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令和7年7月17日(木曜日)10時00分~
日時:令和7年(2025年)7月17日(木曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
・台風4号による台湾南部への被害について
・「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー公募について
・DX実装サポートプログラムの開始について
・大阪・関西万博への出展について
・「くまもと新時代ゼミ」の実施について
質疑応答
質疑応答1 「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー公募について1
質疑応答2 「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー公募について2
質疑応答3 中国でのスパイ行為について
質疑応答4 「くまもと新時代ゼミ」の実施について
質疑応答5 参院選について1
質疑応答6 参院選について2
質疑応答7 参院選について3
質疑応答8 「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー公募について3
質疑応答9 「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー公募について4
質疑応答10 「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー公募について5
質疑応答11 国産牛肉の中国輸出再開に向けた交渉の本格化について
質疑応答12 インドネシア訪問の成果について
質疑応答13 中学校教科書の訂正について(熊本地震犠牲者に関連死含めず)
質疑応答14 トランプ関税について
まず、コメント項目外ではあるんですけれども、台風4号による台湾南部への被害が起きました。
7月6日の夜から7日の朝にかけて、台湾南西部に上陸いたしました台風4号によりまして被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
報道では農作物への被害がかなり多いというふうに伺っています。大変心配しているところでございます。本県の友好交流都市であります高雄市、また個別ということではないんですけれども大変関係が深い台南市が今一番大きな被害を受けていると伺っています。
この両市ならびに台湾の皆様には熊本地震そして5年前の7月豪雨で多大なるご支援をいただいています。その時には、私たち熊本は台湾からの支援に勇気づけられました。現在、台湾での被害の状況などを鋭意調査中でございます。
高雄市に在住している(本県の)アドバイザーがおりますので、彼または台湾人のコミュニティの皆さんを通じて情報を集めています。
県として、どのような支援ができるか、引き続き検討して参りたいと思っております。
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一点目です。熊本サイエンスパークの事業推進パートナーの公募についてでございます。
熊本県ではこれまで半導体企業の産業の集積という強みを熊本の持続的な発展につなげていくべく、今年3月に「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」をまとめさせていただきました。
このサイエンスパークは、単なる企業の集積だけにとどまらず、大学や研究機関を誘致して産学官の連携拠点を作ることによってこの半導体を使った新たな産業を、ここ熊本から生み出していきたい、そういう目的でビジョンを作りました。
その中の取組みの方向性の大きなポイントとして、この産学連携のイノベーション創発エリアを整備していくこと、そしてこのエリアにおける産学官の連携の推進、またここで開発許可とかワンストップで提供するパークマネジメント法人の設立などが、そのビジョンで方向性でも掲げられました。
それらの取組みを、民間事業者のノウハウ、そしてネットワークを生かして官民連携で推進していくための新たな事業推進パートナーを公募することといたしました。
この事業推進パートナーが県と連携して行う業務としては3点あり、1点目は、「イノベーション創発エリア」の選定、整備。そして、エリアの選定条件としては、ビジョンにも掲げていますけれども、セミコンテクノパークの周囲近郊エリアで整備規模は様々な大学や研究機関などを集積することを想定して、概ね20ヘクタール以上としています。
2点目で、その創発エリアへの企業大学研究機関の誘致も一緒に行っていただきたい。
そして3点目は、ここのエリアの維持・管理・運営を行うパークマネジメント法人を設立していただきたい。
この3点を業務とする事業推進パートナーを公募したいと思います。
公募スケジュールにつきましては、今日から企画提案の公募をホームページで開始しまして、12月1日まで企画提案書を受け付けたいと思っています。企画提案の締切りの後は有識者による審査会を開催して事業を選定していきます。その後、県と事業者の間で業務内容について協議して、協議が整い次第事業推進パートナーとしての協定を締結したいと思っております。
この事業推進パートナーの公募は熊本サイエンスパークの実現に向けた新たな第一歩だと私は思っております。
県としては選定された事業推進パートナーとしっかり連携して、サイエンスパークの中核となる産学官連携拠点をできるだけ早く具体化して熊本発の新しい産業の創出、産学連携の推進、そして地域の持続的な発展につなげていきたいと考えております。
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続きまして「DX実装サポートプログラムの開始」でございます。
熊本県は産学官で連携してDXを推進していこうということで令和4年の2月に「くまもとDX グランドデザイン」というのを作りました。そして、令和4年6月には「(くまもと)DX推進コンソーシアム」というのを立ち上げまして、イベントとかセミナーなどを行って参りました。
令和4年から6年までの3年間のDXに関する県内の企業の状況を、1,500社を対象にしたアンケートを行ってみましたところ、DXの理解度とか取組み状況はかなり向上してきて、DX推進の機運は高まっていたんですけれども、実際企業の皆さんからすると、「DXの実装にあたっての具体的なノウハウがわからない」とか、「担う人材が不足している」というお声をいただきましたので、このDXを加速化するためのDX実装サポートプログラムを本日から開始したいということをお話し申し上げます。
1つ目が、DXの実装を目指す企業のマッチングを支援する取組みを始めます。
課題を解決したいという県内企業と、課題解決を請け負いたい、協力したいという県内企業のマッチングを図っていきます。これをDX技術に関する専門員がサポートしていきます。本日から運用を開始しており、企業のお困りごとの常時相談を受付けしていきたいと思っております。ぜひご活用ください
続いて、企業のデジタル化DXを担う人材育成ということで、昨年度に引き続いて研修会を開催したいと思います。
昨年度も実施して今年度も全4回の研修と専門家の支援を通じて、AIなどを活用したデジタル改善プランの策定を支援して、DXを自ら推進できるリーダーを企業の中に作っていくことをサポートいたします。こちらは7月23日から募集を開始します。
今回のこの研修会は、定員20社40名を目標としておりまして、参加費は無料でございます。ちなみに、昨年度の受講企業においてはやはりそれぞれDXの推進度が大きく貢献しておりますので、DX人材の育成に関心のある企業や団体の皆様の積極的なご参加を願っております。
続いて、「大阪・関西万博への出展について」でございます。くまモン入っておいで。
万博のスペシャルサポーターでありますくまモンと一緒に、大阪・関西万博への出展についてお知らせいたします。
9月3日から5日の間、九州7県合同で大阪・関西万博に出展いたします。合同出展のテーマは「九州の宝を世界へ~Treasure Island KYUSHU~」ということでございます。
熊本県ブースでは、阿蘇の草原の魅力や守るべき価値、世界文化遺産登録に向けた取組みの発信をしていこうと思っております。
具体的には、阿蘇の雄大な自然を大型スクリーンで映したり、阿蘇の茅で作った椅子などを配置して、来場者の皆さんにくつろいでいただく。また、野焼きなどをVRで体験してもらおうと思っています。そして、阿蘇に関わる農産物や加工品を展示したり、阿蘇の天然水や食品のサンプルを配るなどして、阿蘇の世界農業遺産や食の魅力もアピールしたいと思っております。
また、九州7県の合同ステージがこの3日間行われまして、その中にはくまモンにも登場してもらい、(食の魅力を発信する)くまモンステージを行いたいと思いますし、県内唯一の国重要無形民俗文化財に指定されている球磨神楽の披露も予定しています。今、球磨神楽を含めた神楽はユネスコ世界無形文化遺産を目指しています。
これらの出展はもとより、万博開催期間を通じて、様々な場面で熊本の魅力をしっかり発信していくとともに、観光PRなどを通じて本県の誘客にもつなげたいと思っております。
それではくまモンから意気込みをどうぞ。
くまモン
大阪・関西万博で熊本の魅力発信をがんばるモン!熊本の皆も遊びに来てはいよ~!
木村知事
大阪・関西万博は非常に評判が良くなりつつありますので、ぜひ皆さん行ってみてください。そして、大阪・関西万博に来ているインバウンドの方も含めて熊本に引き付けていこうと思っております。では、くまモンありがとう。
続きまして、最後の四点目のご報告です。「くまもと新時代ゼミ」というものについてご紹介いたします。
県政(運営)の基本方針、「くまもと新時代」の実現には、地域への愛着とグローバルな精神を持ったチャレンジする人材の育成、これが欠かせません。(県政運営の)三つの大きな目標の一つとして「人を育てる」というのも掲げていました。
今回この熊本の今後を担う中堅の職員を育成していこうということで、これまでのやり方から飛び出す、所属の枠から飛び出す、現場に飛び出す、この三つの飛び出すを実践できる人材を育成するために「くまもと新時代ゼミ」を開催したいと思っております。
私をトップに、県職員だけではなくて、県職員と市町村職員と民間企業の職員の皆さんに参加いただいて、官民一体となったゼミ生40名で7回の講義を通じて、多くのことを学んでもらいたいということで、明日第1回を開催したいと思っています。
このゼミの特徴は、もちろん聞いて学ぶこともさることながら、この40名のゼミ生が5人一組になって30年後の熊本のありたい姿ということをテーマに研究をしてもらいます。30年後の熊本はどうあるべきか、どうありたいかということを考えたうえで、それを実現していくために今何をすべきか、これから何が必要かということを各チームで研究していこうと思っています。
講師陣はこのように県内外から熱い人たちに集まっていただいております。そして最終回には研究内容を、今熊本に必要な取り組みとして各チームごとに私に報告してもらおうと思っています。ともかく先ほど申し上げた飛び出す視点をもってゼミ生同士切磋琢磨して、県、市町村、民間が垣根なく、様々な異なる背景を持つ者同士、熊本に対して真剣に向き合っていくことで、彼らが将来の県や市町村やそれぞれの企業の核となって組織が活性化されて、くまもと新時代の実現に向かっていく、人作りの一助になれればと考えております。私からの発表は以上です。
幹事社
発表項目等いろいろありがとうございました。発表項目の中から一つだけ聞かせてください。
「くまもとサイエンスパークの事業推進パートナー公募について」です。以前の会見の中でこのイノベーション創発エリアに関して、賃貸ベースで土地を提供するというような方針もたしか発表があったかと思いますけど、その方向性にまず変わりはないのかということが一点と、おそらく企業の誘致とかそのあたりにもなってくるので、単純に考えると不動産の大手なども幅広く手を挙げるのかなとも考えますけれども、県として知事としてどういう企業を望んでいらっしゃるのか、そのあたり聞かせていただければと思います。
木村知事
サイエンスパークの事業推進パートナーにつきまして、詳細はまた後ほど私の会見の後、担当課からご質問にお答えする時間をしっかり設けさせていただきたいと思っておりますが、賃貸か売買かそうしたものも含めて提案を募っていくということでございます。そうしたあり方も含めてということです。
また、どのような企業が参加するか、もちろん大手のデベロッパーさんなどもあるのかもしれませんが、今回は開発というだけではなくて、そこに企業や研究機関を誘致すること、そして、そうした企業や研究機関が入ってくる際の窓口としてもワンストップサービス、パークマネジメント法人という新しい機能も付加していますので、たぶんいろいろなノウハウを持った方に入ってきていただきたいと思っております。
ですので、複数の企業が連携して入ってくることも考えられるかもしれません。
様々な企業の方に手を挙げていただきいろんな提案が出てくることを期待しております。現在言えることはそこまでです。
幹事社
この「くまもとサイエンスパーク」の発表があった時にも、おそらくお尋ねしたかと思うんですけれども、改めて想定というか、かなり幅広いというか、非常に想像しにくいところもあるかと思いますけれども、改めて木村知事の中で「くまもとサイエンスパーク」の将来予想図をどんな風に描いていらっしゃいますでしょうか。
木村知事
やはりサイエンスパークはTSMC、JASMが来ましたけれども、チップを作る工場を誘致するだけでは熊本の持続的な発展にはつながらないと思っています。
それが過去の日本の半導体が一回衰退したことも含めて、やはりその半導体を通じてそれを使った産業でさまざまなイノベーションが起きていく。特に日本の場合はまだまだアメリカや台湾と比べて産学連携が弱いというのもあります。産学連携の中でいろんな新しい産業が出てくる基盤を、この熊本に作りたいという思いでサイエンスパーク構想を打ち上げています。しかも、それに当たっては行政が全てを抱えるのではなくて民間のノウハウをいただきながら、その場所を作っていくということになろうかと思っています。
その点、私たちはやはりこの半導体産業が集積しているというこの熊本の今のメリットを生かして持続的な発展につなげていくために産学が連携して新たな産業が起きる場をここで作っていきたいと思っています。
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幹事社
サイエンスパークに関連してもう一点だけお伺いしたいんですけど、半導体のチップを使った産業という想定がある中で、これだけ社会課題が多様化している中で具体的にどういった社会課題の解決を望むのかというところをもう少し具体的に説明していただけると助かります。
木村知事
私も役人から政治家になった人間で、科学技術者ではないところがあって、不十分なところがあろうかと思うんですけれども、半導体というのは何かといえば私は人間の体の機能でいえば脳細胞みたいなものだと思っています。
逆にいえば、電池が心臓かなと思っていて、それは電池も大事だなと思っていますけれども、要は人間がいろいろ判断していくサインのいろいろな情報を処理していく機能をサポートしていくという点で、半導体が、非常に大きな優位性がある製品だと思っています。
ですので、今まで人間の力だけで頑張っていたところを、さらにそれをサポートできるものというか自動走行の車もそうですし、演算機能の情報処理でいけばAIみたいに過去のデータを自ら分析していく能力を持っていくものもそうでしょう。または、私は理想としているのはロボットとか医療の現場とかに半導体を使った産業がもっと入り込むことで人間の足りないところをさらに補っていくようなものができると、人口減少社会の中でも人間がより生活水準を高めて暮らしていけるんじゃないか。
そういう、人を幸せにする産業としての、半導体を使った新しい産業が生まれることを期待しています。
幹事社
そういった中で人口減少という言葉がありました。地方を中心に人口減少が激しい中でこの熊本が日本に先駆けるかたちで、こういったサイエンスパークを構想することの意義を改めて教えてください。
木村知事
先ほどの記者さんの質問にも少しお答えしましたけれども、日本は残念ながらこれまで産学連携が弱いのではないかと。アメリカのシリコンバレーとか台湾のサイエンスパークを見ていると大学や研究機関での素晴らしい研究成果が社会実装に生かされていく。それによって、人々の暮らしが豊かになる。または、厳しい立場に置かれている人の暮らしが改善するという、とてもいい効果がありました。
一方で、日本は基礎研究の方はすごく頑張ったんですが、研究のためだけの研究になりかねなかったところがあった。もったいないところがあったなと思っています。そういう意味で産学連携がこの熊本で広がることによって、新しい産業が生まれていく、または日本の持っている知的財産が、もっと社会の中で生かされていく、そのきっかけとしてこの半導体関連でその突破口が見つかっていくことを目指しています。
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幹事社
発表項目外から一点だけお願いしたいんですけれども、中国の北京で日本人の男性がスパイ活動をした後、懲役3年6ヶ月の実刑判決を受けたという報道がありました。
熊本では中国本土との定期便があるなど、ビジネス、観光での交流もあるかと思います。そうした動きへの懸念であったり、外交問題になりかねないこうした動きに対して日本政府に求める対応などがあればコメントお願いします。
木村知事
中国北京でのそうした事案があることは報道等で承知しております。
ただ、そこは外交問題ですので、政府において、中国のみならず世界各国における日本人の活動や安全が守られるよう、しっかりと政府間での交渉を期待したいと思っております。
ただ一方で、今回上海便が新しく就航することになりまして、中国と直接結ばれることになりました。様々な不安や懸念を持っていらっしゃる方もおられると思いますけれども、中国であろうが、またそれ以外の国であろうが、海外との深い交流を進めながら、しかし管理すべきところ守るべきところはしっかり守るということで、私の県知事としての立場を申し上げれば、やっぱり熊本県民の安心安全をしっかり守っていきたいと思っております。
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幹事社
二点教えてください。
一点目は発表項目の中の「くまもと新時代ゼミ」なんですけれども、こちら民間企業等8名の方が参加予定とありますが、これはどのように選ばれたんでしょうか。
木村知事
今回、実はホームページ等で応募したところ、応募自体は9名の方が応募があって、書類等での簡単な審査や、参加意欲があるかどうかを再確認する中でほぼほぼ皆さん全員応募された方、お一方はちょっと断念されたんですけれども、ということでございます。
そこはちょっと細かい基準は人事課に聞いていただきたいですけれども、なるべく多くの方に参画していただくことで選ばれたということでございます。
幹事社
じゃもうすでに県のホームページか何かで応募されてたんですね。
【担当課】
5月に県のホームページで公募させていただいております。
幹事社
二点目なんですが、発表項目外なんですけれども参院選についてです。
報道の情勢調査では、結構参政党の勢いがすごく出て、かなり議席を伸ばしそうです。
参政党は日本人ファーストを掲げて、外国人の流入規制や、社会保障の適用制限、生活保護の支給停止などを公約に盛り込んでいますが、知事は外国人との共生をTSMCの進出もあって掲げてらっしゃると思います。
今回の参政党の伸びに関して、思うところ感じるところは何かありますでしょうか。
木村知事
はい、選挙期間中でもありますので特定の政党に対する評価とかは避けさせていただきたいと思います。
ただ一方で、今回の参議院選を通じて外国人政策についてかなり議論が多いというのは、私自身も感じております。
ぜひ選挙戦残り3日間ですけれども、選挙戦を通じているのもそうですけれども、やはり外国人政策については、冷静に自らの置かれた環境をしっかり分析していただきたいと思っています。
私はやはり、外国人材なくして今の熊本の経済ないしは持続的な発展は見込めないと思っていますし、外国人材を含めた多文化共生の社会が必要だと思っています。
また、今回インドネシアを訪問しましたが、外国人材を適正に受け入れていくための基盤作りで行ってきたわけでございますので、熊本県としてはしっかり外国人材と共生し、暮らしていくという方向でいきたいと思っております。
繰り返しになるんですけれども、やはり冷静な議論、外国人が増えたから、犯罪【交通事故】が増えたというのは、データ上ないということを6月の県議会で県警本部長が答弁しています。その上で冷静に自分の置かれている環境を理解して、投票行動につなげていただきたいと思っております。
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Q
私も参院選の関係でお伺いしたいです。
自民党の鶴穂陽介参院議員が、先日和歌山市内の演説会で、「運がいいことに能登で地震があった」などと発言がありました。居住の推進を訴える文脈だったということですけれども、熊本地震や熊本豪雨などの災害を経験された県の知事としてコメントをいただければと思います。
木村知事
参院選というのではなくて、どんな時期であっても、政治家としての発言としてやっぱり不適切であったと思います。
能登の人たちの気持ちを考えると、本当に不適切な発言だと思います。
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Q
ニュアンスの確認でお伺いしたいのですが、今の日本人ファーストの関係、外国人政策の関係で冷静に自らの置かれた環境を分析してほしいというのは、これは一人ひとりの有権者が、ということでよろしいでしょうか。
木村知事
はい。選挙において、今、外国人政策が話題・論点になっていることは認識しております。是非有権者の人が、もしそれで投票行動を決めるのであれば、しっかりと事実に基づいて判断をしていただきたいと思います。いろいろなSNSとかで情報が来てもやっぱり一瞬考え直してとか、ちょっと別の観点を検索してみたりとかして、やはり自らの一票を投じるというのは大事なことですので、しっかりとそれぞれの有権者の皆さんが考えを練って情報収集していただきたいなと思っております。
Q
サイエンスパークの関係なんですけれども、最初に端的にお聞きするんですけれども、TSMCは需要のある顧客のそばで生産するという説明の仕方をよくするものですから今回の新しい産業を熊本で創出するというのは今後の工場誘致に向けた政策という側面があるものでしょうか。
木村知事
あると思います。それが全てではないですけれども、TSMCの次の工場、また、そういう意味だけではなくて、日本中の国内外の様々な半導体関連企業に来ていただくという意味においても、やはり新しい需要を国内で作っていきたい、また、熊本県内で作っていきたいというのが私の願いにあります。
Q
となりますと、例えばアメリカをイメージしますとNVIDIAとか錚々たる企業を、TSMCは意識していると思いますし、その時に、日本、熊本で新しい産業といった時に、例えばどんなところかというのが、まだイメージがつかなくて、前回はAIとかというキーワードも出たと思うんですけれども、可能な範囲で教えていただけますか。
木村知事
これも全てそれが約束されているというか、それを想定しているわけではないんですけれども、まさに今あったNVIDIAさんの日本法人に行ったことがあるんですけれども、お話しした時に、「NVIDIAを使ってAIで情報を処理する産業というのは、熊本にはどういうのがありますか」ということを問われました。
そんな話などを元に考えると、例えばくまもとメディカルネットワークみたいな医療情報を高度に処理するとなると、体に関する情報ですが、すごく繊細な情報がいっぱいいると思うんですね。
もちろん当然個人情報ですから本人のしっかりとした同意のもとに、そういう医療関連産業のためのデータ処理をするAIの企業、他の連携ができてくるような感じがいたします。
また、自動走行の車で言えば、人間だけが運転できるんですよね。目に入ってくる情報を脳で処理して、前の車との距離、左から右から入ってくる情報との全部を脳で処理して。その脳に代わるのが半導体だとすれば、やはり自動走行の車なんていうのは高度な半導体の処理技術がいるだろうということになってくると、やはり最先端の半導体が必要になると思っていますが、例えば考える研究拠点なんかが来ると、そこからまた新しい産業が出てくるとは思っています。
Q
イメージとしては半導体チップを作った後に、例えばNVIDIAだったり、あるいはGoogleのようなデータ処理をするサービスの企業だったりをいろいろ回って、その後に消費する企業とかも熊本にあるような、すぐにTSMCと取引きするような企業ではないということですか。
木村知事
すぐに取引するような企業が来ればいいですし、できればそういう企業とJASMさんあたりが連携していろいろな研究をここでやりだしたら、もっと具体的だと思いますので、そこはJASMさんとかまたはSONYさんを含めて、いわゆる半導体のグリーンイノベーション協議会のメンバーともよく相談しながら、連携できる研究機関、または企業のR&Dセンターみたいな研究開発部門が来ていただくとかそういうことも考えていきたいと思います。
Q
分かりました。
産学連携なんですけれどもサイエンスパークができたからといって、産学連携が進むというものでもない部分もあると思うんですね。特に国の政策や制度と関係する部分もあると思うんですけれども、サイエンスパークが産学連携にどうつながるかのイメージをもうちょっと教えていただけますでしょうか。
木村知事
まずアプローチの仕方として、大学側から考えると例えば今の大学の施設では、もう十分でない、新しい研究をやるには十分なスペースが確保できていないというときに、例えば、クリーンルームとかの機能も含めた施設が官民連携でこの場に整備されることによって新しい分室みたいな、当該キャンパスの分室みたいな研究機関をここに置くことができると思います。
または、その周辺に立地している半導体企業の研究部門について、自社での研究センターを置くのか、産学連携の研究のラボラトリーみたいなものを作るのか、というかたちで進んでいくんだと思っています。
あと、もう一つ申し上げれば、やはりたしかに日本の産学連携は、これまで進んでこなかったんですけれども、特に今、熊本大学は小川学長がおられ、県立大学には黒田理事長がおられ、新しいことをしていくことへの意欲を強く持っている大学のトップがおられますので、そうした方々とまた企業をつないでいく、または、国内外に、もしそれこそこれからなんですけれども、日本で新しい研究をやってみたいという研究機関等があれば積極的に誘致していきたいということになります。
これはもう5年、10年の中期戦略ですので、そうしたところをしっかりとやっていきたいと思っております。また後ほど担当課からもまとめてお答えします。
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Q
最後の一点なんですけれども、前回も伺ったような気がするんですが、サイエンスパークと言ったときに、台湾の場合は、むしろ国(公的部門)が用地を買って、公的部門や法律を管轄するところが管理局として直接誘致とか管理、アドバイスまでするというトップダウンであり、一元化というのがキーなんじゃないかというふうにも私は思うんですけれども。
今回、民間企業が入るということについて、それと逆の動きじゃないかなという気もするんですが、ここは理想と現実があるのか、それともこれがベストだとお考えなのか。
その辺はもう一度、詳しく教えてもらえますか。
木村知事
やはり用地を買収したりしていく過程は、私は公的というよりも、今、民間の力を借りたほうが早いと思っています。ですからベストというよりもベターだと思っています。
そしてまた、この運営法人、マネジメント法人をどうしていくかというのがこれからの議論でありますけれども、やはり許認可等の開発機能の前さばきも含めたワンストップ化にあたっては、行政の関与は私はある程度なければ成り立たないと思っています。
ただ、台湾の場合はやはり、かなり広い土地をもともと40年も前に開発しているところですし、今、最近の高雄のサイエンスパークなどですと民間がやはり先にやって、後から行政が乗っかっていくというパターンもあります。
ですので、いろいろなやり方がある中で、今の日本の状況を考えるとまた、熊本の置かれている状況を考えると、やはり何にもないところに行政ががばっと公共事業的に開発するよりも、民間がまちづくりをしていくという発想のもとに地権者の皆さんと相談していく方がベターではないかというふうに思って、このスキームで今進めているところでございます。
ただ、当然、法令違反とかそういうことがあっては絶対なりませんので、必要に応じて行政として管理・監督をしていくところはしっかりやっていきたいと思います。
幹事社
関連で「くまもとサイエンスパーク」について、二点お尋ねです。
地元の菊陽町でも三井不動産さんとか三菱商事さんと協定を結んで企業とか研究機関、キャンパスの誘致を考えているかと思うんですけれども、そうした町の計画との関連であったり、連携というのは想定されているのか。連携するとしたらどういったかたちで進められるのか、そのあたりをお願いします。
木村知事
菊陽町などでのそういう動き、またはそれ以外の地域での、自治体での工業団地の動きなどがあることは重々承知しております。まさにこの絵にあるとおり菊陽町が今やろうとしている区画整理との連携というのは基本的に視野に入れております。
ではどういう役割分担をしていくかというのは、やはりこれからの構想を練っていく中ですから、繰り返しですけど、この菊陽とかも一体となって全体としてサイエンスパークというのが、まさに分散型サイエンスパークですので、その中でのこのセミコンテクノパーク周辺でのこの産学連携拠点というのは、こちらがやろうとしている地の拠点とは少しイメージが違ってくることになるのかなという、これは私の個人的な意見です。
例えば菊陽町ですと「駅が近い分、何かこういう機能が必要」こちらの場合ですと「企業に近い分、こういうのがある」とか、そういう役割分担は出てくるんだと思っています。
ただ繰り返しですけど、事業主体につきましては公明正大で選んでいきますので、菊陽や他の団地がどういう企業が入っているかということは基準にはなりません。
まずはこのサイエンスパークの、今回はこのイノベーション創発エリアについての企画・提案を募っていくということになります。
幹事社
改めてなんですけれどもパートナーとなる民間事業者との協定締結や、その後の整備のスケジュール化の目標みたいなのがあったらお願いします。
木村知事
12月1日までに4ヶ月半くらい時間をおいてしっかりと提案を募りたいと思っています。そのうえで、しっかりと審議会みたいなところで検討して、パートナーとなっていきます。ですので、時間をいつというふうに区切るかというのは、できれば年度内ぐらいにはしたいなという希望はありますけれども、やはり長期にわたってやっていきますので、まずは12月1日という期限のみ今回お示しさせていただいて、丁寧かつ慎重に審査をしたいと思っております。
改めてですが、年度内に決めているわけではないです。できる限り早く協定は締結したいなという気持ちはあります。
Q
以前、アクセス鉄道の開通とか、そのあたりを睨んでの整備というのも少し言及があったかと思うんですけれども、そういった部分は変わりないというふうに考えていますか。
木村知事
はい。事業提案の中でもスケジュール感も含めたご提案がいろいろなのがあろうかと思っています。
私たちとしてはできればアクセス鉄道とか、または中九州道の完成、またそれに伴う周辺道路のインフラの整備がたぶん3年後とか5年後とか、アクセス鉄道とか8年後かな、その3、5、8ぐらいになっている中で、どういう提案が出てくるかということをちょっと、もちろん、いいもの、ただ早いだけがいいというわけでもないと思います。いろいろ今後審査していく際に丁寧にやっていきたいと思います。
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Q
アメリカとの関税交渉の見通しが不透明のなか、中国へ国産牛の輸出ですけど、BSE以来24年ぶりに再開に向けて動き出していますけど、熊本としても期待できるんでしょうか。
木村知事
はい、これまで中国との輸出実績は無いと聞いていたので、最後に畜産課に確認していただきたいですけれども、やるとしたら、初めてのチャレンジになるのかもしれませんが非常に期待をしています。
やはり今、上海便も飛び、あれだけ大きなマーケットで、しかも昔と違って中国は大変経済的に豊かになったので本当に富裕層をめがけて、いい値段で県産牛が売れたらとても素晴らしいことだと思っています。県としてもしっかり情報収集をして、またこれから政府間レベルでの基準とかの協議が始まると聞いておりますので、動向を注視しながら、なるべく県はその流れにしっかりのっていきたいと思います。
Q
関連なんですが、知事はインドネシアに行かれたということで、一つの目的として県産品の輸出のリサーチというのがあって、現地の流通関係者とも面談したと思うんですが、何かその手応えとかございましたでしょうか。
木村知事
インドネシアでは日系スーパーで、ジャカルタでかなり手広くやっておられる、パパイヤフレッシュギャラリーさんというところに行かせていただいて、そこの創業者の日本人のオーナーの方とも話をさせていただきました。非常に日本食品に対する信頼が高いということも分かりました。
当然、一方でハラルの規制がありますので、あとイスラム教徒とヒンズー教徒といろいろな方がおられますので、そこら辺は留意することが多かったですけれども、熊本県産品の感触が良かったので、ぜひ今後、しっかりと次につなげていきたいと思っています。インドネシアも大変期待できるマーケットと思っています。
Q
一部報道で中学校の歴史の教科書の中で熊本地震の死者の数が50人であるというところで、関連死を含めた数の記載がなかったということが分かったと思います。
この点について、誤解のない表現内容に訂正をしたいという方針を出版社さんも出していらっしゃるんですけれども、熊本県内の教育現場でも採択されているようだということもありますので、知事の受け止めをお聞かせください。
木村知事
はい、誤った数字が出てしまったことは、やはり即座に訂正していただきたいと思っております。
他の地震とかは災害関連死も含めた数字なので、ちょっと見れば分かるんじゃないのというのが正直な感想です。ただこれまであった、要は水俣病に関する事案のように人権侵害に値するひどい案件とまでは正直私は思っていません。やっぱり、ちゃんと事実に則して直していただければ、もうそれでいいと思っています。
ただ、ぜひ、しっかりと注意していただきたいし、もちろん私どももいろいろな発表資料でミスすることも最近多いですから、改めて私たちも含めて、行政の数字の取り扱いを、しっかりとチェックしていきたいなと思いを新たにしました。
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Q
先ほどの関税の件で一つだけ、牛肉などで従来の倍の50%の関税になるという話もあって、まだ見通しというのも、追加関税は分からないところがあると思うんですけれども、そういったところの影響で心配なところというか、そういったところをちょっと教えていただければと思います。
木村知事
トランプ関税の影響については、私ども細心の注意を払って、商工団体、または農業関係、農林畜水産業関係の皆さんと連携をとっています。
報道等にもありますように、やや先が見えないところでの不安を抱えている方が多いと聞いています。
また、商工関係でも作りましたいわゆる米国関税枠対応の融資の案件も出てきたようですので、やはりそれなりの影響が出てきていると思います。
県としてもしっかりと情報収集に努めて関係機関の不安を払拭していきたいですが、まずもって政府間でしっかりと交渉いただきたいと思っております。
Q
今までは製造業とかそういったもの(を対象とした融資)が中心だと思いますが、(今回の融資案件は)農業関係とかそういったものなのでしょうか。
木村知事
それについては製造業関係です。
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