていく、安定かどうかは別にしても、決める政治をちゃんとやっていただきたいと思っています。
少数与党とか政権が少数の中で、いろいろな政策が年度末のバタバタで決まっていったような感じがいたします。
やはり私は議論を尽くして熟議をしていくためにも、しっかりとした枠組みを決めて政権を運営していただきたいというのが私の強い思いであります。
そのためにはやはり有権者また国民が今望んでいる政策を早く実現できる安定した体制が望ましいと思っています。
Q
それが自民党中心なのかどうかというところは、特別何か思われるところはないですか。
木村知事
国民の今の負託審判の結果がこの結果でございますので、そうした中でより多くの国民が納得する安定した体制を早く作っていただきたいと思います。
↑ページトップ
Q
先日TSMCの関係で日刊工業新聞さんが最大1年半ほど運用が遅れるというような話がありましてコメントも出されましたけれども、改めてその点についてコメントをお願いしたいと思います。
木村知事
JASMというかTSMC本体から第二工場の計画に変更はないということを聞いておりますので、私どもとしては変更はないという理解でおります。ですから開始時期がいつというのもそうですし、今年中の着工ということも含めてこれまでどおりというふうに認識しています。
Q
私も参院選に関連してですけれども、先ほど石破首相の退陣についてコメント差し控えるということでしたけれども、知事の石破政権に対する現時点の評価というところを何かあれば教えていただきたいと思います。
木村知事
石破首相とは私が昔、鳥取県に勤務していたことがあり、20年ぐらいのお付き合いをいただいていますので、人柄もそこそこ知っているつもりではあります。
ただやはり残念ながら少数与党という中で、まだまだ十分な成果を上げられているとは思っていません。どういう枠組みになるか分かりませんけれども、やはりより多くのことをもっとしていただきたいと思っています。まだまだ十分な成果を出し切れていないというところで、今回の選挙結果にもつながったなと思っていますので、ぜひ頑張っていただきたいというのが本心であります。
Q
ありがとうございます
具体的に期待する成果というところはどういったところを考えていらっしゃるかとかありますか。
木村知事
やはり国民が抱いている将来への不安に対する対応策を出していただきたい。それはもう端的に分かりやすくいえば、例えば米について、短期的に見ると米価が高いということの問題かもしれませんけれども、中長期的に見たらやはり農家がちゃんと米を作っていけるだろうかというところに対する不安がやはりまた農家サイド、または国民の中でも強いものがあると思っています。
ですので、そうしたこと、また物価高全般もそうです。ただ一方で経済が成長するということはある程度インフレで物価も上がっていかなければ利益も増えていきませんので、そうした中でもやはり十分でないということ、また物価が上がっていくことによって手取りが減ってしまうことによって、所得がそちらに回ってしまうことで、社会保障とか将来に対する国民の不安、賃上げがちゃんと実現できているだろうか、今後もできるんだろうかという不安など、様々な不安が国民の中にある。そこにしっかりと答えていただきたいと思います。
↑ページトップ
Q
ありがとうございます
もう一点、別件で最低賃金についてお伺いしたいんですけれども、国のほうで今最低賃金の改定に向けた議論が進められていますけれども、骨太方針で目安を超える最低賃金を行った都道府県に対して補助金を出すというような交付金などの支援を行うというような指針も示されていますが、それに対する知事の見解があればお願いします。
木村知事
たぶん以前の記者会見でも述べているので、そことも矛盾しないようにはっきり申し上げると、私は賃金を上げるのに補助金を出すというのは政策としてはあまり正しくないと思っています。賃金は企業の利益なりから出ていくものだと思っていますので、今の骨太方針は私は読みはしましたけれども、やや違和感を持っております。賃金が上昇してその分手取りが増えていくという好循環を生むためには、企業の利益なりが的確に賃金に反映されていくように企業に対して何かのインセンティブ、都道府県を通じて、とか行政から補助金を出すというのはちょっと違うんじゃないかなと。それは絶対に永続しないので。私はそこは疑問を持っています。
Q
食のみやこの推進ビジョンについてお伺いします。表にある重点7項目のプロジェクトというところで、食の発信を強化されるような印象を受けたんですけれど、特に今後取り組みたい事項ですとか今の課題とかあれば教えてください。
木村知事
ビジョンの中にもいろんな資料を入れているところですし、担当課からも説明しますけれども、やはり熊本は農業産出額では全国5位というのがありながら、食のイメージがある県となると、30位に近い、中位どころか下位の方に近いと思っていますので、熊本で農作物のとてもいいものを作っているところから、やはり食のイメージをもっと作っていく必要があろうかと思います。例えば県内で素晴らしい食を提供しているシェフの方にも光を当ててみたりとか、県外での販路拡大に向けた活動においても熊本の食とリンクさせて、いろいろな農産品を売り出していくということなどに努めていきたいと思います。
そこは私が一番気になって、なんとかこのビジョンの中でやりたいと思うという特に大きなところです。
Q
このタイミングでくまモンを「食いしん坊大使」に任命された理由といいますか、その辺をお伺いします。
木村知事
ありがとうございます。今までくまモンをそれぞれの食材のPRには扱っています。よく県産のイチゴとかいうとセロハンのフィルムのところにくまモンが描いてあって、熊本のイチゴだねみたいな感じが分かりやすくなって、これも全世界にいっているんですけれども、くまモンに大使になってもらったり、こういうロゴマークを使ってというところで、熊本の食全体をPRしたいと思っています。熊本県の食のイメージ作りにも、やはり熊本県をイメージするものとして、くまモンというのは圧倒的な訴求力があると思いますので、任命したところでございます。
↑ページトップ
Q
先ほど出たTSMC第二工場の関係でお尋ねなんですけれども、第一工場と比べてといいますか、第二工場が持つ意味を改めて知事にお伺いしたいんですけれども、より微細な製品を作る、そしてそれをきっかけに進出を考えている企業もあるというふうに私は聞いているんですけれども、改めて第二工場が計画どおりにできることの意義を知事はどう考えていらっしゃるか教えてください。
木村知事
はい、第二工場についてたしかに報道されている話やTSMCが発表している資料なんかを見るとやはりより微細化、6から7ナノのレベルということで、それがたぶんこれから今までの汎用品を使っていた自動車の車載向け機だったり、スマートフォンのセンサーだったりとはまた違うもの、または逆にいえばそれらのさらに進化系ができてくる。
例えば一番分かりやすいと言えばソニーさんのC-MOSセンサーで、例えばこの6、7ナノを使ってより高度なセンサーを仮に作るとなれば、これは熊本にとってとても大きな出来事になる。
今のソニーさんがまた新しい機能を足していくことになる可能性があるということです。ただどのような企業が第二工場をめがけてくるかはまだ分かりませんし、第一工場の時の話をちょっと振り返れば、台湾系のサプライヤーがより入ってくる可能性もあるというふうにも思っています。
これによってやはり熊本の新しい担い手、プレイヤーが増えていくということは、またこれもこれで興味深いことだと思っていますので、もともと第二工場自体が最初は第一工場の機能のプラスアルファと同じような機能になるという感じだったんですけど、まさにトランプ関税などの影響、TSMCはそうは言いませんけれども、それはゼロではない。例えば自動車の輸出が少し落ちる可能性があれば、やはり現在の自動車向けというよりも、より高度なもの向けになるとなれば、私はそれで望ましいことだと思っています。
Q
ありがとうございます。
あと県自治体含めて予定されている稼働開始時期にめがけてインフラ整備をされていると思いますけれども、時期が変わってくると、ここにかけるコストとかスピード感も変わるのかなと思うんですが、県の対応としては、現段階では全く変わっていないということでしょうか。
木村知事
第二工場の建設計画に変更はないというのがTSMCの思いです。むしろそれも含めて今でもかなりペースアップしていろいろやってきたので、具体的にいうと例えば中九州道ができることを見越して、中九州道から例えばTSMCの近くに接続しようとしている県が作っている道路ですと、令和10年度の完成を目指していましたので、第二工場の完成よりもまだ遅いです。今の予定では、第二工場の稼働がそれよりも早いんですよね。
ですので、今でも計画に向けてもまだちょっとギリギリなので、県としては今の建設計画を遅らせるということはないと思います。
Q
それは工業用水や浄水施設も同様でしょうか。
木村知事
工業用水にしてもJASMの第二工場だけが使うわけではなくて、それ以外の企業も使う予定としており、供給する工業用水がそれらの工場の全てを賄うものではありませんが、予定どおり工業用水も下水道も整備していく予定でございます。
Q
ありがとうございます。
最初のミサイル配備の関係で一点気になったんですけれども、報道では検討というか調整しているという内容で、今日国に確認されたのは決定していないという内容なんですけれども、これは矛盾していないということでよろしいですか。
木村知事
まず、報道の資料が手元にないんですけれども、少なくとも県とか地元住民とかに対して何らまだアプローチはありませんし、国は検討中と言っておりますので、たぶんそれは防衛省内また自衛隊内部でのお話なのではないかと思います。
Q
突然決定となる(というところ)。県と国の関係について興味があるんですけれども、決定してないとはいえ、調整あるいは検討しているとしたら、その段階で知事に相談があってもいいのではないかなというふうに思ったんですが、今検討しているか調整しているかという部分については今日確認をしていない、もしくはそこについては聞いていないということなんでしょうか。
木村知事
正確に申し上げれば、具体的な配備先については引き続き検討中であるというのが正式な回答ですので、たぶん内部では検討されているんでしょうが、例えば全国にいくつあるか分かりませんけど、候補地の中の一つに仮に健軍があるとして、そこになるかどうかについてはまだ今後だと思っていまして、今後、実際の配備を決定するにあたって、事前に国から私たちへのアプローチがあるかどうかは正直わかりません。やはり防衛は国の専管事項でもあります。または事前に相談があったところで、それを公表できるかどうかということもあります。ただ、今のところ、具体的な国からの調整は一切ありません。そういう状況です。
Q
せっかくの機会なので、もう一点だけお伺いしたいと思います。ハンセン病についてなんですけれども、戦時中に菊池恵楓園の入所者に投与された旧陸軍が開発した薬剤で、虹波と呼ばれるものがあるんですけれども、これについて恵楓園で入所者のカルテ調査が進んでおります。
この虹波については、副作用をともなう死亡例も出たというところで、人体実験というふうな批判もあります。熊本で起きたこうした人権侵害について、県としてどのように向き合っていきたいのか、お考えをお願いいたします。
木村知事
はい。菊池恵楓園等でのいわゆる虹波、事実上の人体実験については、私も報道で読みまして、非常に胸が痛くなるといいますか、ハンセン病の患者にそういうことをさせたという、当時の国、ないしはそういう軍の判断に、私はとても非常に憤りをもって今感じているところです。
私どもとしては、恵楓園の所在地である県として、辛い記憶、辛い出来事も含めて、しっかりと後世に伝えていく役割の一端を私たちも担っていると思っています。
菊池恵楓園等の入所者の皆さん、または国とも相談しながら、今後もそうした、負の歴史も含めて、しっかりと伝えていくべきだと思います。
Q
ありがとうございます。
熊本県は、ハンセン病問題については、他県と比べても偏見や差別の解消に向けて、啓発活動に力を入れてこられたと思います。
例えば、ハンセン病に特化した相談支援センターを作られたりとか、有識者で作る啓発推進委員会を設けたりとか、いろんな取組みをされていると思います。
この虹波について、県として、今後の啓発活動の一環で取り上げたりとか、国の方の検証作業、国の方に対して、県としての検証作業を求めていくとか、踏み込んだ対応を取られるようなお考えとかありますでしょうか。
木村知事
恵楓園の未来に向けた啓発活動については、まずは恵楓園の自治会の方とも連携しながら、これまでずっとやってきています。実際、今、県が主催で、恵楓園を知ってもらう旅というか、一日のツアーを今年も3回ぐらいやると思っているんですけれども、まずは自治会の皆さんや運営者の皆さんとも相談して、また虹波問題について私もまだ十分理解しておりませんので、中身を検証しながら、もちろん必要なもの、またはそういう痛ましいことについて伝えていく必要があるものについては、しっかりと検討して取り組んでいきたいと思います。
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Q
二点お伺いします。一点目は、TSMCの話です。第二工場の着工時期に関してこれまで様々な報道が出ておりますけれども、県としては、TSMCと直で情報を共有できるような体制というのはあるんでしょうか。窓口としてはJASMかと思うんですけれども、何かしら、もしそこに変更などが生じた場合、先に県なのか、JASMから情報が来るのかというようなところ、その情報共有関係というのをちょっと教えていただければと思うんですけれども。
木村知事
一応報道があるたびに、JASMを通じて事実確認を行うということです。そうは言っても、JASMはTSMCの日本法人でありますし、工場を作るのはJASMでございますので、実際にJASMから聞き取るということと、あと一応JASMの工場については、国から大きな補助金が行く前提になっていますので、経済産業省にも連絡があると思いますので、経済産業省にも確認しながら事実関係を行うということです。
直接やり取りを、JASMを飛び越えてやるのが良いのかどうかというと、そうはならないんじゃないかと。JASMを通じてということになります。
JASMとは非常に多く、月に何回もミーティングをやっています。なので、もし遅れるとかいうことがあればちゃんと連絡は来ると思っています。
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Q
ありがとうございます。
最後に、オフピーク通勤についてですけれども、去年が4,000人規模だったと思うんですけど、今年が1万人規模ということで、やはりこれは去年、一定の効果があったから、今年はもっと倍増して、その効果を検証するという意味があるのでしょうか。その辺の意義を教えてください。
木村知事
まさに去年の県と熊本市が中心となってやったオフピーク通勤運動で、特に県庁交差点(県庁通り入口交差点)とか、神水交差点とか、それぞれ効果があったと認識しています。
また水道町でも効果があったと認識しておりますので、それをより多くの人に参画してもらうことで感じてもらう。オフピーク通勤をすれば渋滞が減るんだ。そして自分たちも、そういうことで渋滞問題に取り組めているんだということを感じてもらおうと思っておりますので、そういう県民運動の流れになれば良いと思っています。
今回もしっかり検証して、どういう動きが起きるのかというのを後でまたデータでお示しし、さらに次の県民運動につなげていきたいと思います。
Q
ちなみに熊本市と県以外で、周辺の市町村で参画されるところはあるんですか。
木村知事
それはまだこれからになります。
お声は掛けていこうとは思っておりますけれども、やはり一番大きいのは熊本市内に入ってくる車の量が朝は多いと思っておりますので、熊本市と連携しながら、周辺自治体にもお声掛けはしていきたいと思います。
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